こんにちは、ストロング宮迫です。
先月も、そして今月も、祝日や連休がありましたので、それらの連休を含む先月と今月はグッと勉強時間を増やす機会もあったし、相当な時間を勉強に費やせたはずです。
もちろん頑張りましたよね?
もう10月も中旬。これから特に中学受験は高校受験よりも一足先に第4コーナーを回り、ラストスパートに入ります。他塾の模試を受ける機会も増えるでしょう。
ただし、「とりあえず受けに行ってみる!」なんて考えでは通用しませんぞ。それほど甘いものではありませんからね。
準備して臨む。準備すれば、少なくとも、その準備が良かったのか悪かったのかは判断できますからね。
さて、小6の受験生の親の方からメールをいただきました。
小6 シュージマンさん
いよいよ10月、入試まであと100日を切りました。
・
・
・
ところが、今日、「なんか勉強やる気がしない」と言い出しました。「ついに来たか…」という感じです。
もともと息子はガッツを出してやるタイプではなく、なんとなくやっている感がありました。
志望校については、本人の意志(といっても学校見学に言って、なんとなくの雰囲気で決めた)で●●中学を目指していますが、それとて、「絶対行くぞ!」という様子ではなく、「まぁやるか…」程度の印象です。
毎日よく頑張っていること、パパとママは一人っ子のお前が将来一人で生きていけるよう応援していること、資源がない日本の未来はお前たちの頭で切り開いていかないといけない、などを感情的にならないよう話しました。
息子は聞いているのかどうかわかりません。少しふてくされた感じも見受けられました。
ただ、親として、一分、一秒でも大切にしたいこの時期にこんな状況なので、少しイラッともしました。
今後、どのような状態になるかわかりませんが、なにか注意すべきことがあるでしょうか。
皆さんなら、どう答えますか? どう考えますか?
あの手この手でお子さんにメッセージを伝えようとするシュージマンさん。皆さんもあらゆる角度から「言って聞かせる」ことでしょう。
しかし、今の受験生の「なんか勉強やる気がしない」は、ちょっとした言葉ではなかなか動かされません。
特に将来を見据えた
お前が将来一人で生きていけるよう応援していること
資源がない日本の未来はお前たちの頭で切り開いていかないといけない
などのメッセージは子供の耳に入っていかない場合が多いように思います。
今は「将来・・・だから、頑張る!」の心境じゃないからでしょうね。「将来なんて来てもいない未来なんぞ、知らん!」と。
それよりは「今」から逃げ出したい!少しでもラクになりたい!
一言でいえば、そういう気分なんかじゃないでしょうか。
じゃあ、どんなことを言えばいいんですか?と。もうこれまで散々言ってきましたよね?
志望校の決め方が甘かったかも?なんて振り返る時期でもありません。
やれることは、ズバリ勉強すること!
これしかありません。ガッカリしました?
いや、そうじゃなくて、子供が「今日はなんか勉強やる気がしない」と言ってるんだって!?
ならば、「やれることは勉強すること!」の言い方を少し変えて、
やれることは、ズバリ勉強させること!これしかありません。
さっき「この連休は相当な時間を勉強に費やせたはず」と書きましたが、難関校を目指す子供たちは土曜・日曜・月曜の連休で、約40時間近くの家庭学習を行いました。
「ワーイ、連休だ!」どころじゃなく、「連休かよ、トホホ」です。「近頃は連休が多すぎる!」なんて愚痴る子供も・・・
しかし、テストがない日曜日はやってくる!塾があった子供たちもいたでしょうが、やっと取れた時間を使って今週以降の模試の対策を、復習をガリガリやった。
塾を休んで、今必要な家庭学習をやった子供もいた。泣きたかったことでしょう。叫びたかったことでしょう。ストロングの耳元で「ぶっ殺してやる!」と聞こえたような・・・気のせいか!?
地域によっては年に一度のお祭りがあった地域もありました。ワッショイ!ワッショイ!ピーヒョロロと笛が鳴るのを聞きながら、歯を食いしばって勉強をした。
勉強をやっている子供も辛いでしょうが、そばで見ている、勉強をやらせている親だって相当きつい。
自分が鬼になった感じがしますから。塾に行ってくれて家にいないほうがよっぽどラク。
でも、やるしかないんです。
だって、「今日はなんか勉強やる気がしない」からやりませんでしたでは、
「今日はなんか勉強やる気がしない」けどやりましたという子供には勝てないですから。
ほとんどの子供たちが「なんかやる気がしない」のです。
でも、それでもたったこの3日間で40時間机に座ってやっているんです。
もちろん机に座って、こっそりマンガ読んでるわけじゃありません。そばに親が、家庭教師が付いているわけですから。
ガリガリやらされている子供たちに「将来の夢」も「自立」もありゃしない。あるのは「逃げたい」けど、「逃げられない環境」だけです。
もちろんそこに至るまでに
絶対合格するんだ!
志望校へ行きたいんだ!
という徹底的な意思確認があり、念押しがあり、これまでの費やしてきた時間と積み上げてきたものがある。
無理やりやらされていると感じる親の方がいるかもしれませんが、
「やる」と決めた子供があってのことですからね。
だって本気で逃げようと思えば、「やってられるか!」って、逃げちゃえばいいんですから。身体を拘束して、やらせているわけじゃない。
自分で決めた志望校だけど、行きたいとつい言っちゃったボクだけど、しんどいから逃げたいわけです。そういう子供たちに「逃げられない環境」を与える。
与える親が一番しんどいとボクは思います。
それを乗り越えてきた者だけに、受験を控えて、さあ!という時、
ボクは死ぬほど頑張ってきた!
私は逃げずにやってきた!
と心底思える権利が与えられる。
ガリガリ、ギリギリやっていない子供にいくら自信を持ってやりなさい!と言ったって、自信なんか湧き出てはこない。だって、そこにはなんの裏付けもないのですから。
模試だってこれから判定が出る。思わぬ悪い判定が出ることだって結構ありますよ。子供にとって模試の判定は、ある種の「宣告」に近い。
判定が悪く出た時、どうしますか?
「大丈夫よ。あなたはこれまで頑張ってきたんだから」
本気でそう言えるのか?
ガリガリ、ギリギリ、泣きながらでも机にかじりついて勉強した、勉強をさせた子供たちには言えますよ。
一旦は落ちこんでも、ここまでやって負けてなるものか!そういう気持ちが必ず心の底から這い出てくる。
同じ言う言葉、話でも、その意味は大きく違います。
なので、「今後、なにか注意すべきことがあるか?」の問いの答えは、やれることは、
今日はなんか勉強やる気がしなくても、勉強すること!勉強させること!
これ以外ありません。
たとえば、1日12時間勉強させたら、やらせた親が泣きます。
「頑張ったねえ。すごいねえ。」と心から言える。それが3日!
自信とかいうものは努力に裏打ちされたものだから、力になる。
子供が今持っている「自信」は、これから受験の足音を聞きながら、そのメッキがはげるか、さらに膨らむかの2つに1つ。
親にはしんどい季節がやってきました。ボクも辛いです。
しかし、その先で得られるものはまた大きい。
それがあるから、ご褒美があるから頑張れる。
だからといって、特に最難関校の場合、その努力が必ず報われるとは限らないんです。厳しすぎる現実。
しかし、繰り返しますが、その先で得られるものはまた大きい。それは決して「合格」ではなく、もっともっと大きなものです。
歩んだ人だけが共有できる。そういうものなんです。
受験が終わったあとでそれがなんであったか、ぜひ聞かせて下さいな。
ちなみに、「なんかやる気がしない」病が出るこの時期、灘中学校に合格した子供がこの時期になってプラモデルを始めた。その子曰く、「無心になれて気持ちが落ち着く」と。
12時間勉強するからって、息もしないわけではありませんからね。フッと息をつけるなにかは必要です。
あなたのお子さんがフッと息をつけるものってなんでしょうか? もうわかっていますよね?
先日話したお母さんはこんなことを話されていました。
「アロマオイルをあたためて匂いをたたせる」と。
ヘェー!?
「その中で好きな匂いを勉強するときに焚くようにしています」と。
ホーー!?
ボクは聞きました。「それって実際のテストで効果あるんですか? 試験会場でアロマってわけにはいきませんよね? それとも教室でこっそりやっちゃうんですか?」
お母さんの答え。
「ハンカチにニオイを含ませて行かせています!」
ハーー!
とっさにボクも自分のハンカチ出して、ニオイを嗅いでみました。そりゃあ、気のきく奥さんです、ウチの奥さんは。
くるかな、アロマ!?
オェー!汗くさー!!!
たぶんしばらくポケットにずっと入っていたままだったんだと思います。
帰って、その日の出来事を話して、こんな目で
謝ってましたよ、謝り方はこんなだったけど・・・
8・9月号で「学力はそのままで点数を上げる受験テクニック」
10月号では「受験3か月前に家族で話しておくこと、子供に話しておくこと」を、
そして、10月20日発送の11月号では
「受験1ヶ月前に親がすべきこと」と題して
「科目の勉強から単元の勉強へ」
「この時期の塾との付き合いかた」
をお届けします。
ちょっと気が早い感じがするかもしれませんが、ゴール地点をイメージして駆け抜けてほしいと思っています。
今週末10/17には四谷大塚の合不合判定テストがあります。
合不合判定テストの難易度は上がってきており、8・9月号の「学力はそのままで点数を上げる受験テクニック」を使わなければ、お子さんが持っている実力以下の点数や偏差値が出る可能性は大です。
第1回のテストでそうであったなら手を打って臨むべし!
打ち手が必ずうまくいくとは限りませんが、本番までに試しては実行の場数を踏んでおくことが入試では必須です!!