早速、読んでいただいて私のバズーカ砲を受け止めていただきましょうか。
前回に引き続き、今回も小学生のお子さんの相談ですが、子供を持つ親の方すべて、また子供に対して高い関心と期待と意識を持っている方にぜひ読んでほしい内容です。
高い意識で頑張っているそのhonuさん。今親子ノリノリ勉強法を実施中なんですが、いろいろトライされている中で、問題の1つに「子供の勉強に対する負の意識が強い」というのがあるようです。
これは親が高い意識を持てば持つほど起こりうる、親の意識が高ければ高いほど場合によっては子供が負の意識を持ちやすい問題とも言えます。
以下、ノリ勉におけるストロングのある日のhonuさんへの返信です。
ノリ勉をやっている方への返信メールですから、少しわかりにくい部分もあるかと思いますが、一部加筆してできるだけわかりやすくお届けしますのでお付き合いください。
大きくは「親は勉強を教えない」「子供の目線で」というのがテーマです。
皆さんの参考になれば幸いです。それではどうぞ!
————————
小4 honuさま
ストロングです。悪戦苦闘を続けてらっしゃるとのことでなによりです(^ε^)-☆
さて悪戦苦闘をするのはいいんです、それで成果が上がるなら。
でも、悪戦苦闘して成果はなく、親子関係が悪くなったとなれば、やらなければ良かった・・・となってしまいます。
そのあたり、今、honuさんは分岐点に来ていると思うのです。その分岐点をどう考えるか?
それが今回のノリ勉なんだと思います。
別にノリ勉のやり方でなくても、うまくいく方法があるなら、そちらでやってもらって全然かまわないとストロングは心から思っています。
ただここまでノリ勉をやってこられて、どうでしょうか。手応えというか、確信というか。ないんじゃないかな? そうストロングは思ってるんです。
で、honuさんからの報告を読んでみて、なんでうまくいかないんだろう?と昨日からストロングはずっと考えているんです。
honuは、もう何年もお子さんのそばについてやってきたわけです。中学受験はやめたそうですが、勉強面に関して、この数年非常にフラストレーションがたまっているのではないかとも想像します。一生懸命やってこられた分、そのストレスたるやいかばかりかと。
なので、このノリ勉でいただいた2回の報告を読んで感じたことを書きます。
想像で書いている部分もあるので、当たっていないこともあると思いますが、今、目の前のノリ勉でのお子さんのリアクションだけでなく、これまでの勉強についても思いを巡らしてみてほしいと思います。
たとえば、
自分が選んだ問題はなんなくクリアしましたが、
私が選んだ問題は、すべて×間違いだと聞いたとたんに
「かあちゃんが選んだからだ!かあちゃんのせい、できない。」
と、いつものぐずぐずモードで・・・
とこれはいつも割と起こる現象ですよね。
そこでこれまたいつもの流れで、
考え方を説明しようとすると、
「解説きらいーーー。ギャーーーー」
なんとか、なだめすかして、説明し・・・・・・
とする。
ノリ勉でも『10の鉄則』でもストロングが一貫してお話ししているのは、親は説明しない方がイイですよ!ということです。
もちろん問題について研究し、次学年以降の問題の出方などを知った上で、今はこういうやり方でやるのがイイと研究している方。また、教え方について常々塾講師並みに頭を悩ませている方であれば、説明してもいいんです。
でもですね、たいてい親の説明というのは、うまくないんです!残念ながら(≧◇≦)
100歩譲ってhonuさんの説明や解説がかなりうまいとしましょう。しかし、この何年かやってきて、説明しても説明しても、子供がわかってくれない、うまくいかないという場合、「うまい説明」では、ダメだということだと思うんです。
「もっとうまい説明」や「さらに優れた解説」を研究するのではなく、それなら、思い切って説明しないやり方で勉強を進める方がいいのでは?とストロングは思います。
ストロングは授業中、汗だくになって機関銃のようにしゃべって解説してました。
ストロングは頑張った!疲れた!大満足!こんな一生懸命な自分(ストロング)を褒めてやりたいって!
しかし、成績は・・・・
タイガー山中は授業中、汗なんかかきません!しゃべるのは最低限。
最低限だけしゃべって、あとは「おまえはどう考えるんや?」と言って、子供が問題を見ている目線をじっと追う。頭を振り絞って考えて答えるのは生徒。
生徒は頑張った!疲れた!大満足!こんな一生懸命な自分(生徒自身)を褒めてやりたいって!
もちろん成績は上がりますわね!だって時間中、子供に考えさせられているんですから。
そういうことなんです。
具体的には親が説明しないでやる方法はノリ勉で言えば4・5日目のプログラムになります。
説明しないというのは、一切言葉を言わないというよりも、補助する立場を確立するということなんです。
もっと完璧な説明、もっとうまい説明を考えるより、どうやって子供の頭に収めていくかを考える。
説明してウンウンわかったと子供が言って、問題をやらせてみたら、できないということはたびたび経験されていると思います。それは子供の頭の中にちゃんと収まっていないから。
収めるというと難しげに聞こえると思いますが、言い換えれば、なぜそうなるかを子供自身の頭で考えさせ、子供自身の手を動かして問題を解くのが一番だと言うことです。
「目」で追って、「手」を動かして、「口」で声に出して言って、その自分の声を「耳」で聴く。いわゆる五官をを使ってというやつです。
親が説明で一方的にしゃべるよりも、子供に発言させる方が、子供に説明させるほうがいいし、親の説明を聞くくらいなら自分の手を動かして書かせた方がいい、そうストロングは思っています。
親もラクですし!
ぜひこの観点を頭に入れて今日からやってみてほしいのです。
「あーーーん、わからない!!」となったときにすぐに説明しない!これがまず第一点です。
ただこれまでの流れも蓄積もあります。親がなにかを変えても、子供はいつものパターンだと勝手に判断して「ワーーン」とわめいたり、泣いたりする可能性は大です。
が、今までと変えるんだという気持ちでやってみてほしいと思います。いつものパターンに戻らないという固い決意で!
それともう1つ、honuさんに考えてほしいことがあります。
今、honuさんからの過去のメールを読んでみました。
自分でお書きになっていらっしゃるのでよく覚えていらっしゃると思いますが、この3年間、お子さんは同じような反応を示していると思いませんか?
たとえば、
今回のノリ勉にはこういうのがありました。
まだ、×にすごく抵抗があるんだなー、とこれまで間違うのは悪いことじゃない、間違わなきゃわからない事もいっぱいあるし、間違った時にどうするかが大事なんだと言い続けてきましたが、どうしてもダメなようです。
間違える→やりなおしさせられる=やる事が増える
これが、平気になってくれるといいんですが。
それ以外にも
ものすごい抵抗を示しました。やる気まったくなしです。
「テスト」という言葉に異常に抵抗感を持っているので、×もついたし、すっかりテンション下がってしまいました。
「宿題きらいーー。勉強増えたーーー。」と泣き叫びます。
「宿題」という言葉にも、異常に抵抗感を持っています。
などなど勉強や宿題に対してお子さんは、非常に恐怖感を持っているように感じます。
だからこそ、「間違えてもいいんだよ、間違えたときにどうするかが大事なんだよ」と非常に大事なことを繰り返しお子さんに話されています。とてもいいことです。
また、
呼び止めて、どうしてこの勉強法をしているのか、
どうして塾や中学受験をやめたのか、
勉強をそこまで嫌いじゃなくできるようになって欲しい、
嫌いは嫌いでしょうがないけど、
もう少しいい状態でできるように、今、このプログラムにトライしている事などを話しました。
これを見ても、honuさんが持って行こうとしている方向は間違いないですし、それでいい。ストロングだって、同じ立場なら同じことを言い、同じことをやろうとするでしょう。
honuさんは、「やるべきことはやっている」!しかし、子供はそれには反応せずに、きらい!いやだ!となっている。
なぜか?
そこでこれがもう1つの提案です。
honuさんは教材選びも気をつけられていると思います。が、もう一度、お子さんにとってはハードルが高いものになっていないかということを再度考えてみてほしいのです。
honuさんは、
ノリ勉の冊子も先輩のお話も、よーく読んで、問題選びも慎重に。
2年生からやり直す事にし、かけ算ならできる、と言っていたので、最レベ2年生のかけ算の範囲に。
と、4年生なのに最レベとはいえ、あえて2年生のものを選んでる。
最レベは「最レベ問題集」のことですよね。
ただですね、今のお子さんにとって・・・
今のお子さん、「勉強がいやだ!やりたくない!」となっているお子さんにとって、下の学年の単元でも、深く考えさせる問題というのは、なかなかハードルが高いんじゃないかと思うんです。
書いていらっしゃるように
例えば、
3×4+3=3×□
の□に入る数字を答える問題。
ちょうど選んだ問題に「かけられる数」「かける数」も出てきたので、それを使って考えて欲しかったのですが・・・・
これなんかとても大事な問題ですよね。我が子には、ぜひよく考えてほしいし、きちんとできてほしい問題です。
ただ、イヤだ!キライだ!となっているお子さんにこの問題をいろんな角度から考えてみよう!というのはハードルが高いと思うのです。
ちなみにストロングですと、この問題、「う、う、う~」と、うなってる生徒に対してヒントもあたえずに、いきなり
「答えは5!」
なんて先に正解を言っちゃいます。
もちろん、続きがありますよ。ここが重要!
「なんで答えは、5なんやろ?」
と聞くわけです(^_^)
4に1を足して5なのかな?なんて考えながら、
3×4+3は、3+3+3+3+3と同じこと
そして、
3+3+3+3+3は、3×5と同じこと
に気づかせるわけです。
ここまでできて、類題を解かせる。
タイガー山中ですと、たぶん
5×4+121×5=5×□
なんかで仕上げとするでしょう(^_^)
大事なのは、今の本人が理解できるレベルまで落として問題を解けるようにしておいてから、さらに上を目指すことです。
スタートのレベルは低くても問題ないわけですからね。
レベルの低い問題やカンタンな問題は決して「悪い」わけじゃないってことです。ここを間違うとレベルの低い問題やカンタンな問題が「悪者」になり、それに触れるのはダメな子供、できない子供はもっとダメな子供になりがちです。
だから、選ぶ教材を一度吟味して、最終的には最レベ問題集をできるようにするという目標の中で、改めて教材についてもう一度考えてみてもいいのではないかと思うのです。
親子で掛け合いしながらやっていってはじめて楽しいし、すごいそんな考え方もできるんだねなんて褒めてもやれるわけです。
その素地がない中で、
「どう考えられる?」
「もっと考えてみて!」
という持っていきかたは、なかなかうまくいかない。結局、「こうでしょう!もう。わかるはずよ!」なんてことになりかねない。
高い意識を持っているからこそ、持っているならば、子供の目線にまで降りていってやって、「できる!いける!わかる!」というものを引き出せる位置まで目線をさげてやる。
寝る前にまた「今日もかあちゃんの話はないの?」と聞いてきました。 もちろん、しっかり褒めておきました。
おもしろい事に、ノリノリで出来た時には、聞いてくるようです。こうやって、毎日、聞いてきてくれるようになるといいなー、と思います。
honuさんのお子さんは、決して勉強したくないんじゃない、キライでもない。
親の意識が高いから、ハードルが高くなる。ハードルが高くなるのはいいんです。ただそのハードルが高ければ高いほど、高いハードルに至る過程はよく吟味してそのステップもよく考えていかないといけません。
今詰まっているのはその過程で設定しているハードルが親の高い意識でのハードルになっていて、これくらい・・これくらい下げれば・・・となっていますが、実は子供はそこに苦しんでいるのではないか?
あくまでもこれは仮説ですがストロングは思います。
ノリ勉でいえば、2・3日目のプログラムと4・5日目のプログラムがなぜ分かれているのか、そして、どうしてその順番でないといけないのかという部分です。
2・3日目の「できる問題」をするプログラムでノリノリになったものだけが、4・5日目の「できない問題」のプログラムに進めるわけです。 そうしないと、4・5日目は苦しくなる。
また、難しい問題をやる際も、難しいにはそれぞれレベルがあります。
そこを考えて、まずイヤだ!キライだ!という部分を取り除いてやるためには問題集選び・問題選びのところから考えてみた方がいいのではないかと思います。
どうでしょうかね?
公文の問題集は比較的手軽に取り組め、多くの方が手にする問題集だと思います。そして、カンタン!と思っている方も多いでしょう。
その公文の市販の問題集、2年の「かけ算」の問題集には、確か
2×4=【2+2+2+2】
なんていうのが最初に出ていたと思います。
【2+2+2+2】の部分は、下地が書いてあって、なぞるようになっていたように記憶しています。
かけ算をやる場合、九九を覚えるよりもまずその部分から入るのは、どの問題集でも同じでしょう。
この部分が押さえてあれば、いくつかのステップがありますが、さっきの
3×4+3=3×□の□に入る数字を答える問題
この問題もスムーズに答えられるようなステップはどの問題集にだって示されています。
カンタンだと言われる問題集だって、使いよう。
それは決してレベルが下がったという話にはなりません。
すでに最レベに出てくる問題をhonuさんは知っています。九九で言えば、「ただ暗記できていればいい」じゃあダメだということも知っている。
よく知った上で例えば、公文の問題集をやれば、公文の問題集をより有効に使えるし、最レベの問題集ができるように仕込むことだってできるのです。
推測と仮説ばかりですが、ぜひ2点について考えてみて下さい。
小5 ユッキさん
6ヶ月前に入塾してから成績があがらずにいたのですが、原因がわかりました。塾にまかせっきりではいけなかったのですね!カモネギだったことにだったことに気が気がつきました。
鉄則4の成果を出さなければ退塾と子供に宣言し、日々のやるべきことを監督しはじめて3週間ですが、成果が出つつあります。
親がどう関わるべきかが見えてきました。
気合入れて頑張るのはイイことです。
そして子供の現状を把握してそばで見て作戦を伝授したら、子供は過程に責任を持ち、親は結果に責任を持つ。
親の言うようにやったのに結果も子供!では筋が通りませんから。成果が出なければ3カ月で退塾というのは、親に向けられた刃です。頑張って張り切っていきましょう!
小6 ひげさん
ストロングさんの著書「新勉強の常識」を」読み、理解していた「つもり」でしたが、さらに技があった、という感じです。
特に「欲張らないこと」というくだりは随分身につまされました。
最近は落ち着いてきましたが、問題は「(いわゆる)反抗期」なので、一筋縄ではいかないようです。この状態の中でいかに「親の言うことはあなたの得になるよ」と認識させることがカギのようです。
あと気になるのが「色ボケ」。どうも学校の友達の間でも「男子」のことが気なるようで(ウチの子は女子)、受験校(女子校)がご不満な様子・・・。
このあたりはさすがの鉄則に解決策は無い様でちょっと困っています。
「色ボケ」は多くの子供が陥るものですが、勉強には百害あって一利なしと断言できます。「色ボケ」は受験体制を総崩れにさせる凶器になりますから、細心の注意を払いましょう。
友達同士で話すのは止められないとしても家庭での管理は徹底しましょう。