こんにちは、ストロング宮迫です。
前回ここで高校入試組の方には、公立高校入試対策数学の問題集「マッハ50」より3つほど基本のチャレンジ問題を提示しました。
いずれも「できなければならない基本問題」で、重要なのは「できたかどうか」よりも「目標タイム内で正解できるか」がポイントだと書きました。
もっとやりたい人はすでに以前公開しているこちらもあわせてどうぞ!
高校入試「親の方にも解いてほしいチャレンジ問題第2弾」
中学入試バージョンも示してほしいって方は、中学入試はもう入試演習だから、これも以前から紹介しているこちら2つにチャレンジしてください。
さて、前回も、そしてこれまでも再三申し述べてきたように、受験生にとって、受験生以外の子供たちにとっても、「各種の問題は適正な時間で正解できて」はじめて勉強は、その問題はクリアしたとなります。
親技では「理解する→解ける→速く解ける」の3つのステップの最後までいって、復習が完了する、できたといえると提案していますが、最後のステップ「速く解ける」は、この「適正な時間で正解できる」と言い換えてもイイ。
信じられないくらいのスピードで解く必要はないですが、正解できても時間がかかりすぎてはテストや入試では通用しないというわけです。
子供の勉強をそばで見る者、子供の勉強をチェックする者は「そこを意識して見てやる」必要がある。
子供も親も模試やテストを受けて帰ったら、「間違った問題だけ」見直すでしょ?
でも、親技では「正解した問題」から見直す。すなわち「適正な時間を使って正解したか?」をまずは見るわけです。
高校入試も中学入試もありゃしない。
かつでここで実際に問題の事例を挙げて、「正解した」だけを見てたら、「小5の壁」、その後にやってくる「小6の入試演習の壁」は越えられませんと書いた。
そのときは中学入試のチャレンジ入試演習問題と小5の問題を提示しました。
図の立体は、半径が4センチで中心角が225度のおうぎ形を底面とする高さが6センチの柱の形の立体です。
この立体の表面積は( )平方センチです。
誰でもできるカンタンな問題です。解き方は多くの子供がわかるはずです。
大事なのは、この問題を「どうやって解くか?」です。
ポイントは「無理なく安全な道を選ぶ」こと。
タイガー山中に頼んで、この問題を3つの解き方で解いて答えを出してもらいました。
その結果は・・・
解法1:3分18秒
解法2:2分35秒
解法3:1分18秒
だいたいこんな感じでした。解法の1から3までがどういう解法なのかは実際にやってみて、このやり方でやるとこれくらいの時間だなと想像してみてほしい。
どれで解いても正解です!
しかし、タイガー山中によれば、この問題、式も丁寧すぎるくらいに書いて解いても、受験生なら1分は切るタイムで解く!という。
実際のテストでこの問題を「3分超で解く子供」と「1分を切って解く子供」では「たった2分」の違いですが、ものすご~~く大きな差があるといえます。
たとえ正解したとしても、同じ土俵に上がったら、どういう結果になるかわかりますよね。
ゆえに「正解した」だけを見てたら、「小5の壁」、その後にやってくる「小6の入試演習の壁」は越えられませんと。これは高校入試も同じ。
テストを受けたときには、親技の子供たちは、それぞれ大問1を通過したのが開始から何分何十秒、大問2の通過が何分何十秒って子供が書いて帰る。
あとはその通過時間を参考に「できる問題を正解したか」に加えて「適正な時間で解いたか、正解したか」を合わせてみる。
テストや模試の間違い直しは「正解したものから見直す」のが親技の手法です。そうやって入試で己の力を100%発揮する準備をするってわけです。
間違えた問題の見直しだけでも時間がかかるのに、正解した問題も見直してたら時間が足りないって!?
うん、そういうことも多々出てきます。もし見直しが時間切れになるなら、間違えた問題のうち正答率がかなり低いものは「捨てて」ハナから見直しをしないほうを選ぶ。
勉強はね、すべて優先順位なんですよ。
模試の見直しだって、授業の復習だって「ぜ~んぶできれば」そりゃイイんだけれど、限られた時間ではそうはイカのキン●マだ。
「これは今はやらない」と捨ててかからないいけないものが出てくる。
たとえば7問あったとして、こんな結果になったとしよう。
1、正答率90% 正解
2、正答率70% 不正解
3、正答率60% 正解
4、正答率40% 正解
5、正答率40% 不正解
6、正答率20% 不正解
7、正答率10% 不正解
多くの方は、このテストの見直しは、不正解になった「2→5→6→7」で進むだろう。
100点を狙ってた、100点を狙う勉強をしてきた子供なら、それでいいだろう。
しかし、正答率がかなり低い「6や7」が解けるような勉強をしてテストに臨まなかった子供が不正解だからって「6や7」をやってたら、いくら時間をかけても間違い直しは終わらないだろう。そして1週間もすれば、やったことはすべて忘れてもいるだろう。
ボクなら正解した大問1から見直す。適正な時間で解けているかどうかチェック。OKなら正解もしてるし、即次へ。2番は不正解だから、なんで間違ったか子供の解いた痕跡を見る。子供はどう考えたのか。
「あ~あ、これわかってたのに・・」と子供が言う。
「じゃあ、すぐやってみて」とストップウォッチで測る。速く解けるならそれでよし。
3番も4番も正解してるけど、適正な時間で解いているか見る。もっと速く解けねばって思えば、「じゃあ、すぐやってみて」とストップウォッチで測る。
すでに正解した問題だ。「やれ!」といえば、子供もやるだろう。
もしかしたら、ここで時間切れになるかもしれない。不正解の問題から取り掛かっていれば、6番も7番もやれたかもしれない。
でも、勉強は優先順位!優先順位の高いものから見直す。時間切れになっても、優先順位の高いものから見直したので、最優先のものはとりあえず見直せたとする。それでイイ。前に進む。
常に優先順位の高いものを「優先して」いく。結果として優先順位が低いものは、できなかったり、切り捨てざるを得ないけれど、また出会うからさ。
ただね、ここで不思議が起こる。
模試の不正解の問題だけを見直しすると、子供はイヤがる。したくない。だって全力で取り組んだテストでできなかったんだ。家で見直すにも時間がかかるだろう。
「できそうにない」そう思って取り組むと、機嫌も悪くなって、イヤな気持ちをごまかすために反抗したり暴れたりもする。
でもね、正解した問題を見直すって、ラクチンじゃないですか。正解してるだけに「この問題はさ・・・」なんて子供が能書きを垂れたがったりする場合もある。
子供が問題を見て「能書きを垂れる」のは、ものすごくイイ傾向です。
垂れさせなさい!どんどん言わせなさい!ノってくるから。親はさ、子供をノセるのも仕事の1つよ。
「できた問題を見直す」と「できなかった問題を見直す」は、同じ見直すでも子供の取り組み方が違うんですな。
ボクはそれを親はもっとうまく使うべきだと思う。能書き垂れさせて「もっと速く解けてもいいなあ」なんて正解した問題を見て言わせて、「2、正答率70%の不正解」をどうして間違ったのか再び能書きを垂れさせる。
「こういう誰もができる問題を間違うのってなんていうか知ってる?」と親は問う。
「アホやなあ~」って子供が答える。これが大切。
あのね、みんな「こんな問題間違えるなんてバカでしょ!」って最後の結論まで子供に言うけれど、言わないでさ、子供に言わせたほうが「同じアホやバカ」って言ってもまるで違う意味になるんですよ。
「アホやなあ~」って子供が答えたら、「それではまず今回のテストはアホ1ね。1で止まってたらいいけれど、アホ10とかになったら、やばいよ」なんて言えばイイ。
そしたらさ「あ~あ、ここもアホやってる。やべぇ~これでアホ2か」なんて会話が続いていく。
「できる問題でもテストでは2問間違う」ってここでは繰り返し書いてるけど、あれは「アホ2までセーフ」ってことですから。
アホなことをしてしまった。「親が子供をなじる」、「子供自身が自分を責める」では意味が違う。次に「もうアホしないようにしよう!」って思うのはどっちかって考えれば、答えはわかるでしょう。
こうして先の7問があったとすれば、子供によってそれぞれ違うけれど、一般的にはボクなら1番から順番に見直しして、
1、正答率90% 正解
2、正答率70% 不正解
3、正答率60% 正解
4、正答率40% 正解
5、正答率40% 不正解終わり
6、正答率20% 不正解
7、正答率10% 不正解5番まででやめるでしょう。
いや、時間がたっぷりあって、子供がやりたがるなら、やったらいいんですよ。でもたいていはそうじゃないから。
ボクなら、仮に時間が余っても、6番と7番はしない。それをするくらいなら、不正解だった2番と5番の類題をテキストを引っ張り出してする。
まずは2番の類題から。時間があれば、5番の類題をする。時間が許すところまでだ。
みんな欲張りすぎ。1週間経ったら「0」になってしまうような貯金は貯金じゃない。蓄積でもない。
みんなものすごく「入力」してるけど、「出力」しようとして見てみたら「入力」したものがみんなザルで「入力」できていないってことが多々ある。これを無駄な努力という。やりがいのない努力ともいう。やる気がますます出なくなる努力ともいう。モチベーションを枯渇させる努力ともいう。
受験生にとって、それ以外の子供たちにとっても、なにが焦るかっていえば、貯金したものが貯金になっていないってことですから。
残高が100万円あるはずなのに、ATMに行ったら「238円」だったら、腰が抜けるでしょ?
ええーー!ってなる。
どんどん入れるのはイイけれど、ちゃんと溜まってるかどうか確認しないと。そうしないと気が狂う。
特に「これからやる問題は一期一会」です。
「もうキミとは二度と会えないかもしれない・・・」そういう気持ちでやらないと、12月の最後の模試で、残高が100万円あるはずなのに、ATMに行ったら「238円」で通帳に記載されることになる。
こうしてライバルの受験生は、今後年内までに続々と脱落していくことになります。「入力」をちゃんとして「出力」が出るかを確認しながら行った者が自然と残る。
受験はライバルとの闘いじゃない。自然淘汰だ!適応できなかった者が滅ぶ。適応できたら土俵際でも踏ん張れる。
気合や根性で適応するんじゃない。理屈通りにできたかどうかが分かれ目。
10月も終わった!年内あと2か月。きちんと貯金すべし!貯金残高はこまめに確認すべし!記帳して確認すべし!
記帳とは「できるかどうかその場でやらせたる」ことです。たぶん口座に貯金はあるはずだなんて信じないで、その場でやらせる。やったらすぐわかる。
その時、ずーーと貯金されて記帳され続けているものは、イイやり方でやっているものだけになることを知るだろう。
解法1:3分18秒
解法2:2分35秒
解法3:1分18秒
いつでもどこでもすぐ出力できるのは「解法3」で子供の頭に収まったものになる確率が高い。
頭の引き出しにグチャグチャに入っているものは、すっと出せないからさ。整理してきちんと頭に収めるのは、イイやり方でやったものだけ。イイやり方でやると、解く時間がとても短く、ラクチンの場合が多い。
『10の鉄則』の感想、続々と・・・
中2 せねけさん
なんだか私自身が会社でいつも言われていることが書いてあるじゃん?なんて思いました。
自分でさえ出来ていないのに人(子供)にさせることが出来るのか?
「時間がない!」既に中2の半分まで来てしまっている、あと1年で結果を出さなければならない、もっと早く気付けば良かったなど、不安とあせりが募るばかりですが、結果はどうであれ、何かをしていななければと自身に言い聞かせて実践していきます。
小1 うっちぃ。さん
自分自身、なんとなく「こうできたらいいのにな、こうじゃないのかな」と感じていたことが、文字となって整理された状態で書かれていて、スッキリした気分でした。
具体的にどうしたらいいのか…とかは、まったく分かっていなかったし、ビジョンもあやふやだったのですが、少し目の前が開けてきたような気がしました。
ただ、「分かった」気はしましたし、理解できるまで本がボロボロになるまで読み込みたいと思っています。
すぐに実行していこうというしているのですが「私みたいにチャランポランな母親が実践できるのだろうか?」「本で言わんとしていることを実行しているつもりだけど、私の理解が間違っていてストロングさんの言わんとしている方向性と違ったりしてないか?」とか色々不安も残っています。
1人か2人か、多くても3人くらいしか子供を持たないわけですから、子供が大きくなって、あとで、あれもするべきだった、これもするべきだったとみんな思う。我が子しか見ていない親からすれば、悩みもするでしょう。
でも、少なくとも勉強面で起こる問題は、8割がたは、どの家庭でも起こるものです。常に同じ種類の問題です。
だから、早かろうが、遅かろうが、成績アップを目指すなら、やるしかない。
やれば悩みが出てくるでしょう。そのとき、常に相談する人を探すのではなく、子供をじっと見てみるんです。
答えは立派な先生が持っているのではなく、あなたの生活にあり、子供自身が答えを持っています。
不安になったら、自信がなくなったら、インターネットを見るんじゃない。子供をじっと見るんです。
すべては子供の表情やしぐさや勉強に対する態度に出る。子供の勉強を見るのは親の修行なのですよ!ファイト!