こんにちは、ストロング宮迫です。
10月が終わっちゃいましたよ。ヒタヒタと聞こえる入試のかすかな足音が聞こえてきますねえ。
今年も残すところ2ヶ月となったところで受験生もラストスパートの直線手前、第3コーナーから徐々に加速・進出を開始して第4コーナーで馬群を捉えられたかどうかあたりでしょうかね。
合格圏内に入っているものはすでに馬群から1つ頭を抜け、ロスのない内側コースを順調に走っている。一方、あとからやってきた追い込み型は今から加速し、このあとロスはあるけれど大外をブンまわして最後の追い込み。
問題はあとからやってくる追い込み型でこの2ヶ月で貯めていた力を一気に爆発させていかなければならない。特に高校入試よりも一足早い中学入試では年内までの勉強の進めようが山場といえましょう。ただ、爆発どころか不発弾もあるから要注意。
今回はそんな話をしましょうか。
ここ最近、首都圏在住の方からいくつか寄せられる相談があります。
まあ、毎年のことなんですが、この時期の塾の宿題についてです。首都圏最難関校を目指すブラックパパさんは塾からの宿題として志望校である過去20年間の過去問を3回、子供に解かせたそうです。
20年×3回×4教科=・・・・
ワォー!ものすごい時間と労力ですねえ。現在の偏差値65前後。しかし最難関校の合格最低点は取れない。いったい全体どうしたらいい?と泣きのご相談。
もう一方、武士道さんからは具体的にこう書かれていました。
◆塾の課題(入試演習)
・第一志望校の過去問6年分を最低3回繰り返す・繰り返し回数は、多いほどよい
・過去も、なるべく古くまで遡れるとよい
・受験予定校(第二志望)も3年分くらいはやっておくこと
◆時間
・実際の1割減で行う◆結果
・全て記録して、塾に提出する
武士道さん曰く「親技と違う取り組みでちょっと戸惑っています」とした上で、塾に提出しないといけないのでやったら「間違える問題の数は、やはり第一志望校では多く、復習に時間が掛かります」と。
さらに「一番最初に取り組んだ算数では、一桁得点でした!(復習に丸1日!!)」と驚愕の告白をされたのでした。
武士道さんの言う親技と違う取り組みとは、親技における親カツ講座後期コースで「志望校の過去問は最後までやらずに取っておいてね」と言っていること。そして「最後に志望校の過去問をやってヨッシャー!となるように、そこまでは偏差値の低いものから順に入試演習を駆け上がってやってください」と言っているからでした。
また、過去問は繰り返しやることに意味はないとも申し上げてきました。2回目にやってイイ点数取れるのは当たり前で、それじゃあ子供の自信にも実力アップにもならないからです。
100歩譲って過去問を繰り返すのであれば、時間配分や問題選択の練習など入試実践テクニックの確認、見直した問題の確認の意味での繰り返しならやりますけどね。
塾がやっていることに文句を言う筋合いもないのでいいんですが、今の時期に過去問を20年分やって、来年の入試前の1ヶ月、1週間前って塾はなにをするつもりなんでしょうか?
入試3ヶ月前はすごく大事な時期ですが、1ヶ月前はもっと大事な時期ですよね?
この1ヶ月、そして1週間前で「オレ、やれる!」と心から思えたらやっぱり勢いが出ます。ヨッシャー!いくでー!って気持ちになる。そのイケるぞ!って気持ちで行くための最高の伝家の宝刀はなにか?
それは去年の過去問であり、一昨年の過去問でしょう。もしそれができれば盛り上がる。正真正銘の自信を持って臨める。
もしできなかったら??
そりゃあ気分は一気に盛り下がるでしょう。だからそこで志望校の過去問が取れるようにやっていくということです。
考えてほしいのは、入試1週間前に志望校の過去問を初見で合格最低点が取れないということは、2ヶ月前や3ヶ月前にやっても取れないでしょう。今取れないのに3ヶ月前に取れるわけがないですから。
私たちはギリギリの生徒を最後の1ヶ月、最終1週間で「ヨッシャー!合格や!」「オレ、イケるぞ!」ってノリノリで勢いをつけて入試会場に送り出す。
「大丈夫かなあ? いけるか? ヤバイかも」なんて思っている生徒と「ヨッシャー!合格するでー!オレ、イケてるから!」と思っている両極端の同じ学力の受験生がいたとしてどっちが勝つか?
そりゃあ、ノリノリのほうでしょう。
合格ラインには数十人がひしめいているんです。勢いがあるほうが点数を取れる。勢いとは自信とも言いかえられます。
先日、ここで「勉強不足を自覚」していた我が息子のテストでの「やべぇー、テストしくじった!」を書きました。
先週は、小学校5年生の子供が初めて上がった塾の最上位クラスでのテストでビビッて20数点に沈んだという話がありました。実際の最上位クラスのテストは今まで受けていた1つ下のテストよりもはるかに難しかったのか?
答えはノーです。
2つのクラスの問題、30%だけが違う問題で、あとは一緒のテスト。しかし、それなのに今まで取ったことがない点数を取ってきた。
なぜか?
1番の問題で小難しいのが出てガツンとやられて、慌ててパニックになって、やっぱり最上位クラスは手ごわいわとか余計なことを考えてチビってしまった結果でした。
家に帰って、なにゆえこの大問4番が空白なのかを問いただし、目の前でやってみさせると2分30秒で4問全問正解!
エー!ですよね。
でも、そういうことが起こる。当たり前に起こるんです。
うちの息子もこのお子さんもその心に潜む背景は違うけれど、最初にガツンとやられて、そのすぐ先でもう1回「できない!」問題に遭遇して慌てると50分のそのテスト内に気持ちが立て直せずに撃沈したわけです。
いつもの慣れた場所で受けたテストで起こるのに、顔ぶれも場所も違う入試でそれが起きないわけはない。あなたの子供にお子さんに起きはしないとは断言できないでしょう。
最初にガツンとやられる経験をする。その経験から学ぶ。時間内に立て直す。
その練習をした上で入試に臨むのは当然ですが「やられた」「ヤバイ」「どうしよう」という逃げてしまいたい気持ちを追い払ってくれるのは、やっぱり「ヨッシャー!合格するで!オレ、イケてるから!」という自信を持って臨むのが一番だというのが親技の考え方です。
だから、入試10日前、今までやらずに取っておいた過去問を、さあ今まで培ってきた実力をいよいよ志望校で試すぜ!と入試と同じ時間で、入試のつもりで、入試日と同じ時間に起きて、同じ服を着て、いつも勉強している場所とは違う場所でプチ入試を敢行する。
そこで合格最低点を取れたとき、親のいかなる言葉よりも、塾のテストのいかなる判定よりも、子供の自信になる。
「これまで頑張ってきたんだから大丈夫よ」なんて比にならないですよ、この自信は。
湧き上がる勇気、漲る自信。子供の顔が違ってくる。
今から経験される方も多いと思いますが、こうした真の実績や成果に基づく自信を持った子供はそこからまだ伸びる。グイ~ンともう一伸びする。
入試1ヶ月前から直前まで続くこの期間でこの「ヨッシャ!」の連続をいかに作って入試に臨むか、そこにだけ焦点をあてていくわけです。
そして、この11月、12月はそれをできるようにするための大切な仕込み期間でもあります。仕込みとはもちろん入試演習です。
入試演習をする意味は、今まで習ってきたことをランダムに聞かれてもできることを証明する意味があります。どこから聞かれてもちゃーんとわかってますよの確認ですよね。
「そのランダムに聞かれても答えられるよ」証明の問題でみんな難しい問題をやりたがる。
もしかしたらあなたがやりたいのではなく、塾がやれって言っているのかもしれないけれど。
去年もこの時期に相談がありましたが、その「なんでもランダムに聞いてもらってイイよ」証明のための一番最初に塾から出された入試演習問題が千葉県の市川中学!
手もとの四谷大塚の80偏差値を見ると、市川中学の偏差値62。
こう言っちゃなんですが「頭がおかしい」と率直に思います。
今までいろいろ練習も勉強もしてきたでしょう。いよいよ「どこからでも聞いてもらっていいよ」の練習が始まるわけです。それも入試問題で。
なんでも始まりはカンタンなことからでしょう。
それがいきなり偏差値62の学校でチャレンジとか意味がわからん!
これって初めて行ったサッカー教室でオーバーヘッドシュートをしろっていうくらいの感じですよ。わかってんのかなあ?
先に紹介した武士道さんの「一番最初に取り組んだ算数では、一桁得点でした!(復習に丸1日!!)」を驚愕の告白と書いたのはこのためです。
難しいことをやれば復習だって時間がかかる。1ケタ得点だったら、そりゃあ復習に丸1日かかるでしょう。
で、1週間後にやったらたぶんできない・・・
今はさ、仕込み期間ですから。仕込み中にネタにカビが生えてたり、菌が入ってたら、1週間後に開けても、1ヶ月後に開けても腐ってるんです。
ただね、すでに合格圏内に入っている、極めて順調、過去問もそこそこ取れているっていうのなら、市川中学でも御三家でもやったらいい。いいんですよ、取れているなら。
問題になる人は、塾の宿題で出たから志望校の過去問やってみたは致し方ないとして、それが全然取れなかった時です。
それを繰り返していたらできるようになるのか?
ここですな。塾の宿題の出し方を見れば、繰り返せばできるようになるという見解なんでしょう。
でも、親技の答えはノーです。繰り返してもできない。
現に先に紹介したもう一方のブラックパパさん。塾からの宿題として志望校である過去20年間の過去問を3回、子供に解かせたけど、いずれも最難関校の合格最低点には届かなかった。
じゃあ、もう10年分足して30年分を6回ほどやれば取れるようになるのか?
他人の答えはわからないけれど、親技の答えはノーです。
もし、過去問をやっていく中で年度を重ねると解けるようになるのであれば、3年分とかでその兆候は出ているでしょう。5年分目をやったらよりよくなったとかね。
たくさんやれば傾向もわかるだろうし、問題の出され方に慣れてくるということを経験することは大事でしょう。でも、過去の出た問題を繰り返しやっても、できるようにはならない、とボクは思います。
じゃあ、どうすりゃあいいのか?
いや、だから入試演習でしょう。ランダムに聞かれる良問の入試問題をガンガン解く。偏差値も低いものからやったらいい。
みんな偏差値の低い学校っていうと、どうしてあんなに見向きもしないんだろうか。
もう何年も前にここで書きましたが、それは実際の偏差値の分布と志願者数がまるで重ならない現実を見てもよくわかる。
2010年首都圏私立中学校受験者数ランキング(2月1日午前・男子編)
第1位開成中学校 1072人
第2位麻布中学校 1028人
第3位早稲田中学校853人2010年首都圏私立中学校受験者数ランキング(2月1日午前・女子編)
第1位女子学院中学校 781人
第2位桜蔭中学校 528人
第3位フェリス女学院中学校477人
みんな開成や女子学院ばっかり見ているが、もっと足元を見よ!ですなあ。
足元を見るために1つチャレンジ問題を提案したいと思います。やってみてくださいな。
チャレンジ問題は郁文館夢学園
平成26年度≪第1回試験≫算数
手もとの資料では偏差値40弱。我が子は偏差値がもっと上だって!?
あのね、中学入試の問題、塾なんかの偏差値で考えてたら大やけどしますよ。どの学校も見栄えっていうものを大切にしてますからね。偏差値で表示されているよりかなり上のレベルの問題がそろっています。
この学校の問題、実に良い問題です。いわゆる良問ですな。受験生が今まで習ったことをランダムに出されて確認するにはちょうどイイ。こういうのをたくさんやって実力を蓄えなくっちゃね。
タイガー山中の推定では現在偏差値55の子供にちょうどイイ問題とのことです。
郁文館夢学園 平成26年度≪第1回試験≫算数 解答はこちら
ウチは偏差値60以上だって!?
なるほど。じゃあ、制限時間を少し変えてチャレンジしたら、ちょうどよくなります。
お子さんの現在の偏差値によって制限時間を変えましょう。
偏差値40~50: 制限時間50分
偏差値51~55: 制限時間45分
偏差値56~60: 制限時間40分
偏差値61以上 : 制限時間35分
偏差値は母体によって変わってしまうので、あくまで首都圏、関西圏の大手中学受験専門塾での偏差値を目安とした指定となります。北海道地区、名古屋地区、広島地区、九州地区、その他の方や中小規模の進学塾の場合ですと今の偏差値から5~10を引いたぐらいに思ってもらうとちょうどイイかもです。
逆の言い方でいえば、この問題をやって出る正解数がそのままお子さんの入試演習における実力偏差値と言えるかも。まあ、つべこべ言わずにやってみましょう。親の方も能書き垂れずにぜひチャレンジしてください。肌で感じましょうよ。
家庭で実施された方、18問中何問正解できたか。
現在の偏差値40~50の方であれば【正解11問/18問中】が目安になるでしょう。次号で、偏差値別に正解してほしい数と間違ってもいい問題番号を発表します。
身を震わせて待て!ですな。
親カツ講座後期生の方はタイガー山中の解答解説がありますので、親カツ後期メンバー専用ページをご覧ください。
実際に入試演習をやってみよう その1
ちなみになんですが、タイガー山中はまあ本気は出さずに8分の力(本人申告)で解いて34分、な、な、なんと1問間違いでした。
ボクとしては「問題文をきちんと読めよ!」って言いたいですな、ハハハ(^^)
これってやらなくちゃいけないのかって!?
別にやらなくてもいいですよ。忙しいでしょうからね。ただ難関校の過去問を繰り返しやる前にやることがあるだろうってことを言いたいだけなので。そして、いかなる学校の問題であれ、成績がイイ子の親は自分たちのためになるようにできるすべを持っているということなだけですから。
子供の中には塾に通うことで偏差値「でしか」人を見られなくなる子供います。偏差値40って聞くと、バカにした態度をとるんですな。
そういうガキに「じゃあ、やってみろよ」ってやらせるわけです。偏差値が低い学校であれば、ぶっちゃけ合格最低点は取れるのかもしれない。でもね、上を目指しているのであればそれで満足はできないでしょう。
学校が無料で丸出しで公開してくれているこの過去問をいかに自分のものとして取り組み、自分にとって価値あるものにできるか。これが勝負。何でも自分のこととしてできるものはやっぱり強いです。
入試演習で過去問やって半分しか取れなかったら、半分の問題は見直しして解けるようにしないといけないでしょう。ものすごく時間がかかる。で、1週間後にやったら解けない。それじゃあ意味ないんです。
満点なら見直しはいらない。時間は試験時間だけ。復習にもなる。次はもっと上の学校をやったらイイだけ。その「もっと上」がいきなり難関校じゃ今までの復習にならないじゃないですか!
2か月後に志望校の過去問が解けるように徐々に段階とレベルを上げて取り組まなくちゃ!
あともう何回か、このチャレンジ問題やりますので塾の宿題で大変でしょうが、試しにやってみてください。
今回の問題の基準・目安は「残り10分を無策の0点にしてはならない」はこちら
中3 ユミママさん
大変丁寧な解説付きで豪華な付録までつけていただきましてありがとうございました。
すぐにCDを聞き、取り組み始めました。
最初は時間はかかるわ、間違えるわ、習っていないと吠えるわ、もう嫌だと泣きがはいるわで往生させられました。本当に習っていないのかを確認するなどしていった結果、高校入試の数学は相当詳しくなりましたよ。
我が子には1日2枚は到底無理ですが、1枚1枚コツコツやっていきます。
我が県の入試問題の前半はマッハ50をやることで結構対応できますし、ちゃんとできれば合格点はもらえますから。頑張ります!
ウルトラマンのカラータイマーは3分で点滅します。
1日10分程度で毎日やって100回分の12月までには「絶対に片付けてほしい」問題集もそろそろ手を付けるには遅すぎる季節になってきました。
冬休みまでに片づけるには今から取り掛かって1日約1.5枚。
中3の受験生はすぐに取り掛ってください。
■1日10分からすぐ始められる受験生最低限必須問題集
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例年通り、今年の受験生への『10の鉄則』は10月末、『親カツ講座「入試実践コース」】の販売は来春中学受験の方は10月末、来春高校受験の方は11月末をもって販売を終了いたします。
これは、親技では成果が出るまで実践しはじめてから最長3ヶ月という考えを持っていますので、来春一番早い1月受験の方に合わせた処置です。あしからずご了承ください。