こんにちは、ストロング宮迫です。
10月も末に近づき、受験へのムードも高まってきましたね。プロ野球のドラフトで、指名を待つ心境って受験生に近いんじゃないでしょうかね。
「オレ、いけてます!」とプロ志望届を出して手を挙げて「確かにそうだね!」と認めてくれる球団を待つ。
まさに受験生ですな。
大学生であれば、4年間かけて徐々に上り調子で力をつけて4年生になり最近になって指名が有力視される者もいれば、甲子園で活躍し大学1年2年が全盛、故障して4年生になっても調子が上がらない者もいる。
つまり、入試を控えて、成績が上り調子のノリノリの受験生と成績が下り坂の「昔の名前で出ています」的な受験生がいるってわけです。
ドラフト会議では「今の調子」だけでなく、過去の実績や潜在能力なんていうまだ見ぬ力も球団が独自に換算して最終結果が出ますので、この方式は内申点と当日の学力検査結果を合わせて結果を出す高校入試型といえましょうか。
それでいくと、中学入試は過去の実績云々ではなく、たいていは受験生の「当日の出来不出来」がすべての一発勝負の超短期決戦型ですから高校入試型よりも受験生の「今の勢い」が結果により大きく反映される。
当日に向けて調子を上げていった者がより有利になるってわけです。
もちろん短期決戦型の一発勝負といっても、今までが「0」で、当日が「100」になるなんて夢みたいなことは起こらない。「100」が「110」にもならない。つまり実力以上の力は発揮できないんですな。
でも「100」の力はあるけれど、当日「70」しか出せないってことは起こり得る。中学入試ではいかに持っている力「100」に近いパフォーマンスを出せるかどうかです。
親技でいつも言っているのはテストに向かって完璧に準備して仕上げても「できる問題も2問は間違う」と。2問は許容範囲で考えましょうと。なので私たちはテストで「2問間違えても」合格できる力の獲得を目指す。
子供にとっては極限状態になる入試ですからミスはする、誰だってするんです。1つか2つ、ミスはする。それを計算に入れたうえでやっていくことです。
逆に一切のミスが許されない、ミスしたら合格最低点を下回るって状態で受験するってことは厳しい戦いになる。ミスが許されないって感情や気持ちがミスを誘発するからね。
たとえばですが「あと2問できてたら合格最低点だった!落とした2問はできそうな問題だから入試まで時間があるし大丈夫」というような話が交わされたとするなら、これはある意味で危険信号です。
だって当日も2問は落とすから。落とさずにきっちり取れたらすばらしいし、そうあってほしいけれど、2問はできる問題を落とす前提で点数の積み上げを計算すべきだし、その仕上げに入っていかないといけないってことです。
中学入試では、その仕上げ具合が高校入試ではある「内申点という持ち点」がないため、より強く作用するってわけです。
まあ、「持ち点」があろうがなかろうが、入試当日は持っている力以上のものは出てこないので、いかに持っている力「100」に近いパフォーマンスを出せるかどうかが勝負。
その勝負にはもう耳にタコができるほど聞かされている問題選択と時間配分が欠かせないってことですな。
さて、先週販売を開始した公立高校入試数学問題集「マッハ50」は入試問題全体に対していかに問題選択と時間配分をするかという入試実践テクニックの前段階の問題集になると書きました。
前段階とは「この手の問題は正解した上で5分で解く」という「基準」を知り、それをクリアする段階であるとも。すでに中3受験生に実際に解いてもらうための第1弾のチャレンジ問題を前々回発表しました。
今回再び皆さんに解いてもらいたいチャレンジ問題第2弾をご用意しました。
ちなみに先週紹介した第1弾のチャレンジ問題は三重県のこれでした。
正解した上で目標時間は5分で解いてね!
今回は和歌山県の入試問題で、目標タイムは9分30秒
これらの問題は公立高校入試数学問題集「マッハ50」ではチャレンジ問題第1弾の三重県の問題が50枚のプリントのうちの4枚目、今回の第2弾の和歌山県の問題は50枚のプリントの中盤28枚目で実際に取り扱っている問題です。
「マッハ50」はタイガー山中がおおむね難易度順に並べて、かつ各都道府県の類題を毎日少しずつやっていくことで、真面目に進んでいけば、目標時間で解けるようになる予定で作っています。
中3受験生にはチャレンジしてほしいのですが、このメルマガの読者の親の方もぜひやってみてほしい。特に時間を意識して体感せよ!です。決して無理な目標時間は設定していませんから。
第1弾、第2弾のチャレンジ問題とも受験生にとっては「絶対に落とせない」といってイイ問題ですから、全問正解をすべきなのは当然として、時間は意識してほしい。
この大問1の11問を全問正解した上で、何分で通過できるのか。それを「マッハ50」では目標時間として設定しています。
えっ、「絶対できる問題」でも、ミスはするだろうって!? さっき、ミスはする、誰だってする、1つか2つ、ミスはするっていったじゃないかと。
【入試問題全体】で2問は「できる問題」を落としてしまうのは確かにそうですが、この1番の大問1でそのミスを犯してたら、その後ミスできなくなるじゃないですか。受験生にとっての大波はこの後にやってくるんですからね。
もう1つ、勘違いしないでほしいのはこの問題を3分とか5分というような「過激なスピード」で解く必要はないってことです。ちゃんと正解して9分30秒以内で収めていけば十分です。
そのことを理解してもらうためにも、解答のほうを見ていただきましょう。
解答を見ますと和歌山県はちゃんと配点も書いてあります。この年、2014年の和歌山県の数学の入試問題は試験時間は50分で100点満点。
今回チャレンジ問題として取り上げた1番は「3点×11問=33点分」となります。
つまり「33点/100点」を「9.5分/50分」でゲットするってことですよね。
もし私たち親技で示す目標時間内に全問正解できるってことは、言いかえれば「試験開始早々1/5の時間で総得点の1/3の点数をゲットできる」ということになるわけです。そのことでこのあとどれだけ有利の戦いができるのかですよね。
この時間で通過すれば、残り約40分で大問が4つ。大問1つに約10分、単純に割り当てられるということになります。総得点の1/3の点数をゲットした上でです。
ここからは入試実践テクニックを使って、取れる問題に時間を傾注したり、捨て問を選んだりして、自分が取れる最高得点を目指していくことになります。
そういう意味で、公立高校入試数学問題集「マッハ50」は入試問題全体に対していかに問題選択と時間配分をするかという入試実践テクニックの前段階の問題集ということなんですね。
だからね、高校入試もそうですが、中学入試だって大問1つに15分もかけられるようなことってないんですよ、実際は。なのに家で20分かけて大問1つを解いて「できた!」とか言ってたら入試ではアウトってことです。
じゃあ、この問題、たとえば「過激なスピード」5分で全問正解したら、もっとラクで余裕のある闘いができるんじゃないか?
その通りですな。「試験開始早々1/10の時間で総得点の1/3の点数をゲットできる」ということになり、残りの45分で大問が4つ。大問1つに約11分、単純に割り当てられるということになります。
ここまで読んできてもらってわかる通り、入試ではプラス1分とかプラス2分という分単位(私たちは秒単位でやっています)の勝負で、大問1つに対して従来よりもプラス1分余分に考えられることがいかに大切かってことです。
入試実践テクニックの前段階である「正確さとスピードアップ」により、このプラス1分とか2分を生み出したり、さらに捨て問を作ることでさらにプラスの時間を作って、取れる問題を増やしていく入試実践テクニック、これは訓練なしではできません。
実際に子供が入試問題をやっているのをそばで一度見てほしいのですが、50分のテストで子供が叩き出す得点は何分使って解いた問題なのかと。
最初の30分で50点、残りの20分で5点の合計55点とかになっていないでしょうか。当然、テストは通常後ろに行けないくほど得点しにくくなるわけですが、残りの時間でいかに得点の上積みができるかどうかはポイントの1つです。
おっと、すいません。「ゴチャゴチャ言わんと、この問題が時間内にできるかどうかで必要かどうかを決めてくれ!」でしたな。
「ヤベェー1問間違えたよ!」とか、問題につまづいて目標タイムをオーバーした受験生は、入試に向けての対策と準備が必要な受験生です。
■1日10分から始められる公立高校入試【数学】
基準(目標タイム)を示し、クリアするための根拠(解法)を示した問題集
この問題集は冬休みまでには終えてほしいとお願いしています。冬休み終わりまであと70日ほどです。
「マッハ50」全部で100枚あるので、今からなら1日1.4枚くらいで終えられます。とっとと終えて、中3受験生は基本以外の入試演習に取り掛かりましょう。
高校受験はもうしばらく時間もありますが、中学入試はもう目の前です。
これからの勉強は、今までの勉強とは違います。我が子を見据えて必要なものを優先順位の高いものからやる。
塾のいわゆる受験の一般論に惑わされることなく、我が子の戦略で進みましょう。
今日1点積み上げられえば、明日も積み上げられる可能性は高く、それなら合格に一歩近づける。
しかし、今日1点を積み上げられなかったなら、明日は・・そして入試は・・・
この時期から入試まで30点積み上げられる人もいれば、事実上慌ててばかりで1点も積み上げられない人も出てくる。
親の違い、作戦の違い、いよいよ分かれ道です。なんとなく過ごすな!
今やっていることは子供に必要か? 厳しく見るべし!!
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11月号の内容は
・科目の勉強から単元の勉強へ
・この時期の塾との付き合い方