こんにちは、ストロング宮迫です。
高校入試も佳境に入ってきました。
公立高校入試に向けて弱点補強の追い込み、入試演習の詰め、できる問題を絶対に落とさない訓練、中3生は中学入試の子供たちより表情も出さないし緊張感も漂わせていませんが、一発勝負の醍醐味を徐々に感じ始めているようです。
以前に比べて緩くなったといわれる入試ですが全体で見れば、平均の数字で見ればたしかにそうですが、上位校は相変わらずの倍率、難関です。
緩いなんて言わせない。そこには闘うものだけが感じる厳しさが厳然とあるから。受験生に戦いに入る前にアントニオ猪木の本の題目の言葉を贈っておきます。
もう一息さ、踏ん張れ~(●’д’)
さて、中学入試を終えた方からたくさんの報告をいただいております。すでにここでも何人かの報告を紹介しました。
ここで紹介した方はいずれも結果としてではなく、その過程を、その考え方と取り組みを知っていただきたい方ばかりでした。
ときどき「受験で成功するにはどうしたらいいですか」という趣旨の質問をされる方がいますが、入試の結果で成功か失敗かを判定することはできません。
入試ではもちろんいったん白黒はつきますが、白だったら成功、黒だったら失敗とは断じて言えないというのがこの業界にいて強く思うことです。そのことをここでは一貫して申し上げてきました。
以前、ここではボクが大好きな後藤又兵衛基次の言葉を紹介しました。
負ける度に頭を剃り落しますか。負けることもあり勝つこともあるのが軍の定法。
今負けたらば重ねて勝つように工夫致すが当然と思うが負ける毎に髪をおろしておっては髪の伸びる暇も一代御座るまい。珍妙なことを承る。
お互いに勝ち負けあっての戦、二度や三度の敗軍に一々気を腐らせるようで、凡そ戦が出来るかどうじゃ。
これは入試に限らない。今回のテストで負けたならば次のテストでやり返せばよろしい。一度の負けを生涯の負けと思うその精神、心構えが間違っているということです。
一生勝ち続けることはできないんだし。ただし負けるとしても、負け方があるということなんです。準備も努力もなんにもしてないでバッサリ負けたんでは次というのがなかなかないというのも本当のところなんです。
人は「0」からのスタートが苦手だし、難しいものです。「0」ならまだしもそれに負けがついて「マイナス」からのスタートになると、もっと難易度が上がります。スタートするのにです。
だから最初の「1」や「2」は頑張って臨むべし。子供が「0」のままなら親が背中を押して「1」や「2」にしてやってでも、戦いに入るべしというのがボクの考えです。
子供に強制してたんじゃ意味がない、価値がないという意見もありましょう。強制での勉強は効率は上がりにくいのも事実です。
山本七平先生は著書のどこかで「圧制的奴隷労働はきわめて生産性が低いことはローマ時代にすでに実証ずみ」と書いておられましたが、そんなことは2000年も前からわかっていることなのです。
だからといって勉強が「0」だったら次がない。「0」は次を生み出さないからです。
「今負けたらば重ねて勝つように工夫致すが当然」と思えるのは「今が0」でない人です。「0」じゃないから「次に勝ちゃええでしょうが」と思える。そこにはここでも何度も触れてきましたが自己肯定感があるからそう思える。
だから逆に言えば「あの学校に入れなかったらダメ」という考えのもとに入試のことを、人生のことを考える人に明日はない。自分の外にすばらしい価値のあるものががあると思った時点で勝負は負けが確定するのです。
だから全員には当てはまらないけれど、生きて帰ってくれば明日がある。「今負けたらば重ねて勝つように工夫致すが当然」と思えるには資格がいるとも言えます。
昔の人は海の果ては滝のようになっていて行ったらまっさかさまに転落すると考えていた時代もあったのでしょう。しかし、行ってみれば違う世界が、もしくはどこかに到着する、必ず。だから迷わず行けよなんだし、行けばわかるさなんでしょう。
そのためには「0」じゃいけない。小さい戦、勉強でいえば小テストや確認テストで「勝った」ことがなければそうは思えない。
また、これまで営々とやってきたことを評価してやる必要が出てきます。これは良かった、これはダメだったと評価できる代物がいります。それがあるかどうか。
あれば反省して、「敗北を、おのがよきいましめとして」今度は「勝つように工夫致す」「今日負けたら、明日勝てばよろしかろう」その繰り返しではないでしょうかね。
そういう意味ではここ何回かで紹介した方、それぞれ事情もお考えもおありだと思いますが、よく考えられて受験に臨まれた方と思います。すばらしい。
なにがすばらしいって「戦」が終わったらもう次に向かっていることです。すぐに「次のたたかいに、いかにして勝とうかと分別するが、肝要」がよくわかっていらっしゃる。
ただすぐ次へ向かうためにはそれまでの過程がいります。次になかなか向かえない方はその過程に課題があるともいえるでしょう。
ボクは自身の入試の結果をほぼ10年引きずりました。もしかしたら今でも身体のどこかにその残滓が残っているのかもしれません。しかしそれに意味はない。無駄である。それはハッキリしているのです。
だから子供たちには入試が終わって10年も無駄なことをしてほしくないと強く願います。「負ける度に、頭を剃りこぼって居れば、死ぬまで、髪毛が長くなり申すまい」なのだから。
1つ受験報告を紹介しましょう。受験に向けての勉強ではなかなか思い通りに進まない、親の思うとおりにならないことがあるでしょう。
そのとき多くの家庭では勉強がほぼ「0」になる。しかし受験では「0」か「100」かのバクチでは勝てません。遅々として進まない中でも「0」にはしない、それが次の原動力になるから。
そういうことを学べる受験報告です。それではどうぞ!
小6 Gさん
ストロング先生、いつもお世話になっております。
このたび、第一志望に合格しました!!
小5の秋に親技と出会い、10の鉄則、親子ノリノリ勉強法、復テ対策、公開テスト対策、親カツ前期後期、と本当にいろいろと参考にさせていただいてきました。
先生方のおっしゃることを100%は実現できませんでしたが、行き詰ったときには親技を思い出し、まず親が精神的に安定できるように専用ページでアドバイスを探したりしました。
4年夏から本格的に始めた中学受験でしたが、反抗期も重なり、自分がやりたくない勉強はやらない(or後回しにして間に合わない)ことがずっと続き、穴が目立つし、やる気にさせるのが本当に大変でした。
子供が本当にやる気になったのは、入試直前の年末で、苦手だった算数の問題で「初見でも考えれば分かることが分かった」(本人談)、そして実際に入試問題演習での点数が上がってきたときでした。
まさに、実績がやる気に結び付き、それまで存在を無視していた理科の弱点補強にも自ら取組み始め、入試日まで突っ走ることができました。
なかなかやる気の上がらない我が子でしたが、
「夏に効果を出すために夏前に算数を頑張る」
「夏はとにかく塾の算国で真剣勝負をする」
「秋の学校行事の忙しい時は、勉強と模試の結果はしょうがない」
「学校行事が終わったら、気持ちを勉強に切り替える」
「冬期講習前の時間のある時に算国をもう一度頑張る(特に算数のイケドンシート)」
など、時期を区切って方針のようなものを立ててなんとか実行していたので、やる気がないながらも、力を蓄えることができました。
また、受験校の選択もすごく熟考しました。
1月校では、他人と同じ学校を受けて合格で浮かれたり、不合格で落ち込んだりしたくなかったので、そういう視点で受験校を決めました。
2月校では、「子供を通わせてもいい」という視点で、偏差値や「この学校受けるなら普通このパターン」のようなものにとらわれず、1日目本命校、2日目は気に入っている超安全校、3日目はチャレンジ校と超安全校のダブル出願、といい形で組むことができ、結果2日間で受験が終わりました。
あとは、親カツ最終回の通り、
「前日にやること」
「1週間前にやること」
「3週間前にやること」
を決めて、あらかじめやるべきプリント類を選別していたので、塾の宿題が減ったり、授業がなくなってしまったときにも、「何やればいいのか分かんなーい」という状態になりませんでした。
折しもやる気満々になった子供は、穴だらけの理社で逆襲することができました。
どれも、ストロング先生のアドバイスを私なりに消化しての作戦でした。はたから見ていた夫には、「ママは軍師だ」と第一志望の合格後に言われました。軍師たらしめてくださったのは、親技です。ありがとうございました。
秋の模試では一度も合格圏に届かず、30%とかを出していましたし、塾にも「ボーダーです」と言われていましたが、直前には、本人に努力に裏打ちされた自信が芽生えていたようで、はたからみていても「力を平常心で出し切れば大丈夫」と思えるようになりました。そして、それを試験当日朝の電車の中で、緊張し始めた子供に伝えることができました。
中学受験を通して、大変なことも沢山ありましたが、子供はすごい力を持っていることを真に実感することができました。
それも、ストロング先生とタイガー先生が私たちに伴走してくださっていたおかげです。本当にどうもありがとうございました!
合格とはいっても、まだ親技は終わっていないことも承知しています。
「合格して成功する人」になれるよう、今後も親の役割を果たしていきます。
さらに下の子供もいます。私の未熟な親技を磨きつつ、子供たちに向き合っていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
読んでみればすごく順調に来たように見えるのではないでしょうかね。第一志望に合格したということでそれ以外の学べることやヒントが皆さんには見えにくくなるのではなかろうか。そんな心配もしたくなります。
苦労しながらも決して勉強を「0」にしなかったこと、
時期を区切って方針のようなものを立てて
なんとか実行していたので、やる気がないながらも、
力を蓄えることができました
やる気がなくても力は蓄えられるってこと、そして入試前の過ごし方、受験校の出願の仕方、親が入試における「軍師」であったと心から思います。それがあったゆえでの入試直前のお子さんの猛スパートも引き出せた。あっぱれです。
ただ「秋の模試では一度も合格圏に届かず、30%とかを出していました」ですし、最後で大いに巻き返して追い込んでいったのは間違いないでしょう。
でも、そこに行くまではそれほどトントンと言ったわけじゃないんですよ。
Gさん 3月
・・・・3月の組み分けに向けて、イケどんの合間に腐敗単元のB問題を入れていくこともできず、またもや実力テストで算数が足を引っ張ってしまいました。(A問題78%、B問題36%の正答率)
そして、夏までに実力テストで4科偏差値を58、範囲有りテストで60にする、という目標から遠ざかりました。
しかし。
子供は、組み分けテストを受けた後、このままではまずいという感触を得たのか、いい意味で開き直りました。
それまで律儀に先生提出用にやっていた宿題を取捨選択することに承諾し、あんなに先生を恐れていたのに「別にノート出さなくていいし」と、イケどんシートを優先して勉強し始めたのです。
そして、ほとんど「几帳面な作業」になっていてえらく時間を食っていた国語の宿題も、時間が足らな過ぎて最小限のフォローにしたら、かえってその方がいい、ということに気付きました。
そして、「これなら算数の苦手の単元を別にできるかも」とまで。
悪い結果が出たことで新しい良い面が引き出された。悪いテスト結果も決してダメなだけの材料でないことがわかります。
ダメだったことを自分が全部ダメだったと思うことがダメなことなんですよね。
悪い結果で開き直れて「宿題を取捨選択することに承諾」したことが大きな転換点だったのかなあと振り返ってみて思います。
しかし・・・
Gさん 4月
・・・子供が相変わらず暴れ、暴れて床に逃避しているときに説得するのに使う時間が刻々と流れ、かつ日々の課題に追われ、しかも学校の宿題も容赦なく、塾の定期テスト、実力テストも続き勉強ペースが乱れ、こんな言い訳してもしょうがないのですが、
困っていました。
とにかく子供が暴れます。
6年にもなって、と思うのですが、要は算数が大嫌いで、実力テストで毎回算数が足を引っ張り、「算数はやっても無駄だ、やりたくもないし、面倒だ」という固定観念が根深いのです。
週テストや定期テストでは、いけどんシートのおかげで、それなりに取れるのですが、実力テストで算数の実力不足が顕著になります。
昔のイケドンシートを混ぜたり、3日1単元で思い出したりして、大分以前よりは取れるようになっているとは思います。
ただ、4月の二つの大きなテストでは、大問1の計算問題3問中2問落としていました。他の文章題や図形問題でも、約分ミスや転記ミスで、もったいないミスを連発していました。
算数がダメでイヤで暴れちゃうわけですが・・・・
Gさんの軍師たるべきゆえんは算数がダメだから算数だけやって全体が沈んでいくというありがちな流れにしなかったこと。
Gさん 4月
それでも、国語や社会など、比較的得意だった部分も頑張って、最近は実力テスト4科では成績も上がってきました。
先日のテストでは社会で素晴らしい成績をとって、4科全体を引き上げました。その結果、志望校の合格圏にはもう少しで届きそうな感じですが、あとは算数が上がれば、本人の自信にもなり安心材料になる、というところです。
だから、「算数、頑張ろう」と本人とも話をして、本人も「算数が上がれば楽になる」という話に納得するのですが、いざ算数の問題を目の前にして「さあやろう」となると「やだ!」「面倒!」「こんなのやっても意味ないし!」になって、ほとほと閉口しておりました。
ストロング先生のおっしゃる「成果」が感じられないから、こうなるのだろう、と思いつつ、成果を感じるところまで私がもっていってあげられず、焦るばかりです。
子供にやる問題を与えるのに、難しすぎるとボイコットするし、簡単すぎると「馬鹿にするな」となります。
でも、今の子供にとって算数の自信をつけるには、計算ミスをしないで取れる問題を取っていくことだろうと思い、簡単な計算問題の練習に重点を置き、自分でミスの原因について一覧表に正の字を書かせて、自分のミスの傾向を意識させるようにし始めました。
そして、分からない問題について、解答を見たりして分かったものを最後の仕上げとして「自分で解く」「もっと早く解く」をしようとしない癖を解消すべく(ノリ勉でやったのですが・・)、今日、無理やり成果シートを記入しました。
暴れている間に、2回目3回目が軽くできるよね、と本人に示しました。その場では「うん」と言いますが、明日はどうなることやら、です。
成果シートの記入は嫌がる本人との兼ね合いで、すごく細切れに実施しました。
Gさん、3月のメールでこう書いていらっしゃいます。
今日5分、1問すれば1か月で150分、30問。
今日10分、2問すれば1か月で300分、60問ですね。できないやれない、と嘆く前に少しでもやる。
いつも子供に言っていることが、できていないじゃないか!ってことですね。
「0」にしない!もう腹が立ってブン投げてやりたくなることもあるけれど「0」じゃあ明日がない。
それに付き合えるのは親しかいないんじゃないでしょうかね。だって面倒だもん!面倒なことを人が進んでやってくれるとは思わない。そんなお人よしはあまり見かけないですから。
Gさんは下にもお子さんがいらっしゃるようです。中学受験をされるかどうかわかりませんが、されるとすると今回の経験をもとに相当な準備と考えを持って親技を駆使して皆さんの強力なライバルとなっていかれるでしょう。
始まりは「今日5分、1問すれば1か月で150分、30問」
どうぞ皆さんもGさんを参考に根気よく付きやってください。
Love is doing small things with great love.
愛とは、大きな愛情をもって小さなことをすることです(マザー・テレサ)
『10の鉄則』の感想、続々と・・・
小6 もたもたママさん
一年ほどメルマガを読ませてもらいながら、ずっと鉄則は購入するほどでもないかもとブレーキをかけ続けてきました。
が、なんとなくわかるけど、何か整理されないこと、やっぱり娘とバトルをしてしまい、受験をやり遂げるには後悔あってはならずと、思い切って購入しました。
ふん、ふん??・・・何となくわかっていたけれど、徹底せずすべてが中途半端になっていました。
これだけ整理してもらっていれば、一つずつ潰していくのみ!そして、続けるべきだと納得しました。
一遍には大変なので、まず鉄則1を実行しました。娘の反応が明らかに違って面白かったし、何かつぼを感じました。
次は鉄則3を心がけてバトル回数を減らします。そして、鉄則9も昨日大成功!大嫌いだった社会と理科のサブノートを克服しました。
まず、コピーをやらせて、間違い直しの後、すぐにもう一度同じものを本誌に書き込ませたらどちらも全問正解!娘は俄然やる気になりました。
私の癖として、最初がんばるのですが・・・状態になってしまうので、一度にたくさんせず一つずつ徹底して実行に移していってみます。
まだまだ、先がありますが、よろしくお願いします。
「最初は頑張る・・・・」のは皆一緒。しかし、続かない・・・
親も子も「持続する」には、どうしても「成果」がいります。以前よりも良くなった!そう思える材料がどうしてもいる。
以前より良くなっても、それでもバトルはあるんです。だって、子供は勉強から逃げたいですもん!
バトルしながらも、文句を言いながらでも、勉強を続けていくには、
「面倒でしたくないけど、やれば上がる、成績が維持できる」
というエサ、それも確実なエサがいる。
それは親も同じです。やってもやっても成績が変わらなければ、鉄の意志があっても、続きません。
親も子も必要なのは「鉄の意志」ではなく、「成果」なのです。机に今まで通り座ったら、成果は出る。もっと座れば、もっと出る。
それには「正しい勉強のやり方」が必要です。