こんにちは、ストロング宮迫です。
入試の足音が受験生にはだいぶん聞こえ始めてきたようですね。
この時期に起こる問題は、たいてい決まってます。ぜひ11月の毎日親技で予習しておいてもらいですな。
起こる問題とは、「ウンウン唸って解いてもできるようにはならない」とかテストの見直しの仕方であるとかです。
この時期からの受験生の入試演習や志望校判定テストにおいて、いくつかの重要なことがありますが、最重要なのは
できる問題を落とさない!
これに尽きます。
制限時間に追われ、かつ「全部獲ろう!」というような無謀な試みが受験生を自ら崩壊させる。自分から負けていくんです。自分から脱落していくんです。
入試問題は難しい!
確かにね。でも、難しい問題は受験生のみんなが手を焼くんです。手こずるんです。そして、そこでの差は大きくは開かない。
大きく差が出るのは「できる問題を落としたとき」です。
だから、親技を駆使する親は子供の入試演習や志望校判定テストの結果を見るときに、素点や偏差値や判定だけを見ない。
★制限時間に追われながらも、的確に時間配分をしているか?
★全部を獲ろうとする無謀な試みをしでかして、獲るべき問題を落としていないか?
などを見る。
日々の入試演習や模試との格闘の中で、勝ったり負けたりはある。いいんですよ、今はそれも練習、訓練のうちだから。
けど、その訓練を繰り返すうちに、徐々に入試問題や模試に対する戦い方も身につけないと、連敗が続くようになる。
親技で「勉強は親の知恵比べ」というのはそのためで、必死な受験生をどうぞ巧みに導いてやってほしいと願っています。
小6生から相談が届いているので、その相談を見ながら一緒に考えてみましょうか。
小6で●●中学を目指しており、大手塾に通っています。
志望校は本人が熱望しており、そのために勉強しているような状況です。
ものすごいジェットコースターの成績ながら、少しずつ平均偏差値も上がっており、始めたときは59くらい現在61(6年になってから56~65)くらいです。
9月の模試では4科65の偏差値をとり喜んでおり、本人も非常にやる気をもって家庭学習に取り組んでいました。
しかし、今回10月の模試では57をとってしまいました。
原因は国語で、他の3科目もあまりよくはなかったものの、国語が50という本人にしては衝撃の偏差値でした(9月は60)。
もともとは国語は得意で6年の始めは65、64だったのですが、6月頃から54を取り出して、毎週の復習テストなども点数がとれなくなってきてしまいました。
塾の先生に相談しても、「お子さんは得意だから大丈夫ですよ」などと言われる始末。危機感を感じているから相談しているのに…
本人にも相談に行かせているのですが、改善しません。
選択肢も取れない、記述は本人は得意な気持ちを持っていたのですが、最近は全バツだったりします。抜き出し問題も苦手です。
最近は時間も足りないようです。(苦手意識を持っていて、丁寧にやろうとしているのか?)
志望校では記述もありますし、国語は得意なのが当たり前のようなので、本人も私も焦って、通信講座の記述講座をやってみたりしたのですが、やればやるほどできなくなってきている状況です。
やる気もあり、学習もしているのにどんどん成績が下がる子どもを見てどうしたらよいのか、親としても途方に暮れています。
志望校があり、そこに向かって頑張っている受験生です。なんとか偏差値も60越えをしていたが、10月で下がった。特に得意の国語で大きく後退してしまったというわけです。
他の受験生にだって見られる現象でしょう。実際に同じような苦しみを味わっている受験生もいる。
さてどうするか?
いくつかボクの考え方と対策を書いてみましょう。
「得意な科目」というのが1つポイントになるんじゃないかとボクは思っています。
「できる」「できて当然」「この科目で稼ぐ、稼げる」そう思ってここまでやってきた受験生にはよくあることで、だんだんと難易度が上がり、「できない問題」も多く含まれてくる入試演習や模試に取り組むようになると、偏差値が下がるというパターンです。
まず考えるべき点は、最初に書いた「全部獲ろうとしていないか?」ここですよね。
☆いったい何点を目指すテストなのか?
☆捨て問は設定しているか?
☆全体の時間配分はどんな感じで進んでいるか? それは適正といえるのか?
入試演習も志望校判定テストも、入試仕様です。今まで全問解いても時間があった受験生だって、入試演習となるとそうはイカの●ンタマってことも多々ある。
特に得意な科目だと認識している子供は、捨て問の設定をせず、最初から順番に解いていく傾向が高い。今まではそれでよかったかもしれない。でもここに壁が現れた。越えねばならない。
だったら、入試演習やテストに対する取り組み方を考えなければならない。
小6の受験生の国語の問題文は長い。読むだけで骨が折れる。読むだけで一定の時間がかかる。すべての問題が設問を読んでピンとくるわけじゃない。
少し時間がかかりそうだから、とりあえず飛ばして、あとで戻ってこよう!
こういう戦い方をしていかないと、今までも何とかなってきたから、ここでもなんとかなるはずだって特に前半で1つの設問にこだわって、必要以上に時間を割けば、時間を割いて仮にその設問の解答が書けたとして、そのムリはあとで響いてくる。
60分のテストで文章題が3つなら1つに対しておおむね20分で通過しなければならない。その20分には問題文を読む時間も含まれる。5分で読んだとしても、設問が7つあれば、1問に対して2分ってところだ。もしそこで5分かけたとすれば、それによって目安の20分を大幅に超えてしまっては、後半に出てくる文章題は、必然的にまず読みが疎かになり、設問に対する読みも浅くなる。
ごく当たり前のことだけれど、本当に多くの受験生がこの時間配分を無視したテストの取り組みを行うことにより、試験時間の後半部分での正解率や獲得する得点が下がる。本来なら「できるはずの問題」もボロボロ落とす。受験生の多くが正解している問題も落とすという現象が出てくる。
親技生なら、入試演習や模試で子供が問題やページごとで通過時間を記入しているはずだ。まずはその通過時間、かけた時間を見てみることです。ああしろ、こうしろではなく、親子で検証する。
この問題にこれだけの時間をかけるのは果たしてよかったのか?と。
検証という話し合いの中であなたのお子さんの闘い方が見えてくる。闘い方は1つだけしか正解がないってわけじゃない。あなたのお子さんがお子さんらしい戦いをすためにはどうするかを考えればいいのだから。
もし、入試演習や模試で、どれくらい時間をかけて解いたのかがわからない、通過時間も記入していないというなら、検証はできません。
検証するなら、親がそばいついて、子供が入試問題を解くのを見てみないといけない。どういう時間のかけ方をして入試問題に取り組んでいるのかを。そもそも制限時間を意識して、入試問題に取り組んでいるのかをみないと、「こうしてみよう」という対策は出てこないでしょう。
多くの受験生は言うんです「制限時間はもちろん意識してますよ」ってね。
問題は「どういう意識か?」ってとこだから。
せわしなく、焦る中で、問題は順番に最初から見ていいから、「すぐ解く」「時間を意識しながら解く」「少し時間がかかっても獲りに行く」「時間を意識しながら保留にして飛ばず」「問題を見た瞬間に飛ばす」…etc
特に国語における記述の場合は、正解できても、ものすごく時間がかかった・・・・ということが大いにありうる。
入試演習やテストの中では、その判断がうまくできなかったということはあるとしても、常に狙うべき得点と捨て問に設定できる得点や問題数は意識していかないといけない。
入試は「費用対効果」ならぬ「時間対得点」です。
↑↑↑ここでも書いたけれど、たとえば
大問1:27分で8点
大問2:18分で42点
このテストにおいて、子供は実に効率が悪い得点の仕方をしていることがわかる。
こういう過ちをお子さんが犯していないか?そこを見てあげることが対策を考えるヒントになるでしょう。
正解できたかどうかは、本当に大事なことなんだけれど、この時期からの受験生は特に、
何分で正解できたか?
ここを見逃すと、努力が報われないってことが多々ある。
制限時間のある中で、いかに得点を上積みできたかの勝負が入試だから。
これらを踏まえた上で、お子さんが入試演習において、得意な科目なのに制限時間を課せられると調子が出ない、自信を失っているという状況なら、
制限時間を取っ払って好きなだけ時間をかけてもイイから、じっくり解かせるという手法をボクはとっています。
「なんかヤバイ」「ダメかもしれない」「時間を気にすると問題文が頭に入らない」というのは自信を失いつつある受験生がよく口にする言葉ですが、そんなとき「通過時間を記入しろ」「捨て問は設定したか?」「「その問題に時間をかけすぎじゃないか?」と問い質しても問題は解決しない。
ゆえに好きなだけ時間をかけてもイイから、じっくり解いて、最高の得点を出してごらんとやることがあります。
その時には親がそばで見ていて、どれくらい時間をかけて解いているのかを計って記入したらイイ。
なんでそんなことをさせるのかって言うと、
やっぱり解ける!という自信回復の手段でもあるし、今後、自信を回復したうえで、時間を意識した闘いに臨む準備にもなるから。
ものすごく重要なことだけれど、時間さえかければ解ける!ということがわかるのはすごいことなんですよ。
だっていくら時間をかけても、解けない問題っていっぱいあるでしょ? いくら考えても答えが出ないっていう問題は算数や社会や理科にはいっぱいある。
でも、特に国語では時間さえかければ、何とか書けるって問題が他の教科よりは多くなる。考えてもわからない問題もあるけれど、時間を気にしなければ、解答欄が埋められるのが国語だ。
もし国語が得意で、今まではよくできると思っていた、そしてそれについての結果もちゃんと出ていたなら、制限時間を取っ払って、存分にやらせたらイイ。
ただし、繰り返すけれど、その際はそばで親が時間を計って、どれくらい時間がかかったのかを記入していかないといけませんよ。
だって、そのあとにいよいよ制限時間のある戦いに挑まなければならないのだから。
つまり、入試演習や入試には2つのステップがあるということです。
1つめは、時間をかければ解ける!2つめは時間を意識して解く!この2つです。
このステップは順番通りに進まないといけない。
塾なんかに通えば、受験生になるまでにね、おおむねこのステップを踏んできたと言えます。
考えてみればすぐわかるように、中学受験でいえば小4の時はテストで時間がいっぱい余ったはずなんだ。小5でも夏ころまでは少し余るくらいでしょう。高校入試組だって同じ。中1の時のテストって時間が余る。
つまり受験生予備軍のとき、テストで問われているのは
時間をかければ本当に解けますか?って問われてるんですよね。
習ったことをきちんと復習できていますか?って時間に余裕をもって問われるのが受験生予備軍のテスト。
ハイ、じゃあ時間をかけて解けるんなら、制限時間を厳しくしたらどうですか? 頭からきちんと素早く出し入れできますか?を問われるのが受験生の夏以降の入試仕様のテストっていうわけです。
もちろん受験生の受ける時間の厳しいテストのほうが同じレベルのテストでも難易度は上がる。
ここでは過去に中学入試も高校入試もチャレンジ問題を書いたことがあります。
いずれも超難関校の問題を掲げたわけじゃない。入試演習なんて、だんだんとできるようになってから難易度は上げればいいんだから。
ここで注目してほしいのは、基本をベースにした問題を出している入試問題だとしても、制限時間を短く設定すれば、難易度が上がるって言っている点です。
たとえば
偏差値40~50: 制限時間50分
偏差値51~55: 制限時間45分
偏差値56~60: 制限時間40分
偏差値61以上 : 制限時間35分
こんなふうに10分、15分制限時間を短くするだけで、同じ問題でも難易度は上げられる。
別に無理して偏差値60の学校を力んでしなくても、やる時間を短くして難易度なんて上げちゃえばイイ。
制限時間のある戦いで「イイ闘い」をするためには、まずは制限時間がない中なら「イイ闘い」ができるとなってから。
子供が勉強で失った自信ってね、親がいくら言葉で補って回復しないんですよ。新しい教材をたくさんやっても、空いた穴は塞がらない。
できる!できた!やったらできた!それでしか回復しない。
そのためには、失敗したら、1つ前のステップに戻る。戻って自信を実際に自分の手で回復させて、また今のステップに戻ってくればイイ。
良い記述を書くためには、選択肢はキチンと根拠をもって解けねばならない。根拠をもってとくには本文をしっかり読み通さなくてはならない。
時間がないからできないのか、時間があってもできないのか。
時間があってもできないなら、もう1つ手前のできる問題で試して自信を回復する。
できる!できた!やったらできた!それで回復してから次のステップへ。
入試まで時間もないけれど、焦ってショートカットで志望校の過去問までいっても、そこで必ず撃沈するから。
撃沈してもいいけれど、撃沈したらパニックにならずに目のステップに戻る。
行きつ戻りつ、3歩進んで2歩下がる。だとしても一歩前進だ。
戻ることや下がることが問題ではなく、過程の戦いを通じて、本番に向けて自分らしい、自分本来の戦い方を身につけることが大事です。
親は子供の司令塔です。冷静にね、目の前の問題を1つ1つ片付けていきましょう。ゴールまでワープなんてできないのだから。
『10の鉄則』の感想、続々と・・・
小4 きういさん
(省略)3人の子供がいて、フルタイムで働いているため、夜のほんのわずかの時間しか勉強を見てやることができません。それも毎日というわけにはいかないのが現状です。
鉄則を読んで私にできるのかなというのが一読した感想で、でも、受験するなら、私がなんとか時間を時間を作らなければというのが二読した感想です。
忙しさゆえ、結果だけを見て、あれこれ注文をつけることに対して考えていかなければならないなと強く感じています。
鉄則を読むだだけで自分が偉くなったような気がしますが、言うだけにならないように頑張ります。またご指導ください。
親以外で誰か子供の勉強を見てくれる人がいるのであれば、問題ありません。また、子供が塾などで勉強してきたことを頭に入れてきているのであれば、問題もないでしょう。
あとはこれから量が増え、レベルが上がった時にも、それで対応できるのか?という問題です。
また、どうしてボク(私)はここまでやらないといけないのか?という問題も出てくるかもしれません。
子供が1人でやる際に大きな問題になる点です。問題が発生してからではすでに問題自体が大きくなっているため、特に時間が取りにくい方には解決が難しくなります。
なので、少ない時間の中で油断せずにしっかり見ておくことです。
時間がないからこそ、少ない時間をきちんと過ごす。
中2 チョロさん
叱りの私の意識をかえることが一番大切だと思いました。鉄則1にもつながると思いますが、親の本音をどう子供に伝えていくかが私の課題だと思います。
難しい年頃なので、叱ると褒めるのけじめをつけてやっていきたいと思います。
ちゃんと子供と話して約束してできなければ大いに叱ってください。褒めるのは成果を出させて褒めればいい。
勉強をさせるために褒めたり叱ったりするのではないのです。それゆえ鉄則1は最も大事な部分と言えるでしょう。
難しい年頃に「なった」のではなく、「してしまった」と考えましょう。
これからも続く子供との旅。機嫌をとっていたのでは、親も疲れるし、子供も確実に見抜きます。なにかが壊れていくのは、すべてそこからなのですから。ファイト!