こんにちは、ストロング宮迫です。
高校入試もポツポツ出撃が始まりました。今週末にも中学入試の大一番が控えております。
何度も繰り返し書いていることだけれど、入試前が一番子供は伸びるんだからね!あと3日、あと2日、そこでもまだまだ伸びて吸収してもう一段階段を上がる。だから最後まで、できるところまでやりきるんですよ。
あと1問、あと2問の差しかないんだから。今日でそのあと1問ができるようになる可能性があるから。入試1週間前から調整します!なんてもったいないです。
さて、この前、ここで入試に持っていく腕時計が電池切れになっていた話をここに書いたけれど、一足早く大学入試では「受験生が持ち込んだ時計の使用を禁止」方向になっているのは皆さんご存じのとおりです。
京大入試、時計の使用禁止 スマートウォッチ販売も影響 朝日新聞 2015年12月10日
京都大は10日、来年2月の一般入試から、受験生が持ち込んだ時計の使用を禁止すると発表した。
米アップルが今春、腕時計型端末「アップルウォッチ」を発売。インターネット接続でカンニングが起きる可能性があり、監督者が見抜くのも困難と判断した。
京大では2011年2月、受験者が携帯電話からネット掲示板「ヤフー知恵袋」に入試問題を投稿し、答案を得るカンニング事件が起きた。
北野正雄副学長は「今後様々な時計が出てくることを考え、一律に禁止することにした。全ての受験生が同じ土俵で受験できる環境を作るのが我々の使命だ」と述べた。
京大によると試験中、腕時計などをカバンにしまわせる。1千万円以上かけて試験場の教室に計約200台の電波時計を設置する。
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時計の持ち込みをめぐっては、大阪大や神戸大、同志社大や立命館大は来春の入試でも、辞書や計算機の機能があるものなどを除いて認めるという。慶応義塾大は今年7月から、総合政策、環境情報の2学部の学部内試験で時計の利用を禁止している。(佐藤剛志)
海外の大学入試でも「あらゆる腕時計」について会場に持ち込まないよう通達を出しているところもあるようです。
大学入試以外では、日本英語検定協会が英語能力判定テスト「IELTSのテスト」でも
昨今の世界的なウェアラブル端末(スマートウォッチ、スマートグラス等)の普及により、IELTSパートナーズでは、試験当日の運用規約の見直しを行いその結果一部改定となりました。
・筆記/スピーキング試験室内への腕時計全般の持込を禁止
・朝の受付時のメガネの確認
となっています。
IELTSテストがそうなように、腕時計のあとには「グーグルグラス」などの眼鏡型の端末などへも持ちこみ禁止対象が広がるでしょう。
その前にたぶん眼鏡型の端末を使った「考え抜かれた」カンニング事件が起こったりするのかもしれませんがね(>_<)
もう人がスマホやネット環境を手放せなくなっているように、これらあらゆる携帯型の端末はますます進化して私たちの生活の中に組み込まれていくのでしょう。
だから、親ももうスマホなんかを子供に禁止するのはあんまり現実的じゃないんですよね。どの学年からにするかってのは各家庭に委ねられるけれど、一切禁止ってわけにはいかない。ないと困るからね…(;_;)
そこで子供にどう扱わせるか、どう付き合うかという課題が各家庭に突きつけられているというわけです。そのことについてはここであれこれ触れてきました。
たとえば2014年10月にはコンサルタントの永江一石さんが書いた記事を紹介しました。
・・・わたくし思うに、スマホ化がここまで進むと(ネットに接続するのは80.1%がスマートフォンを一番使うという結果)、いつも言ってるようにスマホは自分の欲しい情報やサービスにピンポイントにいくものだから、ほかの情報は目に入らなくなる。ゲームばっかりやっていたり、1日LINEやってたり、FC2で無修正エロ動画見まくっていたりする子たちは、当たり前ですがリテラシーが低くなるのです。
すなわち馬鹿一直線!!
1日1~2時間くらいが適切。
2015年4月には慶応大学SFCの中室牧子准教授の研究記事を紹介しました。
◆子供からテレビやゲームを取り上げたとしても、子供の学習時間は、ほんのわずかしか伸びない
◆親が「勉強時間を決めて守らせている」「勉強を見ている」ことが重要
◆親や大人の行動によって、子供の学習時間は変わる
ボクの感覚では
スマホを持つとたいていは成績が下がるというより、勉強量が落ちるという感じです。
そして、ケジメとコントロールすることについて、すでに意識がある子供は勉強量が落ちても、成績は下がっていないけど、ケジメとコントロールなんてどこ吹く風の子供は成績が下がってる。
特に勉強机の上にスマホを置いている連中は、だいたい下がってますなあ。気が散ってね。あれじゃあ、勉強にはならない。だってLINE(ライン)なんか超クイックレスポンスでしょう。
簡単にケジメとコントロールと言いましたが、ガキにとっては相当ハードルが高いです。
と昨年3月にここで書いてる。
子供が毎日友達と遊び呆けているので、何とか勉強に目を向させようと厳しくて宿題の多い進学塾に入塾させても子供は勉強するようにはならない。
【参照メルマガ】勉強に目を向させようと進学塾に入れたが・・・
多くの親は厳しくて宿題も授業数も多い学校や塾を好む傾向にあります。そういう環境になれば、子供もいつか・・・って願う。けど、願った通りになる子供もいるけれど、大半は「そんなの知るか」とブッチーする子供になる。
スマホを禁止してもそっちの世界からは逃れられない。だから、どう付き合うかってことですよね。付き合いを始める前に各家庭でどういう取り組みがなされているかで勝負はあらかた決まる。
ルールを決めても守られない家庭では子供が「言うことを聞かない」という嘆きになるだろうし、机に座って勉強していると思ったのに動画を見てるなんてことも出てくるでしょう。
通学の行き帰りで受験サプリを受講している子供もいれば、ゲームをして時間をつぶす子供だっている。同じ端末だって使いよう。それはどこで分かれるのか。
やるべきことをやらねばならない!と思っている子供とやらなくてもイイやって思っている子供の違いです。習慣の違い、使命感の違い、自己肯定感の違い、でき層化できそうにないかの違いともいえる。
みんな「やるべきことはある」わけだから。1回やらずにスルーされたら「やるべきこと」であっても、やらなくなっていくでしょう。
成績が振るわない子供は宿題をやっていかなくても先生が「この子は仕方ないや」って思えばスルーされる。授業の小テストができなくても誰も気づかなければ「まあいいや」ってなる。
歯止めや気づきが、どこで、誰に生まれるかによっても、子供たちの進む道は変わってくる。
なんでも付き合い始めてからみんな動き出すけれど、付き合い始めたら、そのときまでの習慣や思考が全部そこに出てしまうものです。だから「付き合い始める前まで」が1つの目安になる。
親も子供も、人は「途中で引き返す」ってことがなかなかできないからね。ここまで時間と労力とお金をかけてきたって思いがあったり、苦労して来た道ならなおさら引き返せない。
でもね、撤退もありなんですよ。引き返してやり直す。難しいけれど、よその子供と比較したら遅れてしまうと思うかもしれないけれど、引き返さなくちゃならないこともある。
だんだん話が大きく拡がって収めようがなくなるから1つ質問に答えておきましょうか。
小6 かもめさん
中学受験を目前にして、ゲーム(!)について相談です。
受験勉強を始めたものの、息子は予想以上に勉強させられ、最後は望まない中学受験勉強となってしまいました。合格したら、ゲーム機を買ってあげると、ご褒美をチラつかせて何とかここまでやってきました。
合格したらの話ですが、今更約束を反故にはできず、かといって、DSの類いのゲームを与えたら、ゲーム三昧になるだろうと予想されされます。
与える際、勉強と両立できるようにする予防策はありますでしょうか?
中学入試目前での相談ということは、志望校にはだいたい目途がついているということなんでしょうかね。
勉強と両立できるようにする予防策については、さっき紹介した慶応大学SFCの中室牧子准教授の研究記事をぜひ読んで考えていただきたい。
特に中室牧子准教授の3つの指摘事項を親が噛みしめれば答えはおのずと出てくるのではないでしょうかね。
◆子供からテレビやゲームを取り上げたとしても、子供の学習時間は、ほんのわずかしか伸びない
◆親が「勉強時間を決めて守らせている」「勉強を見ている」ことが重要
◆親や大人の行動によって、子供の学習時間は変わる
加えて中室牧子准教授が指摘している
・・・「親のコミットメントを、父親と母親に分けて、『勉強したか確認している』『勉強を見ている』『勉強をする時間を決めて守らせている』『勉強するようにいう』の4類型に分けて、子供の学習時間への影響を見ました。
すると両親が『勉強を見ている』『勉強する時間を決めて守らせている』場合、子どもの学習時間は長くなる傾向があったんです」
調査では「父親が、机に座って勉強を見ている」場合に、もっとも学習時間が長くなる傾向が見られた。逆に、母親が「勉強するようにいう」のは、子供が女子である場合に、学習時間を減少させた。
また親ではなく、大人が子供の勉強を見た場合でも、子供の学習時間が増える結果が得られたという。親や大人の行動によって、子供の学習時間は変わるのだ。
についても参考にしていただきたい。
中学に入って、イイ先生、イイ同級生に出会ってガンガン頑張る子供になる可能性もありますから。
ただそれは運頼み、運任せになってしまうんで、この親技では「確定的な要素」として、「他のどこかの大人」ではなく「親」が「その大人」になったらどうでしょうかって言っているだけだから。
もうここまできていて言っても仕方がないけれど「ゲーム機を買ってあげると、ご褒美をチラつかせて何とかここまでやってき」たのはとっても残念なことでしたね。
2009年9月の夏休み明けのすぐの時期に週刊親技でボクはこんなことを書いています。
・・・この9月は受験生の家庭でもっとも問題が噴出する月といってもいいかもしれません。受験が迫る中、夏休み中の疲れもあり、マグマが噴出し、とても受験生ではなさそうな状況が一番出やすい季節。
苦しかろうが余裕があろうが、どうあっても勉強を進めなければならない状況の時、親は「禁断の果実」を与えてしまいがちです。
そう、「受験まで頑張ればあとは・・・・」です。
しかし、実際は受験が終わっても、次の新たなステージが始まります。上位の学校に行けばいくほど、その集団のレベルは高く、受験が終われば、さらに一層頑張らねばならない闘いがすぐに始まる。
しかし、そこにたどり着くまでに息絶えてはならない。ゆえについ「受験まで頑張ればあとは・・・・」と口走ってしまう。
最近、ときどき引用させてもらっているブログ『地政学を英国で学ぶ』の8月22日の記事に「戦略学でよく使われる引用句:その9」として、次のような句が記されていました。
エリオット・コーエン(Eliot A. Cohen)二〇〇二年
政治と同じように、戦争にも明確な終わりはない・・・戦略家が犯す最大の過ちは、おそらく「勝利」(victory)を信じることだ。しかし勝利とは、想像上の概念にすぎない。そして勝利とは、新しい困難へと道を譲ることにすぎないのだ。
これを少しボクが強引に置き換えてみると、こうなります。
政治と同じように、「受験」にも明確な終わりはない・・・親が犯す最大の過ちは、おそらく「合格」を信じることだ。
しかし「合格」とは、想像上の概念にすぎない。そして「合格」とは、新しい困難へと道を譲ることにすぎないのだ。
これから受験まで、さらに受験後も闘い続けなければならない道のり。「闘う」には理由がいる。その理由が明確でないと、なぜこんなにまでしなくちゃならない!? なぜそこまで言われなくちゃならない!?という熱いマグマとなって噴火する。
決めセリフは「やってられるか!」ステキなエサを与えて受験まで走らせることができても、それで終わりじゃない。「合格とは、新しい困難へと道を譲ることにすぎない」のだから。
子供にキツイことを課すんです。「闘う理由」について、親はもう一度寝ずしてでも、考えておかないと、子供に負荷がかけられなくなる可能性もあります。心してかかるのは子供ではなく、親ですぞ!!
とまあ、こう書いているわけですが、入試後に子供がどんな振る舞いを見せるか、その上でどうモチベーションをどう維持していくかが課題の1つになるでしょう。
残りわずかな受験勉強を少しでもイイ色にしていってあげて下さい。今の生活の色を変えることがとっても大事です。
・・・2年間灰色だったが、合格すれば幸せになれる!
皆そう思いがちだが、そんなことはありえない!とも言いました。2年間灰色で不幸だった者は合格しても灰色なんだよと。
種をまいて、芽が出て、大きくなって、花が咲いて、実がなる。花が咲くことがクライマックスじゃないよ。
種をまくところから苦労や楽しみがあり、クライマックスがある。芽が出たときには心配も楽しみもあり、クライマックスがある。それぞれの過程に、1日にクライマックスがある。一喜一憂があり、泣き笑いがある。
だから、そのときそのときをおもしろがって楽しんだほうがいいんじゃない? しょっちゅうクライマックスがこないとおもしろくないじゃん!
あと数日だってクライマックスは持ちえる。あと入試まで数日だから可能なことです。
いろんなことがあったでしょう。すべて意味があった。だからね、受験生には入試に行く前に、入試の結果が出る前に「いろいろあったけれど、まあイイ色の受験生活だった!」って思って入試に臨んでほしい。
決して終わりがない道のりだからね。
受験前になるといろんなことが頭に浮かんでどうにもならんですわ・・・(;`O´)o
今の成績を悲しもうが、嘆こうが、今子供がいる位置、それは順位であり、偏差値であり、成績で、取り組む内容は違ってくる。
出された課題全部をやるのが理想であり、そうしたいのはやまやまでも、今いる位置が全体の20%から30%以下であれば、事実上全部の課題はできないはずです。
ゆえに「子供が今いる位置」の把握と「なにを、どこまでやらせるか」はすごく大事になるのです。
受験生対象の親カツ講座前期「夏までコース」が新年度開講しています!
ただし、受験生になる前に【満足できる点数をテストで獲れる「勉強のやり方」の確立】が優先なのは申し添えておきます。範囲の狭いテスト、範囲の広いテストの対策はある程度できている!それが受験生なのだから。
[算・数] 7日間を終えての感想
中2 Tさん
◆明らかに今回の成果と思うことは何ですか?
子供はもともと一緒に勉強をしたがっていて、下の子が小さいのでいつもママと一緒に勉強して楽しそう、とうらやましがっていました。
今までも出来るだけのサポートをしているつもりでしたが、違うのですね。一緒についてもらって勉強できてとにかく楽しいと笑顔が見られたことです。
◆親にとって学ぶべき点はありましたか?
一言で短期集中型と表すと語弊があるかもしれませんが、その勉強法を体感できたことが一番だったと思います。
今までのやっていた繰り返しすることや時間を計ることがあくまでもやっているつもり、だったことを知りました。今まで、メルマガなどから勉強させてもらっていても違う景色を見ていたようです。
今回も報告についてアドバイスいただき、実践においての自分の見えていなかったこと、甘かったところなどたくさんのことを教えていただきました。
◆お子さんと一緒に勉強するのは楽しかったですか?
楽しかったと、一言では言えません。すみません。
問題に対して見極めることなど、私の力不足を感じたこと、体調がすぐれないのに進めてしまったこと、下の子も体調を崩したりの中、時に勉強中に邪魔してしまうのを防ぎきれませんでした。
いつものことだからいいよ、と子供は言ってくれましたが。反省も多くて自分の余裕のなさを実感しました。もったいないです。
もっと楽しみたいですし、楽しめるようになりたいと思いました。
もっと楽しめるし、もっと確実に楽しくなる!そのためにも「成果の確認」ができていることが大事です。
成果なしに継続は不可能だし、成果なしに楽しくはならない!まだまだ究められる。迷わず行けよ、いけばわかるさ!
新学期前に「今の勉強のやり方」を確認しておいてください。この勉強のやり方で行くんだ!というものがあるのとないのとではエライ違いですから。