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こんにちは、ストロング宮迫です。

この時期の受験生には入試問題や入試演習をする際「狩りをするんだぞ」っていうことがあります。【 TIME TO HUNT 】ってわけです。

野生の動物だって「狩りをする」ときは、考えずにただ全力で走つとかしないし、とりあえず追いかけたりもしない。慎重に近づき、仲間と連携して「獲れそう」な獲物を狙います。

狙っていても、連携してても、窮鼠猫を噛むで反撃されることだってあるからリスクもある。それらを踏まえて、やるべきことをやる。逃したら次のチャンスへ。

受験生も同じです。狙って獲る!狙っていたけど手強くて獲れなかったということもある。それは教訓にして次へ生かす。

狩りの意識もなく、ただ漫然と問題を解いたり、普段から時間も気にせず解くなんてことは愚の骨頂なのは自明のことで、それは「本番の時だけ」狩りをするってことと同義で、「ほぼ失敗する」のとも同義です。

だって普段から練習していること以外のことを最初に本番でやったら、たいていは失敗するから。

こんなことを書くのは、この前中3生が貸した本を返しに来たから。本の題名はスティーブン・ハンター著「狩りのとき TIME TO HUNT」だったからです。

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受験生には本来、本を貸し出したりはしないんですが、入試演習の際「狩りをするんだぞ!」ってことの意味がピンときてなかったので、うっかり「宿題」として貸したのでした。

本は題名の通りスナイパーのお話なんですが、受験生やその親に通ずる話が至るところで描かれています。たとえば

スティーブン・ハンター著「狩りのとき TIME TO HUNT」

自分の失敗でないのはたしかだとしても、失敗というやつは自己増殖して、そばにいる全員を汚染する傾向がある。

この任務を指揮したのは自分、計画の立案を支援したのも自分、遂行の準備をしたのも自分なのだ。

自分の心は純粋になりきっていないのか?

いまだに西洋の虚栄ウィルスに汚染されたままなのか?

誤断をくりかえし、まずいときにまずい決断をすることになる性格的欠陥が、自分には、いや自分にのみ、あるのだろうか?

いかがでしょうか。

えっ、ピンとこないって!? そ、そ、そうですか・・・

失敗というやつは自己増殖して、そばにいる全員を汚染する傾向があるなんていうのは受験前の家庭だけでなく、受験を目指す家庭のさまざまな場面で出てきて、疑心暗鬼を生み、これまでのことを後悔させ「これはなんの罰なんだろうか?」と自問自答して自分を苦しめていることを表していると思ったんですが・・・

以前書いてきた以下のような相談はまさに「失敗が自己増殖して家族を汚染している」事例ではないかと思うのですがどうでしょうかね。

9日後に受験、親の心の揺れ止まらず

極度の緊張でテストで力を発揮できない

体に異変、何のサイン?

そこで失敗を自分で増殖させて周りを汚染しないように注意しないといけない。

その際有効になるのが先日ここで書いた「ルーティンワーク」ですよね。

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家庭学習、テスト、テスト後、親子でさまざまな場面で「これからなにをなすべきか」を【一瞬でわからせてくれる】ルーティン作業や動作や何かがいくつあるのか。

なけりゃあ、「1つの失敗は自己増殖して、そばにいる全員を汚染」します。震えは止まらず、頭は真っ白になって、銃撃戦の真っただ中で、ひょっこり立ち上がってしまう。

当然撃たれる。

ボクらが作ろうと親カツ生に推奨している「まとめノート」だって、そこには今までどうしても覚えきれなかった事項やもう1回頭に叩き込んでおかなくちゃならない事項が今までの分全部そこにある。

だから、最後の最後でこれさえやっておけば・・・と安心もでき、やることがあれば真っ白になった頭に冷静さを取り戻すこともできる。

しかーし、せっかく作った「まとめノート」も普段は見もせず、確認もせずでそれが3冊あって、試験前日にやってみたら、1ページ目からできない、知らない、忘れてるってなれば、自らドツボにはまっていきます。

使いこなせていないものは、それが「まとめノート」であれ、なんであれ不安を自己増殖させて周りを汚染する。一言で言えば「ヤバイ」を家族全員に伝染させるわけです。

「ヤバイ」は自己でチェックする機能がなければ、震えは止まらず、頭は真っ白になって、銃撃戦の真っただ中で、やっぱりひょっこり立ち上がらせてしまう。何かをしなければ耐えられなくなるのですよ、人はね。

「まとめノート」なんて3冊あったって、1冊10分で確認するから3冊でも30分だ。1冊5分なら3冊で15分。それくらいのもんです。それくらいで「やれる」から意味がある。

スナイパーだって「ヤバイ」と思えば、これまでの手順を思い返し、今からやらねばならぬことをもう1回確認するのは一緒。

スティーブン・ハンター著「狩りのとき TIME TO HUNT」

彼はいやな気分をふりはらおうとつとめた。いらだったり、興奮したりしていると、不注意になって、命を落とす。

つまらんことはなにも考えるな。冷静に、プロフェッショナルらしく、任務に専念し、なさねばならないことをなして、生きのびるんだ。

ほかの人間のことは考えるな。なさねばならないことだけを考えろ。それが唯一の、まともな行為だ。

震えないわけじゃないし、ビビらないわけでもなく、恐怖感や怖ろしさに襲われるのは受験生はみんな一緒なんです。

でも兵士と違って、ボクたちは命は奪われない。どんなヘマをおかしたってね。だからこそ、目の前に迫る恐怖や不安を軽んずるのかもしれないけれど、準備しておくしかないんだよ。

いざというときは、そこまでの蓄積した財産でしか勝負できないんだから。

ボクは折り目を付けて繰り返し読んだけれど、この本を貸した中3生の心にはまるで引っかからなかった部分があって、勉強にはなーにも関係ないことのように思えるけれど、受験生がやるべきなのはここなんだっていうのが以下の箇所です。

ボブ・リーが相棒のフェンと最後の出撃に向かおうとするところ。

スティーブン・ハンター著「狩りのとき TIME TO HUNT」

おれは装備をチェックした。前夜、自分自身と兵器係の双方で入念に点検しておいたから、M40はきれいだった。八十発のNATO制式M118競技用七・六二ミリ弾は拭き清めて、782装備のポーチに詰めこんである。

ショルダー・ホルスターにコルト380を滑りこませた。その上から迷彩服を着こみ、ブーツをはいて紐を締めた。

ジャングル用の塗装を数色つかって、顔を暗い色にした。歩兵幅をかぶった。弾薬、水筒、コルト45が装着されていることを前夜のうちにチェックしておいた、782装備を身につけた。

塹壕の壁に打ちこまれた釘にスリングでかけてあるライフルをとりあげ、M118弾を五発それに滑りこませ、ボルトをとじて、いちばん上の一発を薬室に送りこんだ。

ボルト・ハンドルのすぐ後部にある安全装置を引いて、かけた。オフィスに出むく準備が整った。


われわれは仕事にとりかかった。地図を吟味した。らくな仕事だった。基地の北側へまっすぐ進み、砂嚢の防塁をこえて、木立をめざす。それから、北方、ホイアンの方角へ、密生した藪や水田地帯をこえて、進む。

四キロほど行くと、八百四十メートルの高さに盛りあがっていて、そのために840ヒルと呼ばれている丘にたどりつく。われわれはそれをのぼって、監視任務に就き、海兵隊員のすぐれた視力でもってバンソン道とトゥボン川を注視する。単純な偵察任務だった。

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「武器を点検しろ」おれはフェンにいった。「そのつぎは通信機の点検だ」

ダニーはM14が装填ずみで、セイフテイがかかっていることを確認した。コルト45をとりだして、弾倉を外し、薬室がからであることを確認した。そのようにして携行しろと、おれが教えていたからだ。

そのあと、彼がPRC-77を点検すると、応答の相手は約四フィートほどの距離にいるわけだから、それは大きく、明敏に音声を流した。

当然のことだが、われわれはいつもどおり、ひとつひとつ確実にやったのだ。

受験生が受けるテストはたいていはいつもと同じ通りの問題数で、1番は確実に獲れそうで、2番は少し時間をかければいけそうで、3番以降は・・・とか「ほぼ定型」だ。

その都度もちろん問題は違うけれど、同じようなパターンで、時間は少し足りないくらいで設定されてる。型どおりだ。

要は単純な掃討作戦ってわけです。単純な作戦でも装備はいるし、準備する知識もいるけれど、型どおりに1つ1つ片づけていくわけだから、単純な掃討作戦です。

しかし、時に敵が序盤で伏していることもあり、油断は禁物だけれど、計画した通りに予定の行動を取りうるのがテストだ。普段通りに予行演習通りにやれ!

やれなかったら帰還して検証して、再び作戦に出向く。「われわれはいつもどおり、ひとつひとつ確実に」やるのだ。これは作戦面で入試実践テクニックです。

テストを受けて、相手との装備の違いが明らかになれば、すなわち勉強量やその内容に不備があれば、帰還して基本のチェックやもう1回総ざらいする必要も出てくるでしょう。

予定通り、準備した通り行動できても、1番から解けなかったら、その作戦は失敗に終わるのだから。

問題は不備があった勉強量やその内容についての吟味が驚くほどいい加減ってことです。

キミさあ、入試問題を解く前にこのテキストの例題と基本問題をちゃんとできるようにしろよ!って受験生がひどく多い。難しいことをやりたがる。

自分で担げない重量の機関銃を持ちたがり、打ちたがる。結果は戦死だ。

当然そうなる。テキストがちゃんとできていないのに、どうして新たな問題集が必要なんだ? 塾のだってたくさんあるだろうに。

入試が近づくと、まとめてあったり、これだけはやってね的な市販の問題集がバカ売れする。今までやってきたテキストはどうした? もう見ないって!?

この時期から新しいものをするのはすごい勇気がいることだけれど、世のなかには勇気一杯の人がたくさんいる。

なにかにすがりたいって思うんだろう。でも、もしすがるのならば、誰かでも、なにかでもなく、今まで向き合ってきたテキストや問題集で十分なんだよ。それさえちゃんとこなせなかったのに新しい問題集なんて・・・

「われわれはいつもどおり、ひとつひとつ確実に」やるのだ。

今まで「いつもどおり、ひとつひとつ確実に」やってきたものがないなら、これからそれを作らないといけない。

入試が近づき、震えが止まらず、頭は真っ白になって、銃撃戦の真っただ中で、ひょっこり立ち上がってしまわないように。

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例年通り、今年の受験生への『10の鉄則』ほかは10月末、『親カツ講座「入試実践コース」】の販売は来春中学受験の方は10月末、来春高校受験の方は11月末をもって販売を終了いたします。

これは『親技』では成果が出るまで最長3ヶ月というスパンで考えているためで、受験が迫ってからご購入いただいても、『親技』ではお役に立てないことが多いためです。決して「諦めなさい」と言っているわけではないので、あしからずご了承下さい。

うれしい報告

『10の鉄則』の感想、続々と・・・

小6 修行中の黒子さん

メルマガだけでも非常に参考になっておりましたので、購入をずっと迷っていましたが、手元にもっておくとを選択してよかったと思います。

『10の鉄則』は、塾の先生として、また親として、どちらも本気でぶつかった経験のある人、ストロング様であるからこそお書きになれたものであろう…まさに集大成を感じました。

周囲には親がそばにつき勉強を管理することを、過保護だとお考えになる方も存在し、これまで何度か自分は子どもを甘やかし、ダメにしているのではないかと悩んだこともありました。

しかし、メルマガやこの『10の鉄則』はその迷いを払拭し、親がそばにつくことは、子どもの真の自立を促す為の過程であると強く背中を押してくださりました。

これからも度々読み返し、まず親自身が強くあらねばと決心いたしました。ありがとうございました。

メルマガを参考に、実行できていたこともありましたが、鉄則5と6に関する点が、曖昧で徹底できていませんでした。

時期によって徹底できていたときはやはり調子も良かったように思います。しかし、本当に「続かない絶好調」です(涙)、鉄則10がまた難しく、非常に親の力量を要するところだとあらためて実感いたしました。

まず決めたことを落とし込んで考え抜き、それを実行する為の業を親が身につける必要を感じました。

幸い、実践会のメンバー様方の中には参考になるご意見が、山のように山積されていて、感激いたしました。

しかし受験生と幼児を二人抱えている私には全てに目を通す時間が今はないのが、とても歯がゆいです。

これからまだまだ私自身が身につけなければならない業がたくさんあると感じます。

メルマガで塾なしで頑張っている方がたくさんいることを知り、また実践会の方々奮闘ぶりを拝読し、頭の下がる思いでいっぱいです。私自信の力不足、努力不足を実感します。

私も一歩でも近づけるよう頑張りたいと思います。ありがとうございました。

ホント親は仕事に家事に子育てにとたくさんの仕事を抱えています。

勉強ぐらい自分でしてよ!というのが本音でしょう。勉強じゃなくてもイイと思うんです。なにかを通じて親の思いを伝える。

努力すること、逃げないこと、続けること、負けても何度でも立ちあがること。

「続かない絶好調」も多々あります。それでも、今日も明日も生きていかなければなりません。親がいなくなっても、子供が1人で生きていけるように。

あなたは何を通じてお子さんに伝えたい思いを伝えますか?

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