こんにちは、ストロング宮迫です。

見返してみると、この時期は毎年、甲子園の決勝戦のことを書いてます。もうエエやろ!とは思うけれど、やっぱり書くことにします。

甲子園の決勝戦は、今年でいえば、全国の参加校数3,781校のうちの2校ってことになります。2000分の1の確率です。倍率2,000倍ともいえます。難関ですなあ(*_*)

※この毎日親技は2018年08月24日に配信したものです

もうここに残るってことは奇跡ともいえるんじゃないかとも思います。それを春と夏で連覇するんですから、奇跡の2乗です。

その奇跡の2乗が起きる前兆は昨年負けたときにもうあったんです。

去年のちょうど今頃、ここで「真っ向勝負の時代がやってきた」って書いたけれど、ここに甲子園で仙台育英に九回逆転サヨナラで敗れ、春夏連覇の道が断たれた大阪桐蔭が、敗戦から一夜明けた日に新チームの練習をスタートさせたと記してる。

そこでボクはこうも書いた

1カ月休んでスタートするわけじゃないんだ。

現在、高校野球界でもっとも才能豊かな連中が集まってる大阪桐蔭が「敗戦から一夜明けた20日、新チームの練習をスタートさせ」てる。そこを倒したいって人が3日も休んでたんじゃ、追い付かない。

永遠に追い付かないんですよ。差は開く一方でね。そこには意識の差があるからさ。考え方、意識の差はカンタンには埋まらないんですよ。

そんな奇跡の2乗を見せられても、ボクが思うのはやっぱり「長い人生からすれば、大海に一針のごとく」です。

勝つことを捨ててでも教えておきたいことはこれだ↓↓↓

それは昨年大阪桐蔭の連覇を阻止した仙台育英がやろうとしていることでもあります。

この夏、2年連続27度目の出場をしたものの浦和学院に敗れた仙台育英高校は、すでに書いたように昨年の夏の甲子園で大阪桐蔭の連覇を阻んだ高校です。その数か月後の2017年12月に当時の3年生部員らによる飲酒・喫煙が発覚し、6か月間の対外試合禁止処分を受けました。加えて仙台育英高校野球部を長く率いた(1995年8月から)佐々木順一朗監督も辞任した。当時は野球部存続も危ぶまれたとか。

その時学校から報告されたことによれば、


同校の調査の結果、飲酒や喫煙は今年3~11月に計8件あり、野球部員は9人が関わった。場所は仙台市内の居酒屋や、野球部の寮だったという。同部は来年1月9日まで活動を自粛する。佐々木監督は「管理体制の甘さだと思う。監督の脇の甘さがすべての原因じゃないかと思う」と苦渋の表情を浮かべた。

さあ、ここからどうするか・・・ですよね。

子供の勉強でもありますよね。事の大小はされおき、事件や不祥事が起きた。「もう知らないから」という態度を取るのも1つの選択だけれど、もう1回やり直そうよってなる方が多いでしょう。

その際、何から手を付けるか?

それは団体スポーツでも個人競技でも同じだとボクは思います。

そんな事例をここでは数多く取り上げてきた。先日はバトミントンの桃田選手だったし、少し古いものだと、たとえばこれか。

箱根駅伝で毎年のように上位につけてきた日本体育大学が最悪の順位に沈んだ時、まず手を付けたのは、規則正しい生活を徹底だった。「以前は夜更かしする選手が多かったが、午後10時半に消灯。練習前にはグラウンドを清掃し、食事も残さず食べるようになった」と。

そこでボクはこう書いた

生活習慣は生活にリズムを与えます。

夜遅くまでテレビを見たり、ゲームをしたりする。遅くまで起きていれば、小腹が空いてお菓子を食ったり、ジュースを飲んだりもするでしょう。深夜になにかを腹に入れれば、朝食はほしくない・・・夜に眠たくならない子供のリズムはおかしいんですから。

成績不振の子供も、勉強方法の確立の前に生活習慣を変えたほうがいいねという子供がたくさんいます。

親もとにかく勉強を!と思っているけれど、もし仮にグダグダの生活習慣でイイ成績を取ったら・・・

勉強なんてやり方をちゃんとして一定の時間やれば、誰だって成績は今よりは向上するわけで、グダグダの生活習慣でも、あるレベルまでの成績を取ることは可能です。

もし、それで当初思っていた成績が取れたり、志望校に受かったりしたら・・・親は満足かもしれないけれど、子供のその後の人生はかなり辛いものになるっていくでしょう。

グダグダの生活習慣の土台に建てた家なんて、すぐに壊れちゃいますからね。だから、練習方法、勉強方法を変えるとともに、生活習慣にリズムを与えるようにするわけですね。

正確に言えば、

練習方法、勉強方法を変える前に、生活習慣にリズムを与える!

なぜなら、プレーも勉強も人格を越えないから!

神さまのいたずらで、仮にグダグダの生活習慣でイイ成績を獲る「勉強が人格を越えたら・・・」すぐのちに辛い人生が口を開けて待ってるから。

ゆえに繰り返し子供たちには「負けるときはチャンピオンのように負けろ!」って言うし、常に「君はベストを尽くしたか?」を問う。

プロ野球選手を数多く輩出し、甲子園の常連校にした監督を失い、夏の甲子園の予選の前までの6カ月間のの対外試合禁止処分を受けた仙台育英高校野球部はどうしたか?

仙台育英の系列にあたる秀光中学野球部の監督で、チームを全国大会にたびたび導き、優勝も経験している中学野球界で名を馳せた指導者を持ってきた。その人はなにをしたか。

処分明けの仙台育英が再出発、日本一へ勝利の五か条

須江監督が部員と初対面したのは、昨年12月10日に行われた佐々木前監督の辞任会見直後の室内練習場だった。部内には動揺と悲しみ、怒りが渦巻いていた

須江監督は12月中の時間のほとんどを77人の部員たちとの個人面談にあてた。

須江監督 彼らが求めていることをまずやろうと思いました。僕の色に染めるつもりはなくて。こんなに暗くてなってしまった高校の思い出をただただ塗り替えてあげたかった。

ヒアリングの中で出した結論が、佐々木前監督の自主性を重んじる体制を維持しつつ、自身が得意とする技術指導を組み合わせていくことだった。

須江監督 子供たちが私に何を期待しているのか。物事を変えることは3日もあれば十分です。だから根本的な考え方はとにかく「選手ファースト」でした。まずは自分が我慢して、変えることを慎重に、本質を理解して生徒自身が「もっとこうするべきだ」と気付いた瞬間に変えていきました。

選手に寄り添うことから始め、スローガンは秀光中から愛用している「日本一からの招待」に決めた。

須江監督 目標から招かれるほど追求していかなければ、と思い定めた信念です。

招かれるには
(1)確かな技術
(2)野球の本質の理解
(3)勝負運
(4)勝者としての振る舞い
(5)うそ偽りない365日の日々

条件は恐らく無限にありますが、それを満たしていかないといけません。

まずは生活面を正すことから始めた。日々の授業をしっかり受け、あいさつや整理整頓を徹底。また・・・

子供の成績に愕然とし、よし手助けして成績を上げてやろう!と思った親が最初にやるべきことと見事に重なります。

つまり、物事を前に進めるためには秘密も秘策もないってことですし、やるべきことは明らかであり、あとはそれをどれだけの覚悟と決意でやるかだけだということです。

最初にやることは、勉強を教える!・・・じゃないんですよ。問題集を買いまくることでもない。塾や家庭教師を探すことでもないんですよ。ネットで「やる気なし 子供」とかで検索することでもないんです。

まずは話し合うんです。
子供の声に耳を傾けるんです。
自分色や親の都合に当てはめるんじゃないんです。
子供が親に何を期待しているかを知るんです。
子供がどう思い、どう感じているかを知るんです。
一気に変えようとせずに、我慢して少しだけ提案して納得させてから変えるんです。
子供から「もっとこうすべき」を引き出すようにするんです。
そのために、その基礎になるのが生活習慣にリズムを与えるなんです。

同じだ。

この順番を間違うと、子供に才能があれば、運よく栄光を得られてもすぐに自らが引き寄せるどん底がワンセットで訪れる。もし子供の才能がなければ、栄光は永遠に訪れず、どうせダメだ、やってもムダって結論になって親子でいじけてたりすることになる。

だから、ボクは勉強でも入試でもまずは「心→技術」の順番を重視する。この場合の「心」は「生活習慣のリズム」のことです。まさに「まずは生活面を正すことから始めた。日々の授業をしっかり受け、あいさつや整理整頓を徹底」からです。そのあとで「技術」すなわち勉強の仕方や取り組み方、習ったことの処理の仕方、テスト対策に進むことになる。

ここでおもしろいというか、皮肉というか、仙台育英の新監督がやろうとしたことは、辞任した佐々木順一朗前監督が仙台育英高校野球部の監督をバトンタッチされた、その前の監督である竹田利秋さんが現在は総監督を務める国学院大学野球部でやっていることでもあること。

仙台育英高校野球部は竹田利秋監督から佐々木順一朗前監督に1995年に引き継がれたんです。

その竹田さんの精神を実践して行ってきたことも過去にここ「時間と場所がすべてである」ですでに紹介した

ここでボクはこう紹介してる。

今日、甲子園の決勝戦で戦っている(2015年第97回全国高等学校野球選手権大会・この時仙台育英高校は準優勝)仙台育英高校でかつて指揮をとっていた竹田利秋さんは現在、国学院大学野球部総監督をなさっているそうです。その竹田さんの精神を受け継いで現在監督として指揮を執り東都一部リーグに引き上げた鳥山泰孝監督がこう述べておられます。

国学院大学野球部、15年越しのブランド戦略 基礎から教える独自のメソッドで開花 
中島 大輔

鳥山が説明する。「人を支えているものは心であり、体である。でも、心と体の順番が逆ではダメ。心がまだできていないのに体はでき、技術論ばかりに走ると、ちょっとスランプになったとき、心が安定していないからガタガタ崩れるわけです。

だから、心の面をちゃんとやっていかないといけない。

もうひとつは、3つの要素のバランスを支えている土台がしっかりしている必要がある。このバランスが崩れてはダメだと思います」

心体技を支える土台とは、
「心=考え方、プラス思考」
「体=体力、下半身の強化、体幹、柔軟性」
「技=キャッチボール、打撃の右打ち、走塁の基本」などだ。

土台ができていないうちに小手先の能力だけで実戦の場に立つと、小さなほころびが大きなほつれになる可能性がある。

この記事を紹介したあとでボクはこう書いています。

心と体の順番が逆ではダメ」なんです。【生活スタイルはちゃんとしていないし、朝ご飯は食べないけど、子供の成績がイイ】は、このことを示します。

過程が良くないのに結果が出ていると、みんな結果オーライで良しとする。特に成績がイイ場合はそうなりがちです。

が、続かないんです。中学入試や高校入試でよくても、その次はダメなんです。いずれ通用しなくなるやり方を親技では推奨しない。

鳥山監督の話の「土台」は、親技でいえば「親その人」になります。親が子供のバランスを取る「土台」になる。

親との安定的な関係や信頼、これを土台の上に規則正しい生活が乗っかり、その上に「時間と場所」を理解した行動、人の話を聞く姿勢、イイ勉強のやり方が乗っかり、成果につなげる。

『10の鉄則』はその親との安定的な関係や信頼を「成績がイイ」に観点を当てて書いたもので、親技では『10の鉄則』やこのメルマガが土台を作る基本的な考え方になる。子供にとっての人生はこれから長い長い闘いです。小手先や運で最後まで乗り切ってはいけない。一人暮らしを始めれば、もう手も足も出ません。

でも、そのときまで親であるあなたの経験やこれから先に起こりうると予想されること、守るべきことだけはしっかり伝えていかないといけない。それは勉強だけのことではないでしょう。

その思いは変わらない。

もう少し付け加えれば、さっきのボクが言った重視する順番「心→技術」は「技術」が終点じゃないってことです。

最終的には「心1→技術→心2」で「心2」が終点とボクは考えています。

生活習慣を整え、リズムを与えて、勉強のやり方を知り、取り組み、工夫したり、成果を出したり、失敗しながら昨日よりも良くなっていることを実感しながら自信を深め、入試に挑む。

結果はどうなるかわからないけれど、入試が終われば、また次のステージで次の入試に向けて頑張る。その過程で親に手助けしてもらったりしながら進めていた勉強を自分一人でやってみたり、計画を自分で立ててみたり、自習室で自分で思うように勉強してみたりする。

やる気が出なかったり、やっているフリをしたり、ゆえに点数が悪かったりして、バツが悪い思いもし、言い訳もし、親ともケンカする。

それでも生活習慣はそのままで生活スタイルにリズムがあるかどうか。また、怠惰も頑張りも良いも悪いも経験し、喜びも悲しみも成果も不合格も経験した上で、なんでボクは頑張らないといけないのか、なにゆえこんなことをしているのかについてのかすかな答えを自分で用意するのが、それが技術の次にくる「技術→心2」部分の「心2」の部分になるとボクは思っています。

親はみんな「心1」をすっ飛ばして、「技術」から入り、「技術」が身につかないうちから「心2」はいつになったらできるのかと2カ月ほど子供にかかわっただけで疲れ、嘆いてみせる。

以下に引用する仙台育英の新監督がやっていることは、ボクが考える「心1→技術」のこの部分を今やろうとしているんじゃないかと想像しています。

仙台育英、敗れてなお伝わる哲学。須江航監督が導入した規律と数字。

text by 氏原英明

鈴木によれば「佐々木先生のサインは『打っていい』と『バント』の2つしかない」というほどで、選手が思う存分力が発揮できるプレーをさせていた。細かいことを言わない佐々木前監督の指導理念が、選手の持ち味を引き出していた。



しかし、自由さは隙でもあった。

それは、全力疾走とカバーリングの不足でもわかる。打席では、凡打になると全力疾走を怠ることもあった。自由さが個性的な選手を育てる一方で、ここ一番でのスキになっていたのである。

須江は就任してから、これらの要素を必死に教え込んできた。

就任からたった半年でチームを甲子園に導いた事実が、須江の手腕を証明しているだろう。

「野球は献身が必要なスポーツだと思っています。そしてやり切る力が何事にも必要だということで、『99は0』だという厳しい言い方もしてきました。それは勉強に対しても同じで、やると決めたラインまでしっかりやりきろうと。

全力疾走とカバーリングはゲームを勝ちきる野球の本質だと思っていますし、走姿顕心(走る姿に人の心が顕われる)をテーマにしてきて、選手たちは頑張ってくれたと思います」

勉強もね、献身が必要な種目です。

勉強や入試における「全力疾走とカバーリング」は、基本問題をしっかり勉強してテストに臨み、テストで出た基本問題を落とさないってことです。それが勉強の本質でもある。

基本問題は断じて落としてはならない!その厳しさが受験生になかったら、入試では負けます。

「基本ですけど、1問くらいいいでしょ?」
「ダメだ。それは致命傷になる。99はゼロなんだよ」

すばらしい点数を獲れなんて言わない。基本問題だけは落とすな、断じて。それが受験生が死守すべきラインだ。

走姿顕心(走る姿に人の心が顕われる)ってイイ言葉ですね。じゃあ、親技ではこう言おう。

机座姿顕心(机に座る姿に受験生の心が顕われる)

チンタラやってるんじゃねぇー!基本問題なんだからね。

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うれしい報告

この時期に特に集中する『ノリ勉』、ダレるお盆休み中、お盆明けに多くの方に『ノリ勉』に取り組んでいただき、ダレずに勉強できた、時間に余裕があるときにできて良かったというメールをたくさんいただきました。心より御礼申し上げます。

「ノリ勉 算数・数学」を終えての感想

小5 Kayさん

◆明らかに今回の成果と思うことは何ですか?:

今回参加してみて、時間を意識して問題を解くようになり、その結果集中して取り組むようになったことです。

なかなか式を書くことができずにいたのですが、3つの約束は毎回繰り返して確認し、ノートにきちんと書くようになったことはもう一つの進歩でした。

勉強のとき、そばにいるのが当たり前になってきました。

◆子供のそばで勉強を見るってやっぱり非常識でしょうか?あと、親にとって学ぶべき点はありましたか?:

非常識ではないと思います。自分でするからと一人で部屋の机意に向かっていた時は、何をしているのかどれくらいわかってやっているのかが分からなくて正直不安でした。

どうやって勉強をしたらよいのか、親の方も分からずに頭を抱えていたので、親の姿勢とか関わり方が非常に大切なのだと感じました。まだまだこれから学ぶべきことは山ほどです。

◆お子さんと一緒に勉強するのは楽しかったですか?:

楽しかったと思います。でも、私にとっては結構大変でした。

ストロング先生の言うとおり、親がまずは変わっていかなければと思いながら、なかなかうまくいきません。

褒めるというのは、すごくパワーのいることですね。自分もしっかりと子供と向き合わなければ、子どものことが見えず褒めることもできないですよね。

まだまだ課題は山積みですが、何回もテキストを見ながらストロング先生のアドバイスを読み返しながら、トライ&エラーを繰り返していきます。

もう5年生と思わずにまだ5年生と今この時期にノリ勉に出会えたことに感謝して頑張ろうと思います。ありがとうございました。

成績を上げるためには勉強しなきゃならない!

しかし、勉強をする前に、勉強をするにあたって、約束しておかねばならない約束がある。そうストロングは思っています。

その約束があるかないか、守るか守らないかで、同じ勉強も意味が違ってくる。最初はたった1mmの違いでも、3年後、5年後は100m違ってくる。

どうせ頑張るなら、その道筋だけはハズしてほしくない!

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