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こんにちは、ストロング宮迫です。

ようやく寒い冬になってきましたね。こうでなくっちゃ!

寒いついでにお寒い話を。

ご存じ、大王製紙の井川意高前会長(47)による巨額借り入れ問題。その井川氏の経歴が筑波大学附属駒場を経て、東京大学法学部卒業だったからか、何人かのお母さん方から意見を求められました。
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※この毎日親技は2011年11月11日に配信したものです

特別調査委員会の調査結果によると、井川意高前会長は連結子会社7社から無担保、しかも電話一本で総額106億8000万円を借り入れ、未返済が59億3000万円に上ると。

このご時世になかなか豪勢な話ですねえ。そのお金もどうもカジノでやられちゃったらしいというお話でした。ナイスですねえ。

その後の流れを時系列で見てみると・・・

大王製紙の御曹司の巨額借り入れ・背任問題

2011年9月、発覚、井川は会長職を辞任
2011年11月、会社法違反(特別背任)の容疑で東京地検特捜部に逮捕
2012年10月、東京地方裁判所は懲役4年の実刑判決を言い渡しも即日控訴
2013年2月、東京高等裁判所は控訴棄却、弁護側は上告
2013年6月、最高裁判所は上告を棄却し、執行猶予無しの懲役4年、収監

井川意高氏は大王製紙の第6代社長だそうですが、創業者の孫なので、まさに「売り家と唐様で書く三代目」となったともいえます。

売り家と唐様で書く三代目」とは、ご存じのように

三代目ともなると創業時の苦労など知るよしもなく、ぜいたくに慣れて商売をおろそかにし、やがて家業が傾き家屋敷まで売りに出さなければならなくなる、という意味。

唐様とは中国風の文字ということで、文字までしゃれていることからも、ぜいたくに慣れ商売をおろそかにしていたことをうかがわせる言葉。

まあ、苦労知らずのボンボンが遊び呆けたバチだろうと見る向きがある一方で、

毎日新聞によれば、

井川元会長の仕事面を評価する人は少なくない。

ある大王製紙幹部は「赤字続きだった家庭紙事業を黒字に転換させた」と手腕を評価する。乱売の中で、取引先と安定した関係を築き、ブランド化を進めたという。「だから、彼に愛着を持つ社員は多い」

元役員も「頭の回転が速い。威張ることもなく、他人の話も聞ける人だった」と話す。

と報じています。

週刊文春は『エリエールより軽い1万円札」(うまい!座布団1枚!)とからかい、デーブ・スペクターはツイッターで「借り入れした御曹司が一言 → 製紙が効きませんでした」(うまい!座布団2枚!!)と揶揄していましたが、灘とともに受験界では最高峰の筑駒に入ったということは、本人の努力とともに頭もよかったんだろうと思います。

頑張ってもなかなか入れないですからね、この2校は。

そういう意味で、周りからは「ただの御曹司」ではなく、「身の入った御曹司」と見られていただろうし、期待されただろうし、親の期待にも大いに応えた自慢の子供だったのではないでしょうかね。

週刊誌によれば、人脈作りなども兼ねて「学生時代から父親の薦めで積極的に銀座や高級料理店などに出入りしたり」していたとあって、ボクの友人は「こんなお金の遣わせ方をするからダメなんだ」って言ってましたが、ボクは「御曹司ならこれくらいは知っておかないとダメなんじゃない?」と言ったのでした。

友人とこの話をしていて1つの話を思い出しました。少し長いんですが、お付き合いください。

時は江戸時代。「製紙会社の御曹司」ではありませんが、松代藩のいずれは家老になる「御曹司」である恩田木工(もく)民親が主人公です。ここまで書いた「製紙会社の御曹司」の話を念頭に読んで下さいね。

「真田騒動」池波正太郎著
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木工の父も、何時だったか、用事で(江戸に)出府して来て帰国するときに、

「これをやる」

七十両の大金を置いていったことがある。

国許では先代の信弘の勤倹ぶりを涙を流さんばかりにありがたがり、妻や息子たちにも決して贅沢な思いをさせたことはないし、むしろ堅苦しい父親だっただけに、びっくりして、そのしわだらけの顔を見まもると、父親は厳格な姿勢と声を少しもくずさず、

「遊べ」と、いった。

「はあ?」

「遊べよ。しかし、この金は、わしが長い間かかり、息をころして貯めたお金だ。遊んで、しかも学んでもらいたい。わかるな?」

「は・・・・・」

「わしの跡をつげば、もう遊ぶことはゆるされぬ。贅沢なまねもゆるされぬ」

父親の視線は鋭く木工を射つけて、

「家老職とはいかなるものか、いってみよ」

仕方なく、かねがね教えられていたとおり、木工は答えた。

「御家の・・・・・領内に住む、あらゆる人々を、幸福にすることです」

「うむ。よし、この金は思い出に遣い果たして帰って来い。ただし、いいか、他人にわからぬようにやれ、よいな」

気むずかしくいい終わり、父親は、残り惜しげに金包みを押しいただき、木工へわたした。

そして、うれしさを隠し切れぬ息子が金を懐ろに入れる、その手許を不安そうに見つめていたものだ。

とにかく金七十両はうれしかった。

日本銀行金融研究所貨幣博物館によれば、「米価から計算した金一両の価値は、江戸時代の各時期において差がみられ、おおよそ初期で10万円、中~後期で3~5万円、幕末頃には3~4千円になる」のだそうで、ざっくり渡された七十両は500万円前後と考えたらいいかもしれませんね。

「お金を遣って若いうちに遊んで学んでおきなさい」というメッセージは同じでも、伝わっているイメージはまったく違うこと、お金の価値の伝え方、そして最後の落としがあるかないかということなど、考えさせられます。

引用はまだ続きます・・・

「真田騒動」池波正太郎著
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当分、酒には困らなかったが、それも使いつくし、どうにもやりくりがつかなくなると・・・・・ひそかに開かれる博打場へ出かけたこともある。

・・・・あのうす暗い中間部屋に集まった雑多な連中の、むんむんする人いきれに包まれ、眼を血走らせ、・・・脂汗をかいて見入る気持は、今でも忘れない

そして、一夜のうちに賭事で儲けた金は一夜のうちに遣い果たしても惜しくないものだ、ということも知った。

酒の香と赤い灯と・・・・・女たちの笑い声や化粧の匂い。派手やかな、そしてしめっぽく官能にふれてくる女たちの三味線や唄声。

舟で深川の茶屋に行ったこともあるし、品川へ遊びにでかけたこともある。


酔って、門限がすぎた藩邸へ帰り、そっと門番に小粒をつかませて門内に入りこむこともたびたびあったし、倹しい他の藩士たちにさとられまいと気をつかいながらも、目もくらむような享楽に耽溺していたのである。


木工の江戸での放蕩も、23歳の夏、父の死によって絶ち切られた。

病気が重いと聞いて帰国した木工に、父親は病床から、気難しい小さな眼で、なめ廻すように息子の顔や躰を見て、木工が照れくさくなるほど、永い間、何もいわなかったが、やがて

「全部、遣って来たな?」といった。

「は・・・・?」

「金70両のことだ」

「あ・・・・・」

「もうおもい残すことはあるまい」

「・・・・・・」

「あの70両はな、親の慈悲だぞ」

「恐れ入ります」

「後を引くなよ」

「は・・・・・」

しかし、まだ江戸での暮らしが、・・・・馴染んだ女の顔や匂いが、ぐるぐると止めどもなく、風車のようにまわっていたのだが。

間もなく父親は亡くなった。



息を引き取る前に、父親は、またいった。

「家老職とは、如何なるものか忘れるな」

「は・・・・・」

父親は、突然、床の上に起き上り、激しく木工の手をつかんだ。

「これからも大名の暮しは楽になることはあるまい。領地が倍になり、米が倍もとれぬかぎりはな。家老は藩治をつかさどる者だ。」

「家老が贅沢に馴れれば、無理矢理に金をつくらねばならぬ。その金は汚いものになるのだ。汚い金でなければ、この小さな国の中で贅沢に使えるものではないのだ。」

「が、それもいい。しかし、おぬしは、おれの死んだ後、この恩田家を背負わねばならぬ。身をあやまり、この家を潰してはならぬ。おぬしの母や弟妹、妻や子、親類一同のことを、よくよく考えてもらわねばならぬ。また御家に間ちがいのないよう、全身をあげてつとめろ。よいか・・・・」

「はい」

「御家に忠義というはなあ、御家をうしなえば、われらも家をうしなうのだ。御家が潰れれば、われらも禄をうしなうのだ。禄を離れた侍ほど、あわれなものはないのだぞ。わかるなあ」

「はい」

うなづいた父親は、疲れきって横たわると、木工の母や弟妹たちを呼び寄せ、ゆっくりとその顔の一つ一つを見まわしてから、

「元気で暮らせい」

こちらの胸の底に沁みとおってくるような微笑を送ってよこした。

「家老が贅沢に馴れれば、無理矢理に金をつくらねばならぬ。その金は汚いものになるのだ。汚い金でなければ、この小さな国の中で贅沢に使えるものではないのだ。」

身にしみるお言葉。

現在に生きる人間が抱える種々の問題や悩み、これらについてはすでにここにあらかた出てしまっているとボクは思っています。

あなたの悩みや問題は、人類史上でいずれもすでに起こってしまっているものばかりというわけです。それらの一部を力ある作家がノンフィクションやフィクションとして、私たちにわかりやすく贈り届けてくれている。

私達は先例を学び、考え、現状に当てはめればいいんですから。ありがたいことです。

大王製紙の井川一族は池波正太郎は読まなかったのでしょうねえ(たぶん)。もしかしたら読んだかもしれないけれど、自分たちのことには置き換えなかったんだな。

「御曹司」は受験が終わったら、「銀座や高級料理店に出入り」してもいいし、「タレントや女優の卵をそばにはべらせ」ても良かったんだけど、あわせて池波正太郎の作品を読んでおくべきでした

誰かが教えてやったらよかったんですが・・・残念!

池波正太郎著「真田騒動」の文庫本の最後の解説で、佐藤隆介さんがこんなふうに書かれています。

池波正太郎が真田家の人々を描き続けてきたのは、時代が遠い昔のことであり舞台が信州松代という小さな国であるにもかかわらず、そこに現代の日本のすべてが凝縮されてあるから・・・とはいえないだろうか。

読めば読むほど、これは過去の物語ではない。

現代の、私たち自身の物語である。すぐれた小説はタイムマシンのように私たちを運び、過去・現在・未来を往復させるもののようである。

ちなみに、真田信幸の最晩年を描いた『獅子』という長編小説も池波正太郎にはある。

本書『真田騒動』を読み、『獅子』を読み、それから『真田太平記』という大河小説をも完読すれば、人間の質がだいぶ変わるだろう、と私は思う。

少なくとも男ならば。【昭和五十九年八月】

まったく同感です。

縁のあった子供たちには社会に出る前に読みなさいとボクはもう長い間思い、ススメてもきました。

ぜひまだの方はご一読くださいませ。

ああ、寝る前に読んじゃ、読ませたらダメですぞ!この前中学生が読んでたら徹夜になった!って言っていましたから。

物好きな人はこちらもあわせてどうぞ!
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ああ、池波正太郎の代表作『鬼平犯科帳』もお忘れなく!

だいたいさ、知っておくべきことは、ここに書いてあるからね。押忍!
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うれしい報告

※受験生の親の方へ

いくつかの教材については例年通り10月末で販売を終了させていただきました。

これは『親技』では成果が出るまで最長3ヶ月というスパンで考えているためで、受験が迫ってからご購入いただいても、『親技』ではお役に立てないことが多いためです。

決して「諦めなさい」と言っているわけではないので、あしからずご了承下さい。
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来年受験生となる小学5年生、中学2年生の方からの相談がこの時期急増します。

「いよいよ受験生」という意識と「今のままでは・・・」ヤバイという認識が交錯してのことであろうと思います。

「ストロングさんのどの教材を買ったらイイですか?」という相談には、基本的に「買わなくてよろしい」と返信しております。

何かを買う前に「お子さんのそばで勉強の様子を見てみる」これが最優先。

そして言ってあげて下さい。

「何か手伝えることある?」って。

「うるせー!あっち行ってろ!」と言われた方が『10の鉄則』を買っても解決にはならないと思います。

「ノリ勉」を買っても、そばで一緒に勉強ができなければ意味がない。

そういう方は

「なぜ私は子供にうるせー!あっち行ってろ!」

と言われるんだろうかを過去から振り返って考えてみて下さい。

考えてもわからなければ、お子さんに聞いてみて下さい。

「なぜそんなことを言うの?」って。そこからです。

変わるのは「子供」ではなく、「親」のほうです。そのキッカケやヒントは子供が知っています。

「子供に何をやらせればいいですか?」については、塾の教材や学校のワークなど目の前にある与えられた問題集なり、テキストをまずはやったらイイです。

できるのかできないのか。全部やれるのか。

問題集は3回やりましょう!!以前よりはイイ点数になるハズです。

覚えられないものは、語呂合わせを考えてあげたり、歌にして覚えたり、テストを作ってやったりして手伝ってあげて下さい。以前よりはイイ点数になるハズです。

それらをやった上で1つの勉強方法の提案として

中学生の定期テスト対策なら「30点上げよう会」を、
小学生の中学入試のテスト対策なら「復テ対策講座」を、
親の基本的な考え方を学ぶなら「10の鉄則」を、
日々の学習のやり方なら「ノリ勉」
ご検討下さい。

「受験学年になる前に」勉強方法を確立しておく!これが鉄則です。

受験学年になって、各教科の勉強は何をしようか?どうしようか?どこまでしようか?なんて考えている時間はハッキリ言ってないんです。

受験学年になったら、確立した勉強方法で受験勉強をガッツリやる!

小5・中2は確立するための最後の3、4ヶ月とお考えください。

受験学年になって勉強方法を考えている人はいるんですが、

それは戦う前から「負け戦」なんです。

ボクたちは戦うなら「勝ち戦」となるようにしたいだけ。

勝負は最後までわからないけれど、「負け戦」がわかっているなら、ハナからしないほうが子供のためですよ!

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