こんにちは、ストロング宮迫です。
宮崎駿監督が絶賛公開中のアニメ映画「風立ちぬ」を最後に「長編アニメはもう作らない」と引退を発表した、と各メディアが大々的に報じています。
宮崎駿さんが「兵器マニア」であることは以前ここで書きました。
※この毎日親技は2013年9月10日に配信したものです
その宮崎少年の少年時代を彷彿させるものをこの間見たので、知っている人には申し訳ないですが、ここに紹介しておきます。
掲載年月日と生年月日から換算すると、これは宮崎少年17歳くらいの頃のものでしょうかね。狭く深く「深攻」しているのがよくわかる。
宮崎駿の少年時代、読むとドン引きするかも・・・
まあ、でも、17歳の高校生くらいになれば、これくらいまでは十分いけるということでもあります。希望と捉えたいですね。
見たくもないテレビを意味もなくつけて見、興味もないネットのニュースを読み続けるよりは、読みたいものがあり、「マニア」になって狭く深く「深攻」するのは悪くない。
「キネマ旬報」1979年11月上旬号に読者投稿欄『キネ旬ロビー』で掲載される16歳の俺!しかも本名だけでなく住所付きなのが時代を感じさせる。でも思春期に孤独で映画館に通う感じが泣かされるなー。 pic.twitter.com/yp4AhwvBC8
— 水道橋博士 (@s_hakase) 2016年9月6日
子供がどこの穴を掘るかは親の意向や志向が大いに発揮されるところです。
もう1つ、皆さんがあまり読まないであろうものを紹介しておきます。
虚構新聞 2013.07.27 コンビニ冷凍庫に入った男子高生が重体
まあ、「虚構」新聞ですからお気軽に読んでいただくとして、時代性、ユーモア、そして「あるかもねえ」と思わせる筆致。
今、ボクは「自分で虚構新聞を書いたらどう?」と子供たちに真剣に提案しています。文章を書く練習にもなるし、時代のニュースも押さえておかないといけないし、発想もユーモアも問われるじゃないですか。「夏休みウソ新聞」とか作ったらおもしろいと思うんだけどなあ。
「作文書け!」っていえば、子供たちはイヤがるかもしれないけれど「虚構新聞を書け!」なら喜んでやるんじゃないでしょうか。間違いなく、書くのは虚構新聞のほうが難しいですよ。その難しいものに挑戦しようと子供が喜んでするなら、めでたいでしょ?
冗談ではなく、真剣に学校や塾なんかでも教えてやって、実際に作ってみてほしいと思っています。このおもしろい「虚構新聞」を書くと、「こういうことは書いちゃいけない」ってことも学べますからねえ。
イイと思うんだけど、誰も採用しないだろうなあ・・・と書いたら、メールがきた!!
さくらんぼさんからのメール
ストロング宮迫様
いつもメルマガを楽しみに読ませて頂いております。
メルマガで取り上げられていた「虚構新聞」ですが、うちの中3の息子の夏休み前の宿題は、別役実の「道具づくし」の一節がプリントで渡されて、「架空の道具・風習を考えて、説明文を作成しなさい」でした。
「道具づくし」というのは、架空の道具をいかにもそれらしく語っている本で、語り口が大変楽しいです。
毎年やっているらしく、先輩の作例とかもあって、我が子は当然はまって、しばらく何かというと作ってました。やはり語り口がポイントです。
ただ、おっしゃるように、「こういうことは書いちゃいけない」というのはニュースの形の方が学べるかもしれませんね。
すばらしい!!
まだまだいるんですよね、こういうステキな課題を出してくれる先生が。こういう先生に子供たちがたくさん出会ったら幸せ。
夏休みの宿題を見てると、全く興味が持てない課題を「とりあえず」「なんの考えもなし」に大量に出している学校や先生がたくさんいますが、こういう課題は楽しいですよね。そして、それにハマっているお子さんもイイねえ。お子さんもすばらしいけど、課題を出した先生もすごい!
結構な数の生徒が「なんだよ、この課題!めんどくせー!」とか言ってそうな気もしますが、もしかしたら学校全体で大いに盛り上がっているのかも!? もしそうなら、すごい学校です。
こういうハマる課題やテーマを本気で出してくる先生や大人に子供たちが何人出会えるかですよね。
なかには夏休みは勉強で忙しいので余計な課題は出さないでほしいという方もいるでしょう。人それぞれだから、その価値観に文句はありませんが、子供にとって「余計なもの」が財産になるんじゃない?というのがボクの意見。
この前、中3の生徒が言っていましたが、「試験で勉強したものって試験が終わったらすっかり忘れているんですよね」と言っていましたが、まさにのその通り。
しかし、さくらんぼさんのお子さんは「架空の道具・風習を考えて、説明文を作成しなさい」について、夏休みに「何かというと作ってました」と。
受験勉強につながらないって思うでしょ?
でも、これがつながるんだなあ・・・
これは直接点数を上げるにつながるのではなく、ハマる、深く掘り下げる、考えるという過程が勉強につながる。
昆虫博士になりたかった頃の、せいこうの絵と文。 pic.twitter.com/o8kUmm0aJx
— いとうせいこうフェス (@itoseikofes) 2016年7月21日
自分であれこれ考え、夜考えついたアイデアに朝起きてガッカリしたり、つい先輩の事例に自分のアイデアが引きずられたり、自分で熱心に創作しようとする時、子供たちは学びます。
それが行き着くところまでいった1つの事例が別役実さんの「道具づくし」という本になっているんだろうと思います。
残念ながら別役実さんの「道具づくし」という本は読んだことがないのですが、手元にある本でいえば、ハラルト・シュテュンプケ著の「鼻行類」も、その1つではないでしょうかね。
鼻行類 Wikipedia
うまく説明ができないので、本書の最後の垂水雄二さんの解説から抜粋すると、
内容はご覧の通り、どこからみても大真面目な動物学の本である。
発見から消滅までの20年足らずのあいだに、よくここまでの調査・研究がなされたと感心するほかない。
単なる形態・解剖の記載にとどまらず、個体発生、生理、行動、食性、社会から共生関係、系統進化にいたるまで、およそ現代動物学が扱うあらゆる問題について、詳細が情報が与えられている。
一つの動物群についてこれほど完成度の高いモノグラフは他に例をみない。
まさにこれこそ究極のマニアが行き着いたところでしょう。すごすぎる!!
さくらんぼさんは、
「道具づくし」というのは、架空の道具をいかにもそれらしく語っている本で、語り口が大変楽しいです。
と書かれていましたが、「鼻行類」も、その語り口は「動物学」みたいな本です。いずれもユーモアがあり、そのくせ真面目で、感性豊かな人だけが行き着ける場所。
そして、子供たちは、もともと、こうした習性を誰もが持っているわけですが、年を経るごとに、興味のないことをやり続けることやいかなる刺激も与えられるずに育てられることで、残念ながら20歳前には持っていた感性もユーモアも情熱も、跡形なく失ってしまう。
もったいないですなあ。
しかし、中学生が学校の課題でそれを知り、夢中になる。子供には夢中になれるものがいる。そして、夢中になったら、掘り下げていく道を少しアドバイスしてやらないといけない。子供だけだったら、どうしても興味は横へ横へいって深まらないから。下に掘らなきゃいけない。マニアへの道は無限にある。
あとは大人たちが子供たちが深く掘り下げるための次の引き出しを持っているかどうかで決まります。子供をしっかり観察して、次のステップを与えてやる。いきなりハードルが上がると、勉強と一緒で飽きたり、興味を失ったりするからね。
ある程度加速がつくと、あとは子供が自分で走り出しますから。
【自分史】高校生の頃、これだけ熱烈にプロレスジャーナリズム論を編集部に送っているのだから、本当にプロレス雑誌の編集者あるいは雑誌編集には携わりたかったのだなぁ。昔の俺。田中正志の影響も強いんだなあ。 pic.twitter.com/ZliDJ1EygR
— 水道橋博士 (@s_hakase) 2016年9月7日
今度、実物を見せてあげるよ。呆れるよ。小野正芳の青春のこじれせ方。芸人という職業に着地できて良かったわ。あと普通の家庭人にもちゃんとなれて。RT @tomikohan 水道橋博士になる前の、小野正芳くんの熱量すごい。やっぱすごい。
— 水道橋博士 (@s_hakase) 2016年9月7日
この時期の小6・中3の受験生は模試や実力テストで「偏差値2」を上げるのにも苦労します。これが小5や中2なら、今と同じ努力で上がったかもしれないけれど、受験生はもうそうはいかない。
なぜなら、1つの単元の問題でも、そこまでに習ったものを土台にした問題形式が増えるから。それによって、特に成績不振者は「できる問題」をいっぱい間違うんですな。
でも、よく考えたら「本当にそれはできる問題なの? その認識でいいの?」という場面によく遭遇します。だから、これからは「できる問題」を1つでも増やすこと、「できる」ようになったら二度と忘れないように繰り返しすること、もう1つはテストでは「できる問題」に時間と労力をかけること。
成績がイマイチの受験生に限って、「どうしてお前がその問題に手を付けているんだ?」ということが多々ある。特に入試では100点満点なんて必要ない。いや、70%取れればOKという学校が普通。普段のテストで50点しか取れていない子供がテストの問題を全部やろうとしている!!これこそオーマイガーです。
入試は時間が限られた点取りゲーム。実力はあっても、制限時間に対する意識や考えがない者は破れるのです。
「一番が全部合ってさえいれば・・・」そんなふうに嘆いている方はすぐに改善しましょう。まさに実力はそのままで成績はアップできる!問題はテストに対するやり方、時間のかけ方、そして問題の取捨選択です。
点取りゲームはルールに則って行わなければなりません。いくら必至になってやっても、汗水たらして頑張ったとしても、ルールに沿って行わなければ報われない。
実力もないのに実力以上の偏差値は出ないけれど、実力通りに力を発揮していない受験生が多いのが事実。真剣にテストでどうやって点数を取るか、考えていきましょうよ。
だって、もったいないもの・・・・
入試演習にはやり方がある! 過去問の意味と活かし方とは?