こんにちは、ストロング宮迫です。
ここでは何度か紹介したことがある舞田敏彦さんの「データえっせい」というサイト。
ボクは時々ののぞいてチェックしていますが、最近では、
都道府県別の育児離職率
都道府県別の東大・京大合格者出現率
私立校の家庭の年収ジニ係数
職業別の月収ジニ係数
などデータを駆使して視覚化してくれているので、考えさせられることが多いブログです。
※この毎日親技は2013年5月20日に配信したものです
そんな舞田敏彦さんの「データえっせい」で2003年5月12日に大学生の自殺が取り上げられていました。
詳細は読んでいただくとして、「大学生の自殺」が多いのは、3月だそうで、
舞田敏彦さんの「データえっせい」 大学生の自殺
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トップは学業不振であり,原因総数(480)の17.9%を占めています。2位は進路の悩み,3位は就職失敗と鬱病です。進路の悩みと就職失敗を「将来展望不良」と括ると,大学生の自殺原因の4分の1(25.2%)に相当します。こうした原因構造は,大学生に固有のものです。
青年期の一大事業である「学校から社会への移行」が,現在では一筋縄ではいかなくなっています。
「学校から社会へ」も大事業ですが、小学校から中学校へ、中学校から高校へも子供にとっては同じように一大事業だとストロングは思います。
「学校から社会への移行」はその1つの結果が出る3月がピークで、「小→中」「中→高」はこの5月が1つのピークにつまり「五月病」になるのではないでしょうかね。
いつだって子供にとって、最大の問題は学業不振です。
別に勉強なんかできなくたってイイと思っているなら、それでいいし、その路線で行けばいいんですが、現実問題としては、学業の不振はあらゆるところで子供たちの評価を悪くするシステムが目の前にあるから、関係ねぇーと思っていても、その評価はダイレクトに子供には伝わってしまう。
ある部分の、ここでは成績ですが、その評価がいつのまにかその子供の「全評価」に置き換わってしまうわけですな。
だから、一般的にはイイ成績になるように親も子も頑張ろうとする。
一方で、成績が悪くて、それでイイと思っている親や子は、気が楽なようだけど、成績で子供の「全評価」が下されたり、そう子供が思い込むことがないように、頑張らなくちゃいけない。
「あんた、成績は悪いけど、スポーツは一番だ!」とか言ってね。
ということは、親は常に頑張らなくちゃいけないわけです。
で、なにを頑張るかというと、子供が成績がイイ子でも悪い子でも、親が等しく頑張らなくちゃならないのは、自己肯定感を育むということなんじゃないでしょうか。
子供にとって、一番自己肯定感が高まりやすく、わかりやすいのが生活の大部分を占める学校生活における勉強というわけです。
ただボクのように学業不振&勉強はさっぱりピーマンで、世間の評価は低くても、自己肯定感だけは高い人間もいます。
特に高校からは極度の勉強不振、不振というより3年間で3時間くらいしか勉強していない単なる勉強怠惰だったわけですが、それでも自己肯定感が高かったから、自殺をしなかったと振り返って思います。
で、その自己肯定感というのは、ボクの場合、いつ育ったのかというと、中学生までのものです。
その頃までにあったイケてる感や自分はやれる感の勘違い及び遺産で高校、大学、そして就職までの成績不振や「将来展望不良」を乗り切ったんじゃないかと。
勉強でもスポーツでも習い事でも、学年を上がれば上がるほど、集まってくる地域や範囲が広がり、そのためレベルは上がり、かなわないと思わせる相手が数多く出現します。
打ちのめされたり、心が折れたりする状況が学年を上がるほどに増えるわけです。
そう考えると、ガキの頃、ここでのガキとは中学生くらいまでを指しますが、この頃までに育つ自己肯定感はすごく大事なんじゃないかと改めて思います。
自己肯定感はいろいろな定義がありましょうが、カンタンにいえば、
「やればできる」
がその第1歩。
これは単なる呪文じゃなく、
「やればできる」を証明する成果が必要です。
「やればできると思うんだけど・・・・」じゃなく、「実際にやったらできた!」の体験です。
その体験は決してすごいミラクルな体験じゃなくてイイ。
前の日に勉強したら、翌日の小テストで満点だった!
最初はそのレベルでイイ。誰でもできるレベルでやればイイ。
その体験をどれくらいのレベルまで上げられるかは人それぞれですが、勉強に関していえば、少なくとも中学生の定期テストでは体感してほしいし、誰でも体感できるとボクは思っています。
頑張ってやったら定期テストでイイ点数が取れた!
これは特別な才能がなくても、大いに可能。誰でも可能。
5教科なんて無理!ならば1教科で!
そこを終着点にする必要はない。1教科を達成すれば、2教科に向かうモチベーションは間違いなく上がるから。
だから、勉強、それも小テストや定期テストを頑張るのは、受験のためだけじゃなく、自己肯定感を高める体験をたくさんするって考えてみると、親も頑張れないでしょうかね。
受験に失敗しても、その後も人生は続く。ということは、受験よりも日々の子供の自己肯定感を高める作業ははるかに大事な作業になるのではないでしょうかね。
結果的には、自己肯定感を感じる回数が多くなった方が受験では良い結果になることも多いわけですから。
ノー天気なボクを救ってくれたのは、勘違いだったかもしれないけれど、間違いなく「イケてる感」や「自分はやれる感」だった。
この前、あるお父さんと話をしましたら、夏休みの科学研究にかなり力を入れているとおっしゃっていました。県でも優秀賞をもらうほどだとか。
「面倒なんですけどねえ・・・でも、県で1番とかって、勉強でもスポーツでもなかなか難しいでしょ?」
「ウチの子には、忙しいボクも短い時間でできる夏休み勝負!」
「科学研究で1番とか優秀とかになると、学校の朝礼で前に出て表彰されるんです。すげぇーとか言われるじゃないですか」
「それがね、子供にはイイ影響を与えているんです。科学研究で最優秀だから理科は負けられねぇーとか言いますもん」
「理科ができると、算数も当然できるって周りの子供は勘違いするじゃないですか」
「算数できるの?」「あ、あ、うん!みたいな感じで周りから背中押されて頑張っている感じじゃないですかねえ」
年に1回、最優秀や優秀や佳作もあるそうですが、たった1日ヒーローになって1年頑張るなんて、このお父さんはやるなあと思ったのでした。
最後に一昨日いただいたメールを紹介して締めたいと思います。
中2 成績上げちゃうよ!さん
ストロング宮迫さま
お世話になっております。
先日の親技であった「真実は細部に宿る」の話、とても実感がこもっていて感じ入りました。
貧血と眠気とだるさと戦いながら、仕事と家事と勉強付き添いといけドンシート作りに励んでおります。
身体がそうなってきて初めて見えてくるものがたくさんあって。いままでいかに強引に力業で走り抜けてきたのかと思います。例えるなら、娘を小脇に抱えて猛スピードで走って来た感じ。
でも私の体力もなくなりつつあり、娘も大きくなってそれが出来なくなり、どちらかというと娘に寄り添って、どうしたい?と話し合うようにしてから、本当に勉強も普段の生活も嘘みたいに楽になりました。
もちろん、時には英単語の不規則変化動詞を全部覚えるといった際にすぐに逃げに入るので、私が強権発動させることもままありますが、基本的には娘主導で進めています。
スケジュールが遅れがちなときは、その旨話し、どうしたい?というと、自発的にいけドンシートの数を増やしてもいいと言い出すようになり、驚くばかりの成長ぶりです。
娘の言葉です。
「勉強が出来ないときは、正直自分の将来がお先真っ暗で、ふてくされてた。」
「パパが散々バカにしてた高校ですら入れないじゃんって分かった時は凄いショックだった。でも、いけドン法をやって、勉強が分かるようになって、こうやって授業について行けるようになったから、ようやく自分が行ける高校も選べるようになってきて、少し安心できるようになってきた。いけドンを教えてくれたストロング先生にはありがとうっていいたいし、いけドンシートを作ってくれたママも、ホントありがとう」
まだ道半ばですが、娘に寄り添う大切さを教えてくれたいけドン法とそれを教えてくださった先生方に感謝感謝です。
5月にあると思ってた塾のテストはどうやら6月だそうです。しかも6月頭に部活の大会にむけての重要な試合も重なり、定期考査前の1週間の部活停止期間も練習だそう。
トホホ…。
とりあえず英検はパスさせ、塾のテストは実力テスト扱いになるため、優先順位としては定期考査だと思うので、それに向けていけドンシートを繰り返しやらせています。
中1の終わりの部分も範囲になるそうなので、本人がニガテとしていたヒストグラムや平均値の問題もやらせているうち、だいぶすらすら解けるようになってきました。
今日は目標だった半分の時間で解けるようになりました!
今度の定期考査ではなんとかいい点を取らせてあげたいです。
大変示唆に富む報告メールでした。ありがとうございます。
今回のお題とは少しずれるので、深くは触れませんが、お子さんが親の関わりを通じて自立していく過程の一部がよくでているお話でしたね。
話を戻して、お子さんの
勉強が出来ないときは、正直自分の将来がお先真っ暗で、ふてくされてた。
は、まさに最初に書いた生活の大部分を占める勉強に関する子供の正直な感想でしょう。
そう、勉強ができないと、「ふてくされる」状態になるんですな。
まあ、中2が自己分析して「ふてくされていた」という自己認識はなかなかできないものなんですが、それができたのは成績上げちゃうよ!さんが必死に勉強に関わって来た結果、成果も感じられ、自己肯定感を上げった結果なのではないでしょうかね。
その結果、
勉強が分かるようになって、こうやって授業について行けるようになったから、・・・少し安心できるようになってきた。
気持ちと精神が安定してきつつある状態。
もちろんまだ道半ば。
まだガッツリ安心はできないわけですが、それでもここ最近の
安心感
自信
やればできる感
やったらホントにできた感
これはお子さんにとって、大きな財産になったはずです。それをなし得たのはお母さんの頑張りだった。
次回の定期テストは部活の試合とも重なるようですから、早め早めに準備してガッツポーズをしてもらいたいものです。
ボクら親は「五月病」になる暇はないのです、ハイ!
「五月病」気になる方は、こちらもどうぞ!
『10の鉄則』の感想、続々と・・・
小6梅しそさん
遅くになっての感想、申し訳ありません。
昨年の冬休みに時間をかけて3度読みました。読めばよむほど身がひきしまります。
勉強自体を嫌がることがない我が子ですが、実力テストで得点が伸び悩んでいる時点で10の鉄則を拝読。
それから春休みまでの間、塾の授業テキストを総復習しました。
通常のカリキュラムをしながらの復習となりましたので、時間は限られましたが、ストロングさんのアドバイス通り、例題と基本問題だけに絞って今までの総ざらいを行いました。
今週末に組分けテストがあります。この学習が週末に発揮されることを確信しています。見守ってください。またご報告いたします。
冬休みから4月まで、小5で習った単元の総復習したエクセルの管理表を拝見しましたが、必ずや近いうちにその成果が出るとストロングも感じました。
かなりの勉強量になったと思いますが、カリキュラムとは別の総復習の成果は少なくとも夏休みに絶大に出てくるでしょう。
受験生は習ったことをかなり忘れています。頑張っている子供も忘れている。1つ部品が欠けると、実力テストでは点を落とす。
夏にやる総復習では遅すぎる。夏休みを最大限に活かすためには、流行の
「今でしょ!」
なんですな。しっかり今週行われるテストの分析をすることでそれがよりわかるでしょう。
信じて進みなさい。行けばわかるさ!