こんにちは、ストロング宮迫です。
さて、夏休みに入りまして親技界隈も例年通りスタート時はひっそりとしております。メルマガの購読率も夏休みはグーーンと落ちる。
それくらい子供が家に一人でいるというのは親にとっては難儀なことなんですな。
残念ながら、家で一人っきりになる子供に勉強の期待はできません。
一度は親と一緒にやって「できた問題」をもう一度やらせる、つまり「できる問題」のくり返しにあてるのがいいとこで、それができるだけでもグッド。
なにをやらせてもスイスイ解ける問題だらけの子供は一人でも十分に勉強しますがね。
難しい問題や自分で考えてやる問題なんかをノルマでやらせようものなら、仕事から家に帰って激怒してしまうことは必須。
まあ、やるべき宿題も手をつけていないで激怒がだいたいの相場です。
一人でできる子供は夏休み前にもできていた子供か、一人でできる課題をキッチリ差し出せる家庭だけとなります。
これが夏休みに思ったほど勉強をこなせない理由の一つでもあります。
焦ろうが怒ろうが、子供が一人でできるものは何なのか?を見極められる、見切れる親だけが成果を出せる。
電話やメールやLINEで指示しても子供は動かない!それが普通であると知っておきましょう。
それらの立て直しは7月いっぱいまでには済ませましょうね!!
夏休みは受験生以外は勉強とともに映画や読書にも親しめる時間があります。ボクは会う小中学生には必ず聞きます。
「なに読みたい?」「なに見たい?」って。
※この毎日親技は2013年7月26日に配信したものです
まあ、基本的に答えは各自バラバラなんですが、今年の夏の共通項をあえて探すと、小学生は「重松清の小説を読みたい」という子供が多かった。
もう1つは、小中学生の多くは、宮崎駿さんの映画「風立ちぬ」を見たい!という子供が多かったですね。
皆さんのお子さんはどうでしょうか?
みんなジブリの作品、好きなんだなあ・・・
ただ普段あまりジブリ作品を見ない男の子の中学生も、今回の「風立ちぬ」は見てみたいと言っていましたから、なにか感じているものがあるのかもしれませんね。
ボクはみんなが見るものは徹底的に見ない主義なので残念ながらジブリの作品は見たことがないのですが、ものを作る人の話は好きです。
朝日新聞「インタビュー 映画監督・宮崎駿さん」
映画監督・宮崎駿さんの新作「風立ちぬ」の劇場公開が、20日から始まる。太平洋戦争を戦った日本の戦闘機・零戦の設計者として知られる堀越二郎を主人公とする作品だ。
宮崎さんは映画づくりの傍ら、戦争や兵器のリアルな漫画を数多く描き続けてきた。
なぜ、兵器に魅了され、その設計者を描こうとしたのか。複雑な胸中を聞いた。
――戦争を批判する一方で、零戦という兵器に愛着を持つ。矛盾していませんか?
「矛盾の塊です。兵器が好きというのは、幼児性の発露であることが多い。
だが、大学の財政学の講義で、戦争経済がどれほど国民経済を破壊するか、という話を教授が余談として滔々と述べられた。これは衝撃でした。
僕が集めていた兵器の本や模型は無駄遣いの山だったと思って、全部捨てました」
「それでも、数年たってそういう本に出会うと、ついまた買ってしまう。そしたら自分の見方が全然変わっていた。工業力と資源を持っている国と戦う時、どういうことになるか。それは日本と米英が戦争中にどれだけの数の飛行機をつくったか、比較すれば一目瞭然なんです」
実に興味深い話ではないですか。
もしあなたのお子さんがオタク系ならば、この宮崎さんの話はぜひ聞かせてあげてほしい。
今子供たちにはいろんな「オタク」がいると思います。
ボクなんかは「オタク」と呼ばずに「マニア」と呼んでいますが、マニア、大いに結構とボクは思います。
マニアとは「狭く深く」ですよね。
宮崎さんのような「兵器マニア」、それから「植物マニア」「恐竜マニア」「生物マニア」いろいろあるでしょう。
ただ「狭く深く」の縦軸の一方で、横軸の「広く浅く」の分野に進出できるかどうかがマニアが活きてくるかの分岐点になるとボクは考えています。
宮崎さん自身、「兵器が好きというのは、幼児性の発露」と言い、そこに「大学の財政学の講義で、戦争経済がどれほど国民経済を破壊するか、という話」を聞いて、「自分の見方が全然変わっていた」とおっしゃっています。
勉強して大学に進む意義も大きくはここにあるのではないでしょうか。
私たちは皆が持っている「幼児性の発露」から解放されるために勉強しなければならないのだとも言える。
「幼児性の発露」と自ら言えるマニアは自分の座標が認識できているから社会で仕事があるんじゃないかなあ。
子供はまずなんの分野でもいいのでマニアに導く。その上で「広く浅く」の横軸を与えていくのが理想的だとボクは考えています。
で、縦軸と横軸を得た子供は自分がなにがしかのことができると想像をふくらませる。若者特有のなんでもできるという万能感というんでしょうか。
夢いっぱいになっていくわけですね。そこまでがある意味では親の仕事。
で、社会に出ると、子供たち自身があとは自分で答えを出していく。
宮崎さんのインタビューではそのことも出ていて、こんな風に話しておられます。
朝日新聞「インタビュー 映画監督・宮崎駿さん」
――お父さんは、軍需工場を経営し零戦の部品を製造していたそうですね。震災や空襲を体験し、ニヒリズム的な考え方を身につけていたと聞いています。
「ニヒリズムというと、クールで斜に構えて、という安っぽいイメージですが、オヤジは違う。
『家族が一番大事だ』と思っていただけです。世界が崩壊するような壮絶な経験をしたことで、『この価値観が大事』とか、『人間はかくあらねば』という大言壮語を放棄した。
家族や知人。守れる範囲は守ろうとしたが、国家や社会全体にまで責任を持てるはずがない、と考えていた。『損をするな』が口癖でした」
――ご自身も、今はそういう考えなのでしょうか。
「半径30メートルか100メートルか。それが自分のできる範囲の限界で、それでいい、と思うしかない。
以前は世界のためか人類のためか、何かしなきゃいけない、と思っていたが、ずいぶん変わりました。社会主義運動にも興味がなかったわけではありませんが、甘かった。
かつて毛沢東の写真を最初に見た時、なんて嫌な顔だろう、と思いました。
周囲が『大きな温かい人だ』と言うから、たまたま写りが悪かったんだ、と思おうとしたけど、その勘を信じればよかった。
他にも色々、判断の間違いがありました。実によく間違える人間だと思います」
社会に出たら子供たち自身が自分の人生を歩んでいく。
歩んでいくんですが、
半径30メートルか100メートルか。それが自分のできる範囲の限界で、それでいい、と思うしかない。
家族や知人。守れる範囲は守ろうとしたが、国家や社会全体にまで責任を持てるはずがない、と考えていた。
たぶんある程度の年齢になったらここに行き着くであろうというのがボクの仮説で、ここまでは子供たちには話をします。
「狭く深く」の縦軸を経て、「広く浅く」の横軸を得て、座標が面になり、はるかかなたまで手に届くと思う夢に思いをはせ、半径30メートルの世界で生きていく。
ボクは宮崎さんの最後の部分
自分のできる範囲の限界で、それでいい、と思うしかない。
家族や知人。守れる範囲は守ろうとしたが、国家や社会全体にまで責任を持てるはずがない、と考えていた。
を身体ではわからなくても、頭の知識だけは手に入れてほしくて中2以上の男の子には、今は北方謙三さんの「杖下に死す」「独り群せず」をススメています。
米不足で深刻化する商都・大坂。江戸からやってきた剣豪、光武利之は、この地でひとりの友を得る。
私塾「洗心洞」を主宰する大塩平八郎の息子、格之助。
救民を掲げて先鋭化する大塩一党、背後に見え隠れする幕閣内の政争。時代の奔流はふたりの男を飲み込み、いままさに幕末への扉を開こうとしている。
大塩の乱から二十余年。剣を揮う手に庖丁をもちかえ、既に船場の料亭「三願」からも隠居を決め込んだ利之だが、乱世の相は商都・大坂にも顕われ始め、時代の奔流が、穏やかに暮らす利之を放ってはおかなかった。
信念に基づき命を賭す男たち。『杖下に死す』の続編となる歴史長編。舟橋聖一文学賞受賞作。
まあ、中学生には「おもしろかったけど、よくわからん」という意見が多いようですが・・・
「半径30メートルの世界で生きていく」に同意してくれるお父さんにはオススメしておきます!
もし、子供にススメル場合も文中にはエロい描写があるので、まずは親が読んでから子供に渡してくださいね。
えっ、お母さんへのオススメはないのかって!?
子供に強く期待、いな過度に期待しているお母さんにはこの前テレビでやっていた映画「みんな元気」なんか、いいんではないでしょうかね。
ウチではすでに2度親子で見ました。
知人からは、ボクの「お前はこれを見ろ!」「キミはこれを読め!」と子供に強くススメルのはどうかと思うよとよく言われます。
「子供は子供。そこまで言う必要あるのか」とも。
でもね・・・・
先日、少しここでも触れた樋口毅宏さんの著者で最近発売された「タモリ論」にはこうあります。
ビートたけしが制作してきた各映画がどの映画を下敷きにヒントを得てきたかを詳しく述べたあとに
1947年生まれのたけしにとって、ここに挙げた映画はすべて、彼が16歳から20歳の頃までの映画です。
戦後すぐに生まれた世代にとってフランスのパリこそ「花の都」であり、その国で作られた映画こそ「最高の芸術」と教えられて成長したことは想像に難くありません。
たけし自身、明治大学を中退して浅草の芸人の世界に飛び込んだ頃に、映画をまとめて見たとあちこちで語っていますが、無名の青春時代に観たフランス映画に、その後一生にわたっての影響を受けたようです。
このへんはたけしも我々と同様で、思春期に遭遇した作品に、その後一生にわたる哲学や価値観といったものを決定付けられたのではないかと。ちょっと安心しますね。
まったく、同感です。
16歳から20歳ですよ!!
この頃に観た、そして読んだものが人生を形作る。
人生80年なんてボクは考えていません。ここまで「16歳から20歳」までにすべてをぶつける。
この大事な大事な期間を野放しにするっていう選択肢は、少なくともボクにはない。自分が生きてきて知ったものはすべて、この期間の子供にぶち込んでいく。
それがボクの生きた証だから。
『タモリ論』(樋口毅宏)、読了。小説と同様に膨大で子細過ぎる知識から引用して作り上げていて、まんまと読みたい本や見たい作品を増やされた。いちいち納得できる芸人論からは、小説よりもストレートに、好きな人への熱烈な愛情と冷徹な観察眼が見てとれた。狂気への憧れが創作の原動力なのかな。
— IRN48 (@irony488) July 16, 2013
考え方は人それぞれ。あなたはあなたの道を、ボクはボクの道を行くのみ。
さあ、夏休み、あなたはなにを子供にぶつけますか?
『10の鉄則』の感想、続々と・・・
小6 ころりんさん
まずは駆け足で読みました。
読みながら頭の中で大事なものセンサーがなりまくりでした!
二回目は鉄則ごとに自分たち親子と照らし合わせながら、大事なことを拾い集めました。
もう、そうやるんだ!
そこまでやるのか─!の連続でした。
実行できていなかった鉄則:
全滅に近いです… どれもこれも中途半端な感じが否めません。
全く出来ていなかったのが鉄則2・4・5
鉄則8は迷いが吹っ切れました!
困っていたのは勉強方法でした。
頑なにやり方を曲げず、頑張りの割りに成績が停滞し続けていた娘と目標や期限を話し合い、勉強のやり方を少しずつ変えてからダラダラ机に向かうこともなくなり、自分なりの手応えを感じているようです。
まだまだ娘も私も
実行→修正→実行→修正…が必要なようです。
変だな?と思ったら鉄則を読み返す日々です。
とにかく「今日の今やった勉強の成果は?」を問いましょう。
できなかった問題ができるようになった!→これ成果!
一度できた問題がもっと速く解けるようになった→これ成果!
受験で考えると、入試日が決まっているのでその逆算から今はどうかと当然ながら考えがちです。
逆算してあれもできない!これもできない。間に合わないと。
で、結局、昨日も今日も明日も成果がない勉強を続ける。
でも、それはもうやめよう!
焦って怒りまくっても、今日の成果が積み上げられなければ次はない。
今日たった1問できるようになった。その上積みが明日に、入試につながるのだから。