こんにちは、ストロング宮迫です。

とうとう来ちゃったねえ、11月。受験生にはシビれる季節となりました。

偏差値が足りない、点数が足りない、あれもまだやってない、こっちもしなければいけないのに・・・と、足りないことばかりに目が行くのは受験生の親の人情ってもんです。

わかるよ、その気持ちは(*_*)

ただ問題はね、いつも書いているように「足りない」「これもあれもやらねばならない」と100万回唱えたら、今の目の前の課題は解決するのか?ってとことです。そう言っていれば気がまぎれるのか? 気が済むのか? 前進するのかってことなんです。

答えはみんな知ってるさ、「なにも解決しないし、前進もしない」ってね。

わめいても、叫んでも、なーんにも解決しない。

返ってくるのは、「お母さん(またはお父さん)、黙ってて」という至極真っ当な子供の言葉だけだ。

親以上にパニックになりつつある子供の周りで、子供以上に髪を振り乱して騒ぐのは、事態をさらに混乱させる行為でしかない。

・・・といわれても、「わかってる」と。わかってるけど、騒ぐしかないじゃないかというのが受験生の親の正直な気持ちでもあるでしょう。

11月でこうなら、12月はもっとすごくなるし、年末にはほぼ半狂乱になっていてもおかしくない。

マラソンランナーが走らないで、一晩騒いでゴールインできるなら、きっとそうするだろう。

でも、走らなければ、1歩1歩前に歩を進めなければ、ゴールには1mmも近づかないんだ。

受験生も、受験生の親も同じ。

ゴールが遠くに見える人ほど、落ち着いて、1つ1つ片付けていかなくてはなりません。次の電柱までと決めて全力疾走する。ゴールまであと電柱5000本通過しなければ・・・・なんて目の前の一本を通過していない人が口にする資格はないんだ。

目指すは次の電柱まででイイ。そこまで走るんだよ。

この時期からの受験生は、もう科目で区切らないことを親技では推奨してる。単元で区切る。

国語も算数(数学)も理科も社会も、中学生なら英語もあって、各教科の単元を数えれば、途方もない数になるのはわかってる。

だから、そこに優先順位をつけるんだ。

単元数が500あろうが、500のうちの優先順位1番を今日やる。できれば優先順位の2番までやれ!明日は3番から。

優先順位なんて決められない。どれも優先順位が高いんだって、みんな言う。

全部大切だって理屈はわかる。でも今週末の試験範囲があるなら、そこに出るのが優先度は高いだろう。先週のテストで、躓いて大きく点数を落としたなら、まずはその単元の回復をするのが優先順位が高いとなるだろう。今日授業でやったけど、まるで歯が立たなかったなら、その単元の基本を確認するのが最優先だ。

模試や判定テストがどんどん総合問題に収斂していく中で、わめく前にテキトーでもいいから優先順位を決めてみろというのがボクからの提案です。

この前も書いたけれど「制限時間にせかされて解けませんでした」なら、「じゃあ制限時間がなかったら解けるのか?」をやってみる、見てみればイイ。

解ける、できるなら、じゃあ今度は制限時間内でどう処理するかを考える。

なにができて、なにができないのか、それを明確にするだけでも価値がある。優先順位が見えてくる。

パスポートは持ってないけど、ハワイに行きたいって誰かが言えば、みんなこう言うだろう。

先ずパスポートを獲れよ!ってさ。

前半の基礎点になる部分をボロボロ落としておいて、制限時間がないとか言わせない。すべての時間を使ってでも、基礎点になる部分を獲れ!が「パスポート」だから。

判定テストでできなかった単元は、それ以前に模試や実力テストでも、できていなかったはずなんだから、そこに戻ればイイ。以前のテストをやってみる。それでもダメなら、テキストに戻って、基礎部分をやり直す。

やることはてんこ盛りだ。わめいたり騒いだりしてる暇はない。司令塔は冷静に先は見据えて、子供には目の前の優先順位の高いものに集中させる。司令塔がわめいてどうする?というのが親技でボクが親に対して向けている視線です。

受験はさ、子供にとっても試練だけれど、親にとっても立派な修行になりえます。己の未熟さを思い知らせてくれる。

冷静にならなければならない自身が一番慌ててる。最初に気づかなければならない親が最後まで気づかない。

だから「落ち着いてやりなさい!」なんて言葉は出てこないんだ、子供に。言うことはもっと具体的になる。家でやっていたことをやりなさいってなる。

もうコップに水が全然ないって話はいいよ。今日はこれだけ入ったね、これも入れたよって進んでいこう。

それはこれから生きていくときの生き方にもつながるとボクは思う。

京都の龍安寺にはみんなもよく知ってる「知足の蹲踞」がある。意味だってみんな知ってるだろう。

「口」を部首と考え、時計回りに「吾れ唯だ足ることを知る」となる。

「知足のものは貧しといえども富めり、不知足のものは富めりといえども貧し」という禅の格言を謎解き風に図案化したといわれてる。

どう解釈するかはあなた次第です。あなたの解釈があなたの生き方を決めるんですから。

ボクはこの「吾れ唯だ足ることを知る」よりも、ここで何度か紹介したことがあるこっちのほう↓↓↓がよりシンプルで好きです。

More becomes less.
「もっと多く」は「物足りない」になる。

完璧なんてありえない。あとはどこにあなたが視点を定めるか。

ゴールからさかのぼってきて「足りない」と責めたてるか、今立っている地点から「今日はこれを獲ったぞー!」とするか。

まったく同じ成績の子供がいたとして、同じ地点からスタートしたと仮定して、3年後にいる位置は違うか?

違うとボクは思ってる。まるで違う景色を見る子供になっているとボクは確信してる。これがボクの結論だ。

死ぬまで続く旅において、受験は一里塚。受験は大事だが、受験で終わりじゃない。

それでなくても、学校や塾ではゴールを示されて「ここまでおいで、さっさとしないと乗り遅れるぞ!」って言われてる。家でも同じことを言うの?

言ったら、よーし!乗り遅れないぞ!って子供は思うの?

あなたはそう思うの?

そう思えるのは、自分がイケてると思っている人だけです。8割の子供は「もうわかってるから、ワーワー言わないで」という。わかってんだから。わかったうえで、こぼれそうな思いや溢れる焦りを必死で子供は手で押さえて蓋をしてるんだ。押さえなかったら、出てきちゃって情けなくて泣きたくなるからさ。

そっと蓋を開けて、1つずつ片づける。その交通整理をしてやってほしんです、親の方には。

1つだって、2つだって日々片付いたほうが2カ月経って年末になったらずいぶん片付けたことになるから。

まだ年内2カ月「も」あるんだよ。1日に1つずつ片づければ60単元、3日で1単元なら少なくとも20単は片付くことになる。それも優先順位の高いものから20番目までですよ。

ほら、またいう「たった20単元しか」ってさ。

More becomes less.
「もっと多く」は「物足りない」になる。

でも言っておきますが、数多くある課題の単元がただパニくってるだけで、騒ぎ倒して3単元も片づかずに、中途半端に放置したままで年末を迎える受験生の家庭がたくさん出る、これからね。その時の冬休みったら、恐怖のズンドコだから。

1単元を片づけるすごさにそろそろ気づかなきゃいけない。精神安定剤よりもどんなに確かで気持ちが落ち着くか。

パスポートも持ってないのにハワイに行きたいって人をみんな笑えない。今日片付けるべき目の前の1単元を片づけられないなら。

よーーく思い出してみて。子供が生まれてからこの方、あなたのお子さんはどんどん大きくなって、成長して、思えば遠くに来たはずです。ここまでも長い旅だったけど、まだ続く旅です。

あれもできなかったし、これもできなかったのに、元気に学校へ、塾へと行ってる。口だけは一丁前になって。

長い旅では、次の電柱まで頑張って走る!が基本。次の電柱まで走れば、次は見えてくる。前に進もう、受験生!今日の一歩がゴールに近づくってことだから。

あれれ、冷静さを失ってると思ったときは、日々更新されてる毎日親技を読むべし!そして、思い出せ。「今日1単元片付けちまおう!」ってね。

ここ最近の毎日親技では、「[まとめ]入試演習をする意味」とか「これからやる問題は一期一会」とか「受験はライバルとの闘いじゃない。自然淘汰だ!」など、過去の同じ時期に公開したものをアップしなおしています。

【11月の毎日親技ノック】まとめて浴びてるなら、こちらから。11月に言ってることは、いつだって同じことだから。

最後に「いろいろ試してはみたけれど、1年前、半年前、3カ月前と状況は変わったであろうか?」そういう問いかけをするこの時期、思い出す話がありますので、紹介します。

親は変わるべくして変わるんだ!親の視点を変えて子供を見ると、見えるものが変わってくるんだ!そう強く思えるのは、こういう方が親技生の中にたくさんいるから。

最初に1年前のメールのやり取りを、そのあとに1年後に来たメールを時系列で紹介します。

dasiyさんのノリ勉初日報告のほんの一部

...挫折してしまいました!

問題は、先月の塾のテスト(月1回)の前半部分(計算4問、簡単な文章題4問)にしました。

まず、最初の351÷16=でひっかかりました。

2番目の問題は、「21÷8を分数にしなさい。」というものです。

3番目の問題は、16-6と1/7です。

ここまでで17分もかかってしまいました!

いったい、どこを褒めればよいのでしょうか、、、。

私は横で見ながら、「あ~、この子には受験は無理だー。」と思いました。

17分でめげてしまった私は、「ここまでひどいと思わなかったよ。塾や家庭教師の時間、一体何やってたの?もう、塾やめなさい。意味無いじゃないの。」と言ってしまいました。

息子は、やめたくないと言って泣いていました。最悪です。

まとまりませんが、ストロングさま、どう思われますか???

3月生まれの幼い息子には、受験は無理なんでしょうかねぇ。

ストロングからの返信の一部

なるほど。話が早いですね。諦めますか?

受験が無理なのは、お子さんではなく、dasiyさんですね。

好きに任せて、塾や家庭教師に丸投げして、1日一緒にやって、できないとわかったら、無理ですーー!なんて。

dasiyさん、よく考えてください。諦めずに頑張ったらできるよなんて子供に言ってないでしょうね??

お子さんはやる気満々だったんでしょう?

計算も独自の少し要領の悪いやり方でやっていただけでしょう。

なのに、親は「無理でしょうー!」なんて。

繰り返します。

お子さんに問題はなく、dasiyさんには無理ということですね。こうして能力のあるお子さんの芽を親が根こそぎ、摘んでいくんですね。

よーーく考えてください。子供のせいですか?

今までそれを放置して、好きに任せていた親の責任は、なしですか?

子供は死刑!親は無罪??

そういう理不尽な判決はストロング、承服できません。ただ、dasiyさんの大事なお子さんですから、決めるのはdasiyさん。

どうですか? 読んでいて頭にきましたか?

お前に言われる筋合いがないと。確かにそうですね。でも、そうならないために、今こんな仕事をやっています。

親に言わなければ、子供が死んでしまいますから。頭にくるでしょうが、子供の責任か? 子供にやる気がないのかをもう一度考えてみてほしいと思います。

とても懐かしい。ボクも若かった。本当に失礼な言葉を連発していますね。

ここから1年経って・・・・

小5 daisyさんからのメール

ストロングさま

本当にお久しぶりです!

去年の12月に「ノリ勉」に参加したdaisyです。

当時は、「3月生まれの幼稚なウチの子には受験は無理ですねぇ。」と言っていた私。

ストロングさんの、厳しいお叱りをいただいて、泣く泣く出発したノリ勉でした。あれから、もう一年近くたったのですね。

この一年の間、ストロングさんの教えを忘れた日は無かったですよ!あれから私は「親が子供を責任を持って伸ばすのだ」と肝に銘じ、過ごしてきました。

その後、、、息子が楽しく通っていた進学塾を辞めさせ(鬼母!)、この9月から、カリキュラムのしっかりした小さな塾を見つけて入れました。

転塾はおそろしく勇気の要ることでした。が、ここでは息子は伸びない、と見切りをつけて辞めさせました。「ノリ勉」をしたことがきっかけです。

「ノリ勉」後の数ヶ月は、「ノリ勉」の日常バージョンをやろうと決めておりましたが、当時の息子の通う塾は、「すべて塾に任せて。親は手を出さないで。」という方針。(それで伸びれば良いのですがねぇ)

そのためか、いったい何を教わっているのか家庭には届いてきません。「ノリ勉」の日常バージョンをやろうにも、問題はプリントで沢山もらってきますが、解説や答えは無いので、おまけにノートも使っていないので、「訳が分らん、、、」ということに気づいたのです!!

それに加えて、相変わらず成績が上がらない息子。カリキュラムがものすごく早いので、全然理解しないうちに次に進み、家庭でのフォローも取れない現実。

あ~、これでは成績が上がるはずが無いわ!と確信して塾に個別面談を申し込むと、「そのうちに力がついてくるから、見守ってください。ここで親が手を出してしまうとそれなりの伸び方しかしなくなりますよ。」と、いつものお話でした。

それまでは、「先生がおっしゃるのだから、そうだろう。」と思っていましたが、「ノリ勉」の後の私は「どんなに好きで通っていても、塾が合わないんだ!」と気づきました。

それが、新5年になった今年の3月です。(「ノリ勉」の3ヶ月後)

でも、息子は塾が大好きで絶対に辞めないと泣いてものすごく抵抗しますし、その時は転塾は無理だとあきらめましたが、半年かけて機会をうかがい、「それ~!」とばかりに、めぼしをつけていた他塾の夏期講習に入れ、その勢いで転塾させました。(「ノリ勉」の8ヵ月後)

「親が主導の転塾は弊害も出るだろう。やる気をそがれてシボむかもしれない。」

「そういうやり方は子供をつぶすよ」とも言われ、「でも、つぶす時は私が責任を持ってつぶそう。」とハラをくくっていました。

新しい塾は、5年生が15人という小さいところです。テキストがちゃんとあり、毎週土曜日にテストがあり、秩序だって勉強を見てやれます。

今では息子も「前の塾のことが大好きだったけど、変わってみると、授業がザツだったことが分る。授業中はうるさくて先生の声が聞こえなかったし、先生の言ってることも良く分らなかった。こっちの塾のほうが僕に向いてる。」と言っています。(^^/

転塾して一ヶ月は、新しい環境が嫌にならないように手綱を緩めていましたが、10月に入ってから、きっちり勉強させています。

どうやら昨日の算数テストでは80点以上取れている様子。

社会はポカミスがなければ、ほぼ満点でしょう。とは言っても、まだ塾のA問題ですから、やさしい切り口の問題ですが、、、。

子供にとって、テストで良い点を取るということは本当に大切です。次の勉強を始める原動力になり、大げさですが、人間としての自信もつきます。

帰宅後も、落ち着いてテスト直しをやっている姿を見ると、塾を変えて本当に良かったなぁ、、、としみじみ思います。

転塾に伴うリスクはこれからもあるでしょうが、親がきっちり責任を取ってやろうと思っています。

ストロングさん、私、ハラのすわった良いお母さんになったでしょう?!

これは、ストロングさんのおかげですよ~。ありがとうございました!

おまけがあります。うちには、今年、小学校にあがった娘もおります。

私が息子の勉強をしっかりみていると、娘は「我が家は勉強熱心な家なんだ。」と感じている様子。「家では勉強するものなんだ。」と当たり前に思うようで、勝手にどんどん勉強します。

おかげで、通知表はパーフェクト!すべて最高点で、テストも全部100点です。

ま、一年生のうちは甘いというのもありますが、クラスのトップにいることは間違いありません。そうすると、先生の目のかけ方が違うんですね~。

なにかあるとお呼びがかかり、親にも話が来たり・・・あ~、こうやって優等生というのが出来上がっていくんだなーと、そのからくりが分りました。

なんといっても、小さいながらも本人が自信を持っています。ストロングさんに出会ったおかげで、私たち家族のそれぞれの人生は変わりました。

ストロングさん、風邪をひきやすいみたいですが、くれぐれも気をつけてくださいね。待っている「悩める親子」が、まだまだいっぱい居ますからね。

これからも、がんばってください!

懐かしさに、おもわず長々と書いてしまいました。忙しいのに、お読みくださって、ありがとうございました。

ノリ勉の旅・卒業生daisyより

文中、ストロングのお陰です!なんて言ってくれていますが、実はストロングは、なんにもしていないんです(>_<)

dasiyさんが、考え、勝手に頑張って、今があるわけです。視点を変えた、子供の見る個所を変えたからの今ともいえるのではないでしょうか。

この話をいつもボクは思い出すんです。

よく「男子3日会わざれば刮目して見よ」なんて言います。でも、男子だけではない。親も子供もどんどん変わります。まさに「親は1年会わざれば驚愕して別人!!」です。

いいですか、決して1年会わざればの話じゃない「3日会わざれば刮目して見よ」です。年内2カ月会わざれば・・・皆さんのチェンジ、大いに期待してます。

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うれしい報告

[ノリ勉英語] 実施中の中1 赤毛のあんこさん

現在学校で習っている単元だったため、少し怪しい部分もありましたが教科書やワーク、進研ゼミまで引っ張り出して一生懸命説明してくれました。

テスト問題は自分や家族の名前が主語になっていて、「教科書の例文を見ながら自分なりに英作文したんだなぁ~」と思ったら、涙が出そうになりました。

説明の最中は赤ペンもって「teachはesがつくんですよ、ひっかけでした~」なんて、とても楽しそうでした。

■親の気づき・反省・問題点:

小学生の時は「学校の先生になりたい」と言っていたくらいですので、教えるのが好きなのかもしれません。

今日の課題は私も娘もおおいに盛り上がり、笑顔で終わらせることができました。

今でも学校や部活での出来事など事細かに報告してくれますので、親子関係は問題なしと思っていました。

でも、私がいつも先回りして「こうしなさい。ああしなさい。」なんていっていたものですから、娘のやる気を知らず知らずのうちに摘み取っていたのかも知れませんね。(省略)

ちょっとしたキッカケで子どもはいろんな顔を見せてくれるようになります。そのためには親が変わる!を決心すること。

親はどんどん先回りしたらイイ。ただし、先回りして答えも解説も全部しちゃったら、やっぱり子どもはおもしろくない。

先回りするのは、子どもからいろんなものを引き出すためですから。

やる気を摘み取るか、引き出すかは親の腕次第ですぞ!!

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