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こんにちは、ストロング宮迫です。

さて、JR東日本の敷地内で起きた不審火の容疑者が捕まったとのことです。旧約聖書に登場する預言者に由来すると思われる「リッパな名前」を持つ容疑者は42歳だったとか。

※この毎日親技は2015年9月17日に配信したものです

容疑者の75歳の父親は

「表現だとしたら音楽でもできる。芸術家なら作品で訴えるべきだ。なぜこんなことになってしまったのか」

と憔悴した様子で産経新聞の取材に答えたそうです。

2015年9月16日 産経新聞
【JR連続不審火】定職就かず、月20万仕送り受け

野田容疑者は大学卒業後、一度も定職には就かなかった。「好きな音楽をするために親としてできることをしたかった」(父親)と、月20万円を仕送り。JRへの不満などは聞いたことがなかったが東日本大震災以降、「原発は危険」などと語るようになった。

政治に興味があり、反原発のデモにも参加していた。

42歳の大人になった「子供」の責任を75歳の親に問うても仕方がないし、容疑者はそれなりの罰を受けるでしょう。

でも仕送りしてたらねえ。それも20万円も・・・

正直それは多すぎると思います…(;_;)・・・なんて書くと、「そこかい!」って声が聞こえてきそうです。

このメルマガの読者には「仕送りするのが余計なんだ!」って強く言ってほしい人が潜在的に多いんじゃないかと想像します。

だからあえて言うんだけれど、ボクは「75歳が42歳に」仕送りしてもイイと思うんですよ。それぞれ事情もあるだろうし、子供が親に金を借りたりすることもあるだろうし。

たとえば親から子供に財産分与されるってことは形を変えた「仕送り」みたいなもんだからね。だから、仕送りしてもいいけれど、仕送りするなら「その金額」のほうが大事なんじゃないかって思うんです。

お金っていうのは、その渡し方や金額によって、プライドを傷つけたり、モチベーションを上げる材料になったり、まったく逆の効果を生むことがしばしばです。宝くじに当たって人生を壊す人もいるし、思わぬお金が入って自分の実力を過大評価してしまうことだってあるし、ささやかな金額を大事に感謝して使う人だっている。

容疑者の男は「大量に電力を消費するJRが許せなかった」と供述していると報道で見ましたが

どう考えても「お前が無駄遣いしているだろう」ってことにはトント視点が向かないんですな。

そういうことにまるで気づかない、気づけないような仕送りは「子供」のためにならないということではないでしょうかね。

2015年9月16日 J-CAST
JR放火の野田伊佐也「折り合い悪かった芸術家の父親」家出たが仕送り生活

容疑者は高校を卒業すると直ぐロックバンドを結成し、都内のライブハウスで自作の歌を披露していた。

知人は・・・20年間変わらずに自分の音楽性を貫いていたが、人気はなかったです」という。

容疑者がよく通っていた飲食店の店長は「芸術関係の仕事をしている親父さんと折り合いが悪いと相談を受けたことがあります。音楽に対する自分の表現を親父さんが評価してくれないという不満があったようです」と話している。

父親は・・・逮捕を聞かされこう語った。

「音楽なんかやっても大変だからやめたほうがいいじゃないかと言ったことはあります。どうしてもやめられなくて、一人で吉祥寺に住みたいと言うので、あまり干渉しない方が良いと考えました。生活できないので仕送りしていた」

この記事には、子供について考えさせられることがいっぱいありますな。

「20年間変わらずに自分の音楽性を貫いていたが、人気はなかった」のであれば、その貫いていく音楽性について少しは考えないといけなかったでしょう。

貫きたかった道が20年も誰からも評価されないってことは「もしかしたら何か自分が間違っているんじゃないか」と考えてみる余地はあっただろうし、表現の仕方を変えてみる余地もあったのかもしれない。

でも、何も変えずに20年間「×」が続いて、20年後に「合格」なんてことにはならない。まあ、芸術ではあるのかもしれないけれど。

20年間「×」が続けば、普通は考えるんです。「なにかが間違っているのではないか」と。

でも仕送りが20万あってとりあえず「吉祥寺」に住んでメシが食えたら、そうでなくても「自分のやっていること」に視点が向かない人なのに、生活が成り立ってしまっていたら、もっと考えなくなる。

もっといえば、容疑者は「人気がなかった」つまり支持されなかったわけだから支持されるにはどうしたらイイかをもっともっと考えるべきなのに、向けた視点は「音楽に対する自分の表現を親父さんが評価してくれないという不満があったようです」となる。

お前が支持してもらいたいのはオヤジさんかよっていうね。オヤジさんも、それがわかっているから「音楽なんかやっても大変だからやめたほうがいいじゃないか」と言った。

でも正確には息子にこういうべきだったと思うんです。

「お前の音楽は誰からも支持されないので、もうやめたほうがいいんじゃないか。もうその結果はさんざん出てることぐらい自分で気づけよ」って。

で、仕送りを止めたらいいんだけど、こういう人はたぶん実際には止められない人なんで、仕送りは5万円にするとかさ。仕送りが5万円になったら、自分で働かなきゃならないでしょう。吉祥寺に住むためにもメシを食うためにも。

自分の本意ではないアルバイトに精を出すことで貫いてきた「自分の音楽性」を考えたり、気づいたりする可能性もあったでしょう。現実にはアルバイトと音楽が両立しにくくなって「オレ、やっぱり音楽諦めるわ」って仕送りが5万円ならなってたかもしれない。あくまで可能性ですけどね。

大学を出たら、もう自力で自立してやってもらわないといけないんです、子供には。

でも今は大学院に行くとか司法試験を受けるとか、それぞれ事情や目標があるんでしょう。だから、大学出た後も、やむを得ず仕送りをして助けてやるってことも、できる親はしてやりたいと思うでしょう。

でも、お金を渡してやって、子供が感謝もせず、文句ばっか垂れて、なんの実績(働いて自分で生活するとか博士号とか試験合格とか目に見える実績)も出さずに、社会や世間を批判し、己の道を貫こうとするなら、「水道の栓」を閉めて気づかせないと

「水道の栓」を全部閉めなくてもいいけれど、絞ることで気づくこともいっぱいあるんだから。

その上で、いろいろと折り合いが悪くてあまり干渉しない方が良いと考えましたなら「水道の栓」はキッチリ閉める。

だって「水道の栓」は開けっ放しの使い放題で、干渉(気づかせる努力)をしなかったら、単なる世間知らずのおバカになって社会に迷惑をかけることになるから。

えっ、「水道の栓」を早くからキッチリ閉めたら、それはそれで社会に迷惑をかける事件を起こすかもって!?

だからバランスなんですよ。閉めずに絞るだっていいんだから。働いて自分で生活するできるように閉めたり絞ったりするんです。なんにも気づかせずに、頑張らせもしないで、いきなり「水道の栓」を閉めたら、そりゃあ子供が反乱を起こす。

いきなり偏差値40の子が隣の子が偏差値60獲ってるから、お前も獲って来いっていったら反乱起こすでしょ。

できもしないことをしろって言われたらそりゃあ誰だって怒りますよ。

だから順番に順序良くバランスを取りながら「水道の栓」を閉めたり、絞ったりの実力行使をしつつ、いくつになったら自力で自立してやってもらわないといけないことを教えるんです。

そのバランスは難しいけれど、閉めすぎたり、絞りすぎたり、緩めすぎたり、試行錯誤しながら、やっていく。その試行錯誤が子供の表情や行動に即座に出るから楽しいんであってね。

もし子供が今、クソ食ったような顔をしているのなら、そのバランスは今壊れているってことです。

やり過ぎたら緩めなきゃいけない。でも緩めすぎちゃいけない。過ぎたるは猶及ばざるが如し、すなわち「何事も程ほどが肝心で、やり過ぎることはやり足りないことと同じように良いこととは言えない」ってことで、このバランスを体得するのが実は自分の人生においての修行なんじゃないかって思うことがあります。

1度、2度、3度、4度・・・・いくつもの失敗を子供は許してくれます。社員や上司や同僚や同級生や友達よりも子供は寛容です。待ってくれている。

早く気づこうじゃないですか、子供の寛容さについて。そしてバランスをできるだけ保ちながらこの先も試行錯誤していこうじゃないですか。

落とし穴にはまっているのに「ここは暗い、狭い」って嘆いたり、憔悴したり、他人や社会を批判しても仕方がない。だって自分で落ちたんだから。

この前、大好きな五條瑛さんの小説をいくつか読み直したんですが、いつ読んでもおもしろいですなあ、五條瑛さんは。その中の1冊にこんなのが書いてありました。

五條瑛著「蝶狩り」

「キリエが欲しがっているものは、全部金じゃ手に入らないってことを。何一つ・・・。キリエは知ってるんだよ。自分が欲しいと思ってるもの。自分が生まれたときから持っていないもの。それは全部、金がいくらあっても手に入らないものだって。何もかも諦めちゃってる。どうせ手に入らないなら、何も欲しがらない。キリエは、そういう奴なんだ」

わたしは、ヨウイチにすがって泣きたかった。哀しいからか、嬉しいからかは分からない。ただ、無性に切なく息苦しかった。こんな子供でさえ分かることが、大のおとなには分からない。金のために誰もが簡単に自分を見失い、あっさりと道を踏み外す。

金があれば何でも手に入れられると思っているからだ。

「見つけてくれるよね?」

耳許で、囁くようなヨウイチの声が聞こえた。「キリエは、本当は誰かに見つけて欲しいんだ。あんたに捜して欲しいんだよ。ものすごく心配して欲しいんだ。そんなこと、とっくに分かってるんだろ?」

子供が誰でもわかることを大人や親がわからない。

わかるでしょ?

いや、わからない。正確に言えば、長い間生きてきて、わからなくなっちゃたのかもしれません。

旧約聖書の預言者に由来する「リッパな名前」のJR不審火の容疑者も誰かに、いや偉大な芸術家である父親にお金を渡されることではなく、心配して、「自分」を捜して欲しかったのかもしれませんね。

この本の帯にはこう書いてある。

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本当は誰かに見つけて欲しい。あんたに捜して欲しい。ものすごく心配して欲しいんだ。

42歳になっても「音楽に対する自分の表現を親父さんが評価してくれない」と嘆く。

この意味を親の方にはよくよく考えてもらいたいですな。
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うれしい報告

小6 テムズさん

(省略)塾から家でやる入試問題が次々にだされ提出分までこなしきれずに困っていましたが、ストロングさんの

「100点取らないと合格しないのですか」

にようやく気付きました。わかっていたつもりでしたが、こなすことにばかり目がいっていました。すいません。

今の娘に全部できるなんてことはないわけで(*・*)

(省略)過去問演習で大問ごとに時間を記入させる試みも始めました。「拾う」のは子供にはむずかしいのですね。

家での過去問演習では子供のそばで試験をやっている様子が見えて、ミスが起こる感じや取るべき問題をスル─する点がよく見えます。

勉強を見る時間は厳しいですが、頑張って入試実践のテクニックを次の塾のテストで少しでも使えるようやってみます。

勉強面の「学力はそのままで点数を上げる受験テクニック」とともに、まもなく発送の10月号「受験3か月前に親がすべきこと」も合わせて取り組んで下さい。

受験生はこれから気分がジェットコースターのように上がったり下がったりします。

それらは起こってから対処しても、後の祭り。なにが起こりうるのかを毎年起こっている事例から知り、事前に話し合っておきましょう。

ただ、気分が上がったり、下がったりするのは頑張っているからこそ。志望校への成績が足りないのに、いまだド~んと構えて微動だにしないのは頑張っていない証拠ですから。

合格への道は1日でならず。その布石を打つのは「今」です!

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