こんにちは、ストロング宮迫です。

前回、息子からススメられたマンガについて書きました。

ストロングがガキの頃に読んで面白かった漫画は手元にあったものは除いて、すべて買って子供たちに与えました。あの感動をもう一度ですな。
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そのうちのいくつかは子供たちも気に入って今も読んでいるようですが、実は、この夏、漫画について、子供たちに今まで読んだことがない漫画をススメてみたのでした。

その漫画は手塚治虫のものです。ボクの漫画の好みは、完全に梶原一騎派で、生まれてこのかた手塚治虫の漫画は読んだことがありません。

大きな要因は手塚治虫の画がキライ・・・なのです。ベレー帽の風貌もイマイチ親しめなかったし・・・やっぱりこっちの風貌のほうが好きだったなあ・・・

これとかさあ
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※この毎日親技は2013年9月17日に配信したものです

この好みの違いは人生の道が大きく分ける可能性が高いですなあ。

だから、一度も読んだことがないし、プロ野球の西武ライオンズが創設された際、手塚治虫の作品『ジャングル大帝』の主人公・レオがマスコットで登場した際には、あやうくプロ野球ファンさえやめようかと思ったほどでした(少し誇張しています)。

ただボクの周りの人達の手塚治虫に対する評価は高く、いくつもの名作と言われるもの名を挙げて褒め称える人が多いのです。一方、その人たちの梶原一騎評は、散々で、ボクからすれば漫画の評価が大きく貶められている気がしますけどね。

「手塚治虫より梶原一騎だろ!?」なんてボクが言おうものなら、ボクの周りの手塚治虫ファンからは袋叩きに遭いかねない感じ。

あるときなど彼ら手塚治虫ファンに斎藤貴男さんが書いた梶原一騎の評伝を片手に手塚治虫について書かれた記述をボクは満面の笑みを浮かべて読み上げたことがあります。

斎藤貴男著『梶原一騎伝 夕やけを見ていた男』59ページ

一方、梶原(一騎)の日の出の勢いの裏側で、それまでの漫画界を支えてきた手塚治虫は時代に取り残されていくのではないかという焦りを感じていたといわれる。

昭和四十三年頃のことである。

手塚は突如アシスタントを集め、こう尋ねたという。

「この漫画のどこが面白いのか、君たち教えてくれ」

泣きべそをかいたような表情の手塚の手には巨人の星の単行本が握りしめられていた

半ば伝説化しているこの挿話は、多少の誇張はあっても、概ね事実であったようだ。多くの関係者の証言や資料によると、もともと手塚という人は、一般に信じ込まれているような単純なヒューマニストでも、いわんや聖人君子でもない。自ら地位を脅かす新しい才能に対して人並み以上に嫉妬深い、生身の人間だった。

昭和二十七年頃、『鉄腕アトム』や『ジャングル大帝』で一世を風靡していた手塚は、当時連載していた『漫画教室』の中で、ストーリー漫画の悪い例として、福井英一の『イガグリくん』の構図を挙げたことがあった。

手塚の人気の一方で評判を集めていた福井への嫉妬が、中傷となって現れたのだ。福井は激昂し、手塚に謝罪を迫った。

<言われてみるとたしかに思い当たり、言い訳のしようがない。
ぼくはやりきれない自己嫌悪に陥り、「すまなかった」と、頭を下げた。
その日は、みじめで、夜っぴて眠れなかった。>

後に手塚は、その一件を自伝風エッセイ『ぼくはマンガ家』の中でこう書いているが、福井の方法論の延長線上にあるともされる梶原一騎原作のスポ根劇画の流行は、手塚にとっては嫉妬の対象をはるかに超えて、まったく理解できなかったらしい。

数年周期で作品の方向性について思い悩み、目立って仕事量が減ることのあった手塚は、アシスタントたちに泣きついたというこの頃は、前後して一年間ほど、彼が生涯を賭けた児童漫画の・・・

フハハハ!と笑ったのはボクだけでしたがね。手塚治虫ファンの彼らにはまったく効き目がなかったなあ・・・まあ、こうして自己認識がきちんとできる点は梶原一騎よりもはるかに優れていたところであったともいえると思いますが。

それほどまでに強固に彼らが主張する手塚治虫を「そんなにすごいのか・・・」と思う一方、あの画を読み続ける忍耐はなく、これまで読むこともなく、生きてきたのでした。

ただ最近ふと我が子に自分の好みだけを押し付けるのは了見の狭いことなのではないか、自分がおもしろいと思うものだけを与えるだけでいいのか、子供たちの可能性を狭めているのではないかと思うことがありましてね。

本でも漫画でも、親だけの色で子供たちを染めてもいいのだろうかと。

そこで先に書いた、この夏、思い切ってボク自身は生涯読むことがないであろう手塚治虫の漫画を大人買いしてみたのでした。買ったのは、ボクの周りの彼らが推す作品の中から「火の鳥」と「ブッタ」。

ボクなんか、もう題名を聞いただけで読む気がしないもんなあ・・・やっぱり「あしたのジョー」とか「タイガーマスク」とか「四角いジャングル」のほうがグッとくる。

ボクだけですか・・・

「いかん、いかん!」自分の持っていない色を子供に見せるのが今回の目的なんだから。

火の鳥」と「ブッタ」、それぞれ十数巻を一気に手に入れ、夏休みに子供たちに宣言したのでした。
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「勉強はしなくてよろしい。本日より使えるすべての時間を使って手塚治虫先生の火の鳥とブッタを最優先で読むように!」

そりゃあ、喜びますわな、子供は。漫画読むのが最優先なんだから。おやつとかも買ってあげちゃったし。しかし、残念ながら、子供たちからは「あ・・・おもしろかったよ、うん」となんとも歯切れの悪い反応。
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「父さん、頼むから大人買いするときは相談してくれる? いっぺんに二つも買うことはなかったと思うんだけど・・・」

「今後読むことがありそうなら置いておくけど、どうする?」

「パス」「パス」「パス」三人の子供たちは全員「パス」、つまり「いらない」って回答でした。なので即刻、手塚先生の名作は古本屋に行ったのでした。ちょびもったいなかったなあ・・・

ああ、誤解のないように申し上げておきますが、これは手塚治虫先生の作品を貶める意図はありません。読んで面白いかどうか。そして手元において繰り返し読むかどうかについての好みの話ですからね。

たいていは受け手側の問題だったりしますしね。我が家ではダメだったって話なだけで。いずれにしても漫画の好みって難しいですね。

前回も書きましたが、お子さんが読んでいる漫画、ぜひ読んでみてください。そこで描かれている世界観や物語の意図、なにが子供たちをそんなに夢中にさせるのか

子供たちは漫画ってそりゃあ繰り返し読むでしょ。あれって脳に子供なりの何かを刷り込んでいるんですよね。そのなにかを知ることは子供を知ることの一つの手段になりうるんじゃないでしょうかね。

繰り返し読む漫画が何冊もある子供っていうのは幸せですから。

この本、面白い「傲慢さと過信が、せっかくの技量を押しつぶしてしまう」

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うれしい報告

『10の鉄則』の感想、続々と・・・

中2 水仙さん

長いあいだ、感想を送れなくてすいません。熟読していましたといいたいところです。なかなか読み進むことができませんでした。

息子にかわいそうなことをしてきたと思います。中学2年ですが間に合うのでしょうか。(省略)

中学入試のときはこどもの尻をたたいて私が背中をつよく押して入りました。その反動か中学にはいってからは反抗がひどく、勉強をしなくなりました。

中学入試の時のように背中をつよく押すことができなくなりました。私の方がなにかを間違っていたのではないかと不安です。

そのため私の思うようなやり方を息子に押しとおせなくなっているのかも。気持ちが悪い感じです。(省略)

時計は巻き戻せないですからね。そして、以前のことを消しゴムでは消せない。

親子はずっと一本のレールの上に乗って過去から現在、そして未来に向かっていきます。

以前走ってきたレールが悪かったと思うなら、元の位置に戻るか、戻らないまでも「ごめんね」といって今の地点を「0」にして進むしかない。

みんながそれぞれ違うレールを走っているんです。正解なんてない。あとは走りながら修正しながら走る。

修正するチャンスは人によって違うけど、お子さんと話し合いができるなら、大いにチャンスはある。

もう親が勝手に思い通りにレールの修正はできない。ちゃんと同じ土俵に乗って話し合う。時には親のほうが謝らなければならないことだってあります。

それなら謝ればいい。どこに向かいたいのか。どういう場所に着きたいのか。

子供と話して納得してもらってから走り出しましょう。中2は大人と子供の真ん中です。

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