こんにちは、ストロング宮迫です。
去年の年末に忘年会と称してタイガー山中とお酒を飲んだ時、「来年はどういう流れが教育関連では出てくるんだろうか?」って話になって、その際、すでに親のニーズは「学童保育に塾の要素がプラスされたモノを求めている」だから、
「受験塾が学童保育の機能も持って、学校が終わって夜の9時か10時まで塾が預かるようなものが出てくるんじゃないか」
なんて話したことがありました。
そのすぐあとくらいに首都圏に展開する塾が「滞在型の学習塾」をオープンするとアナウンスがあった。
通信教育ピグマキッズくらぶを運営する「株式会社ピグマコミュニケーション」(代表取締役社長:高宮敏郎【学校法人高宮学園代々木ゼミナール副理事長】は、「従来の通塾型」ではない「滞在型の学習教室」「安心学習空間」として2011年2月にオープンした「ピグマキッズ荻窪」に続き、4月に「ピグマキッズ白金高輪」をオープンしました。
『ピグマキッズ』の特徴は、SAPIXの通信教育教材「ピグマキッズくらぶ/ホームスタディー」を使用し、ご自宅で保護者の方と一緒に勉強する代わりに、トレーニングを受けた「シーダー(「種をまく人」の意)」と共に学ぶところにあります。
対象は小学校1年生から4年生までのお子様で、ご利用は原則として平日のみの週1日から週5日まで。
利用時間は4つのコースがあり、最長は午後1時から午後7時までの6時間コースとなります。ただし、ご利用時間の延長(実費ご負担)、振り替えのご利用、休日のご利用、ご送迎(実費ご負担)などにつきましては、できるだけフレキシブルに対応可能とのことです。
はぇーー!!まあ、さすが利に聡い「高宮学園代々木ゼミナール!!!」と思ったわけです。
親や家庭のニーズをちゃんと見て、それに対応したクラスや教室を「すぐに」作る。ダメなら、集まらなければ、やめるだけのこと。まことに営利企業としては王道です。
「集まらなければ、やめる」については、代々木ゼミナールには昨年こんなニュースもありました。
2010/11/10夕刊フジ
1カ月500万円!ドラ息子向け豪華”受験合宿”突然中止に1カ月でざっと500万円!”受験界”で衝撃を持って注目されていたのは代々木ゼミナール(東京)が先月から急きょ、募集していた超高額勉強合宿。
私大医学部を目指す受験生を対象に都内のホテルで缶詰めになって特訓するプランだ。ところが、9日になって突然中止に。募集開始から約1カ月での開催断念。一体、どうしちゃったのか。
受験シーズン直前ともなれば、予備校の特別講習の値段もグンと高くなるのが通り相場。
内容はより実践的なものになり、親にすれば、それでも受かればとギャンブラーにも近い心境になるものだが、代ゼミが開催を予定していたのは「空前絶後」と称した、その名も『ここまでやるか!!代ゼミ受験必勝合宿』。
私大医学部の受験生を対象に、来年1月17日~2月18日の32泊33日間、14人限定プランだ。
費用は宿泊費、食費を含めた1日当たりの固定参加費が10万円。これに「固定指導料」として最低1日14万円。さらに、個別指導料90分3万5000円の「特別授業」を1日4コマ受講するのが必須とされていた。
少々計算がややこしいので、募集告知の”支払いモデル”を参考にすると、《入学試験のある日が20日間(個別指導料免除)、入学試験のない日が11日間の場合、10万円×31日間(初日と最終日は除外)+3万5000円×4コマ×11日間=464万円》。
1カ月で500万円近くかかり、期間中の受験日が少なければ、その日の分、費用はもっと上がることになる。
目が飛び出るような高さだが、ホテルの客室を個別指導ルームに改装し、照明も明るくするなど最適な環境を整備。ツインルームを1人で使用し、フィットネスクラブと提携し、代ゼミスタッフと現役医大生の24時間サポートと至れり尽くせり。
代ゼミでは「受験会場への送迎や朝、昼、夕のスペシャルメニューなど快適さを追求したため」と説明している。
10月1日に募集を開始するや費用の高さもあって受験業界で話題を集めたが、約1カ月後の11月9日、あえなく中止に。理由について代ゼミは「責任者が体調を崩し、合宿の運営に支障をきたす恐れが出ました」とコメント。同日時点で申込者がゼロだったこともあり、「今なら誰にもご迷惑をおかけしないと判断した」としている。
それにしても豪華な合宿。東大医学部卒で、多くの医学部受験生を指導してきた精神科医の和田秀樹氏は「あえて合宿を実現してもらいたかった」とし、意外な事実をこう明かす。
「開業医の親にとって、子どもが医師になれない逸失利益は数億円に達します。合宿費用は一見高いと思えますが、投資として考えれば価値があります。よくいう医者のドラ息子は、勉強嫌いで家庭教師も効果がないことが多い。でも、こうした詰め込み合宿は案外効果があるんです」
今回が初の試みだったという代ゼミ。和田氏は「合宿の実績を出せば支持は得られるはずです」とも。来年はぜひ実現してもらいたいもの!?
引く時は素早く引く!例ですな。
さて、「滞在型の学習塾」については、「高宮学園代々木ゼミナール」に少し遅れて他塾も動き出した。
2011/7/26日本経済新聞
栄光、学童保育併設の学習塾を展開へ学習塾大手の栄光は26日、学童保育を併設した学習塾や習い事教室の展開を始めると発表した。
通信教育大手の増進会出版社(静岡県長泉町)と学童保育を手がけるウィズダムアカデミー(東京・豊島)と組んで8月に共同出資会社を設立する。「ソーシャルシェアリングサービス」は栄光が55%、増進会出版社が40%、残りをウィズダムが出資する。
来年4月に東京・渋谷に第1号の施設を開く。小学校の放課後に子どもを預かるほか、栄光や増進会出版社の教材を活用した小学生対象の個別指導塾や、幼児向けの習い事教室を併設する。都内や神奈川県などに今後3年で10カ所開設する計画だ。
開設は「高宮学園代々木ゼミナール」より1年遅れ。まあ、栄光&Z会連合軍のスピードが普通で「高宮学園代々木ゼミナール」のほうが相当に早い立ちあげともいえます。
各塾の低学年の囲い込みという側面はあるにせよ、親や家庭のニーズがそこにあるのは間違いところでしょう。「学校→学習塾」で放課後の子供たちの活動が完結するような形ですよね。
子供たちは学校に行き、学校が終わったら、滞在型の学習塾に「帰宅」し、そこでおやつを食べ、一服したら学校の宿題をやる。ここまでが「学童保育」の役割で、その後は、いよいよ塾。
塾の授業を受けたり、授業がない日は塾の宿題をしたり、他の習い事や、もしかしたらちょっとしたスポーツなども各子供や親が選択して塾でやれる。親も費用は結構かかるけど、誰のいない家に子供がいるよりも大人の目が行き届く安心があり、かつ勉強などをセットで見てくれるならこれに越したことはないと。
こうした親のニーズは数年前から顕在化してきていました。これらのニュースを簡単にまとめれば、
日経ビジネス2008年7月30日五十嵐尚子
子どもをもつ母親たちが熱烈に支持しているアフタースクール働く母親が最も懸念するのは保育時間の融通、子どもの時間の充実、安全性。この3点を補完するアフタースクールが作られた理由は2児の親でもある事業部長の島根太郎氏自身が子育てをする中で、既存の学童保育は母親がフルタイムで働く家庭のライフスタイルに合致していないことに気がついたからだ。
保育園から小学校に進むと突如表れる”小1の壁”。就学児を持つと時短勤務はなくなり、学童保育は18時まで。さらに人手不足で出欠管理すらままならない学童保育もある。
そんな学童保育とライフスタイルとの溝を埋めることにより、働く母親を支援し、多くの人が子育ては楽しいと思える社会の実現に貢献したいと考えた。
こういうことでしょう。こうした「小1の壁」に受験塾がプラスされたら結構ニーズがあるんじゃないの?というのがタイガー山中と話したことでした。
これらの現代の流れを踏まえた上で、「親心を育む会」という集いで、スーパーヴァイザーを務め、埼玉県教育委員(平成20年度現在)をしている音楽家の松居和さんの動画をご覧ください。
子育ては「解が1つではない」ことはこれまでも繰り返し述べてきたことですし、皆さんもそう思っていらっしゃると思います。
時代の流れによって得られるものもあれば、失うものもある。それらをどう付き合っていくか。その際にそれぞれの親が核になる、原理原則とも言うべき考え方がどうしたって必要でしょう。
今回紹介する動画は、小学生、中学生を抱える親の方にも考えるヒントや材料を与えてくれるものであると思います。キーワードは「親心」です。どうぞ!
いま、子供たちを囲む様々な問題の根底に、社会に「親心」が育たなくなってきたことがあります。
幼稚園や保育園、学校の普及により、親が子供たちと過ごす時間が不自然に減って、子育てに無関心だったり、自信を持てずに迷い、子育てを幼保小に依存する親が増えています。
幼保小に子育てをお願いし、感謝しつつ頼るならまだしも、当然の権利のように思う親が現れてくると、親心という「感謝と祈りの心」が、いかに現代社会で育ちにくくなってきたか、幼保小が親心の喪失にどれだけ手を貸してしまったか、が見えてきます。
子育ては、子供を育てる以上に、それをすることによって親たちが育ってゆくこと、親心が社会に満ちてゆくことが大切でした。
そして、この親心という弱者に優しい、忍耐力のある心が人間社会に絆をつくり、モラルや秩序を生み出してきたのです。子どもたちの安心感を支えてきたのです。
幼児の誕生を祝い、抱き、言葉の通じない0歳児とのコミュニケーションを通して忍耐力をつけ、思うようにはならない子育てに一喜一憂しながら親心という祈りの心が育ってゆく。
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子供たちが安心して育ってゆくための大切な条件が、親と保育者と教師の「信頼関係」であることを忘れてはなりません。「子供をどう育てるか」ではなく、育てる側の「信頼関係がどう育つか」が、「子育ての存在意義で」であることをしっかり心にとめて、幼保小の連携をすれば、教育・保育機関の人類の進化における大切な役割が見えてくると思います。
これらの動画や文章を読んでどう解釈するかは皆さん自身がお決めになることです。ぜひ考える材料にしてください。
小5 二十面相さん
いつもありがとうございます。二十面相の母です。
(省略)5年生になって下降してきたテストに危機感を覚え、復テ対策講座を実践したところ、評価が2つ、算数と社会でアップしました。
開始したのが7月に入ってからでまだ期間は短いですが、もう少し早く知っておけばよかったと1学期の数か月を後悔しています。
夏休みは前半で取りこぼした分野を懸命にやっていますが、量が多いため、予定の半分くらいしか進んでいません。
夏休みの最後にテストがあるので頑張りたいですが、あまり自信はありません。頑張っているのですが。
それでも収穫は勉強量が足りなかったということがわかったこと。勉強する内容が絞り切れていなかったことです。
勉強する内容を絞ってやっても、勉強量が足りないとやはりだめなんですね。
9月からはカリテと公開、どっちも頑張ります。(省略)
復テ対策講座をやってすぐに2段階アップなんてやりますなあ。お見事です。
でも、1回きりじゃあ、心もとない。2回連続してこそ本物ですぞ!
家庭学習で勉強する際には、
「どれをやるか」
「どれだけやるか」
が主に親には問われます。塾から出た宿題を「とりあえずやる」が家庭学習ではないことは自明のこと。
「どれをやるか」「どれだけやるか」はお子さんのテスト結果からわかります。「どれ」も「どれだけ」も一律には決められない。実施してきた家庭学習とテスト結果から考える。
毎週か隔週で結果は出るのです。それ見て変えなくちゃ、結果は変わりませんぞ!