こんにちは、ストロング宮迫です。
ワールドカップの話題ばかりが通り過ぎていきますね。サッカー好きの子供たちはテレビにくぎ付けになっているようです。
ただこういう全世界共通の話題がある時こそ子供たちには海外のメディアの報道を見てほしいですな。親の方も興味のある子供ならどんどん読ませましょう。
できれば英語にもチャレンジしてほしいけど、英語でなくても訳してくれているものもあるからね。
たとえば、ウォール・ストリート・ジャーナル日本版からW杯に見る「ティキタカ」の終焉と「速攻」の台頭や、W杯強豪6チームのゴールに見る戦術など・・・
それとこれは前にも書きましたが、試合分析データなんかも踏まえてサッカーの試合の講釈は聞かせてほしいものです。
なんとなくの感覚で話されても素人にはわからないですからね。
この前テレビを見ていたら解説者?の人でしたか「日本代表には戦う姿勢が足りない」とか言って怒っていましたが、そういう問題なの・・・
仮にそうだとしても「戦う姿勢が見えない」原因は何なのかを指摘してほしい。
相手がすごすぎてビビッて出そうと思っても戦う姿勢が出せないということだってあるでしょう。自らの戦術が相手チームとかみ合わなくて、慌てていて戦う姿勢を出すどころではないという場合だってあるでしょう。
そうだとしたら「もっと気迫を出せ」「戦う姿勢を見せろ」って言っても解決しないからねえ。
それって「子供に勉強のやる気がありません」と子供のせいにしている親と同じレベル。
そういうのはもう勘弁してほしいですな。
※この毎日親技は2014年6月23日に配信したものです
さて、2014ブラジルW杯、日本は決勝トーナメントへの自力突破の可能性が消滅、わずかに可能性の残る決勝トーナメント進出には日本時間25日午前5時開始の1次リーグC組最終のコロンビア戦での勝利が絶対条件という状況だそうですね。
すでにW杯についてはここ「初戦が大事」で、少し前に触れました。
サッカーの日本代表のことはよくわかりませんが、今回の事例は受験生にとっては学べる点が多いと思います。ありがたいですな。他山の石としましょう。
まず入試でも「初戦が大事」というのは言うまでもない。サッカーと違うのは入試では「自分で初戦の相手を選べること」これについてもすでに触れました。
自分で決められるのだから慎重に良いスタートが切れる可能性は高まる。なぜそれほど「初戦が大事」かというと、初戦を黒星でスタートすると、心が揺れるからですよね。
心の揺れはその後の受験校の決定にも大きな影響を及ぼします。
サッカー日本代表の2戦目のギリシャ戦の後、報道では「ザック迷走」という記事が目につきました。
サッカーに興味のない人も以下の記事ぜひ目を通していただきたい。
今までやったことがない作戦を行ったり、一度も外したことがない軸になっていた選手をはずしたり、4年間の蓄積で戦うはずが「初戦黒星」後は「初めて」が出てきやすいことがわかる。
それくらい「初戦いいところなく黒星」となった衝撃と影響力の大きさがわかります。
・・勝ち点3が欲しかった大一番。初戦のコートジボワール戦から攻撃陣の顔ぶれが変わった。
・・左MFに入ると思われた香川が先発を外れ、岡崎が右から移動した。「練習でも左に入ったことはない」(岡崎)と、ぶっつけ本番の布陣で臨んだ。
公式戦での”香川外し”は2011年11月15日のW杯アジア3次予選の北朝鮮戦(平壌)以来。この一戦が予選突破決定後だったことを考えれば、実質初めてだ。
ザッケローニ監督は、「戦術的な選択だ。相手はサイド攻撃が強力なので、中央に寄ってプレーする傾向がある香川が空けたスペースを突かれる」と理由を語った。
しかし、試合当日のミーティングで初めて知らされた選手たちは戸惑った。右サイドバックの内田は、不慣れな右MFに入った大久保に「どういう指示を受けました?」と尋ねると、「何も受けていない」と答えが返ってき。・・・
・・・その瞬間、サブの全員が立ち上がった。途中出場の選手を送り出すシーンとしてはあまりに異様な光景。
後半12分、香川が呼ばれる。ザッケローニ監督からも抱擁され、出番を告げられた。厳しい戦況も見守ることしかできなかった背番号10。気持ちは誰もが分かっていた。
先発から「香川」の名が消えた。通達されたのは試合直前のミーティングだ。「いや、別に…。出た時に備えて準備しようと思った」とショックを隠した香川。衝撃を隠せなかったのはむしろ周囲の方か。
試合前、本田は香川を抱きしめた・・・
香川選手に対する周りの選手の接し方は「初戦黒星」を喫した受験生のそれと重なります。
後半42分ごろ、コートジボワール戦に続き、ザッケローニ監督はDF吉田を前線に入れた。長身選手にロングパスを入れるパワープレーだ。
導入の理由を「この2試合は通常のスピードを見せられていないから」と釈明した。速攻中心のスタイルを出せなかったことを受けた苦肉の策だった。
それに適した大型FWは招集していないが「(戦術を)変えるなら前もって準備すべきだった」という、自身の失態を認めたも同然の発言も飛び出した。
実際のところ、ザッケローニ監督が迷走したのかどうかはボクにはよくわかりませんが「負けられない戦い」における「初戦黒星」の影響を知ることはできる。
今の入試、特に中学受験では即日で合格発表が出る。そのときに何点足りなかったのかも公表される。「初戦黒星」という結果だけでなく、サッカー日本代表と同様に「その内容」も明らかになる。
問題は予想していた結果と実際の内容と結果が大きく開いてしまったときです。
そのとき衝撃が走るわけですね。心が揺れる。「こんなはずではなかった」と。
そこから「迷走」が始まるわけです。
動揺して心が揺れている状態で打ち手を考え、それを実行すると、今までやったことがない「初めて」やったりする。それはさらに違う衝撃を走らせる。
こわいですなあ・・・
ザッケローニ監督はこのほどコロンビア戦に向けた練習を急きょとりやめ、選手に休養を与え、48分間に及ぶ緊急会見で超異例のタイミングでのオフの理由を熱弁したそうです。
・・「この2試合、満足いく戦いができなかった。この4年間の戦いからもこんなものじゃないというのは全員が分かっている。いい状態で臨むために、練習を休みにする決断を下しました」
1次リーグ突破へ勝利が絶対条件となるコロンビア戦の3日前。調整期間を1日犠牲にする超異例のオフを突然、発表した。試合前日は移動と公式練習のため本格的な練習は22日しかできない。
またも”迷走”か。
だが指揮官は、声のトーンをさらに上げた。
「私は監督だ。ピッチに送り出す選手も私が決めるし、どういった戦い方でいくかも決める。休みも私が決断した」
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ザック監督は開き直っていた。ACミラン監督時代の98~99年シーズン。ベルルスコーニ会長の戦術指示を「監督の私に全権がある」と突っぱね、リーグ優勝した”闘将”は、本能を目覚めさせたように「私にブレはない」と断言。
ザッケローニ監督はこの記者会見で
苦戦の原因を「初戦の結果が響いた」と分析。「フィジカル面は全く問題ない。大きな原因はプレースピード。頭のところ(考えすぎ)でブレーキがかかっている」
この日までに全23選手と個別面談し、「全員が同じ方向を向いている」とキッパリ。緊急オフで雰囲気を変えれば「攻撃サッカー」を取り戻せるという手応えがある。
と述べたようです。
受験生の親はザッケローニ監督になったつもりでこの事態を考えてみてほしい。
あなたならなにをするか?
なにを言うか?
どうするか?
ザッケローニ監督は本当に「ブレていない」のか。超異例のオフの決断は次の試合でどう生かされるのか。
わずかに可能性の残る決勝トーナメント進出を懸けた最終コロンビア戦は日本時間6月25日午前5時キックオフです。
ボクたちが見るべきなのは決勝トーナメント云々の結果ではなく、監督と選手がこの2戦を受けてどう変化し、最終戦で選手がどんな動きを見せてくれるのかではないでしょうかね。
サッカーもそうなんでしょうが、入試はとても緻密な戦いです。
とても緻密な戦いではあるのですが、実力がある程度ともなっていれば、ノリノリで勢いがある者が有利です。
入試で初戦「大物」を撃破できれば波に乗れるのは確か。しかし「大物」は手ごわいから波に乗るつもりが波に飲まれることもある。
親技の入試に対する考え方は「石橋を叩いても渡りません」。
親カツ講座で延々と説いているのは、金づちで叩いたくらいでは安心しては渡らないということ。
慎重に緻密に積み上げて試して、最後にこれくらいのやつで
ガリガリやって大丈夫となって、はじめて「ルビコン川を渡る」。
「黒星」を恐れているのではありません。子供たちにつく「黒星」にも意味のあるものはある。価値がある「黒星」もある。
しかし、私たちは無防備に、準備もなく、作戦もなく、意味もなく、勢いだけでなんとなく「黒星」を子供につけることは望まない。
人生で最初につく「黒星」なら意味のある、先につながる「黒星」になってほしいから。
考えに考え抜き、準備怠りなくやってきた者だけが過去の「黒星」をその先でオセロみたいに「白星」にひっくり返すことができる。
「ああ、あの黒星があったから今の自分がいる」
「あの黒星のお蔭で自分は目が覚めた」
負けるのが怖いのではなく、その先で「黒星」が黒星のまま生き続けていくのが怖いだけ。
でも、過去の「黒星」をその先でオセロみたいに「白星」にひっくり返すことができるんです。そのために日々考えて行動するんですよね。
蓄積で戦う入試において、入試会場で「初めて」やることは失敗します。
十分に練習してきたこと、完璧にできるようにしたことのうち、8割だけが入試会場で発揮される。
だから、私たち親技では【持っている力の8割で志望校に合格できるように準備しろ!】と言っているだけ。
【100%の力を発揮できたら合格できる!】はボクたちに言わせればバクチとなります。子供にバクチはさせられない。
いかなる結果が出ても自分は受け止められるという子供の言い分をボクたちは信じないから。それほど子供は成熟していないし、厳しい現実をわかっていないから。
でも、いずれ【いかなる結果が出ても自分は受け止められる】ようになってもらわないといけない。
だからこそ「初陣」は「勝ち易きを勝つ」べし。
昔の戦国武将だって「初陣」は簡単に勝てるような戦をさせました。なぜなら「初陣」だから。
孫子曰く、
古えの所謂善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なり。
故に善く戦う者の勝つや、奇勝無く、智名も無く、勇功も無し。
故に其の戦い勝ちてたがわず。たがわざる者は、其の勝を措く所、已に敗るる者に勝てばなり。
【孫子 形篇 第四 二】
この書き下し文、岩波文庫の金谷治氏はこう訳しています。
昔の戦いに巧みと言われた人は、(ふつうの人では見わけのつかない)勝ちやすい機会をとらえてそこでうち勝ったものである。
だから戦いに巧みな人が勝ったばあいには、(人目をひくような勝利はなく)智謀すぐれた名誉もなければ、武勇にすぐれた手がらもない。
そこで、彼が戦争してうち勝つことはまちがいないが、そのまちがいがないというのは、彼がおさめた勝利のすべては、すでに負けている敵に勝ったものだからである。
入試に栄光も賞賛もスポットライトも必要なし。ただただ「勝ち易きを勝つ」べし。
押忍!
ノリ勉終わったよ報告
小6 けんママさん
◆明らかに今回の成果と思うことは何ですか?:
親が子どもの横について勉強することの大切さを、親自身が気づいたことです。無意識にダラダラと、取り掛かっていた勉強がやり方によって大きな成果が実感できたこと。ノリ勉を通して、いろいろなことに気づくことが出来て良かったです。
◆子供のそばで勉強を見るってやっぱり非常識でしょうか?あと、親にとって学ぶべき点はありましたか?:
非常識ではありません。本来親の姿とはそういうものだったのでしょう。そのことに気づかず、子ども任せにして「勉強しなさい」とだけ言っていた自分を反省することができました。忙しさを理由にしてはいけない。
◆お子さんと一緒に勉強するのは楽しかったですか?:
楽しかったです。小さい頃は、共通だった出来事が大きくなるに連れてそれぞれの目標になってしまった気がします。1つでも親子一緒の目標があるというのは、いいですね。ノリ勉を通して、親子のかかわりの大切さを、改めて感じました。反省多々あります。今までのことを反省材料にして、親が変わらなければ、子どもに要求する無かれ!!をモットーに今後も関わっていきたいと思います。
子どものダメ(できの悪さ)は、親自身のダメなのですね。本当にありがとうございました。厳しいご意見も、真摯にうけとめてこれからも頑張っていきます。
もっと早く低学年のうちに始めていれば・・・。もう少し成績上がっていたかも?!
明日からまた、1日目にもどり、テスト範囲の勉強に励みます。
途中、ストロングはけんママさんにかなり厳しいコメントを書き送ったりもしましたが、見事ゴールされました。
子供との勉強はいつも楽しいことばかりではないでしょう。でも、なんのためにやるのかさえ、しっかりしていれば、きっと乗り切れる!そうストロングは思っています。
これからも頑張ってくださいね。