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こんにちは、ストロング宮迫です。

いつかここで紹介したことがある「母がしんどい」「母が重い」娘が急増中という記事、あれからここに出ている本を含め、ボツボツ関連書籍を読んでいるんですが、親技的には実に興味深い話がありますなあ。

今回はこの記事でも触れられている信田さよ子著「母が重くてたまらない─墓守娘の嘆き」からこの本の冒頭の中学受験の話が出てくる部分を紹介しましょう。

「親が子供に協力する」というある意味では当然な、もっと極端に言えば「絶対的な善」といってもいい行為が違う方向に行くと、とんでもない場所に行き着いてしまうというボク的にはちょびホラーなお話です。

これが母娘で出てくるというのも実に興味深いところです。どうぞ!

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ヒカルさんは、真冬の木枯らしが吹く夜になると、何とも言えない重い気分におそわれる。あれから一〇年以上過ぎているのに、どうしてなんだろうとため息が出る。

夜の十一時、煌煌とした光に満ちた教室を出ると、いつも母親が車を駐車場に入れて、息を白くして待っていた。

中学受験の追い込みの季節、夜間特設講座の教室の前では母と同じように大勢の親たちが、立ったまま子どもを待ちかまえていた。その姿は敬虔さに満ちており、まるで殉教者のように思われた。

暖房の効いた車の中でのうのうと待っているような親は、一人もいなかった。

「ヒカルが寝る間も惜しんで勉強しているのに、ママが楽しているわけにはいかないわ」。

母は、目をらんらんと輝かせて、断固とした口調で宣言した。合格祈願のためにお茶断ちをし、毎日特訓講座のために車で送り迎えをし、夜食をつくった。それも、栄養学的には完璧なメニューだった。

父はそんな母を、ゴールを目指して疾走する競走馬を見るかのように、遠巻きに眺めていた。あのころを思い出すと今でも「同志」ということばが浮かぶ。

そう、私とママは同志だった。あのころの異様に高揚した、それでいて奔流に巻き込まれているような感覚を、ヒカルさんは今でも、突然思い出す。

会社の同僚のマキコさんが、社員食堂でランチを食べながら語ってくれたことばがある。

「私ね、今もってる知識のほとんどは○○塾でおそわったような気がするんだ。中学から大学まで、あれ以上は勉強しなかったもんね」。

まるで自分のことを言われたようで、思わず箸を落としそうになった。その通りだ。

あれからの十年間、私の学業生活はぬるま湯のようなものだった。大学入試だって、高校で用意されたメニューを勤勉にこなせば楽勝だった。中学入試のときのように、頭の髄までひねりつくす経験なんて皆無だった。

超高層ビルにあるこの会社の名前を、日本中知らないものはいない。

特に、社員食堂からの風景は、周期的に週刊誌のネタになるほどだ。大きなガラス窓から西を望むと、晴れた日にはくっきりと富士山が見える。

そう語ると、知人はみんな

「うらやましい、さすがエリート社員は違うわね・・・」

と判で押したように言う。

「富士山なんて、毎日見てると吐き気がするようになるんです。」

もう飽き飽きしたような口調で、ヒカルさんは私に訴えた。そうだろうなあ、山の頂上に登って雲一つないふもとの景色を見たところで、せいぜいもって三秒だ。「ああ、きれい」で終わってしまうだろう。こころから同感した私は、深くうなずいた。

ヒカルさんは、超有名で就職偏差値のトップであるその会社を、ある日突然に辞めたいと思った。

しかし、どうしても決められないのでカウンセリングにやってきた。会社を辞めることくらいでカウンセリングに?と思われても不思議ではない。

では、なぜそのことが、彼女にとって大問題なのだろうか。

ヒカルさんが、A中学に合格すると、母はまるで自分の人生の絶頂であるかのように狂喜した。

「ママはね、この日を待ったの。すべてこの日のために我慢してきたのよ」。

滂沱の涙を流しながら、凍えるような二月、曇天の空の下で、母はまるでオリンピックのマラソンでゴールインしたような表情をしていた。

ヒカルさんがどんな表情をしているかなど、眼中にはなかった。

そうか、ゴールインしたのはママだったんだ。

ヒカルさんはその時、何かが腑に落ちる気がした。

「その時ですか?良かったなあと思いましたよ、そりゃ。ママのためにここまでやってきたんだから、ほんとによかったね。たしかに二人三脚でしたから」。

ヒカルさんは遠い目をした。それからの中高一貫教育の六年間は、・・・・

手が疲れたのでこれくらいにしておきます。

いかがでしたでしょうか?

ホラーでした? それとも・・・

続きが気になる方は、どうぞ本を手に取って読んでみて下さい。

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アマゾンでは今の時点では古本で安くたくさん出てきています。

ここ何回か、ここでは家族、子供と向き合ってちゃんと話しましょうよというテーマで書いてきたんですが、ヒカルさんのお母さんはどうだったんでしょうかね。

著者の信田さよ子さんは、別の箇所でこんな風に書かれています。世代的には私たちよりも上の団塊の世代方々の話の続きとして書かれていることを踏まえても、お読み下さい。

・・・夫に何も期待しなくなった妻は、裏切られた悲しみや寂しさも感じなくて済むはずだ。

抵抗や反撥をしなければ夫は機嫌がいい。だから、口先だけでハイハイと言うことをきいていればいいはずだ。

しかしこれですべてが丸く収まるだろうか。

期待していないはずの夫に対する不満は、誰が受け止めているのだろう。

不承不承の服従のつけは、誰に向かって吐き出されるのだろうか。

たぶんそれは、友人でも実家の母でもなく、一番安全な聞き手の娘に向けられるだろう。

まあ、こうしてなにかに置き換えていかなければ耐えられないということなんでしょう。

夫とのさまざまなことを「見ないふり」をして蓋をしても、「裏切られた悲しみや寂しさ」は決してなくなったわけじゃない。

それどころか、その蓋をして深く押しとどめたマグマは違う箇所に怒濤のごとく噴きこぼれていくってことなんじゃないでしょうか。

人はそこにあるものを「なし」にはできませんからね。

しかし、一度、または一つのことを実際には目の前に存在するのに見ないふりをして「なし」として生きていくのは簡単なようで実に大きな傷になる。

その傷を癒やすのは子供に対する「絶対的な善」に見える行為にすり替わっていく。過剰なほどに・・・

そういう人は信田さんの言葉を借りると、「まるで殉教者」のように見える。

最後にもう1カ所だけ信田さよ子さんの著書から引用させてもらいます。

・・・・母親たちは無邪気に見える。

透明な清らかさというより、彼女たちの体重のように鈍重な無邪気さだ。

自分の感情や行動は娘のためだとつゆ疑うことのない、そんな無神経な無邪気さに満ち溢れている。

問題はイイ子であればあるほど、従順な子供であればあるほど、それを受け止めてしまうということ。

大人に従順な子供というのは概して成績がイイ子供ともいえます。

学んでテストで成果を出す際に従順さはとても大切な要素ですから。だから、成績がイイ子こそ気をつけなければならない問題です。

もし従順さがない、出来損ないのボクみたいな人間であれば、もし親が

自分の感情や行動は娘のためだとつゆ疑うことのない、
そんな無神経な無邪気さに満ち溢れている

としたら、すぐに見破って、

そして、「てめぇー、ふざけんな!オレのためじゃなく、テメェーのためだろうが!」なんて中学生にでもなれば、言っちゃうから。これはこれでまた問題があるんだけどね。

それを言わない「イイ子」、思っていても言わない「イイ子」が親のそうしたすり替わった期待や願いを背負って生きていき、でも、重すぎて、誰の人生かに疑問を持って、あるとき

「母が重い・・・」って言うんじゃないだろうか。

今目の前で起こっている事実に目を背けて、見ないふりをして遠くに行ったとしても、事実はあなたを追いかけてくる。

そのしんどさを子供に押っ被せるのはやっぱり罪ですよねえ・・・ああぁぁ、おもたい、重たい。

ただどう嘆いたって、親のできることは、目の前の子供の表情や言葉遣いをしっかり見て、話し合うこと

説教じゃないよ、本音で話し合うですよ。

だって子供の人生を決めるのは子供なんですから!

子供との関係を考えたい方にはオススメです。

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うれしい報告

ノリ勉終わったよ!報告

小4 ぽぽぽさん

◆明らかに今回の成果と思うことは何ですか?

姿勢が良くなったことです。以前は机に寝そべってました。タイムを計ることでこんなにやる気がでて、自分からもう一回やると、頑張っている姿に感動しました。

また、勉強時間も短縮しました。同じ勉強時間なら以前の4倍の量をこなせるはやさです。

また、7日間の終了後の翌日にカリテがあったのですが、いきなり算数の得点が46点アップしました。(前回は150点満点中65点)

コレは絶対ノリ勉のおかげです!!

◆子供のそばで勉強を見るってやっぱり非常識でしょうか?あと、親にとって学ぶべき点はありましたか?:

非常識ではないです。ストロングさんのおっしゃるとおり、勉強のやり方がわからない子供に勉強をしろと命令するだけでは、できるわけがないですね。

そばに居てみていると、以前は分からなかった子供のいいところ、悪いところが発見できて面白かったです。

◆お子さんと一緒に勉強するのは楽しかったですか?:

楽しかったです。子供がどんどん自信をつけていく様子がわかったからです。

カリテが46点アップとはすごいですなあ。

次回も同じ点数が出せるかが勝負ですぞ!

同じ勉強時間で120点が出せればまずはOK。5年生のなると量の質もグレードが上がります。

それに対応できる準備が必要です。そのためにはまだ勉強時間も体力も余力があるという状態で5年生に突入を!

カリテデできてもすぐに忘れちゃうのでときどき以前の単元も復習したらいいですね。

あっ、その前に空いた時間で65点のカリテを復習だ!ファイト!

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