こんにちは、ストロング宮迫です。

この前、小中の姉妹の受験生に会いました。つまり、小6と中3の姉妹ダブル受験というわけです。お母さんは「タイヘンで・・・」とおっしゃっていました。

ただ「タイヘン」といっても、姉妹とも、とってもやる気で、この時期になっても「受験生なのにやる気がありません!」という受験生よりははるかにラクなんじゃないですかねって申し上げました。

来週から再来週にかけて、二人とも志望校判定の模試を受ける予定だそうが、姉妹ともそれぞれ塾で与えられた課題というか範囲については、もう勉強の目途がある程度ついているとかで、大層自信があるように見受けられました。事前にやった昨年の志望校判定テストで、なかなかの成績が出ていたようなので、その自信も頷けます。

「どれどれ、おじさんに見せてごらん」と試しでやった昨年の模試を見てみましたら、たしかによく勉強もしているらしく、基礎学力は十分あると判定できました。ただ姉妹とも「これはできるやろ!」と思える問題をいくつも落としていましたが、解き直しをしたら、それらの問題は「できた!」問題も多かったようです。

この姉妹に限らず、ここに受験生の取り組むべき課題のほとんどが出ているとボクには思えます。

すなわち、

★解けるが、速く解こうとすると間違える

という問題です。
oyawaza332
時間をかけても解けない問題は、もちろん速く解くことは不可能で、まずは解けるようにするのが最優先。基礎学力をつけて解ける問題を増やしていく、いわゆる実力強化は受験生には欠かせません。

しかし、多くの受験生は「実力をつける」ための勉強は必ずするのに、それらの問題を「速く解けるようにする」勉強はあまりしない・・・

それは今の日本の受験事情から言えば、片手落ちになるってことです。

中3の出題問題数の多い志望校判定テストはもう少しあとになるとしても、すでに小6の志望校判定テストは、かなりの問題数が出題されています。

「えぇー、これを50分でやるの?」ってくらいのボリュームのテストをもう受けているはずです。

50分のテストで大問が5つあれば、おおむね大問1つに約10分と目安をつけられます。もちろん1番は3分でできるカンタンな問題ってことはありえる、そこで余った7分は貯金として、あとの問題で費やすことができるわけです。最後の大問5番は15分で解けるとかね。

でも、今、小6生が受けているテストは大問1つに目安として10分とか割りふれるような問題数じゃないはずです。大問1つに5分しかかけられないとかは当たり前のテストを受けてる。

いつもここで書いているように「処理力」が、すなわち「速く正確に解く力」今の時期のテストは圧倒的に求められるテスト形式になってる。

だから「解ける」で止まってたら、志望校判定テストでは実力よりも、今までの偏差値よりも低く出てしまうのは致し方がないことです。

この制限時間に対して出題数が圧倒的に多い形式の今の時期の志望校判定テストを経て、受験生は今度はより実践に近い問題数がもう少し絞られた入試問題演習へと進みます。

ちなみにこの姉妹の妹の子が志望している中学校の入試問題を見てみますと、ざっと数えて、

算数 50分14問(計算2問・解答欄20)
国語 50分33問(漢字6問を含む)
理科 30分23問(解答欄29)
社会 30分30問(解答欄45)

これくらいの数になります。1問の中に2つ答える問題もあるので解答欄は問題数よりも多くなります。つまり、受験生が答える問題数は解答欄の数ってことになります。

たしかに同じ問題の中で答えるわけだから、別々の問題として数えなくてもイイという考えもあるでしょうが、問題を読んで、それを処理して、答える作業は解答欄の数だけあるともいえる。完答しないと点数はあげませんっていうのもあるしね。

解答欄の数で考えると、ざっと算数は1問約2分半で解くのが目安になり、国語は漢字6問を1分程度でやるとしてあとは1問約2分、理科は1問約1分、社会にいたっては1問約40秒という計算になります。

一応、問題数でも見てみると、算数は1問約3分30秒、国語と理科は約1分30秒、社会は1問約1分という計算になります。

よく考えてほしいのは、問題を読む時間を入れての目安ですからね。国語なんかは文章を読む時間がいるんだから。

ちなみに国語は漢字が単独の1番で聞かれる形式で、ほかに文章題が大問で3つで全4問、2番が1,900字、3番が1,500字程度の評論で、最後の4番は5,000字程度の小説となっています。

よく言われる読む速度の平均が1分で約400字程度を目安にするなら、文章を読むだけで21分かかることになる。残り29分で漢字を除く設問は27問、記号問題だけじゃなく、抜き出しも記述もあるのに1問約1分という計算になります。

すでにお子さんがちゃんと理解しながら読める文字数が1分で何文字読めるかは把握しているでしょう。把握していないと、1問何分で解くかの目安も出て起用がないからさ。

当たり前のことですが、せわしなく問題を解けばミスが出る。時間に追われて書くべきことや、やるべき過程を経ないで速く解こうとすれば、間違いが起こる。当然だ。

だから、速く解かねばならないが、やるべきことはちゃんとやって、書いたうえで、速く解かないと、できる問題をポロポロ落としながら走ることになって、ゴールした時に自分の実力に見合う得点は獲れないってことになる。

最初に紹介した姉妹も、読者の受験生も、今、その時間に追われても、せわしなくても、やるべきことをちゃんとやって得点をゲットできますかってことが今受けているテストで課せられているわけです。

ステップとしては、「時間がかかるができる」を経て「短い時間で正確に解ける」という段階に進むのが王道。

ただスケジュールの決まっている入試をカリキュラムで組むとすれば、今の時期はすでにボリュームのある出題数を課して、その中でいかに実力に見合う得点をゲットできるかを試す時期になる。

冬休み前になれば、もう少し出題数を絞って問題数を減らす代わりに、1問1問が1番から手強い問題で受験生を試す道を進むことになる。冬の前にすでに受験生は、入試演習を行って、1問1問が1番から手強い問題にもすでに取り組んでいるでしょう。併行して進めているわけですな。

いずれにしても「解けた」だけじゃなく、「何分で解けたのか?」を普段の勉強から問うようにしていかないと、「家庭学習」と「テストや入試演習」では違う側面が問われるってことになりかねず、それは往々にして努力が報われない結果につながる。

あなたのお子さんが受けているテストはいったい1問を何分で解かねばならないテストを受けているのか、もちろんすでにご存じでしょう。それなしでテストを受けるなんて恐ろしくてできないもの。

であるならば、普段の勉強から1問を国語なら1分半で、算数なら2分でというように、各教科で解法から答えまでを出す目安の時間を設定して、家庭学習から取り組まねば、家庭学習と入試演習が断線してつながらないってことになる。

ライバルがそんなことを考えないというなら、大いに結構で歓迎すべき事象としてニヤニヤ見ていればイイけれど、あなたのお子さんが「そんなことは考えない」とすれば、入試ではそこが問われるので塀の外に押し出されることになる。

各教科、1問何分換算が目安となるのか、そしてそれを家庭学習の時から意識しているのか?

目安だからね、ザっとしたものでイイんですよ。その目安を越えたらダメってことないんだから。1つ1つの目安を全体の入試問題を通して調整すればイイだけだから。親カツ講座後期コースでやろうとしているのもそのことだから。

親技で、時間を計らずに勉強するなんてありえない!というのは、常に実践での経験値、つまりテストで実力通りに力を発揮するために、そうしているだけです。

最初に出てきた姉妹のお姉ちゃんの話でいえば、9月末か10月初めの中間テストでは2次方程式が範囲だそうなので、会ってから後日、自信がある二次方程式のテストをボクの目の前でやらせてみた。

難しい文章題は省き、ベタな問題を、ワークとまったく同じ問題とはせずに、数値は違う問題で、かつ50分の時間では少しせわしない問題数50問(うちワークに出ている類題の文章題6問含む)を市販の問題集をコピーしてやらせてみた。

目安は1問1分のテストだったけれど、自信満々でも、結果は計算ミス連発だ!!

50問中44問の計算問題で7問をミスし落とし、文章題は6問のうち3問しかいけずにタイムアップ。

ミスした問題(ミスというより解く時間の意識がないだけ)7問も、タイムアップで解かなかった文章題3問も、テスト後にやったら全部できた。

全部できる問題だけど、時間内には「できない問題」だったわけです。

ここまで書いてきたようなことはこのお姉ちゃんには説明しなかったけれど「キミの問題点ってわかった?」って聞いたら、ここまで書いてきたようなことを訥々とボクにしゃべってたので理解していたということでしょう。

もしかしたら、ボクの設定した問題数と時間は厳しすぎたのかもしれない。でも、意識させるためにはちょうどよかったかもしれない。

勉強はね、解く時間を意識しはじめると、爆発する。普段の勉強から「解けた」で終わらずに「何分何十秒で解けたのか」を考えられるようになると、いきなり3階級特進を果たす

これは受験生に限らない。小4・小5の中学入試組、中1・中2の高校入試組は今のうちに「何分何十秒で解けたのか」を意識する勉強になっていれば、受験生になってからラクだ。すなわち勉強の工夫が考えられたら、子供は別人になる。

テストっていうのはさ、特に多くの子供たちが受けるテストっていうのは、難易度も出題数もよくよく考えられて作成されてる。

ゆえに「微妙に足りない」ところは「モロに出来ていない」という判定で出やすい。

それで受験生はこの時期からボロボロと脱落していく。でも、足りないのはもう一歩かもしれないんですよ。時間の意識さえ出れば、それを家庭学習からやりさえすれば、3階級特進して「入試演習の壁」を乗り越えられる可能性は高まる。

解ける問題があまりないか、少ないならば、まずは時間がかかっても解けるようにしなくちゃならない。時間を意識するのは解けるようになってからか、解ける問題が多くなってから。

でも、ある程度勉強もしてきて、いける!って思えているなら、次は時間を意識しなくちゃ!

受験は、入試は、ライバルとの戦いではなくて、時間との闘いなんです。受験生が負けるのはライバルに負けるのではなく、時間に敗けるのです。

だから、時間を計らずに勉強するなんて!なんです。

忘れたことがない物でも、寝坊したら忘れることがあるでしょ?

せわしなく、時間に追われて家を出るからだ。

それがこれから受験生が受ける志望校判定テストでますます顕著に出てくる。そのとき、考えるべきなのは「もうダメだ!」の前に「時間の意識が足りないのか(速く正確に解く意識)」、それとも、その手前の「実力が足りないのか(時間がかかっても解ける)」なのか。

解けもしないのに、時間「だけ」を意識してたら、テスト問題の全部が捨て問になっちゃう。捨て問は「獲るべき問題を獲る」から活きてくるんだからさ。

これから2か月半で受験生は大いにふるいにかけられる。ふるいの基準はもう決まってるし、ふるいの目開きはわかってる。だから、あなたがどうするかで、ふるいにかかるかどうかは決まる。

あなたが選択できるんです!ふるいの目からこぼれ落ちないようにしましょうよ!

意識するのは、解く時間ですよ!

親カツ講座

同じ失敗は毎年繰り返される。だから、勝つために受験生の親がすべきことを実践する講座です。

対象:中学受験生、高校受験生の親

・受験生としての自覚がない
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