こんにちは、ストロング宮迫です。

先日、こんなメールが届きました。

本当に偏差値があがるんですか??

中3で偏差値30です。

親なのか、中学生本人なのか、イタズラなのか定かではありませんが、この2行が唐突に送られてきました。

なんだか不気味なんで返信もせずにそのままにしてありますが、皆さんはどう思いますか?

この方が親と仮定して、親技やったら上がると思いますか?

たった2行の短文のメールなので、確かなことは言えないのはもちろんですが、ストロングの経験で言えば

「上がらないだろうな」

というのが率直な感想です。

偏差値30というのは、ざっくりいえば、簡単で誰でもがんばればできる問題を落としまくっている状態です。

もっといえば、全然勉強をしていない状態ともいえます。

だから、勉強をやれば上がるのは間違いないんです。

工程を考えれば、偏差値60から65にするよりはずっと簡単なことです。思い切っていえば1番を全部取れれば成績は今よりは確実にアップする。

でも、たぶん上がらないんです。親技では上がらない、もしくは上げにくい。

どうしてか?

中3で偏差値30の状態までそのままになっていた親の方がそこから考えを改めて、生活の習慣や勉強の習慣や勉強のやり方を子供に教えさとしていく困難さがそこにあるから。

偏差値30が悪いと言っているんじゃないですよ。偏差値30でも平気な親もたくさんいますし、なんてことないと思っている方にはどーでもいいことですから。

偏差値はその子供の勉強面を表す指標の1つだと思いますが、偏差値がその人間のすべてではないのは言うまでもありません。

しかし、いったん偏差値30が出て、そこに進学がとか、志望校がと考え始めて、これを上げようとすると偏差値60から65に上げる労力(親の労力ですが)は、感覚的には100倍とかになるのではないでしょうか。

現状偏差値30の親の方がこれをなんとかしようとするなら、偏差値60の親の方の100倍の労力をつぎ込まなければならない。

それが可能か。もしくはできるかと言われれば、やっぱりできない・・・のが現実です。

とてもじゃないが、私じゃ無理!という結論に早晩行き着く。なので親技では上がらないと思うわけです。

しかし、すでに書いたように偏差値30を40に上げるのは、勉強内容の工程から考えれば偏差値60から65にするよりはずっと簡単なことなのです。

やる量も少なくていいし、レベルも難しい問題をしなくてもいいし、勉強時間だって断然短くて済む。

それでも難しいのです。

子供に問題をやらせる、そのこと自体が困難を極めるからです。

かつ、親の決意と覚悟をみてみると、

現状偏差値30の親と偏差値60の親では、偏差値60の親の方が情熱も注ぎ込む労力も知恵も断然多く持っている。

この矛盾・・・100倍の労力が必要なほうが情熱も注ぎ込む労力も知恵もあまりないとすれば、その差はどうなるか。

ハイ、どんどん広がりますね。

最初は同じ性能の自動車同士の競争だったのが、時間が経過すれば『自転車に竹やりVS軍艦に大砲』くらいの、いやそれ以上の差になっていきます。

良循環と悪循環の差は倍々ゲームで膨らんでいくということです。

そして、いざ【自転車に竹やりチーム】が自分の性能を軍艦に大砲へ変えようとするなら、お金も時間も労力も100倍以上を要することになる。

それでも一人の子供に信頼され、情熱的で時間を惜しまない根気のある人が登場すれば、少し時間がかかるけれど、子供は変化していきます。

【自転車に竹やり】の性能がどこまでいくかはわかりませんが、軍艦に大砲くらいまでいく可能性はあります。

それには、その人の人生のあらかたをある時期子供にすべて捧げる必要がありますが。

それができるなら可能性は広がります。

しかし、今までそうしてこなかったのに急にそれができるかと言われれば、やっぱりそれはできない可能性のほうが高い。

しかも、すでに軍艦に大砲チームの親が注いでいる労力なんかじゃ屁のツッパリにもならないとすれば、途方に暮れてしまうのは現実です。

42.195キロのマラソンを走るとして、2年前に出発して試行錯誤しながらチョビチョビでも、前へ、ゴールへと進んでいる方に今から走り始める方が追いつくのは不可能じゃないけれど、大変ってことです。

その上、今から走り始める方、追いつこうとあわてて走り始めた方は追いつかなくちゃといきなりダッシュとかしちゃう傾向がある。

追う相手が見えないからね。

でも、1キロもダッシュしたら、くたびれて歩き出すか、止まって休憩するかになる。

走っている子供もこんなの42キロやらされちゃかなわないとわめいて、やーめたと言い出すかもしれない。

だから、追う相手が見えなくても、相手が30キロ先にいようが、今日の一歩、二歩を自分の歩幅で歩かなきゃいけない。

一歩一歩ちゃんと足跡つけながら。

歩いていると、歩き続けていると、一時間で行ける距離が長くなる。

走ったり歩いたりする速度だって速くなる。

リズムが出てきて一日の走行距離も長くなる。体力がつく。筋力がつく。

振り返れば、自分が頑張って進んできた足跡が見える。

そんなことは子供一人じゃできない。スタートが遅れた子供はなおさらです。

だから誰かが伴走して、成果を確認して、走行距離を確認しながら声をかけ続けなきゃいけない。

マラソンの半分をすでに走った子供なら、もう走ることに疑問をいただかないだろうけど、遅れて走り始めた子供は「これって走る意味あるの?」とか「走ったらどうなる?」と走る前の動機から確認しなきゃいけないかも。

たった2行で表現した

本当に偏差値があがるんですか??

中3で偏差値30です。

この質問なのか、つぶやきなのかはわかりませんが、もしこれを親の質問と考えるなら、ここまで述べてきたような親の覚悟と決意があるなら、偏差値は必ず上がる。ないなら上がらないという答えになります。

子供の現状によって親の決意と覚悟のほどは違います。

しかし、成績が不振な子供に対する親の決意と覚悟の「量と質」は成績優秀者の決意と覚悟の「量と質」を上回っていないといけないのが現実です。

勉強はマラソンですから。

あっ、勉強はマラソンなんだけど、短距離ダッシュと休憩をセットで繰り返しながら走るマラソンですからお間違いなく。

走るにしても、ダラダラ走って、昨日やったことを忘れるような「走り方」で走ってちゃ、前へ、ゴールへ進んでいるのではなく、同じ池の周りをグルグル周っているのと同じで前には進みませんからね。

で、最後にあなたに問います。

あなたの決意と覚悟は、子供の現状の成績に見合っていますか?

その答えはあなたご自身が一番わかっていると思います。