受験期に入る一方で、塾なんかでは新年度の準備が始まっています。つまり、これからの時期は、「追い込み受験組」と「スタート新年度組」が双方が重なる怒涛の時期なんですね。
さて、そんな時期に、新学年度すでにスタートを切っている方からのメールにあった、ちょっと身につまされる話について、ボクの考えを述べてみたいと思います。
メール全文を紹介できないので、少し話がわかりにくい部分もあると思いますので、少し状況を説明して、お題に入りたいと思います。
ミーサさんはとうとう新学年になって、さあ来年は受験だと高い意識をもって、早め早めに動いて、いろいろとお子さんに働きかけています。とてもいいことですよね。
遅れてスタートして、どうしたらいいでしょうか?って言うより、断然そのほうがいい。
だって、子供がやる気になるのを待って、待って、待ち続けて、秋になった・・・なんてことになれば、もう手の打ちようがないですから。
それよりは、早めに動く。早めに動けば、その親の動きに子供は付いてこれないので、エラーが出るわけです。
でも、そうやって早い時期にエラーをだすことで、子供の現状、子供の本当の姿を知っておけば、まだあの手この手でやりようもあります。
「こんなはずでは・・・」これは気をつけて口にしないといけない言葉です。だって、もうそうなることは、あらかじめわかっていたという場合が多いですから。
・・・とまあ、ここまではボクがいつも言っていること。
ただ、エラーが出てもいいと言っても、また、まだ受験まで時間があるといっても、目の前にいる子供がチンタラやっていたら、やっぱり腹が立ちます。親はこんなに一生懸命考えて話をしているのに!とも思います。
よくあるのは、レベルの高いA学校に行くと言うわりには、勉強もそれほどやる気もないようだし、点数が悪くても悔しがらない・・・
ありますよね?
それで「そんな様子ではA学校は難しいよ。諦めるしかないよ」なんてハッパをかける。
「じゃあ、A学校は諦めるよ!」なんて、あっさり言われたりして(≧◇≦)
オイオイ、そんなのでいいのかーーー!!親は叫びたくもなるものです。
どうしてウチの子は、こんなんだろう・・・・
ましてや、親が自ら自覚してやっている兄弟や同級生を見てきて知っていようものなら、地団駄を踏む気持ちもよくわかります。
だから、早めにスタートを切った意識の高いミーサさんでさえ、
本当に私は疲れ果てました。
来年の子供のことを思うと本当に心が重いです。
これからの1年間を思うと本当にどうなっちゃうんだろうと思います。
と胸のうちを吐露されています。
ボクは、ミーサさんに言いました、「それが普通なんですよ」って。
目標があっても努力できないというのは、異常なことでも、ヘンなことでもありません。
やっぱりしんどいことは、あとまわしになるし、できれば努力せずになんとかならないかな?なんて大多数の子供が思っている。これは決して慰めでも、大げさでもありません。
「やろうと思ったけど、できなかった」
「目標はあるけど、さぼちゃった」
「ちょっと難しい問題は、できればやりたくない」etc…..
これが普通。一部の例外を除いては、ほとんどの子供がそうなのです。
さあ、そこから、どうやってやらせようか、どうやってノリノリにしていこうかと親は考える。それが親技です。
親技を駆使する前に「子供はやる気マンマンで、課題は自分からどんどんこなし、常に上を目指して自らを追い込んでいる」子供であったらなあ~なんて期待しちゃいけません。
それは要するに親が何もしなくても、もう出来上がっている子供を望んでいるということですから。
前置きが長くなりました。
さて、そんな1年後の受験を控えるけど、イマイチその気にならない子供に不安を感じている中で、ミーサさんは、お友だちの話を耳にします。
ミーサさんのメール
だんだんとあと1年しかないと思うとあせりや不安が心をよぎり、お友達のお子さんが第1志望も第2志望も落ちた・・・
お母さんは半狂乱になって泣き続けている・・・という話を身近に聞くと、もしかしてウチも・・・という気になります。
冒頭で、ちょっと身につまされる話と書いたのはこのことです。
子供を見ていて、不安に思っているところに、身近な方でこういう話が出てくると「ウチもちょっと、ヤバイのでは!?」と余計不安を書きたてられます。その心配な気持ちは、よくわかります。
少なくとも、そういう事態だけは避けたい。誰だってそう思います。でも、実は「なりたくない!」という気持ちだけでは、回避するのは難しいです。
確かに、志望校に合格すれば、半狂乱になる人なんていないでしょう。
では、半狂乱にならないためには、合格しかないのか?
でも、受験に絶対なんてものはありません。不合格することだってあるわけです。
厳しいけど、親も子も、結果を受け入れるしかないんです。
だからこそ、だからこそ、大切なのは、
不合格しても後悔しないだけ全力で取り組む
ということなんですね。これまで何度も言ってることです。
これは子供が全力で勉強に取り組むという話とは別ですよ。
ここでいう「全力で取り組む」とは、「親」が全力で取り組むということです。
言い換えれば、親が自分にできることをやるという意味ですよ。だって、たいていの場合、親は子供を責めないですから。
子供ではなく、やはり自分自身を責めるんです(>_<)
可愛い我が子の力になってやれなかった自分自身を責めることになります。
「なんで私がもっと・・・」考えれば考えるほど、気がおかしくなってくる。しかし、不合格でも気がおかしくない親だっている。
どんな人かわかりますか?
えっ、サッパリした人って!?
いやいや、そうではなく「なんで私がもっと・・・」の続きがある人です。
もっと自分が、早くからスタートさせるべきだった
もっと自分が、時間をつくり子供に付き合うべきだった
もっと自分が、苦手教科の対策を考えるべきだった
もっと自分が、夏休みの使い方を考えるべきだった
・
・
もっと自分が、実力を正確に把握すべきだった
もっと自分が、志望校の出題傾向を分析すべきだった
もっと自分が、1校目がダメだったとき子供にこう言うべきだった
もっと自分が、2校目の前日にこれを確認させるべきだった
いかがですか?
後悔が具体的にでてくる人は、気がおかしくなったりしません。
だって、これだけやるべきことが後から見つかったわけです。それは次に向かっての課題が明確になったということでもあるのです。
逆に、どうして、どうして・・・の繰り返しで、具体的に後悔することが挙げられないとすれば、おかしくなるかもしれません。
ボクが言いたいのは、後悔しないためには、日頃から「今なにをすべきか?」を具体的に挙げる習慣が大切だといいたいのです。
塾の復習テストだって、公開テストだって、入試だって同じです。終わればすぐに「今回の問題点と次の対策案」を挙げる習慣をつけるのです。
それをせずに「どうして、どうして、どうして・・」と子供の胸を叩いてみても、子供だって困っちゃいますから。
テストや実力を試すなにかがあれば、常に「今回の問題点と次の対策案」を挙げる。子供と話し合ってみる。
たくさんあるのであれば、優先順位をつけて、高いほうから順番にやっつけていく。
そうやって、やっていけば、受験の前には「あれもやった、これもやった!」とやっとことが次々に挙げられて、勢いもつくし、ドンと構えて受験に臨むこともできます。
そして、逆説的な言い方ですが、「今回の問題点と次の対策案」を毎回出して進んでいくと、結果が自ずとついてくる(^_^)
あなたは、「今回の結果の問題点と次の対策案」を考えていますか?
ちなみに、イイ結果が得られた場合でも「問題点なし!」なんて思っていたら、次かその次には、必ずやっつけられますからね。
おかしくなっているヒマはありませんぞ!!
今日もアッチ向いてホイ!の息子や娘に力を注がねばならないのですから!!
April showers bring May flowers.(4月の雨は5月に花を咲かせる)
イイ言葉ですよね。
この意味をかみしめて頑張っていきましょうよ!
同じ失敗は毎年繰り返される。だから、勝つために受験生の親がすべきことを実践する講座です。
対象:高校受験生の親
・受験生としての自覚がない
・受験の経験がない
・志望校合格への道すじが見えていない