中2ヤシの木さん
いつも新「勉強の常識」を拝読させて頂いております。
鋭い視点に学ぶ事が多く、私自身の硬い頭を「発想の転換」によって柔らかくさせてもらっています。今日は、中2の男の子のことでメールさせて頂きました。
毎日一生懸命、勉強しているにもかかわらず、成績が上がって来ずに、親子で辛い時期を過ごしています。
全くやる気がない訳ではなく、バスケの部活や自主練以外の時間は、一生懸命勉強しているのを私もわかっています。
だから余計辛いのです。
私なりに色々原因を考えてみるところ、ズバリ彼の
1、「勉強方法や間違いに対する分析力がない」2、「大人のアドバイスを聞く耳を持たない」
ところが原因だと思います。
何故この問題を間違えたのかとか、長時間かけて自分なりに100点にして提出した宿題をどうして先生は100点にしてくれないのか(うちの学校は、毎日膨大な宿題も採点され、内申に組み入れられます。)を分析すれば、次に繋がっていくはずなのですが。
精神的にも幼く、「先生は、いじわるだ」「こんなにやっているのに、細かい事で点を引く」という愚痴や恨みで終わらせるのではなく、「何故点が引かれているのだろう」と、返ってきた宿題を眺めて原因を探ればよいだけの事だと思うのです。
「じゃ、一緒に見てみよう、探ってみよう」というのですが、ご他聞にもれず思春期の難しい時期で、とにかく親に猛反発して、とても一緒には出来ません。
また「自分で理由が分からないなら、先生に直接聞いてみれば」と言うのですが、そういうことも面倒くさいのか、はたまた格好が悪いとでも思うのか、全くやりたがりません。
ただ頑固に自分のやりたいやり方で何時間机の前に座っていても成果が上がらないなら、やり方を変えたり、原因を探らなければならないのですが、それが出来ないままドンドン時間が過ぎていっている感じです。
極端な例えですが、まるで間違ったフォームで毎日500本シュートの練習をしているようなものかもしれません。
ちなみに数学の家庭教師をつけて予習型でやってきたのですが、成績から見ると全く機能していません。
ストロングのテーマにもあった「ばればれの嘘」を実践している時期もあったようです。だから予習した内容が定着していなかったようで、家庭教師の先生は「前にやったところなんですよ」「もう既にやったんです」とおっしゃっいます。
「うちの子の頭に何か問題でもあるんだろうか?」と思ってしまいそうになることもあります。
最近では「俺はバカだから」「大学に行ったからどうなるって言うの」とか言い出しているので、苦しくて逃げ出したい心境なんだと思います。私も聞いていて辛いです。
自尊心が傷ついて、大人のアドバイスが聞けないのでしょうか?
でも、そこから一歩大人になって欲しいです。
せっかく勉強しているのだから、やり方を変える為に勉強方法や間違いに対する分析が出来るようになるか、アドバイスに耳を貸す素直さを持って欲しいです。
思春期とバッチリ重なって、とってもタイミングが悪いです。ストロング様から是非アドバイスをお願い致します。
毎日一生懸命勉強しているにもかかわらず、成績が上がらない。このタイプも結構いますなあ。
そばで見ている親も辛いです(>_<)
勉強をしないわが子に対しては、当然親は腹を立てます。一方、勉強を頑張っているけど成果が出ない子供に対しては、親は同情する。
「こんなに頑張ってどうして!?可哀そう・・・」ってね。ヤシの木さんもそのお一人。親としても何とかしてやりたい!と思うのは当然だといえます。
でも、当の本人は親との勉強を拒否だそうです(>_<)
中2ともなれば親と一緒に勉強することに抵抗が出てくるかもしれません。いわゆる反抗期!
ただ、今回のヤシの木さんのお子さんの場合はちと違うようにストロングは感じます。
「先生は、いじわるだ」
「こんなにやっているのに、細かい事で点を引く」
「俺はバカだから」
「大学に行ったからどうなるって言うの」
という発言から、親への反抗ととらえるべきでないと思うのです。
では、何か?
単なる「親への甘え」です。
ヤシの木さん自身も「精神的にも幼く」と感じてらっしゃるように駄々をこねているわけです。どんなにやっても成果が出ないわけだし、やけになっているのかもしれません。
いずれにせよ甘えん坊タイプは、取り扱いが難しいです(>_<)
本人は頑張っていると自負している。親だって頑張っていることは認める。
だから「なんでこんな点数なの!」なんて強くは言えない。「がんばっているのに、辛いよね~」って同情してしまう。
気持ちはわかりますが、ヤシの木さんの場合は、親の同情が子供を甘やかす原因になっているのではないでしょうか。
勉強はするけど成果がないのは、ほとんど場合が勉強のやり方が間違っているからです。
ただ頑固に自分のやりたいやり方で何時間机の前に座っていても成果が上がらないなら、やり方を変えたり、原因を探らなければならないのですが、それが出来ないままドンドン時間が過ぎていっている感じです。
極端な例えですが、まるで間違ったフォームで毎日500本シュートの練習をしているようなものかもしれません。
まさにそのとおりなんですね。
今のやり方を続けている以上、成果は期待できない。
では、どうする?
勉強を頑張っていない子であれば、
「お母さんと1日30分でいいから勉強しようよ!」
というのがありなんですが、今回の場合は違います(>_<)
頑張っている
↓
成果がでない
↓
親も同情
↓
甘えてしまう
のサイクルの中でどこを変えるか?
甘えてしまうのを無くすには、どうするべきか?
いや、カンタンです!
子供に同情すべきではないとストロングは思います。
可哀そうなんて思う必要はないということです。本当に能力がないのなら仕方ありません。
でも、ヤシの木さんのお子さんは、自分のやりたいやり方で何時間も机の前に座っているわけでしょう。
ということは、少しキツイ言い方ですが、頑張っているなんて評価する必要はないということです。
子供の努力を知っているなら、
お前は才能があるのに、こんな成績なんておかしいはずよ!しっかりと成果を出しなさい!
でいいんじゃないでしょうか。
そうしないと(つまり同情してたら)、結局は「先生が意地悪だ!」「オレは頭が悪い!」とかの違う結論をもってくるようになっちゃうでしょ。
子供のそばで勉強につき合う覚悟がある親にとって、成果を出せ!(結果出せ!)と求めることはおかしいことではないとストロングは思います。
できれば、毎日成果を出そう!を親子のスローガンにして欲しいぐらいです(^_^)
同情ではなく、親が成果を求める姿勢をハッキリと示した上で、そんなこと言ったって、じゃあどうしろって言うの!?となれば、こっちのモノ!
すかさず「お母さんと1日30分でいいから勉強しようよ!」と提案するのです。
そのときに備え、
今の勉強は何が足らないのか?
親と勉強をするならどんなフォローが必要か?
を準備しておくことです。
できれば、30分間で何をするかまで準備しておくことです。
今まわっているこのサイクル
頑張っている → 成果がでない → 親も同情 → 甘えてしまう
のうち、親の部分をズバッと立ち切ってしまうことによって、今までと違うアクションを子供にさせられないかと考えてみるってことですね。
これまで何度か言ってきましたが、
子供たちは相手を見て甘えます
親だから甘えるのではなく、
「甘え」を許してくれる人に甘える
のです。
甘える、甘えを許す関係は、勉強に成果をもたらしません。ヤシの木さん自身、お子さんへの態度を考え直すチャンスなのです。
最後に相談の中で、もう1点気になったことがあります。
それは、お子さんは「家庭教師の先生にも甘えていませんか?」ということ。
もっといえば、家庭教師の先生は甘えを許してしまう先生ではありませんか?という点です。
「前にやったところなんですよ」「もう既にやったんです」というのは家庭教師の言い訳としてはちと厳しいのではないでしょうか。
「内容が定着していなかったよう」なら、宿題としてやったノートを見せろと子供に要求すればイイ。「やったやった!」病は「やった内容を見せろ!」ですぐに発見できますから。
ストロングはいろいろやったんですが、教室に通う形式の家庭教師もやったこともあります。
その際、「勉強をやったやった」病の生徒がいました。
「宿題を出せ!」
「忘れました」
「やらんかったのか?」
「いえ、やったんですけど忘れました」
まあ、だいたいこんな会話です。
どうするかって!?
知ってますよね、ストロングならどうするかって!
そう、「取りに帰って来い!」ですな。
「先生、家まで遠いので次は必ず持って来ますから」と生徒は言う。「そうか。わかった。」と携帯電話を出して家に電話する。
「あ、お母さん、今、ペケ夫が来ているんですが、宿題を持ってくるのを忘れたそうなんです。今すぐ持ってきてもらえませんか」
だいたいその頃には生徒の顔は青くなっています。
そして「オイ、なめるなよ。嘘つきは絶対成績が上がらないんだよ!エー!」なんて少しばかり大きな声でささやきます。
そこで「もう1回だけ聞くで!ホンマに宿題やったんか?」と目をひんむいて「容疑者」を見る。
「やってません・・・」チーンです。
まあ、こういうのは最初の頃だけですけどね。それでも、こういう経験しても、嘘つく奴はだいたい2回、今までは3回嘘をついた猛者がいましたが。別にこわもてである必要はないんです。
ただ成績を上げるっていうことは、「やったやった」病を放置していては、ままならないので、家庭が成績アップを期待し、それに応えるためには、「許してもらえない」「嘘は通じない」ということを子供に示しておかないといけないということです。
その代わり、決してできもしない大量の宿題や解けもしない宿題は決して出さない。一緒にやった問題を家で時間を計って2回か3回解く。それだけですから。
でも、たったそれだけでも「やったやった」病の患者には効果があり、成果もすぐ出る。ヤシの木さんの家庭教師が「勉強をやったやった」病を見抜けていないならば、また見抜いているがやらせられないのであれば、早急に変更される方がいいでしょう。
だって、ヤシの木さんの家庭では、親は子供の勉強にさわれないんでしょう?
であれば、せめて家庭教師の先生には親の代わりにそこを担当してもらわないと、2人のゴールキーパーが棒立ちじゃあ、点が入り張り放題になりますから。
点が入り放題になったら、「ちょろいな」と子供は必ず思うし、もう平気で「ばればれの嘘」をつくことになるからです。
そこを家庭教師の先生と話し合って、明確にした上で、もし、次の先生選びをするなら、その基準は、「甘えを許さない先生」であることを忘れないようにしましょう。
タイガー山中の口癖の1つに「生徒を信用しない」があります。
もちろん、勉強についてはなんですが、「わかった!」と言っても信じない。「できた!」と言っても信じないのです。
勉強をやっている最中、子供たちは答えるのに面倒がって「本当にわかったから!」と言うことがありますよね?
「あっ、そうなんだ!」で見過ごしてしまわないよう「じゃあ、ここの意味は?」と聞きなおす。
タイガー山中は、しつこいのなんのって!
そんなやりとりの中で、生徒自身は「この人には甘えは通用しない」と諦める。
でも、結果、想像以上に成果が出る。成果が出れば、信頼関係ができる。信頼関係ができれば、うざいと思われても、やるべきことはやる。
このサイクルをつくるために「生徒を信用しない」が必要なんだろうなとストロングは思うのです。
親ができないなら、誰かにやってもらえばいい。
でも、親ができないからといって、誰かに頼んだからといっても、頼むポイントは押さえて知っておかないと、ザルになる。
いかに高級なザルでも、ザルはザル。ぜ~んぶ、すり抜けちゃう。
ストロングはこのフレーズが気に入っているのでもう1回書いておきます。
2人のゴールキーパーが棒立ちじゃあ、点が入り張り放題だぜ!
ぜひヤシの木さんはお子さんの「実際の姿」を把握して、家庭教師の先生とタッグを組んで悪魔のサイクルから抜け出てほしい。そう願っています。