新小3 ひとみさん

ストロング宮迫先生、タイガー山中先生、いつもメルマガ愛読させていただきありがとうございます。

個別指導の先生の言っていることの妥当性および留意点について教えてください。

小4から●●塾の難関クラスに入塾するために、個別指導に通っています。

その先生から、「塾の難関クラスに入るために勉強しなければならないこと」として、以下のように言われています。

1、3年生のうちに、3・4年生用の算数と国語の自由自在を全て終了させ、解けるようになっておく。

2、一日の学習時間は3時間は必要。

3、そろばんはあまり意味がないので、その時間を勉強時間にあてたほうがよいので、辞めたほうがよい。

4、本読みが苦手なようだが、自分の学年より2学年ほど高い本を読みこなせるようになる必要があるため、小4、5の本を買って毎日読ませること。

正直なところ、まだ3年生なのに、ここまでやらないといけないのでしょうか。

私も中学受験経験組ですが、こんな勉強した記憶がないもので・・・。ご意見頂ければありがたいです。

もちろん息子の場合は難関中学狙いなので、それなりの勉強は必要なのでしょうが・・・。

学校や塾の先生から「~すべきです」とアドバイスを受けたとき、本当にそこまでする必要あるの?なんて思うことありますよね。

また、同じ内容を複数の人に相談した場合にそれぞれが違ったアドバイスをされた。いったいどちらを実践すべき!?なんてこともあるでしょう。

今回のひとみさんの場合、1年後に通塾予定の進学塾の準備として4つのアドバイスを受けた。

きっと、予想してたよりも、大変そうに感じた

なので、「え~、マジで~」って思ったのでしょう(^_^)

なおかつフルタイムで働くひとみさんにとって、勉強を見る時間が限られているのでなおさらです。

では、個別指導の先生の言っていることの妥当性および留意点はどうか?

最初に言っておきますが、これについて、正解というのはない!というのが本当のところです。

ホントありきたりの答えで申し訳ないですが、ある子供にとっては正解、ある子供にとっては、とんでもない!など一概にイイ悪いが言えない問題でもあるのです。

それを踏まえて、ひとみさんが相談されていることについて一緒に考えていきましょう。

では、先生が言われている点をやっておくべきか?と問われれば、やっておいたほうがいい!となります。

答えとしてはそれが妥当であろうと思うのです。それは、やらないよりはやっておいたほうがいい!くらいの意味ですが。

ただ親技として考えておくべきことがあります。それは、子供の今の現状です。

わかりますよね?

先生は4年生を迎えるにあたっての先生が考える「一般的な」もしくは「理想的な」なゴール地点や目標をこれですよ!と提示したわけです。

繰り返しますが、その指示した目標をこなせるなら、また、できるならやっておくほうがよいことであるのは間違いありません。実際、そうしている方もいらっしゃいますしね。

ただ「ここまでですよ」と示されたゴールにに対して、当然ながら「我が子の現状」を考えないといけません。

なぜなら、無理やり4年生を迎えるに必要な4つの点を仮にクリアして4年生を迎えたとしても、そこからまた走りださないといけないわけですし、そこからでも受験までは3年もある。

ダッシュさせたけど、4年生になって疲れて勉強しなくなったとなれば、意味がなくなります。

ガンガンやらせた結果、受験なんてとんでもない!となれば、最初の大目標はパアになる。

受験までの道、また受験後の道のりもあるわけですから。

ゆえに「現状」を強く意識する必要があるわけです。

ましてや、ひとみさんの場合、そばにつくのは今のところ、難しい、他人に任せるとなれば、よくよく考えておかないといけません。

子供の現状に把握してそれに沿って先生がやってくれればいい。

でも、しまいの帳尻だけを合わせることが主眼となって、子供の「今」が置いてきぼりになると、子供は勉強を嫌がるようになるかもしれません。

そのあたり、親が「子供の現状」が見えなくなる可能性は大いにあるのです。結果、受験をやめた!なんて可能性だってあるわけです。

oyawaza467

現状が1時間しか勉強しない子がいきなり3時間の勉強なんて到底無理でしょう。

もちろん、座っておくだけならできるでしょうが、集中して頭をフル稼働させる勉強は厳しいものです(>_<)

「3時間」だけが頭にインプットされれば、一生懸命机に座るように子供は努力したりもするんです。

痛々しいでしょう・・・・

また、現状とかけ離れたことをやっても消化不良になり、肝心の成果は期待できません。

oyawaza307

ひとみさんのお子さんは「現状」はいかがでしょうか?

実はそこを押さえることなくして、今回の相談の対策も、また妥当性や留意点も導き出せないということなのです。

実際、ひとみさんと同じ学年で1日3時間勉強している子供もいますし、自由自在でも、すでに高学年用の自由自在を受験の準備として自宅でやっている子供もいます。

こういうことを言うと、ひとみさんが一層不安になるので言うのは控えるべきなのですが、これまでの勉強の流れと蓄積、そして「子供の現状」からそうすることが妥当な子供がいるということなのです。

だからといって、仮にひとみさんのお子さんが今、3時間勉強できないからといって、ダメでは決してないのです。

これまで育った環境も蓄積も違うひとみさんのお子さんには、お子さんにとって最善の道があるということなのです。

では、その最善の道とは?

それはこれからトライ&エラーをしつつ探りながら、見つけていくものなのです。親技で我が子にだけのノウハウを蓄積しようというのはそこなんですね。

決まったレールがあって、そこにポンと乗せてグングン伸びる子供だっています。

でも、今問題なのは、そのレールは果たして子供にあっているのだろうか?

そこを考えること。

特に本格的な受験勉強に入る5年生になる前に、「乗るレール」そして「乗ったレールに対してどう勉強していくのか」などをきちんと考え、できれば確立しておくこと。

難関校にも合格者数は違えど、いろんな塾から合格をしています。ということは、それぞれのレールに乗って、そこでガッチリ勉強がやれれば合格の可能性は合格実績がある塾なら、どこにでもあるということです、理屈としては。

例えば、ひとみさんが4年生から予定されている塾で考えてみましょう。

ひとみさんが希望されてる学校であれば、●●塾からは約150名が受験しています。

そのうち約90名が合格していますので、その塾で100番以内を目指せばよいということになります。

●●塾では、復習テスト、模試などを見ますと、非常に深い内容を聞いてきます。それぞれの単元の深い内容をきくだけあって、カリキュラムも図形なら図形を徹底的にやっていく意図があるようです。

難関校に90名が合格しているカリキュラムですから、それはそれは練りに練った考えられたカリキュラムであることは間違いない。

しかし、一方で深い内容に徹底的に突っ込んでやっていくというやり方をするため、例えば図形ならば、徹底的に図形が嫌いになって、もう見たくもないという方向に我が子が進む可能性だってあります。

はまればいいけど、その逆ならば・・・・というわけです。

そういうやり方よりも、最初からあまり深く追求せずに学年を上がっていくにつれて何度も何度も同じ単元が出て、その都度繰り返しやっていくのがあっている子供だっている。

合わないやり方のレールに乗ったばっかりに受験を迎える前に早々と難関校を諦める子供も出てきます。

ひとみさんのそもそもの相談から随分とずれた話になってきていると、もしかしたら感じている方がいるかもしれません。

でも「何をやらせるべきか?」の前に「子供の現状」を把握して受験までをどうコーディネートするかの考えなしに、なにをどこまでやらせるのかを決めるのは難しいということなのです。

そもそもの考える出発点はいいのか?をまず考えてほしい。それが考えられる学年でもあるし、時間もあるのです。

今、自分がなかなか勉強を見られずにいるなら、お子さんを見てもらっている個別指導の先生に、その点を相談してみるのもいいでしょう。

先生の言った課題を考える前にです。

我が子はどうでしょうか? 目指している塾にあっているでしょうかと。

もっといえば、ひとみさんが4年生から予定している塾には、たしか新3年生からのクラスがあります。

算数だったら最高レベル演習といった授業も小3からあると思うのですが、それは受けずにあえて4年生から入塾するということは、そこになにがしかの策があってのことだと思います。

その策やいかに?

実は個別指導の先生が言っている課題というのは、その塾で3年生の間にカリキュラムでやることを塾に行かないでやるなら、こういうことですよ!と言っているのではないか?

3年生から通っている子供は1年間蓄積して4年生に上がる。お子さんはそれを4年生から通う。

となれば、この1年間というものをどう考えるか。策があってこの1年間をどう過ごすべきかならいいんですが、「知らなかったよ~」ではいけませんからね。

個別の先生の言う点の妥当性と留意点という意味では、今述べたことをどう考えているかで、答えはおのずと導き出されてくるのではないかと思います。

それらを十分踏まえたうえで、個別の先生がおっしゃった4点についてボクの考えを申し上げておきます。

まず、教材の「自由自在(3・4年生用)」について。

中学受験の導入で市販のものとしてストロングなんかもこの教材を使います。準備編として特別難しくもなく、妙な奇問もないため、確かに4年からのカリキュラムを考えると先取りをする意味でもいいとは思います。

ただ、これを自宅でやるのは結構大変かも!?です。淡々と必要な単元と問題が羅列されています。

おもしろみがない・・・・・導入の解説も簡素ですし・・・

親にもよると思いますが、これをノリノリでやるにはなにがしかのテクニックというものが必要かもです。

個別指導の先生が導入部分を担当してくれて、フムフムとなってから、家で練習問題をやれる流れがいいと思いますけどね。

また、問題集がゴツくて、かつページの問題と問題が詰まって書いてあるため、問題集を拡大コピーをするとかなどの準備や工夫をしてやる必要もあると思います。そうしたことは細かいことのようですが、結構大事なのですよ。

次に勉強時間は3時間について。

勉強時間の根拠がストロングにはよくわかりません。

学年を問わず、勉強は「時間を決めて」勉強するのではなく、「やることを決めて」それを勉強するべきというのが親技の考え方です。

やるべきことを決めて、それをこなすのに3時間必要ならいいんですけどね。

いずれにしてもこれは考え方の違いになりますが、少しでも短い時間でできないか? これを徹底的に追求するのが今の学年ではイイと思います。

結局、長時間勉強しても、実は半分の時間でできていたなんてことが山ほどある。そういう意味でも、「これだけやったら終わり」という考え方でやる方が効率的と思います。

次に、そろばんについて。

今そろばんにどれくらいの時間を費やしているのかわかりませんが、今のお子さんの習熟度には別の勉強が必要で、その時間を確保するにはそろばんを削るしか手がないというなら、わかります。

でも、それは受験が迫るにつれて出てくる問題でしょう。

受験が迫ってきたというのをどの時期ととらえるのかは子供によって違いますが、受験が迫る前にその問題、つまり時間が足りないという問題が最大の問題になるのであれば、受験ではいくら時間があっても足りないとなり、受験はしんどいという結論にもなりうる話です。

捨てるのはいつでも捨てられます。その前に今の勉強の効率化をいかに図れるかを考えてからでしょう。

最後に、読書についてですが、確かに自分の学年より2学年ほど高い本を読みこなせるようになる必要はあると思います。

中学受験の場合、中3の公立高校の問題よりもよほど難しい内容がでているわけですから、それはそうです。

これも最初の話に戻りますが、「子供の現状」「子供の今」がどうなのか?が問題になります。

今、小4の本を与えて読みこなすことができるのか?

そこから、考える必要があるでしょうね。

先生に我が子が読める内容は何年生でしょうか?

そう聞いてみるのもいいでしょう。

ここまで書いてきたことを先生にぶつけて「今のお子さんはこうなので、最終目標にいくために今はこうすべきだ」という答えがあって、それが納得できるなら、先生の言うことを聞いてみるのが一番手っとり早いですね。

「今なにをすべきなのか?」の話はなく、「こうならないといけない」という話しかできないのであれば、妥当性はなく、これまでの合格した生徒はこうだったという話に過ぎないということ。

親技はだれでも今の地点から合格に向かって進む道を考えるものです。

こういう生徒が合格したという話は誰にでも出来ます。

そういう生徒になるために、「今こうする!」そういう話を先生としてみてください。