ホッピーさん

いつもお世話になります。最近ちょっと気になる事があってメールしました。

うちの子どもが入っている剣道教室は、とても剣道に熱心な親御さんが多くて、週5日が稽古日になっています。それも親が見学しなくてはいけません。

うちの子は私の仕事の都合で週2日稽古に通っています。どちらかというと剣道には、力を入れていませんが、喘息があるので体力アップのためにがんばっています。

教室に通う子ども達のスケジュールを聞くと、剣道を週5日やり、毎週日曜日に試合をこなし、塾へ行き、習字、ピアノ、お琴、スイミング等々習い事もしていて、とてもすごいスケジュールなんです。

驚くことに、6年生のほとんどが受験したそうです。

何人かの結果を聞く限りでは、県下でも有名な中学に合格されています。

その中のお母さんが「剣道が上手くなると自然に勉強ものびた」と言われていました。

また、同じ剣道教室に通っている子のお母さんが言うには、知り合いの子が最難関中学に通っているけど、そこの生徒はどの子も勉強もスポーツも万能だということです。

だから、うちの剣道教室では密かに

「剣道が上手くなる=勉強ができるようになる」

という式が出来上がっています。これらの情報を鵜呑みにしていいのでしょうか?

一瞬、「よし!剣道頑張って、成績アップだ!!」と思ったのですが、これって単純すぎますよね。

どうでしょうか?

アドバイスお願いします。

まず、ホッピーさんの

「よし!剣道頑張って、成績アップだ!!」と思った

単純すぎます(^_^)

「剣道が上手くなる=勉強ができるようになる」はないでしょう。もしかしたら、ボクの知らない医学的な根拠があるのかもしれませんが・・・

まあ、ないでしょ?

実は、ホッピーさんと同じような話をボクも実際に聞いたことがあります。

「お宅のお子さんも、礼儀正しい成績がイイ子になりますよ!入りません?」って。これにボクの奥さんがクラクラきたんですな。

奥さんのたっての願いで、ボクはシブシブ、その剣道教室に見学に行きました。

冬でしたので、体育館の床が冷たい、冷たい (;`O´)o

確か、そのときも父兄が正座して、練習を見学してましたぞ!おデブなボクは、正座ができなくて、子供よりも先に断念しました。冷たいしね(>_<)

まあ、でも、ホッピーさんの話を聞いて、全国同じような話があるんだなあって思ったワケです。

でも、その剣道教室には、成績を上げるための「ヒント」があると思いますね。

特に、親のかかわり方に。

ホッピーさんも、剣道教室に通っている子のお母さん達をよ~く観察してみて下さい。親のかかわり方で、なにか気がつくことはありませんか?

場合によっては、その教室に属することで自然と身につくことがありますから、ご自身でも、以前のお子さんのかかわり方とどこか変わったか?を注意しておくべきです。

特に注意してみておきたいのは「そこでの当たり前」の高さですね。

学校の宿題をするのが当たり前と学校の宿題「だけ」するのが当たり前では同じ当たり前でも意味が違います

学校の宿題「だけ」するのが当たり前と学校と塾の宿題をするのが当たり前では違いますわね。何の種目でも上位に行く連中というのは「当たり前」のレベルが高いってことです。

そして、その当たり前のレベルは「与えられる」ことに意味はなく、それをこなせるかどうかに意味がある。

例えば、難関校への合格実績バツグンの進学塾に通う子供。確かに、合格へのカリキュラムは、しっかりしています。

が、教師の指導レベルについては、さほど他の塾と差はないとボクは思っています(優秀な先生もいますけど)。

では、ナゼあれほど高い合格実績を上げることができるのか?

そもそも、優秀な生徒が集まっているから?とも考えたくなります。確かに、そうとも言えます。

でも、その塾を選んだのは、子供自身ではなく、親なのです。つまり、そういう塾ほど意識の高い熱心な親が集まっている。

塾にとっては「合格するためにはコレをやって!」と課題を出すだけで、親が家でレベルアップをはかってくれる。頑張っているのは、親と子供ですから、塾にとっては、おいしいワケです。

「進学塾は宿題が多くてタイヘン!」なんてことをよく耳にしますが、仕掛けは単純。バツグンの合格実績の陰には、意識の高い、熱心な親がいるというわけです。

だからこそ、学ぶべきはそういった「成績がイイ子の親」のノウハウ。これが、このメルマガの狙いでもあります(^_^)

ただ塾に子供を放り込んでおくと、子供が勝手に頑張ってグイグイいく子が出てくるので、話がややこしくなる。

忙しい親は「なんで親がお金を払っているのにいろいろしないといけないの?」なんて疑問がわいたり、「ウチの子はあの子と比べて・・・」と愚痴を言いたくなったりもする。

塾に通いさえすれば何とかなっている子供だっているじゃないかと思いたくもなる。

しかし、繰り返しますが、当たり前のレベルは「与えられる」ことに意味はなく、それをこなせるかどうかに意味がある。

子供一人でこなせればいいけれど、こなせないときに少しだけ背中を押してやる場面だってどこかで出てくる。

それは中学入試の小5で出てくるのか、中学生になって出てくるのか、高校生で出てくるのかは各個人で違います。

子供一人で頑張って何とかなっていた家庭だって学年が上がって難関校に行けば、子供一人では対応できなくなって脱落することも始終起こっています。

ボクが言いたいのは、そうしたどこかの場面で子供が困ったとき、立ち往生したとき、道に迷った時に、行く道は子供が決めるにしても、問題を整理してアドバイスできる人は常にいたほうがいいんじゃないですかってことです。

で、そのアドバイスをするときに、今まで子供がやっていることをな~にも知らないで、見ていないで、あれこれ言うと、子供だって聞く耳持たないんじゃないですかってことなんです。

子供の問題点を交通整理が出てても、課題がわかっても、それに対する対応策を子供が聞いてくれなければ、「だから言ったのに~」なんて言うしかなくなります。

だから、子供一人で調子よくやっているときだって、観察しておくべきなんじゃないですかって言っているわけです。

子供はどこかの時点で必ず壁にぶち当たるから。それは勉強の壁だけに限らない。人間・友達関係かもしれないし、部活かもしれないし、先生との関係かもしれない。

そんなとき、自分のことを何にも知らない人の言うことに子供は耳を貸しません。そこです。

話を戻します。

なぜ、この剣道教室のお子さんたちは、成績がいいのか?

ボクの独断と偏見の見解は、こうです。

ホッピーさんの文にあった

うちの子どもが入っている剣道教室は、とても剣道に熱心な親御さんが多くて、週5日が稽古日になっています。それも親が見学しなくてはいけません。

これは、わかりますよね。週5回も稽古があり、親が見学しないといけない。

月謝払って、預けます、お願いします!じゃない。これ、熱心でないと、また時間がないと、もともと無理な話です。

現にホッピーさんは

私の仕事の都合で週2日稽古に通っています

とあって、他の方の5日より通う日数が少なくなっている。これって他の方より子供を見る絶対的な時間数が少ないってことにもなるでしょう。

別に剣道のことは親にはわからないし・・・

確かにそうなんです。親はやったことがなければ剣道のことはわからない。勉強のことだってわかりゃしないでしょ。

しかし、見学することで、練習している我が子の様子は見る。これって、過程を見ているわけじゃないですか。

中には見学中に親同士がペチャクチャおしゃべりしている場合なんかもあるんでしょうが、ホッピーさんのところはおしゃべりなんかできない雰囲気なんじゃないんでしょうかね、想像ですが。

親同士がおしゃべりできないとすれば、もう子供を見るしかないわけですな。過程をずっと見ていることになる。子供が先生から指摘されていることも聞く。強気弱気に性格も目の当たりにするんじゃないでしょうか。

その上、週5日練習したら、個人差はあるけど、子供は、絶対上達する。他人との比較はともかく、少なくとも入会したときより断然良くなっていくと思うんです。以前よりは、間違いなく強くなる。

練習して強くなっていくことを実感できたら、子供はどう思うでしょうか?

つまんねーの!って思うか。思わない。だって週5回ちゃんと通って、以前よりは強くなったと実感できて、それを親の前で披露できるんですよ。気分が悪いわけないですよ。

それって自分に自信を持てるってことの始まりでしょう。周りや親だってそのことを認められるわけだし。これって「オレってイケてる!」の初歩の段階でしょう。

でも、この初歩の段階にまで行っていない方も多い。それがこの剣道部ではみんなが初歩の段階を通過して、子供は自信を少しずつ持ち始め、当たり前のレベルが上がっていく。

その過程を親はじっと見ているわけでしょう。なかなか見えにくいその過程を親が見られる。なおかつ、友達の様子なんかも自然と目に入る。

週5回、見学する熱心な親なら、当然、家では親が感じたことを言ったりもするのではないでしょうか。アドバイスもするかもしれない。

たとえ剣道なんかをやったことがない親であっても、週5回見学して、先生の指導やアドバイスを見てたら、「今日は、こうだった」「もっとこうしたほうが・・・」なんて思ったり、言ったりもするでしょう。

もうずいぶん昔にテニスの杉山愛さんの話で

コーチでもある母親はスキーをやっていたが、テニスの専門家ではない。
専門家ではないが、母親は、毎日杉山選手をずっと見ているので、グリップが1mmずれていても、気がつく。

なんてテレビで見た話を書きました。

これですよ、これ。ずっと見ているから気づけることってある。まあ、ここまでいかなくても、似たようなことが起こってるんじゃないかというのがボクの想像です。

そして、これら練習の成果の確認の場として、試合もあるでしょう。練習を見学する親は、試合もやっぱり見に行くでしょう?

最初の練習の段階から見て、習っていること、やっていることを見て、年々成長するのを見つつ、その上で試合でそれらがどう出るのかを確認もできるんです。

これって、ボクが言う「日々のトライ&エラー」をなにげに繰り返しているのを見ているってことです。

これ以上の親のかかわりって、あるでしょうか?

子供の「過程」と「成果の確認」の場所に親がいる!!これこそ、親の究極のかかわりかたじゃないでしょうか。

剣道教室の父兄は、イチロー選手の父ちゃんや杉山選手の母ちゃんと同じとはいいませんが、それと近いこと、似たようなことを毎日していると言えるわけです。

そうなれば、それだけ剣道の様子を見て、トライ&エラーを繰り返している親が「勉強のことはよくわからない!」なんてことを言うでしょうか?

剣道の様子を見て、子供が以前よりも上達していく過程を見ている親。成果が出ることを知ってる親ほど欲張りになります。

だから、勉強についても、自分にはわからない世界のことだなんてしていないで、子供にかかわろうとする。そうなるのが普通です。ましてや仲間から難関校に行く連中が出るとなれば。

自分の通う学校の卒業生からノーベル賞を獲った人が出ると、世間の人よりもぐっと近い存在に感じられるでしょう?

そのノーベル賞を獲った人を教えていた先生なんかがまだ在籍なんかしていて、「彼の学校時代はこんなことしてたぞ」なんて言われたら、それに触発される子供が出るのと一緒です。

ノーベル賞は滅多にいないけれど、難関校に合格、国体出場、県大会1位…etc

考えればいくらでも子供たちがオーと思ってかつ身近に感じられることが起こる。それが起こりやすい場所に多くの親は子供を入れようとするじゃないですか。

それが近所にある剣道教室で起こって、そこに在籍しているとなれば、その熱を感じて、当たり前のレベルをあげていく親はやっぱり出てきて、輪が広がって、さらに触発する人数が大きくなっていく。

そんなことがあっても一切関知しない、熱量も上がらない方もいます。でも、それはそれぞれの考え方だから。

いずれにしても剣道を頑張って成果を出したのを目の前で見た親の少なからずの人は剣道以外のことについても同じ手法で成果を上げていく方向に向かうのではないか。以上が、ボクの見解です。

ぜひホッピーさんには、見学中、子供を見ずに、ずっとおしゃべりし続けている親の子供の成績も確認してほしいと思います。

それは、子供の勉強を見ているという親が、子供のそばで雑誌をめくっているのと同じことだと思います。そこにいるけれど、なにも見ていない。

問題なのは、子供は見てくれていないと思っているのに、親は忙しい中子供のことを見ていると思っていること。このギャップがいずれ大きな亀裂となって表れる。

子供のなにを見ているのか?です。

みなさんの身のまわりにも同じような「不思議な現象」があるハズです。なんでやろう?って、考えることで、成績を上げる「ヒント」が見えてきたりしますので、ぜひ考えてみてください。

なんでもいいのですが、習っている種目のコーチに対する話の聞き方やアドバイスされた後の子供の反応なんかを見ていると、子供の成績の良し悪しがある程度判定できます。

コーチや先生の言うことをその場でどう処理できるか?

親はそれをじっと見て、子供の課題を見つける。材料はそこかしこに転がっている。あとはそれをどう受け止め、対処していくか。それだけのことです。

まあ、これはボクの独自の考え方ですけどね!