中3つるさん

私の県では、公立高校の受験は、一次試験と二次試験があり、一次試験は推薦、二次試験が普通の入試の学力検査という仕組みになっています。

二次試験は五教科の学力検査ですが、推薦の一次試験は小論文と面接です。

受験を希望している学校は学校の先生のお話では、一次試験は狭き門であまり期待しないで下さいというお話で、一次試験の小論文の対策はほどほどに二次試験の学力検査の勉強をしっかりやってくださいといわれました。

しかし、子供は一次試験で 受かってはやく受験生活から解放されたいという気持ちが強く、最近では小論文の練習ばかりやっています。

確かに頑張って文章を書き、先生に添削をお願いしていますが、親としては、学校の先生の言われる学力検査の勉強をやったほうがいいのではないかと感じています。

頑張っている子供に水をさすのも困るし、かといって小論文だけの対策に没頭されるのも困りますし。

どうでしょうか、なにか親が考えておくことがありますでしょうか。

もう推薦とかではなくすべてが学力検査の入試で一発勝負という県の数も増えている昨今、公立高校が推薦入試を実施し、定員の数十パーセントをまず推薦で取る県もあります。

そういうシステムのところでは同じように悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

そんな中、つるさんの中3のお子さんは、推薦入試の小論文の勉強をしているそうです。

理由はというと、

一次試験で 受かってはやく受験生活から解放されたいという気持ちが強く

とのこと。

つるさんは心配されてますが、お子さんの気持ちはよくわかります(^_^)

みんな、そうしたいに決まっています!

だって、5教科の勉強しなくていいし、受験も早く終わるわけですからね。

私立大学の半分が定員割れするいわゆる全入時代の大学入試ではこの傾向は特に顕著で、あまりにもアホを入学させすぎて大学の授業が成り立たないって話もよく聞くようになりました。

自分以外のみんなが受験に頑張って勉強しているのに、自分だけは高校が決まってハッピーで自由に遊べる。

そんな夢のようなことを考えると、「私、この道に賭けよう!」なんて気持ちになるのは、ごく自然なことではないでしょうか。

今では推薦合格者が昔に比べて非常に増えたため、推薦入試後の公立中学校の授業が「推薦合格」でフヌケになった生徒によって、荒らされる例もよく聞かれる。

もちろん一般入試で勝負と思っている生徒には大迷惑で、昨年は学校の推薦合格者は別教室に移して2月以降の授業をした事例もありました。

こうしたことから公立高校でもすべての入試を学力検査にして1回もしくは2回勝負というシステムに数年のうちになるでしょう。

このように「受験」という名の重圧は、なくなると糸の切れたタコみたいにしてしまう可能性があるということ。

ただ、学校の先生がおっしゃっているように、推薦入試は、非常に狭き門になることは間違いないでしょう。

よって、つるさんの場合で行くと、やっぱりヤバイです・・・

本人は「一か八か」に賭け、推薦に絞って小論文だけの勉強をする。しかし、もしダメだった場合、その期間の空白は取り戻せるのだろうか?

ハッキリ言って取り戻せません!!

そう考えておいたほうが無難でしょう。

この推薦入試は本当に曲者で、この推薦入試を受験する、又は推薦入試の受験準備をするという名目での一般入試の勉強からの逃避は、これまでも数々の涙を誘発しています。

もちろん、つるさんがこれからすべきことは、もうおわかりだと思いますが、

二次試験の勉強もさせることです。

しかし、これはすでに推薦入試の「小論文のみ」に走り出している今となっては、ちょび遅い・・・・です。

この話をするタイミングとしては、小論文の勉強に絞るという話になったときに5教科の勉強も同時にすることを約束すべきでした。

だから、今となっては遅いのですが・・・

タイミングを逃した後では非常に厳しい状況ですが、たとえ逃したあとでも、この問題はきちんと向き合い、話し合っておくべき問題です。

でないと、推薦入試だけでなく、一般入試の合否にも影響が出る可能性が高い話ですから。

もちろん推薦入試の準備として小論文の練習はしてもいいわけですが、当然ながら一般入試の勉強も小論文以上に頑張らないといけません。

問題は、小論文の勉強を頑張っている本人に、どうやって二次試験の勉強をするように仕向けるかですよね。

やる気が失せてしまっては・・・と心配だと思いますが、その点について考えてみましょう。

親にとって、子供の「やる気」は大事にしてやりたい。もっともだと、思います。

でも、ちゃんとした方向に向いていなかったら?

今回の場合も、小論文だけの勉強しかしない方向は確実に間違っているといえます。

例えば、小学生がJリーガーやプロ野球選手になりたいから、勉強をしないでサッカーや野球ばかりをやっていて困るなんて相談を受けます。

「Jリーガーを目指して頑張れ!」

まだ、小学生であれば好きなように頑張らせる選択もあるでしょう。もちろん、どこかでやり直しがきく見積りがあればですけど。

これが、高校受験の数ヶ月前では、話は違ってきます。

当然ながら「勉強をしっかりした上で高校に入ってJリーガーを目指すように」に変わるでしょう。

このように、時期によって親の対応も変わるわけです。

つるさんも場合も、受験数ヶ月前で推薦の勉強に絞るのは、やり直しの見積もりが立たないはずです。

繰り返しますが、そのことを話すべきタイミングをすでに逃しています。

なので、子供も相当反発もするでしょうが、これからの一般入試のことを考えても、受験後のことを子供の主張を認めるのはあまりにも危険なので、ぜひ覚悟して臨んで下さい。

さて、ではどうするか?

少し力技になりが、今からでも小論文の勉強に絞ることに反対する

本人の反発は承知の上でです。

反発することは目に見えていますから、親子の2者での話し合いではなく、先生にも入ってもらって話し合うのがいいでしょう。

つまり、先生にも意見を聞いて、どうするか決めるよう提案する!

先生が今のままでイイと言ったら、親も認めると言うわけです。

つるさんの場合は、先生も推薦だけの勉強を勧めたりはしないという見込みも立ちますし、このほうが子供自身もできるだけ抵抗なく方向転換をすることができると思うからです。

中学生にもなると、親との話し合いだと納得できないことも、先生が入ることで素直に聞くといったことがあります。

もちろん学校の先生にはあらかじめその旨を話し、お願いしておくのがベストです。

そして、念のため、もう一手打っておきましょう!

推薦で合格した場合の「約束」も決めるのです。

具体的には、二次試験が終わるまでは勉強を続けるといった約束です。

つまり、推薦入試で受かっても、受験生活から解放されたい願望を認めないわけです。塾に通っているなら、みんなが受験が終わるまでは通い続けるといった約束でもいいでしょう。

本人は反発するかもしれませんが、勉強したくないから推薦を受けるというのを認める必要はありません。

この約束をする目的は、もちろん高校に入ってからに備えるため

事実、一般入試で5教科の勉強をしてきた連中と同級生になるわけですから、入学前まで3ヶ月近く空白があれば、スタート時点で終わっているでしょう。

なので、高校に入ってからのスタートが出遅れないよう勉強をしておく意味があります。

ただこれは表の目的で、裏の目的もあるんです。

今回のつるさんのようにややタイミングを逃した話を蒸し返して、子供に話し、納得させるのはなかなか困難です。小論文だけではなくて、5科の勉強もすべきだということを納得させるのも大変。

だったら、5科の勉強もすべきだという話ともう1つ後ろにヘビーな約束を持ってきておいてその前の約束、つまり「5科の勉強をする」ほうを軽く見せるというやり方です。

小論文だけの勉強をすることへの禁止は、本人は納得したくない気持ちでしょう。

「あ~、面倒臭いな~」ときっと思う。「推薦で受かっちゃうんだから!」なんて希望的観測をきっと持つ。

だからこそ、合格後も勉強を続けるというヘビーな約束を一緒に添えて、その前の約束を「まっ、しかたないか!」くらいに感じられるようにするのです。

非常に難しいですが「どうせ推薦に合格しても、勉強はしないといけないわけだし・・・」という感覚にして、少しでも方向転換する後押しになるために一緒に約束してはどうかと思います。

あくまで、親子の話合いではどうにもならないことを前提にアドバイスをしましたが、一番は親子でじっくりと話し合うことです。受験だけでなく、高校生活がスタートしてからのことも含めて。

実は公立高校の入試において、一番の大敵は推薦入試かもしれません。

合格するかもしれない・・・
人より早く勉強が終わる・・・

これらの誘惑は非常に大きなもので、多くの受験生の「一般入試」での結果を狂わせる甘い果実。

また、推薦入試の結果は、いわゆる子供が感じている実力通りの結果にならないことも多く、あの子が受かって、私はなぜ??と大きく自信を失うケースもありました。

なので、ストロングはこれまであえて推薦入試を受験させないという選択を強制的に取らせたこともあるくらいです。

「お前は一般入試で合格するんや!逃げるな!」

「推薦なんて、小論文なんて見向きをするな!その分、その時間を使って点数を上積みするんや!」

と言ってきました。

受験にとってこれからの時期、

◆模試などの合格判定で渋い結果が出て諦める

◆推薦入試などで歩みを止める

がたくさん出てきます。

そして、受験は、最後の最後で諦めたもの、歩みを止めた子供から脱落していくのです。

志望校の判定がなんですか!!

最後の最後までやるべきことをやり抜く!それだけです。

つるさん、ここで挫けたら、今までの3年間はなんだったのか?と思う日がきますぞ!

ガッチリ説得してください。

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