中1 あんずさん
こんにちは、先生のご著書「新勉強の常識」を読んで以来、2年以上メルマガを拝読しています。
先生のご意見は建前ではない本音のこころからの叫びのようで、心に響きます。
この春、おかげさまで娘は県下ナンバー1の私立中学に合格できました。ひとえに先生の「新勉強の常識」「10の鉄則」「メルマガ」のおかげです、ありがとうございます。
先日のメルマガにありました、「せっかく希望の私立中学に受かったのに、ついていけない」というフレーズ、この4月から私も感じているところです。最近中1の親御さんからのご質問が多いのは、やはり同じようなことなのでしょうか。勉強の効率アップのコツも取り入れようと思います。
入学したときは235人中100番以内でした。しかし、150番、210番とどんどん順位を落としています。娘はとてもまじめで、クラブ以外は家でずっと勉強しています。勉強内容も、その日習ってきた分野を問題集で解いています。問題集は学校から山ほどもらっています。
例えば数学は体系数学(代数、幾何)の教科書、練習問題集、チャート式体系数学(代数、幾何)です。幾何は得意ですが、代数がにがてです。
代数のテストは85点でも190番くらいで、計算ミスが命取りです。学校の定期テストもその中から出題されます。なのにできないのです。
英語は小5のときに英検3級をとり、文法も会話もかなり出来るので、授業でわからないことは何一つないにもかかわらず英語などは夏休みの補講対象者に見事当たってしまいました(泣)
英語のテストもほぼ教科書どおりの出題で、間違っているのは「ピリオドがない」「be動詞がない」「スペルミス」です。
わかっていないなら教えようもありますが、わかっているのにケアレスミス(受験でも散々悩まされたところです)が多い。
中学受験のときのように、今日やるべきものをコピーしてどさっと積んでおくのが良いのか(中学受験のときのあの充実感が懐かしく、私の生きがいであったのだなと思います。私としては全てを把握して、指示を出したいくらいです。)
中学生なのだからそばで見ているだけのほうが良いのか迷います。
この4月からは少し距離を置いて、やった問題の確認とわからない問題を見ているくらい。それと、単語テストや歴史テストを作ったくらいです。
お忙しい中、本当に申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
中学受験で県下一の学校に入学されたあんずさん。
入学して8ヶ月が経とうとしていますが、100番以内だった順位が235人中210位まで下がってきてるそうです。
「せっかく希望の私立中学に受かったのに・・・」(>_<)
原因は、入学に安心しての気の緩みか?と思いきや、お子さんはクラブ活動以外は家でずっと勉強しているとのこと(◎_◎)
非常に「もったいない」とストロングは思うわけです。もったいないというのは、子供本人にやる気があるからではありません。
まじめで、やる気があるのに今の成績では「もったいない」というより「かわいそう」が適当かな。
もったいないと思うのは「実績」です。
ストロングは、志望校への合格、不合格は最終ゴールではないという話を常々しています。どちらだって、次に活かさなければ意味がない!これが親技の考えです。
ただ、合格した子に限って話をすれば、合格することで得る一番の収穫は「志望校に合格したという実績」だと思うのです。やればできるんだという「自信」。
これは「なんかやれそう!」とは意味が違う、正真正銘の「自信」で、かつ実績に基づいた自信であることが非常に大きい。
もちろん、個人差もあり感じ方もいろいろでしょうが、次の頑張りに使えるという点から言えばすごい「実績」だと思います。
しかし、注意しないといけないのは、次に向かう実績には、賞味期限があるということ。
以前からここでは「やる気には賞味期限がある」とお話したことがありますが、やる気同様に「実績」にも賞味期限があるわけです。
積み上げてきた実績は消えないだろって!?
はい、消えません。
でも、子供たちは今を生きています。
過去の実績をうまく使えればいいのですが、やはり一番効くのは直近の実績です。
今回のあんずさんの報告を読んで一番心配なのは、真面目なお子さんの直近の実績は「235人中210位」であること。そのことは本人が一番実感していることです。
諦めずにがんばろうと、モガいていることでしょう。
もし、あんずさんに中学生になったら自分だけで勉強させようという確固たる信念があるのであれば、ストロングから何も言うことはありません。
また、中学受験時に1人で勉強をして、勉強しただけの成果を出す訓練をしてきたという自負があるのであれば、今のまま進むのもアリかもしれません。
ただ、ハッキリ言えるのはすごい勢いで空回りしている(◎_◎)ということです。
がんばっているのに、成果が出ない。
成果が出ないからまだ頑張る。
これでもか!これでもか!と頑張る。
それでも、ダメ・・・これはもう完全にリズムが崩れた状態だと思います。
あんずさん自身「なんとかしたい!」という気持ちがあれば、今スグ親の出番です!
空回りが続くと、いずれやる気がなくなります。そうなれば手遅れです。もう、親の出番はないのです。
では、親は何をしてやるべきか?
まずは、今の状況を把握することからです。
やはり成績が振るわないのは、ケアレスミスが原因ではないという仮説からスタートすることが大事ではないでしょうか?
もっと根本にあるミスを引き起こしている原因を解明していくのです。
代数のテストは85点でも190番くらいで、計算ミスが命取りです。
確かに中1のテストですから、代数に関していえば、点数からいえば、「単元は理解はできている」と判断することは可能です。わかっていると。
ただ順位は平均点が高く、90点以上に生徒がダンゴになっているから、順位は取った得点ほど出ていない。そう見ることはできると思います。
では、できることはないのか?
代数に関していえば、処理力をあげる練習をすることはできます。中学受験でやっていたように、「はやく解く」訓練をする。
大量の宿題が出て、それを一通りこなすだけの勉強になっていれば、処理力は上がりませんからね。
大量の宿題に囲まれているお子さんの交通整理をする役割が中学受験の時と同じようにできることでしょう。
でも、85点で内容はよくわかっているし、処理力も維持できているので、いくつかミスを除けば許容できるというのであれば、代数は放置というのもアリです。
もともと上位校では、代数は幾何などと比べて差がつきにくので、もう少し学年が進んで、単元が進んでいくことで見えていなかったお子さんの課題が明確になることもあるでしょう。
では、英語はどうでしょうか?
英語は小5のときに英検3級をとり、文法も会話もかなり出来るので、授業でわからないことは何一つないにもかかわらず英語などは夏休みの補講対象者に見事当たってしまいました(泣)
英語のテストもほぼ教科書どおりの出題で、間違っているのは「ピリオドがない」「be動詞がない」「スペルミス」です。
まず「be動詞がない」と「スペルミス」は英語にとって、ミスではありません。「be動詞がない」ということは英文の型になっていないということです。
英文の型になっていないということは、英語の根本的な構造がまったくわかっていない可能性もあります。
また、「スペルミス」は練習不足以外はありえないのです。基本的に英単語ってミスで間違えたりしないのです。それは覚えていないだけ。頭で覚えているのではなくて、手が覚えているのですから。
塾の先生が英語のスペルを間違えることはほとんどないはずです。それは賢いからではなく、いつもいつも書いていて、手が覚えているからだとストロングは思います。
でも、あんずさんの話では、「授業でわからないことは何一つない」と。
それが本当であるとすれば、頭でわかったことが手でうまく表現できないということです。熱いヤカンを触れば、100人中100人が手を離します。
それと同じように英語も型がわかっていれば「be動詞がない」文章は絶対に書かないのです。だって主語と動詞が英語の基本ですからね。
ストロングの生徒が「スペルをミスしました」と言えばビンタです。もし「ミスしました」といえば、往復ビンタ。
まあ、それがわかっているので生徒も言いはしませんが・・・
スペルを間違えるのは、だいたいは最初からウソを覚えているか、覚えていないかのどっちかです。計算はミスがありえますが、英単語は100発100中でミスとは言いません。
ここまで結構しつこく書いたのにはワケがあります。
それは
英語は小5のときに英検3級をとり、文法も会話もかなり出来る
の部分。
英検3級の内容は中3の英語相当になっていると思います。中3相当といっても、通常、中3生が6月くらいの試験で受けて合格するでしょう。
ただ、よく理解できていなくても、ウロ覚えでも、かじっていれば対策次第で英検は合格が可能なテストだとストロングは思っています。
例えば、中3相当の英検3級を取った小学生に公立高校の入試問題を解かせてもほとんど解けないと思います。
英検が悪いとかダメといっているのではないですよ。小5で英検3級取れば、立派です。お見事なのです。
しかし、だからといって中学の英語がOKなわけじゃないと言いたいのです。英検3級を取っているから英語が得意、わかっている、できるとはならないのです。
英検3級に受かっても「be動詞がない」文章を書くことはいくらだってあるのです。
そういう意味で「文法も会話もかなり出来る」がどの辺のことを指しているのかも吟味が必要ですから、ここにも親の出番があるでしょう。
まだそれほど複雑なことはやっていない中1の今ということは考慮する必要がありますが、総じて言えることは、単なるミスが原因で210番を取る可能性はあまりないのでは?
ということ。
ストロングの見立てです。
繰り返しますが、中1のこの時期は得点差が出にくい時期ですから、1点で30番くらいすぐに下がる時期であることは考慮する必要はあります。
ですから、あんずさんのお子さんが十分理解できていて、単なるちょっとしたミスで点を落として、大幅に順位が下がっているだけという可能性があることは否定はしません。
ただここではそうではなかったら?という前提で考えていることを了解ください。
それを了解していただいた上で、ストロングが察するに、学校からたくさんの課題が出され、未消化のままどんどん先に進んでいないか?を疑ってみることはどうしてもオススメしたい。
中学受験の塾に通っている子が、小学5年生になったとき、また小5の夏休み明けから塾の内容についていけず、成績がガタっと落ちてしまう状況がこれです。
いつもは同じ問題や類題などを何度も繰り返しやることで定着することができていた子が、量や課題が増えて、時間がなくなり、1度解いただけでテストに臨むようになった。
とすれば、同じように点が取れるわけはありません。そんなときは量より質を優先します。
こなす問題数を減らす代わりに、やった問題だけはしっかりと得点できるようにする。代数などは問題数をただ単に多くこなすよりも、そちらのやり方のほうが効果が高いことはあんずさん自身がご存じでしょう。
あんずさんの場合、
受験のときは、今日やるべきものをコピーして
とあります。
ストロングがお勧めしているやり方ですが、コピーした問題だと直接書けるので勉強の効率が飛躍的に上がります。そして、今日やるべきものがちゃんと決まっている。
今はといえば、宿題で提出があるからと、問題集をノートに順番にやっていく。わかる問題もわからない問題も順番通りにノートに書いていく・・・
これだけでも、ものすごく違います!
「あれっ、この問題いまいちだな?」と思えば、もう1度解くことだってするのとしないのでは、点数に大きく違いが出ます。できる問題とできない問題がハッキリと見極められることも成果に左右します。
「これは絶対取れる問題!」となれば、より慎重になりミスも減ります。あんずさん親子にとっては、今の学校へ合格したことが親子で共に勝ち取った「実績」です。
そのときの勉強と今の勉強を比較して、何が違うのか?を親子で話し合ってみることです。
今の状況なら、お子さんもきっと乗ってくるのではないでしょうか?
上位校に行けばいくほど、課題は増え、レベルは上がります。そうなれば、当然ながら、司令塔が必要になる。司令塔が必要になるのは、上位校だからこそともいえます。
一部の天才クンを除いて、またお金がふんだんにあって、司令塔の役割を誰か肩代わりさせる人がいる方を除いて、上位校の成績優秀者には膨大な課題を交通整理をする司令塔が必ずいます。
この前、家庭教師が週6日入っている最難関校に通う家のお母さんが「先生、英語は私の担当なんですよ。なんとかしなくちゃ!」とつぶやいていました。
家庭教師を週6日入れて、ある程度親の役割を肩代わりしてくれる人がいる恵まれた家庭、そんな家のお母さんがご主人と教科の役割を決めて責任もって取り組んでいるのです。
もちろん、成績は最難関校でトップクラス・・・
まあ、そのお宅では家業のこともあってお子さんの成績が「最最最優先」という事情はあるのですが・・・
あんずさん、確かに、内容も変わりレベルも上がったかもしれません。でも、その中で今よりもっと点が取れる勉強のやり方はまだまだ見つかるハズです。
いや、中学受験までは見つけ、実行してきたんです。中学受験でつかんだコツをぜひお子さんと共に活かして、今すぐ親子のタッグを再スタートしてみてください!
ちゃんと軌道にのり、ひとりで任せることができるようになればタッグを解散すればいいわけですから(^_^)
上位の戦いは身も凍るくらい熾烈です。ウカウカしていてはバッサリ斬られてしまいます。
まだ間に合います。しかし、2年になれば、県下一の学校なら、相当苦しくなります。
だって、成績優秀者は今日も今この時間、親子で身を切るような時間を過ごしているのですから。