小6 ジュジュさん
いつも、メルマガを愛読させて頂いております。
さて、ひとつご相談がございます。
我が家の6年生の息子なんですが、ただいま、中学受験に向けて本人なりにがんばっております。
が、合不合模試や首都圏模試などでも、志望校にほど遠い結果が出ていてなかなか難しいところです。
今、通っている塾で、志望校の過去問をやり始めているのですが、合格平均点以上を取れているようで、本人は、気をよくしています。
親としては、模試でなかなか結果が出ず、志望校を下げた方がいいのではないかと、思っているのですが、本人は過去問の結果が悪くないので、志望校を変えたくないといっております。
先生、志望校は子供の意志を尊重した方がよろしいのでしょうか。
残り少ない時間で見極めるのは難しく、アドバイスいただければ幸いです。
季節がら受験生の親の方からの相談が多いので、1つお答えしてみたいと思います。
受験生の方で同じ状況に悩んでいる方、受験生予備軍の方は一緒に考えていきましょう。
今回の相談は、志望校について。といっても、受験が迫った時期でもありますので、志望校というよりも、もう受験校と呼ぶほうが適切かもしれませんね。
受験校をどこにするか?
皆さんも迷うとこでしょう。
今までは「どこを受けたい!」で済んでいましたが、今からは日程やお子さんの性格を考えて決めなくちゃならない。
例えば、1発目。お試し受験なんて言い方もします。まったく行く気はないが、試験慣れも考えて本命校を前に一丁受験するかと。あの独特の緊張感をまず経験しておく。
お試し受験してから、目の色をかえて勉強を始めた!なんていう子供も出てきます。お前、遅いだろ!と大人は思うわけですが「今までのじゃダメだ」そんなふうに感じる子供だって出てきます。
オリンピックに出場した選手がガチガチに緊張する、それに値するくらいのものだと思いますし、いよいよだと感じさせる雰囲気があるのだと思います。
行ってみて初めて感じられる。
しかし、お試し受験、つまり受かってもまったく行く気のない学校をあくまでも「試し」で受けたはずが、不合格になって、子供が自信を失ってしまった。
いよいよ本番を迎えるという時期に、勉強が進まない・・・
そういうことだって多々あります。
だから、受験校の決定は、本当によくよく考えて決めなくちゃ、イイ方向に向かうならいいのですが、とんでもないことにもなりかねないわけです。
さて、その受験校を決める際に参考にするのが、模試の結果。これはみんなそうでしょう。
夏休み以降、毎月いくつもの模試が実施されます。「合格可能性○○%」なんて判定がでるテストです(^_^)受験生にとって一番気になるテストですよね。
ジュジュさんの場合、
合不合模試や首都圏模試などでも、志望校にほど遠い結果が出ていてなかなか難しいところです
なかなか厳しい状況とのこと(>_<)
ただ、たとえ厳しい状況であっても、ここで諦めるわけにはいきません。だって、その学校に合格したくて今まで頑張ってきたわけですから。
そこで、登場するのが過去に実際に出題された問題「過去問」です。市販の過去問題集には、その年の合格最低点などが記載されています。
志望校別の判定テストなんかですと実際の入試に出題された問題を意識した問題が出題されます。でも、受験生全員が受ける模試なんかですといわゆる一般的な問われ方がされる問題が出題される。
もちろん入試は学校により出題傾向は異なりますし、記述が多いといった学校もある。出題の形式が学校により特徴があります。
そこで考えることになる。
いくら一般的な問われ方をする模試ができたとしても、過去問ができなくちゃ意味がない。
こうなるわけです(^_^)確かにその通りではあるんです。
ジュジュさんの場合、
今、通っている塾で、志望校の過去問をやり始めているのですが、合格平均点以上を取れているようで、本人は、気をよくしています。
そうでしょう、それはやっぱり気分はいいものです。そうなるように仕向けていくことを親カツ講座なんかではやっていますし。
なにより、子供たちにとって過去問の出来不出来は、一番気になるもの。自信にもなるし、自信喪失にもなる。
その過去問で合格ラインを突破してるわけですから、「これならいける!」なんて自信を持つのは当然のことです。
では受験校をどう考えるべきか?
親からすれば、過去問ができるのはうれしいことですが、ではなぜ通常の模試で点数が取れないのか?
当然ながら、引っかかることでしょう。
こういう問題はお子さんを目の前にしていないのでどうしても一般的な言いかたになりますが、それでもあえてハッキリと申し上げると、模試の点が取れない、判定が悪いのに、過去問はできるといった状況は要注意。
模試は取れるけど、過去問になると合格ラインに達しない。これなら、まだいいのです。
一定の力はある。ならば、あとは、受験校の傾向と対策の問題に絞られてきますから、ある意味では最後のステップとなるわけです。受験校の過去問を見て、対策をやっていく。
しかし、模試が取れない。過去問は取れる。
これはなんとも心配です。例えば、模試より受験校の過去問の方が簡単な問題が出題されている、そうであるならば、「模試が取れない。過去問は取れる。」はあり得る。
しかし、そうであっても、受験校の合否判定は「ほど遠い結果」には、あまりならないでしょう。
心配なのは、模試の会場で緊張のあまり点を落としてないか?ということです。中学受験の12月の最後の模試なんて、受験に近いピリピリした雰囲気で実施されます。その雰囲気にのまれ普段の自分の力を発揮できないとなると心配です。
というのも、緊張を克服するのは難しく、言葉のアドバイスなど効き目は見込めません。
緊張の克服は、実績しかないとストロングは思っています。そうなると時間も必要となりますので、受験の直前では対策は難しいかもしれません。
いずれにせよ、
模試では、なぜ取れない?
過去問では、なぜ取れる?
この2点をハッキリさせること。
塾で過去問をどうやっているのかわかりませんが、その2点については塾の先生の見解をまず聞くことでしょう。そこから話が始まるからです。
ここでは、「過去問がなぜ取れる?」、つまり予想以上に点が取れるケースを紹介しておきます。特に、模試は全然だけど、過去問が取れる事例の場合、知っておいてほしい点です。
1つめは、リラックスした状態で過去問を解いた。塾で一斉に時間を計り、過去問を解く場合などは心配ないのですが、自宅などで緊張感なしで解いたら、ちゃんと解けた!なんて場合のこと。
できなかったらヤバイとかいう緊張感もなく解いた場合、また、時間も計らずに解いた場合、意外とちゃんと解けた!なんてことが起こります(◎_◎)
もちろん、これはまったく意味ありません!
解けた本人は自信を持つでしょうが、実際の入試では通用しません。この場合の過去問の出来は、信憑性に欠けるため参考にすべきではないでしょう。
2つめは、問題を見たことがある。
???でしょうか? 実は、このケースは意外と多いので特に注意が必要です。
例えば、塾のテキストに載っている問題は、いろいろな入試問題が使われたりしています。なかには、△△中学校□□年度と書いてあることもありますが、そう書いていない問題だって多々あります。
つまり、まったく同じ問題を以前解いたことがあるのです。
そう、過去問で目にする前に!!
もちろん、過去問全問でないにしてもです。それでも、大問5問中1問でも「あれっ、これ知ってる!」という問題があれば、時間配分に余裕ができます。時間的な余裕もですが、精神的にゆとりを持てる。これってすごく大きいのです。
過去問を何回もやったら、合格ライン取れるようになった!
これはいくら喜んでも、実際の入試では通用しないのと同じことです。時間配分を身体に馴染ませるという意味での繰り返しならば、やる意味もわかりますけどね。
しかし、そうでないのに、繰り返しやってできたとしても、今年の受ける入試には通用はしないことはおわかりでしょう。
だから、出来る限り、入試に近い雰囲気で、緊張感を持って、同じ難易度の問題を解いた上での出来でないと良い悪いの判断はできないのです。
ここまでの話を聞いて、ジュジュさん自身が思い当たる部分があれば、それをもとにこれからのことをお決めになればいいと思います。
ストロングがこの親技を駆使しようとうする方にぜひ言いたいのは、自分の目で確かめたもの以外は信じてはいけないということなのです。
「過去問ができた」といっても、自分の目の前で確かめたものでないなら、信用してはいけないということです。
問題をどのように解いていくのかをそばで見ながら、果たしてこの学校に出題される問題の傾向や形式はわが子にとって有利だろうかと考えていただきたいのです。
受験に詳しくないという声が聞こえてきそうです。詳しくなくてもよろしい。大人の目から見て、どうなのかを見てほしいのです。
あのですね、ストロングは、受験に対してめちゃくちゃ弱気です。
もう、「お前どうした!?」っていうくらい。
だって、かわいい生徒たちです。子供たちに危ない橋は渡せたいくない(^_^)
だから、
これなら大丈夫だろうか?
いや、これならどう?
よし大丈夫!こうなっても大丈夫!
と入試直前まで、ああでもない、こうでもないを繰り返して受験に備えていきます。それがあって、そこに勝算があるからこそ、初めて強気に臨めるのです。
「お前が負けるはずがないだろう!」と送り出せる。
どういう状況で、どんな場所で、どういう精神状態で、このテスト、過去問を解いたのか?
模試が取れなくて、過去問が取れる要因は何か?
こうしたことはこれからすべてが心配事になる。そして、今なら手を打てる可能性もある。
しかし、1ヶ月後は間に合わないかもしれません。受験校の決定、本当に身も凍るような気持ちになります。
しかし、決定するにあたって、親の側に材料がなければ、ただ子供の気持ちに従って決めるしかなくなるでしょう。
子供は割と強気です。結果が出るまでは。
結果が出て、初めて子供は考える。
「子供の意志を尊重した方がよろしいのでしょうか?」
お子さんが受験するんです。子供の意志は尊重しなければなりません。でも、それって全部お任せということにはならないのではないでしょうか?
子供の意志を尊重したが、受験の結果が思うように出なくて、子供から「どうして○○を受験するなって言ってくれなかったの?」なんて言われる事例も多々あります。
親が受験校を決定しろというんじゃないんです。子供の意思を尊重するが、その意思を尊重する前に、これだけの客観的な材料があるよと。最悪の場合は、こうなるよと。
最悪の話をしても、子供は全然最悪の事態をイメージできない場合がほとんどです。
でも、起こりうる。お試し受験で行く気のない学校だって、ダメだったら、相当落ち込む子供はいるんです。
ぜひ、親の前で過去問を解かせてみてください。模試と過去問と両方やらせたらいいです。
そのとき、どちらが本当の実力かが少しは見えてくると思いますから。少しでも見えれば、決定する前に、意思を尊重する前に、悔いのないように話し合うことはできる。
多くは受験の結果ではなくて、もっとちゃんと話し合っていればよかったと後悔するのですから。