朝日新聞デジタル 2013年9月24日(火)

比叡山・千日回峰行を2度 大阿闍梨の酒井さん死去

比叡山の千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)を2度達成した天台宗大阿闍梨(だいあじゃり)の酒井雄哉(さかい・ゆうさい、さいは右上から下へのはらいがなし)さんが23日午後、心不全で大津市坂本本町の飯室不動堂長寿院で死去した。87歳だった。通夜は26日午後6時、葬儀は27日午後0時30分から大津市坂本6の1の17の生源寺で。喪主は弟子の藤波源信(げんしん)さん。

大阪市生まれ。旧制中学卒業後、慶応義塾商業学校に入ったが、熊本県の予科練に入隊。鹿児島県の鹿屋飛行場で特攻隊員として終戦を迎えた。戦後、事業の度重なる失敗や妻の自殺などを経て1965年に得度し、比叡山へ。

峰々を千日にわたって巡拝する千日回峰行を始め、80年に満行。この時の様子はNHK特集で放送され、反響を呼んだ。半年後に2度目の行に入り87年、60歳の高齢で達成した。記録の残る織田信長の比叡山焼き打ち後、2度の回峰行を達成したのは3人しかいない。

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2007年10月20日の週刊親技より

先週13日、天台宗の荒行「千日回峰行」に挑んでいる星野圓道さん(32)が比叡山の無動寺谷・明王堂で、「堂入り」の行に入ったそうです。

堂入りとは、千日回峰行で最大の難関とされ、断食、断水、不眠、不臥で9日間こもるそうで、生死をかけて挑むことから「生き葬式」とも呼ばれるとか。

断食、断水、不眠、不臥で9日間こもるとどんなふうになるのか?

天台宗千日回峰行者 酒井師が説く「一日が一生」

二日目で脱水状態。唇にひびが入り、鼻で呼吸しなきゃなんない状態にまで追い込まれる。

四日目で体に死斑が出てくる。腐った魚のような体臭が漂うんです。

五日目にのどの痰(たん)を切るため、うがい水が出されますが、もし器に戻した水が減っていたら、そこで「行」じゃなくなる。

お堂の中は一人だけだから、たとえ飲んでも誰も見ていません。しかし、自分と仏さまだけは知っています。

六日目には幻覚を見ました。山の中を歩く自分が見える。きれいなお花が見える。体は一日一日衰弱してどうしようもない。

「もう、このまま極楽往生できたら楽なのと違うかな」と思っていると、もう一人の自分が「この行を支えてくれた人にどう報いるのか」「自分が苦しいからと言って、死ぬのか」と引き留めるのです。

ズルしないんですね、最後まで・・・

ズルしまくりのボクも反省です(≧◇≦)

回峰行で何が分かったのか、と聞かれます。

「一日一生だということです」と答えます。
わらじをはいて一日歩き回ると破れてしまうけど、新しくすれば明日は出直せる。

きょうの自分はきょうでおしまい。「一日一生」。きょう生きることがいかに大切か。

受験生よ!今日のわらじを履いて行け!

そして、親の方には伴走し、1日履いてボロボロになったわらじをよーーく目を凝らしてみてやって、称えてやってください。

だって受験生は明日も歩かなくちゃならないんですから!