小4 へんねしさん

相談したいテーマは

「のんびりのわが子を社会適合品に矯正するには?」

です。

子供はのんびりマイペース、勉強もスポーツも好きですが、自分に甘いです。

私が子供を自分のペースに巻き込んだせいか、指示待ちの子になってしまい、このことで主人がカリカリきています。

この3ヶ月主人が息子の勉強を見ており、その中で、

・「常にレベル10を目指し集中して100%覚える力」

・「一生で今日しかこの単元を勉強できない!と危機感を持ってマスターする力」

・「問題発見・問題解決力」

・「つめる力」

・「本気でやることと適当でよいことを見分ける力」

・「時間管理力」

以上のことをマスターすれば、

毎月5%ずつ地べたを這うように成長するのではなく、毎月15%(y=aXの2乗)成長する人間になれるし、そうでないと生き残れない。

つまり、社会人として必要なことを覚えろ!と覚えの悪い息子にイライラし始め、とうとう

「おれがこれだけいいことを言ってるのにお前が吸収する気もないわ、どうでもいいという態度取るわ、『頭が飽和する』とか言うなら、一人でやれ!」

「お前のように『~になりたいなあ』ばかりで、その方法を考えない、貪欲さもない奴はホームレスかヒッキーくらいだよ」

「お前は『レベル10』の世界から降りた負け犬!何かあるとすぐ降りたがる奴に未来はない」

「お前らは世界の連中相手に仕事しないといけないのに、おまえはレベル6くらいでいいや、と負けてる!」

最後は

「俺と違って貪欲さも学習力もない、お前のせいや。そもそも奴はお前(私)似やし、あれが限界かな、勉強はできるやろうが、社会人として先は見えたわ」

と私をなじります。

主人は大学(ストロング注※某私立有名大学です)まで一切親や塾に頼らず、クラブもやりつつ自分だけで勉強してきた人間です。

並外れた問題解決力でしょぼい大学から技術職として何度も成功をあげ、管理職まで叩き上げ、年収も手ごたえがあり、強烈な自負心があるようです。

対する私は旧制高校から国立薬学部まですすーっと行ったものの、典型的な「勉強しかできない人」で、給料もキャリアも主人にかなわず、仕事のことを言われると勝てません。

私が「早く勉強終わらせて家事をしたい」と子供にヒントを教えたり、失敗させる機会を悉く潰してきたので自業自得ですが。

これまで夫婦で散々世の中のこと(私立校は金儲けが一番の仕事等)や経済の仕組み(銀行は晴れた所に傘貸して雨のトコから傘取り上げる等)を懇々と教えてきたのですが、「所詮世の中、血を吐く思いで頑張らないとダメ!」というのがピンと来ないようです。

こんなボケた息子を社会適合品に出来るでしょうか!?

私は子供に

「勉強は誰でも出来て、なおかつ一番効率のよい技術。ただし、その勉強すら努力しようとしない奴は、社会から(怠け者)と思われて、高い給料貰えないよ」

と言ってるのですが・・・・

今回の相談は多分に親の価値観に関するテーマを含んでいるのでなかなかやっかいな相談ですな。

それぞれ持っている価値観に良い悪いをストロングが判定する筋合いもないですし、言う資格もありません。

ただ、何か言えば、結局「価値観」にケチをつけたような感じになりそうで、ストロングとしては、はなはだ心苦しく「やっかいだな」と思うわけです。

でも、興味深い「お題」でもあるし、いっちょう書いてみるかと思いながらも、やっぱりやめようか・・・なんて思ったり。

あらかじめ最初に断っておきますが、へんねしさんのご家庭の価値観、方針をとやかく言うつもりはないことをご了承下さいませ。

さて、小4のお子さんは、のんびり屋さんでマイペースな性格とのこと。

きっとある程度勉強もできるんでしょう。その上、勉強もスポーツも好きでバランスもよいが・・・

親は、

自分に甘い

ことが気になっているそうです。

思わず「そりゃ、みんなそうよ!」とツッコミを入れた方もいるでしょうが、へんねしさんにとっては問題なようです。

ただ、社会適合品に出来るでしょうか!?って「品」じゃないでしょうし・・・

親の強烈な価値観があるのはイイんです。価値観も問わない。ただ、見たワケじゃないけれど、ストロングから言わせれば、「ハナクソ程度」の子供への働きかけをちょびしたくらいで、

負け犬だ!
先は見えたわ!
未来はない!

とけなして、意味もなく子供を打ちのめして、挙げ句に「社会人として必要なことを覚えろ!」と小4の子供にわめく人というのは、どうなんでしょうか?

ストロングから言わせれば、

こんなボケた親が子供を社会適合品に出来るでしょうか!?と思うわけです。

ごめんなさいね、失礼な発言をして・・・でも、考えてみてほしいんです。

会社だって、新入社員に根気よく付き合いもしないで、

バカだ!アホだ!
おまえは学校でなにを勉強してきたんだ!
親の顔が見てみたい!
おまえに給料なんか払わないぞ!

なんて言っていれば、社員が自覚して目覚め、グングン伸びて、言われた上司に感謝して、会社に貢献するような社会人に育つんでしょうか?

クソミソに言われて奮起して、今に見ておれ!となる人もいます、確かに。

でも、一方で、そんな言われ方をするとグシャッてつぶれてしまう人もいるんです。

大人だってそうなら、子供だってそうでしょう。そこはレベルが高い教える側、育てる側が気をつけるのであって、レベルの低い子供にレベルの高い方に合わせなさいというのは、どう考えてもヘンなわけです。

育てる側は、

・相手の気質を見極めた上で、

・誰に対しても同じ手法でない接し方、言葉の投げかけをし

・相手の反応を見て

・なだめたり、すかしたり、おだてたり、けなしたりしながら

「社会に適合できる」ように育てるんでしょう。

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優れた育成者というのは、相手によって対応を変えられる人とも言えます。根底に流れる価値観はいつだって同じでイイ。誰に対しても同じであってイイ。

しかし、その価値観の伝え方は、伝わらなければ意味がないと考えるなら、出し方や見せ方は相手によって変幻自在でなくてはなりません。

難しいんです、変幻自在が。

それを勉強で言えば、たとえば「親技」ということであれこれメルマガなんかで考えてみているわけです。

「受験前になって頑張っても遅いんやで。早めに準備しておかなければ!」
たったこれだけのことを伝えるのに、世の中の親は気も狂わんばかりにあれこれ試し、お金を使い、時間も費やしているのです。

それを1回言ったらわかれよ!このクソガキが!で終われるなら、人間の親なんかサルでも、鰯でも、貝でも、つまり、誰でもできるじゃないですか。

どうでしょうか?

繰り返します。

価値観がどうこうではなく、伝える手段をあれこれ試して根気よくできる人が優れた育成者なのです。

ご主人は社会に出て、そういうことを習わなかったのかな?

そういう意味で、ホント勝手な言い分で申し訳ないけど、ご主人は企業人としては立派かもしれないけれど、親として未熟だし、ブーです。

レベルの低い所まで自在に降りてこられるのが本当にレベルが高いということですから。

・「常にレベル10を目指し集中して100%覚える力」

・「一生で今日しかこの単元を勉強できない!と危機感を持ってマスターする力」

・「問題発見・問題解決力」

・「つめる力」

・「本気でやることと適当でよいことを見分ける力」

・「時間管理力」

以上のことをマスターすれば・・・・

ストロングはどれも全然マスターしていません。

だからダメなんだ・・・・と言われればそれまでですし、お前は「世界の連中を相手に仕事」もしていないと言われれば、そうなんですが・・・

でも、上記の点をマスターしているのはたとえば、スポーツの世界ではイチローくらいじゃないですか?

小4のガキに「イチローと同じ思考と精度でやれ!」そんなことでイチローが量産できるなら、金魚でもできます。

たとえば仮にイチロー自身が自分の子供を育てるとしても、イチロー自身の考えや行動をすっかり子供に植え付けるのは、かなり難しいし、ほぼ無理なのです。

なぜなら、「親と子」は絶対的に育つ環境が違うからです。

ご主人が育った環境はわかりませんが、

主人は一切親や塾に頼らず、クラブもやりつつ自分だけで勉強してきた人間です。

並外れた問題解決力で技術職として何度も成功をあげ、管理職まで叩き上げ、年収も手ごたえがあり・・・・

と、のし上がってきた。

その結果手に入れた「手応えのある年収」でおそらくご主人が育った環境よりも恵まれた環境で子供を育てているのではないでしょうか?

ハイ、もうここで親とは決定的に違うんです。あまり物もあふれていなかった時代に育った親となにを捨てても気づかないくらいに物があふれている子供。

同じ話を聞いて、同じように刺激を受けたり、感激したりするわけがない。

だから、たとえば、代々続くお金持ちは、この家を末永く子々孫々まで続けていきたい、いや、必ず続けると考え、実践しているお金持ちの家では子供に贅沢なんてさせません。

なぜなら、「今の贅沢ができる環境」を維持するためには、贅沢な環境で育ててお金の価値がわからないバカにしてはいけないからです。

それじゃあ、代々続く家が維持できないからです。だから、お金があろうが、物が世の中にあふれていようが、厳しい環境を子供にあえて与えて育てる。

当然です。それが将来贅沢ができる環境を整える準備なんですから。

そういう家にはノウハウがあって、代々子供にはこういう環境で育てよ!なんていうのがある。お金があるからといって、ガキの頃からお金の価値観を知らせずに使い放題使って大きくなって、その家が代々続くと言うことはないです。

ここに本当に難しい矛盾したテーマがあるわけです。

売り家と唐様で書く三代目

という言葉があります。

そう、

ご承知のように

これは三代目ともなると創業時の苦労など知るよしもなく、ぜいたくに慣れて商売をおろそかにし、やがて家業が傾き家屋敷まで売りに出さなければならなくなる、という意味。

唐様とは中国風の文字ということで、文字までしゃれていることからも、ぜいたくに慣れ商売をおろそかにしていたことをうかがわせる言葉。

昔から3代「立派に続く」のは難しい・・・

ご主人は自らの力で「・・・以上のことをマスター」したとすれば、またそうすることが世の中で生き残るために必要であると認識しているなら、自分と同じような環境で我が子を厳しく育てているのか?

いや、そうしたかったけど、嫁が「そうしなかった」とご主人は言っているようです。

「俺と違って貪欲さも学習力もない、お前のせいや。そもそも奴はお前(私)似やし、あれが限界かな、勉強はできるやろうが、社会人として先は見えたわ」と私をなじります。

とありますから。

しかし、それはへんねしさんにとっては、「想像外」の話。

当然だと思います(^_^)

どんな少年時代を過ごしてきたかなんて細かいことはわかりませんし、ましてやタイプが全然異なるへんねしさんにとっては想像しようにもできないのではないでしょうか。

では、どうしたらいいのか?

そりゃあ、わかってる人に担当してもらう。

もし「わが子をご主人のようになって欲しいと願う」なら、お父さんが担当するのが一番です。なんといっても、ご主人は、「問題発見・問題解決力」があり、「つめる力」もあって、実力でのし上がってきた人ですから。

10歳のガキなんてチョロいハズ・・・・ですが。

そもそも問題になっている「自分に甘い」なんてことは、今始まったことではありません。子供からすれば「急に今になって言われてもなあ・・・」のはず。

生まれて10年も経って、いきなり

「お前は『レベル10』の世界から降りた負け犬!何かあるとすぐ降りたがる奴に未来はない」

ですからね(>_<)

子供も「おいおい、いきなりかい!」と思っているのではないでしょうか。そして、そのことに「今頃」気づいたお父さんの責任は重いですな。今の子供がイイか悪いかは別にして、それはお母さんだけの責任ではない。これ、すごく重要です。

子供のことで問題が起きれば、それは両親の責任ととらえて取り組むべきです。

「おまえが甘やかしているから」というのは、「甘やかしている母親」をそのままにしていた父親の責任でもあるのですから。

まずは夫婦で話し合い、お父さんと子供の時間を増やすこと。

できますか?

拒否したら言ってあげてください。「何かあるとすぐ諦める奴に未来はない」と。

言えないんでしょうが、言っていることとはすぐに自分に跳ね返ってくるということでもあります。お父さんと子供の時間を増やすのは、勉強の時間に限ったことではありません。一緒に時間を共有することで、お父さんの言わんとすることを肌で感じるためにです。

早くしないと、もう10歳ですから。

へんねしさんは、あくまでも母親の立場で何をすべきかを考えることです。子供への接し方であれば、参考にすべきはお姑さんでしょうね。

今の自分と何が違うかを確認できれば、今後のヒントになりますから。まあこれからいろいろと取り組んでいくしかない・・・・

エッヘン、時間がかかりますよ!!

ご主人は投げて出すなら、へんねしさんにお鉢が回ってくるわけですが、1つお願いがあります。

それは

子供を全否定することだけは止めてください!

ということ。子供がつぶれちゃいますから(>_<)

つぶれるよりも何よりも「生きる力」を年を経るごとに失っていきますから。

まあ、子供は育てたように育ちますから、子供を全否定するということは自身のことを全否定するのと同じことになってしまいますし。

今まで頑張ってきて成果を出してきたことについては認めてやることです。

「お父さんより、スゴイやん!」

これがないと、子供は伸びませんから。

ご主人の考えに賛同するにはいいとして、子供を成長させるためにはポジションを考えねばなりません。ああだこうだと言うのがお父さんの役割なら、お母さんは子供の側で一緒に聞く役割でいいのです。

一緒になって両親が言ってたら、子供は行き詰ってしまいますから。

まあ、ストロングからすれば、「お母さん似」で

子供はのんびりマイペース、勉強もスポーツも好き

なら、十分じゃないかと思いますけれどねえ。

あとは「甘さ」ですが、「子供の甘さ」はすなわち「親の甘さ」なのです。

与える環境と親のチェックを厳しくし、そばで付き合える人がいれば、付き合う人とほぼ同等の「甘さ」に仕上がります。

心してかかられよ!