中2 さわこさん
メルマガをいつも楽しみに拝見しております。今日は中2の子供について相談させてください。
(省略)子供の勉強をみるといつも喧嘩になっていたのが原因で、喧嘩して家で勉強を見るくらいなら外で働いてそのお金で塾や個別指導に行ってもらいたい、そう思って、中2になった春からパートで働いています。
結構なお金を個別指導に払って半年になりますが、喧嘩しながらも家で私が勉強を見ていた頃よりも成績が下がってきています。
先生にも何回も相談に行ったのですが、やはり家でやらせていた頃よりも塾のほうが楽なんだと思います。その結果が成績低下。
やっぱり親が見るべきですか?
見ると決意するには、相当な覚悟がいりそうで、それくらいなら、外で働いていたほうが精神的にはよほど楽なのですが。
プライベートな内容が多く含まれていましたので、その部分はカットさせていただきました。
勉強を見るとバトルになることから一緒に勉強することを断念し、個別指導に通いはじめたとのこと。
というより、お子さんとの勉強に疲れた・・・という感じですかね。なので、思い切って塾に入れてみた。
ただ半年経った今も、成果なし。それどころか、成績が下がってきたそうです(>_<)
さわこさんからすれば、個別指導に通わせるために仕事もはじめて、「成果なし」なんて冗談じゃありません。
「私の苦労は、いったいなんだったの!?」ってね(>_<)
気持ちはごもっともですが、○| ̄|_ではないでしょうか?
えっ、わからない!?
「下手こいた~」ですよ(^_^)
やはり、親が勉強を見るべきだったか?
いいえ、そうではありません。
勉強するたびにバトルになるようでは、必ず壁にぶち当たり、そのまま続けても永続的な成績アップは期待できません。
だから、外部の力に頼る。それはイイと思うのです。
ストロングが「下手こいた」と思ったのは、「外部の力の頼り方」にあります。
さわこさんのように自分が勉強を見るよりは、働いてでも、子供を外に出し、外部の力を借りて成績を何とかしたいと考えている親は最近は非常に多くなっていると思います。それなら働かずになんとか工夫して親が見てやるべきじゃないかというご意見をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
ただストロングは、それについてとやかく言う立場にはなく、それぞれのご家庭が考えや事情を踏まえて結論を出したらイイと思っています。
なので、ここからは外部の力をどのように頼るべきかについて一緒に考えていきましょう。
これは勉強だけではないのですが、勉強において考えておくべき基本は、
良いことは継続して、悪いことは改善する
至極当たり前でガッカリされるかもしれません。また、机上の空論と思われるかもしれませんが、外部の力に頼るときだって同じように考えてみることです。
具体的に考えてみましょう。
親が勉強を見ていたときの方が、成績は良かった
さわこさんからいただいたメールに書かれてあるこの事実から、親が勉強を見ていたときの「良い面」「悪い面」を考えてみます。
さわこさんは言いました。
やはり家でやらせていた頃よりも塾のほうが楽なんだと思います
なるほど。
「ここまでは絶対にやる!」と決めたことをいくら時間がかかろうとも実行させる強引さが、さわこさんには、あったのかもしれませんね。
子供からすれば、「もう勘弁してよ~」なんですが、しっかりと量をこなすことは、成績を上げるために必要なことです。
ただ、それが親の欲張りで、あれもこれもとなってしまう。
こうなったら、子供にとっては苦痛になる。
「やるべきことをキッチリやらせる」と「欲張ってあれもこれも」この綱引き。
その綱引きが綱引きにならず、「欲張ってあれもこれもキッチリやらせる!」となったから、子供とのバトルが耐えなかったのかもしれませんね。
何が言いたいかというと、
「厳しさ」と「楽しさ」のバランス
が大切だということなんです。
わかってるって!?
さわこさんがお子さんの勉強をいつ頃から見ていたのかはわかりませんが、「厳しさ」だけで押し進めてきたとすれば、やはり中学生になって、その反動がきたのかもしれません。
小学生の頃なら、親の「力技」で押さえ込めるかもしれませんが、中学生になれば、それができなくなった・・・
いつも言うことですが、今はできるけど、2年後はできそうにないということをやるのはオススメできません。
だからこそ、常に今うまくいっていることも、この先できるのか?という自問自答が親に必要なのです。
「厳しさ」だけになっていないか?と。
欲張った上で、さらにあれもこれもキッチリこなしてこなかったかと。
決めたことは実行させる「厳しさ」があったとしても、「楽しさ」が欠けていたのでは続けていくことはできません。
さわこさんの場合、このバランスが悪かったのではと、ストロングは思うのです。
さて、次に個別指導に通いはじめて、成績が下がった理由について考えてみましょう。
もうお分かりだと思いますが、「厳しさ」と「楽しさ」のバランスからいえば、今通う個別指導には「厳しさ」が欠けているのではないでしょうか。
嫌がらず通っているわけですから、塾に行くのは楽しいようです。
非常に、マズイ状態です(>_<)
なぜなら、厳しさの欠けた楽しいだけの塾なんて、何年通っても成績は上がらないからです。
指導力のある先生なら、厳しい勉強さえも子供たちには楽しく感じることがあります。
一見、「楽しさ」だけで「厳しさ」はないように見えるのですが、さわこさんのお子さんの場合は、明らかにこのケースにはあてはまりません。
そうだとしたら、成績は伸びますから(◎_◎)
そうなると、成績を上げるためには、厳しさが必要ということがわかった。
ても、今の個別指導で、厳しさを求めることができるのだろうか?というのが、次の問題になってきます。
先生にも何回も相談に行ったとありますので、きっと厳しさを求めたのでしょう。
しかし、様子に変化なし・・・
となれば、考えられる作戦としては、先生を変更してもらうことを検討すべきでしょう。
個別指導の場合、塾長といわれる教室の責任者が1人いる場合が多く、あとの先生はバイトの大学生だったりします。
今の塾がそうかどうかわかりませんが、今教えてもらってるのがバイトの先生なら、塾長に相談して先生を変えてもらうのです。
気まずいのであれば、今の先生の来ない曜日に変更するなんて方法もあるでしょう。
もし、これまでも塾長に相談していたのであれば、残念ながら今の塾で問題が改善される見込みは少ないように思います。
そうであれば、勉強方法について再度考える必要があります。
そもそも、個別指導が合っているのかどうかを含めてです。
近年、個別指導が人気ありますが、成績を上げるという点から考えると、個別指導の利用の仕方はとても難しいとストロングは思っています。
親からすると、個別に勉強を教えてもらえるからイイと思っているようですが・・・
というのも、個別指導の場合、先生が1人に対して生徒2~4人というのが、一般的。
一対一となると、授業料もドカーーンと上がってしまいますからね。
90分授業で考えてみると、1人あたりに教えてもらえる時間を計算すると
1対2だと、1人45分
1対3だと、1人30分
1対4だと、1人23分と単純計算でこうなります。
実際、「個別指導90分」ではなく、「個別指導45分」とか「個別指導30分」となるわけです。
この限られた時間により多くを習おうと思えば、なにをしないといけないか?
そうです!!あらかじめわからない問題を準備しておく必要があります。
「先生、この問題がわかりません!」ってな具合に。
そうしないと「教えてもらえる時間」をロスしてしまう。
さらに個別指導で気をつけないといけないのは、「この問題がわかりません!」と生徒が言ってから、先生が「え~と、この問題は・・・」と問題を読むところから始まるでしょう?
ロスですなあ、やっぱり。
「個別指導90分」なのに、1対2ならば、実際は「個別指導45分」になって、最善の用意をして行っても、先生が問題を読むところからのスタートになるわけです。
あああーーー、「45分が侵される!!」ってなもんです。
ストロングは実際に、個別指導の講師を経験したことがあるのでよくわかるのですが、学年も教科もバラバラで交互に、またはそれぞれに問題を見ては解説していくのは、大変なんです。
なんといっても、効率が悪い!!!
いったい正味何分の説明を受けられ、教えてもらえるのかをよくよく考えてみてほしいのです。
特に、さわこさんは、塾に行き始めて成績が下がっているわけですから。
しかも、説明を受けている時間以外は、演習の時間となります。
同じく90分授業で考えたら、
1対2だと、説明45分・演習45分
1対3だと、説明30分・演習60分
1対4だと、説明23分・演習67分となるわけです。
さわこさんのお子さんの個別指導が何対何かはわかりませんが、わからない問題の説明をあまり受けずに、演習の時間はたっぷりあるなんてことになっていなければいいのですが・・・
しかも、先生は他の生徒に説明してるため、演習してる様子は見てくれません。
これは教えてもらって、あとは自分でなんとかできるといった勉強を管理できる子でないと難しいわけです。
さ、さ、さらにストロングも結構目撃しましたが、個別指導の先生が授業中にその日の授業の報告シートを書いている場合もあったりします。
先生が
今日やった単元は○○
テキストの34ページ
確認テストは80点
今日の態度&達成度は?なんてのをチョロチョロ授業中に書いているとすれば・・・・
そうです!!全員問題演習!!しちゃってる。
本当に、個別指導が子供に合っているか?
再度、検討してみることです。
一斉授業の塾の場合、先生による一方的な説明ではありますが、時間内はみっちりと説明を受けることになります。
もちろん、その場だけで理解して、演習することは無理なわけだから、残りは家庭学習で勉強することになるわけです。
塾の授業は、楽しい。
そして、与えられた宿題をしっかりこなすために、家庭学習では厳しい勉強に取り組む。
そうすることで、成績を上げることだってできるわけですから。
いや、家庭ではもうしたくない・・・
となれば、「楽しさ」と「厳しさ」両方を提供してくれる塾、個別指導や家庭教師を探さないと成績は下がり続けてしまう。
精一杯働いてお金を稼いで終わっていては、厳しいです。
精一杯働いてお金を稼いだ上で、「楽しさ」と「厳しさ」両方を提供してくれるところを探す。
全面的に外部に頼るなら、そこまでして、任せて、初めて成績云々の話になるわけです。
えっ、それじゃあ全面的に外部に任せるのは結構大変じゃないって!?
そうです、大変なんです。
ただ任せるのではなく、成果を求めて任せるというのは。
ましてや「楽しさ」と「厳しさ」両方を同じ場所で、又は同じ人間が提供できるということは、少ない。
貴重な場所であり、人材ですからね。だから、高額になるわけですけどね。
改めて考えてみてほしいのです。
「厳しさ」と「楽しさ」のバランスについて
そこを考えてはじめて、成績不振の打開策がみつかるというものです。
ああ、勉強における「楽しさ」ってゲラゲラ笑う「楽しさ」ではないですよ。腹を抱えて笑う「楽しさ」でもないです。
「わかったっーーー!」とか「できたぁーーー」とか「なるほどーーー」とかの達成感がある「楽しさ」ですから。
ギャグとか気の利いたおもしろ話で笑える「楽しさ」は勉強に向かわせる導入の力にはなり得るけれど、最終的な成績アップにはつながらないのでお気をつけください。