もう十分わかっているとは思いますが、それでもあえて読んでほしい。何度でも読んで、自分の言葉で子供にキッチリ伝えてほしい。

親がわかっているだけではダメ、子供に伝わっていないと・・・

すでに入試が始まり、受験シーズンに突入です。

でも、受験には「合格」もあれば、「不合格」もある。高倍率の学校であれば、当然「不合格」だってたくさんいる。

ストロングも、これまで多くの受験生を見てきました。「合格」する生徒も見てきましたが、「不合格」となる生徒も、そのときの親の涙も、いっぱい見てきました。

せつないですよね。皆、合格させてやりたいけれど、そうはいかない現実があります。

「この世の春を謳歌する子供」と「この世の終わりではないかというくらい深刻な顔の子供」。

なんだか勝ち組と負け組に分けられたような気分がするものです。

でも、ストロングが見てきたのは、それだけではありません。その生徒たちが、その後どのような道をたどるかについても、たくさん見てきたんですね。

受験生全員が、「合格」を目指します。

なぜなら、合格を勝ち取れば、

ますます明るい未来がある!

と確信しているからです。

苦しい受験生活をくぐりぬけ、志望校合格という最高の達成感を味わったことで、子供は、更に成長していくだろうと親は信じる。

そして、同時に「不合格」となることへの心配として、

不合格であれば、お先真っ暗!

今までやってきたことは、なんだったのか・・・と心配するわけです。

そんな現状を見て、思うのは、受験の結果が出たときこそがターニングポイントになるということ。

つまり、受験の結果自体が問題になるのではなく、結果が出たあとの親の認識と態度こそが、今後、良い影響をもたらすか、悪い影響をもたらすかを決めるということです。

これは、ウキウキ気分を戒めるためでも、気やすめでも、慰めでもない、これまで見てきた厳然たる事実です。

結果が出たあとに進む道は「ますます明るい未来がある!」と「不合格であれば、お先真っ暗!」の2者択一ではない。

では、受験後の子供たちは、どんな道をたどるのか?

当然ですが、この4つのいずれかです。親技者ならソラでいえるはずだ!

1)合格に気をよくして、その後も成長する

2)合格で油断して、その後の成長が止まる

3)不合格して、その後の成長も止まる

4)不合格した、その後に成長する

先ほどいった「合格すれば、ますます明るい未来がある!」は、1)の「合格に気をよくして、その後も成長する」ですね。

そして、「不合格であれば、お先真っ暗!」は、3)です。

でも、どうしても、知っておいてほしいのは、それ以外に2つの道、2)と4)があることです。

2)合格で油断して、その後の成長が止まる

4)不合格した、その後に成長する

合格した子供でも、不合格になった子供でも、それぞれ別の道があるというわけです。子供は、先のことなんて考えませんから、目の前の結果発表で一杯一杯です。

そのときに、親が1)と3)以外にも、道があることを示してやらないといけないし、2)や3)にならないように、フォローしてやらないといけません。

だって、まだまだ最終ゴールのテープをきったわけではないのですから。

受験は、合否の出る一大イベントですが、現時点でのあくまで通過点。

確かに、親のみなさんが心配している通り、3)の「不合格して、その後の成長も止まる」というのは、そうなることが多いのは事実です。

理由は、1)の「合格に気をよくして、その後も成長する」を信じている分、不合格だった場合、すべてを諦めてしまうからです。

親子両方の場合と親子のどちらかの場合の二通りありますが、いずれも、結果から自らを全否定してしまうことが原因です

子供はイジけてしまい、親はそんな子供に輪をかけたように絶望しているんですね。そうなれば、当然、成長は止まる。

なかには、子供以上に落胆して、子供に慰められる親もいる。親がこの世の終わりのような顔をして、落ち込んでいて、どうして、子供が「コンチクショー!」と思えるでしょう?

「ぼくは、もう終わりなんだ!」と無言のうちに言っているようなモンです。

一方、親のみなさんが大いに期待しているけど、往々にして、ハズレることがあるのが、1)です。

例えば、トップクラスを常にキープしていた「秀才君」なんて呼ばれている生徒が、超難関中学にこれまたトップクラスで合格した。

普通でいけば、その後トップをキープし、さらにレベルアップが期待できるのだろうけど、その秀才君は学年が上がるにつれて「タダの人」になってしまった。

つまり、期待していた1)でなく、2)合格で油断して、その後の成長が止まるになってしまうわけです。これは、上位の連中ほど、その傾向がある。

まあ、盆と正月が来た後に、気を抜いてしまうんですね。親も、あれだけ頑張って合格したんだから、しばらくは、好きにさせようなんて思うわけです。

合格したということは、それだけレベルが高い場所に行ったわけですから、今まで以上に頑張らないと、すぐに置いてけぼりを食っちゃうんですね。

それ以外に、多いのは「受験まで頑張れば、あとは好きにしていいのよ!」なんて、子供を受験に走らすために、いい加減な劇薬を子供に飲ませている!

劇薬は、よく効きますから、合格後は、子供は、それを真に受けて、すっかり勉強しなくなったりする事例も多い。

まあ、いずれにしても、合格後に、ドツボにはまって、成長がピタリと止まるわけです。

では、なぜ、こんなことになるのか?

それは、子供達の習性である楽なほうに流されるが原因。

2)合格で油断して、その後の成長が止まる

3)不合格して、その後の成長も止まる

この2)と3)に陥るのは、いずれも、同じ理由です。

合格すれば、楽をしたがる。不合格だったら、その状況に甘んじていれば、そんなにガンバル必要がなくなる。その方が子供は楽なわけです。(>_<)

子供は、習性に従っているだけですが、問題なのは、それに気付かない親がいること。

親までが勝負に勝った!なんて喜んだり、負けた!なんてガッカリしている。

諦めちゃあいけない!気を緩めちゃあいけない!いつも子供に言っているでしょう?

いずれの結果にしても、親は、道が2つあることをきちんと認識して、子供に示さねばなりません。

「人生万事塞翁が馬」というじゃないですか。

決着は、これからつきます!

この春のできごとが、「奢れる者久しからず。唯、春の夢の如し」とならないことを祈ります。