受験生には、これから今までにない負荷がかかります。合否という結果も待ち受けています。今の勉強に不安も出てくるでしょう。
そのとき、さまざまな形で心の奥底から感情がほとばしります。
この子、どうしちゃったんだろう?と思うこともきっと出てくることでしょう。
それくらいプレッシャーもかかる。親が熱心に関わっていれば、その思いにもなんとか応えたいとも子供は思う。
そのプレッシャーという重荷に耐えかねたとき、心の奥底から感情がほとばしる。
それは当然起こるものとして考えておき、それをどう受け止め、どう前に向いて進めていくかが親の腕の見せ所です。
負荷がかかれば、問題が出て当たり前。当たり前だということを頭に入れて親は準備しておくことです。
これから受験生は、初めての未知のゾーンに突入する!問題を受け止め、それを乗り越えたとき、子供はまた1つ大人になっていくことでしょう。
中3 ヘレンさん
この夏休み中は、子どもと私達との関係の問題点も浮かび上がってきました。
高2の姉と、小5の弟がいる中3の次女は、自分で、親に愛されてないと思っているようです。
これは他のこどもと自分を比較している訳ですが、「私は可愛がってもらってない」と言っています。「もっと褒めて貰いたい。」とも言います。
子供が部活の部長職を頑張っている事、などなど本人に分るように時間を取って話しました。次女の性格はとても単純ですので、褒めると納得して安心するのか落ち着きます。
このようなことまでストロングにお話するべきかは、どうかとも思うのですが・・・。
親カツ講座で日々トライ&エラーに励んでおられるヘレンさんからいただいた報告の一部です。
今回のヘレンさんのお話は、塾などのいわゆる「勉強をする場」でも、実際によく起きることなのです。
他の子供と自分を比較する
これって、子供たちの得意技というか習性です(>_<)
塾なんかでも
先生はKさんにばっかり甘いと思う~!
なんて女生徒が数名でよくやってきたものです。これは、学年が上がるにつれて激しくなる。特に、女の子ですね。
とはいっても、男の子だってその傾向はあります。しかも、言ってくる子供は、普段から質問を受けたりして、コミュニケーションも十分取れている生徒だったりしますから、別段不満があるようには思えません。
だから、悪ふざけのようなものだと、軽くあしらっていると、相手にされないからか、いつしか真剣になっていくんですなあ(◎_◎)
これ、実に面倒くさい。
なにをいまさら・・・大事に思い、かわいいと思っているに違いないのだから。
あったりまえに思っていることをちゃんと確認したいと言われると、すごく面倒の思うんですな。
いったい、ここで何を学ぶべきでしょう?
まず、言えることは、そういう子供たちは心から本気で「私は可愛がってもらってない」「もっと褒めて貰いたい」と思っているということです。
これは、実際に可愛がっているとかいないとかが問題ではなく、子供がどう思っているかが問題なのです。
では、こんなときどうすればよいのか?
そりゃあ、
お前のことがかわいいよ
他の子と比べて可愛いがられていないと思っている子供に対して、一番効くのはこの言葉です。
でも、塾の先生だったら、ほかにも生徒がいるわけで、家なら兄弟がいれば、この子だけに「お前のことだけ」なんて言いにくい。
なのに、子供は「自分だけ」を求めてくる。親は、公平さを重んじようとする。
親は「兄弟みんなのことがかわいいよ」が本音でしょう。しかし、子供はこれでは満足してくれません。それで、ついつい「いいかげんにしなさい!」なんてキレてしまう。
これって、男女の仲でもありますでしょう。「愛してる?ちゃんと言ってくれないとイヤ!」とかね。日に何度も電話で確認する人もいたりしてね。
こういうことを機に別れたくなったりして・・・。それくらいあったりまえと思っている人には面倒くさいものです。
しかし、親子は別れるわけにはいきません。
さて、どうすべきなのか?
いいかげんにしなさい!と思っても、やっぱり「みんな」ではなく
お前のことがかわいいよ
とハッキリ、明確に、一部のスキもなく言うべきです。
その上で、
こうした発言が出るってことは自信を失っているときか、先のことを不安に思っているときにあえて確認したくなるってことも知っておくべきでしょう。
だから「お前のことがかわいいよ」っていうだけじゃ、問題は解決しない。
失われた自信や不安が解消されない限り、ずっと確認してくるから。
だから、「お前のことがかわいいよ」って言ってやった上で、満足させて、ガンガン勉強も頑張らせないといけない。
もっと褒めて欲しいと言うなら、褒めてやったらイイ。その代り、褒めるには材料がいる。
褒められる事態でないのに無理して褒めるのは、子供を余計に不安に駆りたてるから、褒める材料をちゃんと見つけるなり、褒めてやりたくなるように頑張らせて、子供が示した事実で褒める。
2回目は正答率が上がったとか2個しか覚えられなかったものが5つ覚えられた、解くスピードが速くなった、示してやる事実はいくらでも作れるから、安心する言葉を言った上で頑張らせて成果を出してその事実を褒める。
このサイクルに向かっていかないと、いつまでも「私はかわいがってもらっていない」とか「褒めてくれない」とか同じ場所をグルグルまわって嘆き、さらにこの症状が進めば、子供にとって「勉強をしない」理由にもなり得る。
頑張らない口実として「可愛がられてない!」なんて言うようになるから。
だから、安心させたら、頑張らせるのがセットです。
もし、みなさんが子供から求められたら、思いっきり抱きしめて言ってやりましょう!
お前のことがかわいいよ
って。そして、その分ガンガン勉強させましょう!
夏休みはライバルの姿かたちが見えにくくなるから、「あいつ頑張ってるんじゃないか」って妄想も膨らみがちです。
でもそれは決して妄想ではなく、ライバルたちは頑張ってる!
実際は、勉強を頑張った差が夏休み以降に出るわけだけれど、頑張っていない子供は「かわいがってもらっていない」のが理由と転嫁して平然と言う場合だってある。
ここでは受験生によく「受験に臨む態度を親子で一致させるよりも、1点を積み上げる努力のほうが易しい」と言っているわけですが、存在確認や愛されているかどうか確認は、成果という自信と受験に対する勉強の不安解消であっさり吹き飛ぶ可能性も高い。
うまくいっているものは自信に満ち溢れ、うまくいっていないものが不安に駆られる。不安に駆られれば、言葉で確認したいと思うようにもなる。
でも、これから先、うまくいっているものも不安に駆られる要素が出てくるかもしれない。アホかって思ってた「愛しているよ確認」をしてもらいたいって気持ちにも大いになりうる。
今、うまくいっているものは、そうなることもありうるって準備が親にも必要でしょう。
今、うまくいっていないものは、「愛しているよ確認」をしつつ、昨日より今日できるようになっている成果がどうしてもいる。うわべで褒めるのではなく、実際に褒めてもイイと親が思える事実を作ってやらないといけない。
ただただその繰り返しです。成果のない勉強が続けば、「愛しているよ確認」は永遠に続きますから。