小2 Kさん
もっとはやくにこのHPを知っていればと思いつつ毎回じっくりと読ませていただいております。
質問ですが、現在小2の子がおります。
この子に、親の知っている、いわゆる簡便法でのとき方を教えたいのですが、自分なりに考えた(こちらからすると手間ばかりかかってケアレスミスばかり増えそうな解き方)に固執してしまうのです。
例えば「5×8-5×3=」
の問題では、当然5×(8-3)と考えて解かせたいのですが、40-15=25としかやれません。
少し強引に新しい解き方でといえば、覚束ないながらもできます。
が、自分で考えた解き方に何も言わなければ次からは、すぐに戻ります。
問題数が多くなり、タイムでも計らなければ早く解こうとも思ってはくれないのでしょうか?
自分なりに考えて解くことは、大事なことだとは思うので
「よく考えられたねぇ。すごいねぇ。」
とほめています。
でも、自分の解き方だけに固執していたら、受験勉強に入りましたらあの凄い量を(上に受験を経験した兄弟がいます)こなせないと思いますし、その度にバトルになりそうで先が思いやられています。
ほかの意見を子供に気持ちよく(もちろん私も)聞けるようにするにはどうしたら良いでしょう?
今回の相談は、子供のそばで勉強を見ている家庭で日常茶飯事なできごとではないでしょうか?
親としては、この解き方をススメたい。
でも子供自身は今までのやり方にこだわり、新しいやり方を取り入れようとしない。
「もう、なんでなん!?」とイライラするものです。
以前にもお話しましたが、子供たちは、勉強については、変化を好みません。
親は、この習性を知っておくべきです。
自分の子に限らず、みんなそうなんだということです(^_^)
その上で、どうすれば親の薦めに耳を傾け、行動に移すようになるかを考えるようにしましょう。
例えば
「5×8-5×3=」
についてですが、
「5×(8-3)=」
と解かせたいわけですが、「40-15=25」と解いてしまうわが子になんと言葉掛けすべきでしょうか?
ストロングなら、じっと我慢することをおススメします
「5×(8-3)=」とできるようになるまで我慢をすべきか!?
いえ、そうではありません。
「5×(8-3)=」とさせることを我慢すべきということです。
あくまで、「5×8-5×3=」に限っての話ですけど。
少し話をまとめますと、勉強について変化を好みない子供たちに対して無理に変化を求めることは得策ではないということです。
今回のまとめて計算する解き方は、入試レベルの問題になってくると絶対に身に着けておくべきテクニックの1つであることに違いありません。
ただですね、「5×8-5×3=」のレベルでは子供にとってはあまりメリットが感じられないんですね。
おそらく子供の言い分としては、わざわざそんな難しいやり方やって、何の意味があるの!?でしょうから。
目の前のことだけで判断する子供と、少し先のことがわかっている親。
この違いが、親子の衝突を招くわけです(>_<)
であれば、「親が譲れるものは譲るべきだ」とストロングは思います。
大切なのは、何を譲り、何は譲らないという選択だと思います。
問題の解き方については、「ある基準」を超えたときだけアドバイスをすればいいのです。
そのある基準とは、子供が困ったときです。
子供が困ったときこそ、解決策として「おススメの解き方」を提示してやればイイ。
「5×8-5×3=」という問題において、
「5×8-5×3=40-15=25」と解く今のやり方、
ここでは特に子供は困っていません。
困っていない状況で、違うやり方を薦められても嫌なわけです。
だから親としては、
せっかく良いやり方があるのにもったいない!
と思うでしょうが、そこはグッと我慢する。
えっ、そんなことできないって!?
ハハハ、なかなか強情な方だなあ(^_^)
そんな強情な親の方にお薦めなのが、
子供が困る問題を探す
という親技です。
たとえば、
「5×8-5×3+5×1-5×2-5×4」
といった問題を長くする問題や
「121×13-3×121」
といった数字を大きくするといった問題ができる。
現在小2ということですから、問題も作れる範囲が限られます。
もう少し学年が上がれば、
「3.14×30.7+9.3×3.14=」
なんていうのもできる。
小数や円周率なんかが出てくると、1つ1つ計算するのはバカらしくもなり、まとめにやっていてはミスも出てくる。
つまり、今までの解き方でやると「複雑だし、時間がかかる」。
新しい解き方でやるのと「簡単に、すぐできる」。
そうなれば、子供たちも親がおススメする解き方をやるようになる。
子供によっても個人差はありますが、基本的に親のススメる解き方をやりたがらない子供には、極力やり方を変えさせる必要はないと思います。
たとえ時間がかかるやり方をやっていようと、自由にさせてやる。
その上で、「そのやり方をするために、テストで時間が足らなくなってしまう」といった事態になったときに「解決するためのやり方」を提示してやる。
ここでの
何を譲り、何は譲らないという選択は、
問題の解き方については、譲るべきなのです。
では、何を譲るべきではないのか?
それは
勉強に対する姿勢です。
背筋を伸ばして椅子に座ることだけではありません。
字を丁寧に書く。途中の計算も省略しない。時間を計るという動作も可能ならできるようにしたらいい。
小学校低学年のうちに、姿勢に対してだけは口やかましく指摘し、徹底させる。その分、解き方は自由にさせる。
勉強の姿勢は学年が上がってからではなかなか直らない。でも、問題の解き方、やり方は変えられる可能性は十分ありますから。
あとは子供が「困った」時、これを見逃さず、タイミングよく、手を差し伸べてやる。
この時差し伸べられる手は救世主の手。
今、差し伸べられる手は「面倒でウザイ手」ってところでしょうか。
なんでもそうですが、親のしてほしいことを今すぐその場でなんとかしたいと考えるのではなく、メリハリを意識することです。
今悩んでいることも1年後だったらさっさと片付くこともたくさんあります。
悩むのは自由だけど、「今すべき」ことを放置して先にやればいいことを悩むのは親にとっても子にとっても不幸なことですから。
がんばってください!