受験ニュース

学習塾の動向

昨年来の塾の業界の再編の動きについては、メルマガやブログで何度か取り上げました。ストロングの視点から記事をつなぎ合わせて、今の塾の大きな流れはどうなっていくんだろうかを考えてみたわけです。

で、中には私には関係ない・・・・と思った方もいたと思うのです。

いや、記事で出てきた塾名に縁のない方は、関係ねえ!と思ったはずです。

それはそれでいい。そこは受け止め方の問題ですから。また、ストロングが指し示す方向が間違っているかもしれないし(≧◇≦)

ただ、先日ストロングにまさに「関係ない!」と思っていた方から実は「すごく関係があった!」というメールが届いたのでした...(◎_◎)

ちょっと具体的にここでは書けないのですが、概略はこうです。

通っていた塾が突然大手の塾に吸収合併されたと報道された。

通っている塾はそこそこの規模で、生徒もある程度いたので、まさかと思った。信じられなかったけど、それでも信じた、せめて我が子が在籍している期間はそのまま続けてほしいと・・・

しかし、通知はある日、書面でパッと来て、変わりますと。新年度に合わせての書面での通知。

やはり現実か・・・

その方の場合は、通う場所も変わる、テキストは変わる、先生も変わる。おまけに勉強の進め方も全然違う。

フォローしますと言ってくれているが、今まで通っていたテキスト、塾の勉強のやり方、先生でよかったのだと。現状に何の不満もなかったし、子供も喜んで通っていた。

先生がゴソッと変わって、子供はまた1からすべてを構築していかないといけない。

いよいよ受験学年だというのに・・・ヒドイじゃないかと。

転塾か? 残るべきか? あの先生はどこに行くのか?.....etc

 とまあ、大まかこういうメールでした。

つまり、もう皆さんのところにも、いつこの塾業界の再編の余波が来るかもわからないということなのです。

山一証券がつぶれたときも、都市銀がつぶれたときも、みんな、まさかと思ったのです。

上記のメールは関係ない方が聞けば、大変ねで終わってしまう話ですが、これから受験学年という子供を抱えていたら、ある種のパニックにもなり得る話です。

勉強の負荷だけでも大変なのに、さらに・・・ですからね。

そういうときは、疑心暗鬼の上にヘンな噂も出たりして、もう大混乱になってしまうわけです。

そういう意味でも、きちっと今起こっていることは最低ラインで抑えておいてくださいねということです。

もちろん、知識があったとしても、それを避けることができるわけではない。

ですが、現状を知っていれば、手の打ち方は違ってくるのでは?とストロングは思うわけです。考えることも違う。そもそもどこに属そうかと考える際には、ちゃんとこのあたりのことをインプットして判断することもできるかもしれない。

塾業界にも、そうした世間の波が普通に押し寄せてる。

というわけで、今回、新しい報道もいくつかあったので、それらを付け加えて、総まとめで再度書いてみたいと思います。

前回、昨年10月のメルマガでは、記事を並べつつ、大きく

1、子供の少子化が進む

 ↓

 2、子供の囲い込みが進む

 ↓

 3、そのために、塾は総合塾又は小中高連合塾へ

 ↓

 4、でも、そうなると先生の確保が大変

 ↓

5、映像配信授業への移行加速

という流れで記事を紹介しつつ、ストロングは書きました。

昨年10月から、ストロングの見方に大きな変化はありません。

なので、基本ラインはほぼ同じです。

今回書いたら、大きな動きがない限り、もうしばらくは触れることもないと思います。

さて、しばらくおさらいしますが、皆さんがよく知っていることは、淡々と事実だけ並べていきます。

いきますよ!!

まず、少子化について。

よくご存知かと思うので、3つだけ例を挙げておきます。

東京都の都立高校は、

平成14年 全日制高校203校、定時制高校101校

平成23年 全日制高校180校、定時制55校

ガンガン減っています。

神奈川県の公立高校は、

平成11年   166校

平成21年計画 136校から141校

高校の見直しは現状よりも遅れ気味であることをインプット。

また、日本私立学校振興・共済事業団によると、

1996年度の定員割れは全国419校のうち16校(4%)

2006年度は550校中222校(40%)で過去最高このうち、06年度の入学者が定員の70%未満は62大学

戦慄の数字ですなあ・・・・・私立中高も似たような地鳴りがしています。

そのインパクトを頭に入れて、しばらく前に報道されたZ会と市進の業務提携の発表がありました。

それは、2008年02月26日のことでした。

 →プレスリリース

全国紙に大きく報道されましたので、皆さん知っているでしょう。

市進は関東の塾ですが、売上は約200億で上場している塾の中ではNo2かNo3の規模。大手ですね。

Z会も売上は200億ちょいですから、塾業界の規模で考えればいずれも大手と考えてもいいでしょう。

その大手同士の2社が業務資本提携を行った。

なにゆえ??

プレスリリースの「業務資本提携の内容」の中で、ストロングが注目したのは、

(3)インターネットを活用した教育サービスの提供や、社会人など新規顧客の獲得を目指した新規サービスなど、新規事業の共同開発をおこなってまいります。

これでした。

最初に書いた流れからも、最終的には「5、映像配信授業への移行が加速」する、そう、ストロングは思っているので(それも急速にです)、今回の業務提携のキーワードは、

インターネットを活用した教育サービス

この部分がキモだろうとストロングは考えています。

その話に行く前に、Z会は、すでに

学究社の大学受験部門ののうち、御茶ノ水、渋谷、横浜、京都、西宮の5校舎で、2008年3月1日以降、Z会が経営権を引き継ぎ、「Z会ena」の名称で教室運営を行う

と発表しています。

また、同じ通信添削のベネッセ(進研ゼミ)も東京個別指導学院にお茶の水ゼミナールや鉄緑会を子会社化し、実店舗の運営に乗り出しています。

通信添削の両雄は、これらの事象に対して、こうコメントしています。

2008年2月26日 読売新聞

ベネッセは幼児から高校生まで通信教育の会員数が400万人近いが、近年は頭打ち傾向。

ベネッセの成島由美・対面教育事業本部長は「家庭での個別指導を目指してきたが、子供が求めるものは通信だけでは限界がある」と打ち明ける。・・・Z会の藤原敏晃・高校事業部長は、「個人情報保護法の施行でダイレクトメールの発送が難しくなった。我々も教育の『場』に出て行き、ブランドイメージの浸透を図る必要がある」

と。

会員数400万人の巨人ベネッセ怪獣と会員数26万人のZ会が塾業界に殴りこみ。

ベネッセとZ会は、それぞれ

「通信だけでは限界がある」「我々も教育の場に出ていく」

と言っているわけです。

なぜ出ていく?今の場所に今の状態で居続ければ、ジリ貧になっちゃうから。

Z会は提携や一部買収ですが、巨人ベネッセ怪獣は提携なんぞせずにがぶ飲みで即買収、子会社化。もうどうにも止まらない!by 山本リンダですよ!

それは会社の規模や戦略の違いでしょう。

そこでさっきのキーワード「インターネットを活用した教育サービスの提供」の話です。

中学受験・高校受験の親技(ストロング宮迫)

中学受験、高校受験を目指す方へ

学校でも、塾でも教えてくれない「勉強の常識」があります。できる子の親だけが知っている「常識」を大きな声で、こっそりあなただけに教えます。中学受験、高校受験をめざす親の方が対象です。中学ならいいですが、高校だと遅すぎ!

パソコン用メールアドレス、または携帯・スマホ用メールアドレスを登録ください ※解除は1クリックでできます

PCアドレス
携帯アドレス

まずはこの記事を読んでください。

2008年2月27日 読売新聞

東京・吉祥寺に本部のある予備校「東進ハイスクール」の教室で今月8日、私立中学受験指導の老舗「四谷大塚」(本社・東京)の算数講師、蛭田栄治さんが授業を始めた。

ただ、目の前に受講生はいない。

東進を運営する「ナガセ」が今月から始めた小学生向け教育サービス「四谷大塚NET」で、会員家庭にインターネット配信する授業の撮影だった。

四谷大塚で人気講師の一人である蛭田さんにとって、講師12年目で初の授業撮影。綿密な台本を作り、小学5、6年生の基礎コース向けの、水量の変化を表したグラフや濃度に関する問題を淡々と解説した。「子供の反応が分からなくてやりづらかったが、目線を想像するようにしました」

地域でこれまで小中学生を対象にしていた塾で、高校生になると塾生を手放していた塾がせっかく抱えていた塾生の中学生を手放すのはもったいない!と思う。

また、高校生主体の塾だったが、早めに小中学生から取り込みたい!と思う。

これが塾の総合塾化、デパート化を加速させている。これは皆さんもよくわかっていらっしゃる。

中学受験の専門塾なんかも、もう小学1年生から!なんて昨今では当たり前のクラス編成になっています。

こうしてその塾単体で総合化を目指す場合もあれば、塾同士の連携で総合化を目指す所もある。

これは以前すでに詳しく書きました。

さあ、総合塾になるためには、

人材が必要! 看板講師はほしい!

岐阜新聞に最近こんな記事が載りました。

2008年 3月15日(土)岐阜新聞

学習塾、岐阜地域に一極集中 多い児童生徒数に照準

県内屈指の商業地域であり、岐阜市の玄関口となる名鉄岐阜駅周辺で、学習塾が相次いで進出している。大通りに面したオフィスビル群の中に、次々と姿を現す大手学習塾のビル。

名鉄岐阜駅から北上すると、すぐに志門塾岐阜本部が目に入る。県内最大手の東海プロセスサービス(大垣市)が2005年に開校した。100メートル先には東証一部上場の秀英予備校(静岡市)岐阜本部と、能開ゼミを展開するティエラコム(神戸市)の東進衛星予備校岐阜金宝町校が向かい合う。大手学習塾が商業・金融街の一角に食い込み、存在感を示している。

塾銀座ですなあ・・・

続けて岐阜新聞では、

ただ、岐阜地域への一極集中は、業界に講師の確保という課題ももたらした。

採用の売り手市場で優秀な人材の獲得が困難な中、各社は、塾生OBの学生アルバイトを雇ったり、研修専門部署を置いたりと腐心する。

「塾は人的パワーによるサービス業。いかに優れた講師をそろえるかが、塾全体の将来を左右する」と臼田専務。

◆塾は人的パワーによるサービス業◆いかに優れた講師をそろえるかが、塾全体の将来を左右する

確かにそうなんです。

だからタイガー山中もかつては全国歩いて、イイのを探しては、オリャーと一本釣りをやって、採りまくっていた。

塾志望の人間を採るんじゃないですよ! 完全に違う業界を志望している意識の高い連中を吊りあげ、じゃなかった、釣りあげるんです。 

大間のマグロ漁師並みに...(◎_◎)

そりゃあ、もう大変なんです。職種も勤務地も全然違う人生の方向転換をさせるんですから!

殺し文句は、

「キミの人生、それなチッポケなものでいいの?」(≧◇≦)

とか言ってね。

騙され?た新卒&中途採用者の一部は、実動15時間勤務の炎のストロング部隊に配属される!

なかなか好青年なんだな、これが。

「キミ、山中に騙されたんじゃないの?」とストロング。

「い、い、いいえ、決してそんなことはないのですが、あのとき 焼肉食べながら、お酒飲んで、その人生で満足か?って言われ て・・・・」

「ようこそ我が炎のストロング部隊へ!我が部隊は補習に休日出 勤等々、人生のすべてを生徒に捧げる部隊である。合言葉は、 家庭を顧みるな!だ。睡眠以外は、部隊長と行動を共にするよ うに!」なんて言われて・・・

校舎に週3回は泊っていた精鋭もおりました、ハイ! 

でも、もうそういう時代ではなくなっていているのではないか?努力しても、集められない・・時代になってきたんじゃないか?

みんなが総合塾で人材不足なんですから。

どこかがイイのを取れば、どこかは取れない。

教育すればいいじゃないかという意見もあるでしょう。

でも、育てるには時間がかかる。育てる前にタイムオーバー!?

そう、もう時代の流れのほうが育てる流れよりも早くなっているような気がします。

そこで、映像配信、インターネット配信の授業が非常に注目され、おそらくこれから時間をかけて主流になっていくとストロングは考えています。

2007年4月25日 NIKKEI NET

市進、映像で4000講座 予備校や進学塾が高校生向けの事業を相次ぎ拡大している。市進は録画した授業を生徒が好きな時間に受講できる映像配信授業を本格的に開始。

東進はもとより市進も映像授業をメインの柱にすべく、今営業をガンガンかけているはずです。

四谷大塚を買収した東進をフランチャイズ展開するナガセは、今月から小学生向け教育サービス「四谷大塚NET」で、会員家庭に授業をインターネット配信するための授業の撮影を開始した。

従来の四谷大塚の学習は、予習→授業→週例テスト→確認という流れを1週間ごとに繰り返す仕組みだった。

NETは、それに加えて、週例テストの結果と解説授業を週末にネットで配信、つまずいた問題を家庭で復習できるようにした。

週ごとの課題を確実にこなしてステップアップさせるのが狙いだ。

また、これまでなかった基礎コースを新設。週例テストの対象も4年まで引き下げた。

 →読売新聞

まだ手始めのようで、内容にもよりますが、これができてくるともう看板講師は一人いればよくなっちゃうんです。究極は。

映像は年を取らない!!永遠に若いまま授業をしてくれる!

イケメンの映像授業なんかは女の子は非常に好みます。

もちろん、映像配信授業を採用する塾が多くなったとしても、生の授業がなくなるわけではありません。

それらも残ってはいく。

ただこれからは遠くの塾にわざわざ暗い通りを子供が通うというリスクを冒さなくなる可能性も高いのです。

近所の塾で映像授業を受けたり、家庭でインターネットを通じて授業を受ける形態の比重は大きくなっていくだろうということです。

その準備段階に塾業界は入ってきたということです。

映像配信のいいところは、わからない所だけをピッと見ることができることです。

そして、繰り返し見ることができる。レベル別の授業も揃う。

映像見たら、確認テストが出てきて、わかったか、定着したかがすぐ確認できる。

確認テストも1種類ではなく、3種類とか5種類あって、いろんな角度から確認できる。

間違った問題はコンピュータにインプットして、しばらくしたらそれらの問題を再びやるように設計がなってる。

こうなると、通信添削も紙ベースのものはどんどん少なくなるかも・・・です。

わからないところはインターネット授業でチェック。

ただ、今高校生で実際、映像授業を見て勉強しているが、成績が上がらないという子供は多いと思うんです。

映像授業、インターネット授業で成績を上げるために絶対に必要なもの、それは、

チューターです! 厳しくも優しいチューター!!

なんの授業を映像で見て、

確認テストはどうだったか? 定着しているのか?レベルは合っているのか?もっと前に返るべきなのか? レベルを上げるべきなのか?

そして、いつまでにこれというカリキュラム&作戦。

これを管理する人間がいります。

これなしでは、いくら便利な映像授業も意味がない。

塾という場に行っても、管理する人間はいるんです。先生以外に。

そのチューターに該当する人間がいれば、成績は上がる!

映像授業よりもやっぱり生の授業の方がいいだろって!?

先生との人間関係があって、信頼があって、生の授業、それがあれば、やっぱりイイ!

そうストロングも思います。

で、で、でもですね、そういう先生が通う塾に全教科いるのか?

「算数・数学はいいんだけど、社会がダメなのよ!」とか「国語はいいけど、理科はダメ!」

なんてことになっていません?

全教科すべての教師に満足していますか?

そういう人は少ないはずです。

生授業はいいけど、通う塾に全部揃っているかどうかは、今の状況を考えれば、よくわかるはず。

生授業がダメと言っているのではないのです。

将来的には、親が教えなくても、イケメンのプロがキッチリ映像授業をやり、わからないとこは繰り返し見て、あとは確認テストをキッチリやって成績アップ!

そういうツールが家庭で手にできる時代が来そうな感じです、早いうちに。

そして、そうなると、塾の先生の大量失業時代も近いうちに来るかも・・です。

今は手を広げてコマとして仕方なく置いているセンセーも突然クビになっちゃう。

Z会と市進の業務資本提携の記事を読んで、思ったことです。

深読みしすぎだって!?

かもね! 

今の子供は完全にゲーム世代です。

大人が思っているよりも映像授業、インターネント授業には、慣れるのも早い。

でも、繰り返しますが、塾でも映像でも、きっちりやらせる管理者はいりますからね。

そこは逃れられないのです!ストロングの関連記事はこちら↓↓↓

→ ブログ「学研もナガセもいっちゃいます!? 」 

 >>受験ニュースの一覧に戻る

 >>塾業界の現状から親は何をすべきか?(2)

このページのトップに戻る