小3 さちさん
周りの同級生は多くの方がすでに塾に通い、受験に向けて走り出しています。
私はそこまではまだ踏ん切りがつかなくて、家で娘と一緒にスケジュールを組んで勉強しています。
今回お聞きしたいのは、塾疲れというのでしょうか?
高校受験の際にはあまり聞かれないと思うのですが、中学受験で聞かれる塾疲れというのは、なにに疲れるのでしょうか。
勉強に疲れるのでしょうか。それともなにか他のものにでしょうか。
それはどうすれば防げることなのでしょうか。
さちさん、ヒジョーに抽象的で答えにくいメールをありがとうございます(≧◇≦)
定義も微妙ながらよく耳にする「塾疲れ」ということば。で、いったいなにに疲れるの?という話ですね。
少しまとまりのないものになるかもしれませんが、話を進めてみましょう。
現在、さちさんは塾に通ってない。自宅でお子さんと計画を立てて勉強を進めているとのこと。きっと、いずれは通塾することも検討されているのでしょう。
さて、いつから行かせようかと?
その際、早くから塾に行くと「子供が疲弊するのではないか?」とか「それは子供に悪い影響を与えるのではないか?」という漠然とした心配があるという感じでしょうかね。
ストロングは「塾に通うということはどういうことなのか?」とか「塾に通うとどうなるの?」を改めて考えることは非常に大事だと思っています。
なぜ大切かというと「塾に通った分だけ成果を出すため!」にです。
この話は中学受験に限った話ではありません。学校の補習で塾に通わせる場合でもそうですし、高校受験のための塾選びだってそうです。
もっといえば、スポーツだって、例えば早くから甲子園を目指してやることはどうなのか?と同じ話ですからね。
ただし、それらを考える際には1つ条件があるんですな(^_^)
それは「子供の様子を知っていること」。これが絶対条件ですよ!
具体的に勉強でいえば、子供が勉強する様子を知っていることとなるでしょう。
子供が勉強する様子をそばで見ていない親には、「今」と「塾に通って」の違いが比較できません。だって基準がないんですから!
よく家では勉強しないから、塾でも行かせとけ!ってなことで塾に通わせる親がいます。それで運よく成績が上がったというのであれば、ストロングからは「良かったですね」と申し上げます。
しかし、いっこうに成績が上がらない・・・・
その場合の大きな原因の1つは、今と通塾してからの違いを親が予測できてないことにあります。もちろん、それ以外にもありますけどね。
塾に頼らず、受験に向けて子供と勉強する時期をもつことは、これからいろいろな判断をする基準となるわけです。いや、その基準を知るためにやっているとも言えます。
例えば、進度について。
家庭で親子で勉強する。でも、きっと塾で習う方が進み方は速いはずなんです。家での勉強は、どうしても子供の理解するスピードに合わせたものになりがちです。すると全然進まない・・・・・・
でも、志望校へ合格するためのカリキュラムをこなすためには、塾のスピードでやる必要がある。
結局は、合格するためには、理解するスピードをつけていくことが課題になるわけです。
難易度についてもそうです。
親が見て「こんな問題、すぐには理解できないと思う」といった基準があれば、そのレベルを除いた問題にまず時間を割くことで、やった問題だけはちゃんと点が取れるようになるわけです。その基準ができるのは、そばで子供の勉強を見て、子供の観察をしてきた親だけが持っているもの。
まあ、中には、そばで座っていても、なにも見ていない方もいますけれどね(≧◇≦)
「子供が勉強する様子を知る」ことの重要性を頭に入れておいてほしいものです。
さて、さちさんからの質問に話を戻しますね!
塾疲れって、何に疲れるの?なんですが、ストロングはこれまでおもしろい光景を見てきました。特に、小学生がそうです。
子供たちって、疲れを見せるのは、親の前だけなのです(^_^)
塾ではメチャクチャ元気です。が、迎えに来た親を見つけると、急に疲れたしぐさをします。後ろ姿を見ると、急に肩を落としたりして・・・
おいおい、急にどうした!?ってね(◎_◎)
これは、子供たちのポーズだということです。「もう、疲れたよ~」とアピールして、勉強したくない光線を放つ。
受験学年に近づく頃には、多くの子供たちがこの演技力をマスターします(^_^)
だから、親は全部を真に受けないことです。半分ぐらいに思っとけばいいぐらいです。
これについては以前も書いたことがありますよね。
まあ、どうしても心配なら、塾の先生にこう聞いてみる「うちの子、塾でも元気ないのでしょうか?」ってね。
「いえいえ、元気ですよ!」なんて返ってくれば、リッパな演技派だということ。
とはいえ、疲れないとは言いませんし、注意しないといけない疲れだってあります。
まず最初は、体力的な疲れですね。通塾に片道1時間なんてなれば、授業を受けて帰るだけでも相当な負担になります。
その次が、学力的な疲れ
塾の授業と自分の学力とにギャップがあればあるほど、頭をフル回転させる必要がありますから、それだけ疲れるわけです。
言葉で説明すると、子供は授業を受けながら「あ~、そういうことね」と頭の中に収めていきます。
それが、難しい問題になると「それって、どういうこと?ん??」と頭を回転させるわけです。
次から次へと「何?何?」となれば疲れるのも当然です。そのためにクラス分けがあるわけですからね。
でも、塾のクラス分けが子供にマッチしていない、塾の都合やなんらかの事情で子供の学力とギャップがありすぎるクラスに在籍したりすると疲れます。
最後は、精神的な疲れです。
この疲れは、注意が必要です。「何?何?」の状態が続くと、ストレスに感じて精神的に疲れてきます。
この精神的な疲れと学力的な疲れの区別は微妙なところなのですが、あえて分けているのは、「学力的な疲れ」というものは、子供が成長していく過程において、少なからず必要なものだからです。
子供にまったく負荷がかからないものを与え続けても、子供は成長しません。やはり今の実力よりも少し上の負荷をかけていくことで成長がある。負荷がかかれば、当然そこには学力的な疲れは出てきます。
少しも学力的な疲れがない!なんてことはない。
ただ、怖いのは、成長することなく学力的な疲れが続くと、「もういやだ!」と拒否反応が起きてくるわけです。
塾で習うレベルは、子供の学力のちょっと上が良いというのも、精神的な疲れが発生する手前という意味があります。家庭で宿題をやらすにしても、量と質の調整を親がしてください!といつも言っているのも、その辺りを考慮してのことです。
また、塾での成績が下がり続けたり、底辺から全然脱却できない場合、また努力しているのに成績が上がらないと感じる場合も、精神的な疲れになります。
さらに塾での友だち付き合いなどによるストレスもあります。特に、小学生の場合は、この「精神的な疲れ」に親が気付いてやる必要があります。
というのも、子供自身では解決することができないからです。
小学生の場合は、クラスを変わったり、転塾を検討したりの解決策は、親主導ですることになりますからね。そして、精神的な疲れを見つけてやれるということは、子供を大いに勇気づけることになるでしょう。
ちなみに、中学生の場合は、どうでしょう?
「体力的な疲れ」については、小学生と比べると体力もついてきます。ただ、中学生の場合は、部活との両立が大きな課題になります。小学生は親だけに「疲れたよ~」とアピールすると言いましたが、中2ぐらいになると塾の先生にもアピールします。
中学生の場合は、「部活で疲れて、勉強できませ~ん」てね(^_^)
次に、学力的な疲れなんですが、無理して精神的にストレスを感じるようであれば、自分から転塾や退塾等の選択肢を主張するようになります。
中学生でいえば、これら2つよりは、友だち関係のトラブルが多くなるでしょう。塾に通ってるから疲れるといった話ではなくなります。
ただ、これら3つの疲れというものを知っているだけではなんにもならないのです。
だから、一番最初に書いたのです!
覚えています??
そう、基準です!
普段の子供が勉強する様子を知っておくこと
我が子の様子を知っていて、初めてこうした知識とか認識が活かせる。
「体力的な疲れ」では、何に疲れやすく、何に強いかを知っておく。そうすれば、疲れたポーズは見抜きやすくなる。
「学力的な疲れ」は、塾から持ち帰る宿題や与えられているレベルと子供の家での様子を照らし合わせれば、気付けることも多くなります。
「精神的な疲れ」は、ほとんどの子供は顔や態度に出ます。我が子の基準を持っているから、判断ができる。
本を読んで、他人の子供の基準を我が子に当てはめていたら、そりゃあ方向違いになりますからね。
それらの基準と日々の判断をしていれば、子供が「ただ逃げているだけ」なのか「限界まできているので一次撤退」すべきなのかが、かなり正確に判断できるようになります。
◆逃げさせずにキッチリ追い込む
◆これ以上やらせると、心が折れて立ち直るのに大変なことになる
この判断は難しいように思われていますが、それは、普段の基準で判断しないから、難しく感じられ、また間違う。
追い込んでやらせていないといけないのに、こんなにやらせてもいいのだろうか?と抜いてしまったり、それは危険な信号なのに、これくらいはとやらせてみたり。
どっかから、誰かからあなたのお子さんの判断基準が与えられるんじゃない!
普段の子供が勉強する様子を知らなければ、受験という子供にとってはきわめて負荷の高い戦いで必ずミスを犯すものです。
子供に勉強を教えるのが親の重要な役目ではなく、我が子を知ることがもっとも重要な親の役目ですから。
ぜひそういう視点で、「体力的な疲れ」「学力的な疲れ」「精神的な疲れ」に分けて、1度チェックしてみてください!