受験ニュース

中学内申点に大きな偏りがある!?

4月16日 asahi.com

ある中学校では理科の内申点に「5」をつけられた生徒が半分近くいるのに、別の中学校では「5」はたった7%――。三重県内の高校入試の合否判定で使われる調査書の内申点のつけ方に中学ごとで大きな偏りがあることが、情報公開された資料からわかった。

県教育委員会は「一部の中学校の間で極端な偏りがあるのは事実で、評価の精度を高めていく必要がある」としている。

朝日新聞が情報公開請求したのは、05年度高校入試の際に中学が提出した「評定分布表」。同表には、「1」〜「5」をつけた人数が科目ごとに記載されている。県内の私立を含む全中学176校のデータを請求した結果、3年の生徒数が80人以上の101中学分(私立5校分含む)が公開された。

同表によると、同年度で3年生に「5」をつけた割合を科目ごとにみた場合、最大で理科で49.5%(県内全公立中学の平均21.5%)、社会で47.8%(同23.4%)、英語で45.3%(同23.2%)の学校がそれぞれあった。一方で、理科で7%、社会で7.6%、英語で7.5%しか「5」をつけない学校もあった。理科では約7倍にもなり、評価基準に差があることがうかがえる。

「甘い」評価をする中学の中には、理科で98%以上の生徒に「3」以上をつけていたところもあった。

●出席で「3」も

三重県は02年度に絶対評価を導入した。絶対評価は、基準さえクリアすれば何人の生徒に「5」や「1」をつけてもいいが、学校ごとに基準が異なると、入試の際に不公平が生じる。

津市内のある中学の数学科教諭(53)は「出席さえすれば『3』をつける中学もあると聞く。学校ごとにこんなバラバラな成績評価を高校側は信じるだろうか」と疑問を隠さない。

文部科学省によると、現在、高校入試の調査書で相対評価を用いているのは、全国で大阪府だけだ。同府教委は「絶対評価では軒並み高い数字が出てしまいがちで、差をつけるという入試の機能が働かないおそれがある」と説明する。

絶対評価のもとで公平性を高めようとする県もある。千葉県では昨年、すべての公立中学の評定分布表を学校名とともに県教委のホームページで公開した。「甘い」評価も一目でわかる。学校に説明責任を果たさせるのが狙いという。

●県教委検討へ

一方、三重県教委は、評定分布表の一般公開には慎重だ。「生徒が特定されたり、現場の先生が成績をつけにくくなったりするデメリットもある」という。だが、「学校ごとに差が出ているのは事実」として、今後、調査書の活用方法や成績の偏りの解消などを検討する会議を立ち上げる方針だ。

■05年度入試の調査書で「5」をつけた割合■

国語社会数学理科英語

最大値39.7%47.8%44%49.5%45.3%

最小値6.3%7.6%7.8%7%7.5%

県平均19.3%23.4%20.8%21.5%23.2%

<最大値と最小値は情報公開された101中学(私立5校含む)の値。県平均は県内全公立171校の平均>

調査書、独自に計算県立高入試で千葉県?

4月16日 asahi.com

千葉県教委は、08年度県立高校入試から、中学校が各県立高校に提出する調査書の点数を、独自の数式で計算し直すことにした。これまで調査書は各中学校が任意の基準で採点し、そのまま入試に反映されてきた。

しかし、採点基準が学校によってまちまちで、「採点の甘い学校と辛い学校があり、不公平感があった」(県教委)という。県教委によると、同様の試みは全国で初めてではないか、という。同時に、国語での聞き取り試験も導入する。

これまで、各中学校は、生徒の3年間の成績を9教科ごとに5段階で採点し、県立高校に調査書として提出。高校側はその点数を入学試験に反映させていた。しかし、各中学校によって採点の基準が違うため、保護者らから「不公平」との声があった。

このため08年度からは、調査書の点数を各高校が計算し直してから試験に反映させる。各中学校の調査書の平均点が、県教委が定めた「標準値」を超えた場合、同中学校の受験生全員の調査書の点数を引き下げる。一方、低かった場合は加点する。

文部科学省は「各都道府県で、調査書の信頼性を高めるための取り組みがなされている。ただ、高校が数式に従って計算し直すというのは珍しい」と話している。

このほか、国語の試験でも聞き取りを導入する。コミュニケーション能力などを見るため。試験の詳細は未定というが、先行している他県では、試験時間は45分中10分程度で、長文の放送があった後、登場人物の気持ちなどを問うものが多いという。

中学受験・高校受験の親技(ストロング宮迫)

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中学受験・高校受験の親技コラム

この記事を読むと、絶対評価における内申点がいかに比較しがたいものかがよくわかります。そして、高校受験における絶対評価の内申点の問題点がだんだんとデータによって裏付けられていっています。

千葉県では絶対評価の内申点の問題点に対しての対応を取ろうとしているのが見てとれます。

結局は、より公平感を持たせる形で絶対評価を運用していくか、それができなければ、中学受験同様に入試での一発勝負へと動いていくことでしょう。

地域のトップ校では、当日の試験によって合否を決めるという流れがますます加速していくのでは?とストロングは思っています。そういう流れの中で、

「公平感を持たせる形で絶対評価を運用」

このフレーズがとても矛盾したものであることにもブチ当たります。

そう、そもそも絶対評価とは公平なもの。

それが受験の合否にかかわってくるために話はややこしくなってくる。教育制度そのものに関心がある方は、「新説受験戦争は解決可能である! 2版」の著書である藤森修一氏の 提言を読むのもいいでしょう。

 → 新説、受験戦争は解決可能である!

ただ来年、再来年に受験を控える方に現行の制度の是非を問うても仕方がありません。今の制度の中で戦わなければならないですから。なら勉強を頑張るしかない!その努力に意味があるのですから!!

 → 藤森修一著「新説受験戦争は解決可能である! 2版

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