「注意のタイミング」
子供は成果があると分かっていれば、必ず言うことを聞きます。
ですから、まず、注意は「成果が上がるもの」でなければいけません。
また、同じ注意をしても、ミスを犯す前とその後では効果が違います。
よって、「成果が上がる注意を最も効果的なタイミングですること」が大切だと言えます。
子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。
さて、ここからはもう少し詳しく「子どもに注意をするときに大切なことは?」というテーマで話を進めていきますね。
今回は、親が子供に注意をする際の「注意のタイミング」について考えみたいと思います。
うちの場合、どうだろう?
なんて考えながら、読み進めてくださいね(^_^)
私のもとには、毎日のように親のみなさんからこういった相談が届きます。
「やる気がなく、ダラダラやる」
「姿勢が悪い」
「途中の式を省略してしまう」
「よくミスをする」
えっ、あてはまるのがありました!?
いずれも、成績が上がるのをジャマするものばかり。
だから、親は子供に注意をする。確かに、それは親の役目。
ただ、相談があるのは、それらを注意しても、
何度言っても、言うことを聞かない!
といったものです。
親は親としての役目を果たしている!ちゃんと見て言っている!
その親の注意に対して、素直に言うことを聞く子供は存在します。
素直とまでいかなくても、嫌々ながらにも聞く子だっています。
一方で、何度注意しても聞かない子供。いや、聞かないだけでなく、ひどく抵抗する子供だっている。
そんなとき、どうしても子供に問題があるように思えてしまう。
実際のところ、子供たちにも性格がありますから、同じ注意をしてもすんなり聞く子もいれば、自分の我を通そうとする子だっています。
いつも言ってますが、子供のせいにしてたのでは解決策は見つかりません。
子供を交換することはできないんですからね(^_^)
まずは、自分(親)を含めた原因を考えてみるべきなのです。
この点は、いいですね!
そこで、1つ考えてほしいことがあります。
それは、「注意のタイミング」です。
注意するタイミングって、考えたことあります?
「やる気がなく、ダラダラやる」「姿勢が悪い」「途中の式を省略してしまう」「よくミスをする」
を注意しても言うことを聞かないという親の方は、どのタイミングで子供に「注意」をしているかを考えてみてください。
とはいっても、きっと「速攻」ですよね(>_<)
事態を目撃した瞬間、「ちょっと、待った~!」ってね。
確かに、注意するタイミングの基本は「その場、その瞬間」です。
お行儀が悪いときなども、その場で注意をして正させるべきでしょう。
それでいうと「姿勢が悪い」なんてときは、すぐに注意するべきなんです。
でもですよ・・・・
その場で注意しても言うことを聞かない場合が続くというなら、「その場、その瞬間」のタイミングで注意するのは、適切ではないということなのです。
子供に限りませんが、注意されるというのは心地良いものではありません。
相手が親だったりすると、甘えてしまいなおのこと素直に正すことができなかったりもするのです。
もちろん、性格もあり個人差はありますし、相手が変わると違ったりもします。
先生などに対しても、最初は注意を「素直」に聞く子でも、慣れてくると「反抗」に変わったりすることがありますから。
あくまで、聞く子なら「その場、その瞬間」で注意すべきですが、聞かないならタイミングを変えてみることが必要ということです。
では、他のタイミングとはどのタイミングか?
それはもう、「する前」か「した後」となります。
「やる気がなく、ダラダラやる」「姿勢が悪い」「途中の式を省略してしまう」「よくミスをする」
さて、前がいいのか?後がいいのか?
私の経験からいくと、
「やる気がなく、ダラダラやる」「姿勢が悪い」「途中の式を省略してしまう」
は、「する前」。
「よくミスをする」
は、「した後」。
ダラダラやっても勉強ははかどりませんから、予め勉強をはじめる前に指摘をしておきます。
姿勢についても、注意をすることで勉強にブレーキがかかることがわかっていれば、これも取り掛かる前に確認しておく。途中の式を省略するのも同じこと。
ミスをした場合についても、指摘することでブレーキがかかるわけですから、まずは止めないこと。
とはいっても、ミスするな!って最初に言っても意味ないですから、問題が終わるまではミスをそのまま見過ごすのです。
時間を計って何問か解いている場合には、全部が終わるまでは止めません。
いかがですか?
注意をするタイミングのポイント、あなたはちゃんとできていますか?
なんだか、子供がいい気分で勉強できるよう、親が子供を気づかってるように思えるかもしれませんが、それはちょっと違います。
予め予想されることは、先に指摘して約束をしておくこと。
そして、ミスを指摘することで、せっかくいいペースでやってるのを中断させないこと。
そのための工夫だって、まだまだ必要になってきます。
いつもダラダラするなら、どうしてもそれについて指摘してバトルになるなら、「これだけ集中して勉強したら今日は終わり」と範囲を提示してやるのもいいでしょう。
複合技ですね。
姿勢を正す、途中の式を省略しないは、スタート前に指きりゲンマ(^_^)
もし、最初に注意し指きりゲンマしたのに、それでも姿勢が悪くなるようであれば、あえて注意するのでなく、「あっ~」と叫んで、「えっ、何か問題でもある?」って気づかせたりしてもいいでしょう。
「あっ~」と叫んで子供に気づかせることができれば、子供からしたら親から注意されたという認識もなく、いい状態で勉強ができたことになる。
ミスしたときだって、解き終わった後に自力で「間違い探し」をする練習をすれば、実際のテストの訓練にもなるわけです。
いや、自分で探さないんです!探せないんです!となれば、間違った問題を親が示して、再度解かせればいい。
間違って書いた解答と正解の解答を見比べて、なにを間違っている かを一緒に確認してもいい。
効果があるよ!といわれたものをやってみて、うまくいかないようなら、それにもう1つのことを加えてやってみる。
これが、「親技」ですぞ!
子供は全部違いますから、たった1つの正解があるわけではないですからね。
ここまで読み進めて、いやあ「ウチの子は、そんな親技は効果ないですわ!複合技でもきっと全然言うこと聞きません!」と思っている方もいるかもしれません。
なので、そういう方に最後に付け加えておきます。
子供が親の言うことを聞くという親子の場合、「勉強の信頼関係」が存在するものです。
たとえば、親がそばについて勉強してきた結果、成績が上がったなどの実績により生まれる信頼関係です。
この「勉強の信頼関係」には、1時間で終わりといったらちゃんと終わっているとかの親の姿勢も関係してきます。
それらが果たして築かれているのかどうか、そこを考えてみてもらいたいのです。
ウザイと思っていても、子供は成果があると分かっていれば、必ず言うことを聞きます。
厳しい親だから、うるさい親だから、言うことを聞くのではなく、成果が上がると実感できるから、言うことを聞く。
ウザイと思われているが、「勉強の信頼関係」はある場合も当然ながらあるのです。
親は、自分が「正しい注意」をしているから、子供は聞いて当然だと思っているわけですが、「正しい」だけでなく、「成果が上がる」注意なのかも、ちょび考えてほしいのです。
千差万別、百人百様な答えがテーマなので、さまざまな意見があると思いますが、「勉強の信頼関係」と「注意のタイミング」、この2点に的を絞って考えてみてください。
子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。