「中3になって成績が急に下がりました」という非常に心配な相談があります。
成績が下がり続けているのは、勉強法が間違っているからです。
定期テストの点は取れても実力テストではさっぱり・・・という場合は、直ちに勉強法を見直すべきです。そもそも「範囲の狭い定期テスト」と「範囲が広い実力テスト」とでは勉強法が違います。
そして、入試問題は、実力テストよりさらに範囲が広く、難易度が高いものですから、その勉強法も実力テストの勉強法の延長線上にあります。
範囲の広いテストの前には、忘れかかった問題を思い出すための「広く浅く」の勉強が効果的です。
親技では、親が協力して成果の上がる勉強法を実践していくメソッドを紹介しています。もちろん、範囲の広い実力テストに対応したものもあります。是非参考にしてみて下さい。
子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。
では、ここからは「中3になって急に成績が下がり、受験にも失敗した」というお子さんを持つ話を聞き、受験を控えるわが子のことを心配するお母さんからのご相談をもとに、定期テストと実力テストの違いとそれぞれの勉強法についてもう少し詳しくお話していきます。
中2 マユさん
お久しぶりです。一年ほど前に見捨てないで~でメールした中2の母です。
最近疑問に思う事があって・・・メールしました。
よく聞く話なのですが、中三の二学期頃に成績がガクン↓と下がると・・・
私の知り合いのお子さん(男)で、平均90点取っていて、5月の面談で、先生から県内トップ校大丈夫!!と太鼓判押されていた子が、10月の面談では、成績が下がっていてこのままじゃ・・・と言う状態だったとか・・・
そこから本人なりに頑張ったらしいけど、成績は上がらず・・・
最初のトップ校から2ランク下げて受験したのですが、成果は実らず、桜散る結果となりました。
お母さん曰く、先生に心配要らない大丈夫。と言われて、本人も安心して、手を抜いたのかな~?でも、勉強してなっかたってことないと思うし・・・なんでだろう???
と言う話を聞いて、じゃあうちのバカたれはどんだけ下がるんだ?と、とても不安になりました。
順位が下がるのは、他の子に抜かされた。皆頑張ってるんだ~っておもうけど、平均点が下がるって・・・いつも平均90点も取れてた子までもが成績下がるっていったいどうなってるんだ??
夏休みの使い方?(ちなみに彼は塾、家庭教師してませんでした)
主人にこの話をしたら、1,2年の復習もあるし、3年の勉強もあるからじゃない~?って言ってたけど、そんな単純な事???と私には不思議でたまりません。
おーい、ストロング!私の???を解決して~
もっと勉強する事しか浮かびません。
知り合いのお子さんが、受験に失敗されたとのこと。
3年の1学期までは成績優秀で、塾の先生からも「大丈夫」と太鼓判を押されていた。しかし、2学期に入り成績が急降下!2ランク下げて受験するも、残念な結果になる。
これ、一番かわいそうです(>_<)
もちろん、親もですけど、子供本人がかわいそう。子供本人にやる気がなく、結果もダメだったというなら、自業自得ともいえるでしょう。でも、本人なりに頑張ったにもかかわらず、成果が出ない。
しかも、かわいそうなのは今だけでなくこれからです(>_<)
ハッキリ言いますが、子供たちは、受験の失敗により自信を大きく失います。それは頑張った子供も頑張らなかった子供も同じ、自信を失う。
でも、その失敗をバネに成長していけば、結果オーライ!
では、失敗をバネにするために必要なものは?
それは「反省」です。
そして、反省によって、
~が足らなかったから失敗しても当然!
こう思えたら、次は「~の部分」を改善することで、1つ成長が見込めます。つまり、失敗をバネにできるわけです。
では、頑張ったのに成果が出なかった子はどうでしょう?
この場合、反省しようにも、不足してたものが思い当たらない。
仮に「もっと勉強すべきだった!」と反省しても、すでにある量は頑張ってきたはずですから、これ以上をやるといっても限界がある。
そうなると、解決策に妙案はなく、「~が足りなかった」という点も見つけにくく、更なる成長は見込めないなんてことになると最悪です。
だって、自信を失った状態で、打つ手もないという感じになると、浮上していくキッカケもヒントもないわけですから。ボクが「かわいそうなのは今だけでなく、これから」といったのはこういう意味です。
さて、今回の話ですが、マユさんもおっしゃるようによくある話です。
ただ勉強をしっかりやっているにもかかわらず、2学期以降に成績が急降下するのは、「勉強のやり方」に問題があるのは間違いないでしょう。
カンタンな例でいえば、学校の定期テストの英語はイイ点数が取れるけど、長文読解は点が取れない!!なんてことは普通に起こりえます。
長文読解なんかは、あらかじめ対策をしていかないと、できないことはハナからわかることです。
数学の計算はできますよ!っていっても、入試問題全体を制限の時間の中で解いたら「違う問題」になりうる。なんでも急いでやるとミスが出るでしょ。
定期テストで奈良時代の個別問題は答えられても、入試問題ではその事項が全体の流れで奈良時代と特定できないといけないわけです。各単元が個別に聞かれていたのが定期テストだけど、入試ではまとめて複合的にも問われる。
いくら習っていたって、全体の流れの中でポツンと聞かれると、難易度レベルは1つも2つも上がるんです。そんなことはわかっている人には常識中の常識でしょう。
受験生は少なくとも
学校の定期テスト→実力テスト→入試
この3つのステージの階段をステップアップしていく必要があるわけです。それなくして、ただ一生懸命だけでは、子供がかわいそうな目に会う。だって結局無策で戦いに臨むことになるんだからね。
とはいえ、平均90点取れてて、先生からも心配無用のお墨付き。この状況で勉強のやり方に問題があるなんて気づくでしょうか?
さて、みなさんは、気づく自信ありますか?
ストロングは、気づくことは必ずできると断言します(^_^)
問題は、誰が気づくか?なんですね。
もちろん、本人では無理ですよ。イイ調子と思っていますからね。やはり、期待するのは「先生」。学校の先生でも、塾の先生でも、家庭教師でも。誰か1人でも「お前の勉強のやり方には問題アリ!」と気づく人がいれば、良かったわけです。
確率論の話でいえば、先生の数が多いほど気づく確率は高くなる。だから、多くの先生に習っていれば有利といえるかもしれない。
今回の話に出てくる先生とは、「学校の先生」と推測されます。そして、テストというのは「定期テスト」ということになります。
5月の定期テストで90点以上とれれば、「県内トップ校は大丈夫」というのは、これまでの経験による先生の見解です。
ここで、注意すべきは、
先生は勉強のやり方までは知らない
ということ。
知らないというか、深くは考えていないと言えばいいか。
なぜなら、勉強をするのは家です。だから、子供が家でどんなことしてるかなんて知るすべはないのです。知ろうとしなければね。
自分の経験はありますよ。でも「どうして英単語覚えられないんだ? やれば覚えられるだろ!」なんて言っている先生も多数で、「覚えられないけどどうする?」「やってもできないけどどうする?」って観点は成績が優秀だった先生ほど皆無になる。
できないことが(自分はできたから)不思議でしょうがない先生だっているんですよ。
あくまでテストの結果、その結果だと、今までの経験ではみんな大丈夫だった。だから、大丈夫ですよとのコメントになる。ウソじゃないでしょう。
そこで、10月のテスト。このテストは、定期テストでなく、実力テスト(いわゆる模試)だったのではないでしょうか?
全然取れていない!
このままじゃあ、「県内トップ校は難しい」と、これまた経験による先生の見解です。ウソじゃない。
ご存知のように定期テストよりも、実力テストの方がより入試に近い問題が出題されます。なので、定期テストができても、実力テストが取れないようであれば合格は厳しいと判断される。
先生はあくまで、そのテストの結果について、経験に基づいたアドバイスをしただけのことなのです。
もし、先生がこれまでに同じような生徒を見てきたら5月の段階で「定期テストはこれでいいけど、今のうちに実力テストの勉強をしっかり取り組めよ」とアドバイスができたかもしれません。
きっと、今年受けもつ生徒には、そうアドバイスするでしょう(>_<)
先生の経験値は上がったからね…(;_;)
夏休みを含めた受験にとって最も大切な5ヶ月間。大丈夫といわれた生徒は、この調子でいいんだと進んでいきます。何の改善も対策もなされぬまま。
そして、直前になって「県内トップ校は難しい」なんてダメだしをくらう。かわいそうでなりません。
もし、そばで勉強を見ていれば、定期テストの勉強のときにはできる問題も、少し時間がたてば忘れている!なんてことも気づいたハズです。
気づくだけじゃダメですよ。気づいたら言わなきゃ。言うだけじゃダメですよ。そのことが伝わらないと言ったことにはならないから。
また、ボクもそうでしたが、教科書の単なる丸暗記勉強をしていれば、範囲の狭い定期テストはイイ点数で乗り切れるけど、実力テストや入試問題では通用しないなんてことがあったかも・・・
今日勉強したことが明日問われるなら「できる」かもしれないけれど、1ヶ月前にやったことや3ヶ月前にやったことがポンと1問だけ聞かれると、やっぱり難しい。
答えたとしても、「ええっと、ええっと・・・」と即答できないこともしばしば。答えるのに時間がかかれば、制限時間がある入試ではあとにあとに響いてくる。時間との戦いについても準備しておかないとダメな理由です。
入試でテストの序盤につまづいてそのままダメダメのままいってしまったのかもしれない。
塾も家庭教師もやっていなかったということですから、もしかしたら、入試演習はそれほどやらずに定期テストの感覚で入試を受けたのかもしれません。
あってはならないことですが・・・・
でも、誰かが、このお子さんを見て、
そんなことでは範囲の広いテストでは点獲れないぞ!
と言ってやれれば、話は違ってきます。そうでなくても、単元によるムラがあったり、教科によるバラつきがあったりする。そばにいる親なら、少なくとも先生たちが見落としている問題だって気づくことはできるハズです。
1回でも2回でも入試演習やっていれば、その異変に気づきますよ。
だからよく考えてもらいたい。本当に大切な我が子の力になってやれるのは誰なのか?
考えてくれるのは誰なのか、指摘してくれるのは誰なのか、気づいて伝えてくれるのは誰なのか、そのことを実地で訓練してくれるのは誰なのか。本当にもう1度真剣に考えてほしいと思います。
そして、失敗したとして、その反省が
お母さん曰く、先生に心配要らない大丈夫。と言われて、本人も安心して、手を抜いたのかな~?でも、勉強してなっかたってことないと思うし・・・なんでだろう???
であれば、再び同じことが起こってしまう可能性があります。
なぜなら、この反省では、失敗をバネにできないし、成長の見込みがないからです。
あなたのお子さんに、
そんなことでは範囲の広いテストでは点獲れないぞ!
と気づいて言ってやる人は誰なんでしょう? いますか?
その原因を一緒になって考えてくれる人はいるのか。そこで考えついた対策についてフォローしてくれる人はいるのか。
常識がある中で、知らないということは、あるときには罪になる。
泣くのは子供です。
子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。