「家での勉強のやり方に問題があるからです。」
普通、家で問題を解く時と試験会場とでは、まるで条件も環境も違います。
家で問題を解くときは、時間を気にせずゆっくり。
一方、テストは、時間制限があります。場所も家ではありません。
これでは、同じ問題でも間違えてしまうことは十分あります。
その対策として、家での勉強をテストと同じ環境に近づけることです。
例えば、
家での勉強に時間制限を設け、処理スピードを上げる練習をする。
普段の勉強に緊張感を持たせる工夫をし、緊張に慣れる練習をする。
などです。

子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。
さて、ここからはもう少し詳しく「家では解けるのにテストでは間違えてしまうのはなぜ?」というテーマで話を進めていきますね。
はじめてお便りさせて頂きます。小学5年生の娘とともに、中学受験に向け、邁進しております。
多くの受験生と同様、日々、塾から出される膨大な宿題と格闘しながらも、何とかコツコツと努力を重ねておりますが、肝心の公開テストになると、本人の性格からか極度に緊張してしまい、特に算数はケアレスミスを連発、当然あまり良い結果を出せていません。
テスト終了後、自己採点をさせて見直しをさせた際に、「どうしてこんな答えを書いてしまったんだろう?自分でもこの問題を解いている時の状況でさえ思い出せない」と、言う始末です。
娘は、小学校3年生の夏から今の塾でお世話になっております。
最初の頃は、公開テストという形のテストに慣れるまで、ある程度時間がかかるので、あせらず気長に見守ってやってくださいと、塾の先生からアドバイスを頂きましたが、通塾が2年にさしかかろうという今でさえ、慣れるどころか、問題がだんだん難しくなるため、さらに緊張してしまうという状態であるように見受けられます。
実際、どんな子どもでも緊張するのは当たり前で、緊張して正しい答えが書けないのは、日頃、算数の問題を本当に理解した状態まで、持っていけていないのではないかと思うのですが、実際、前日に家でやっていたのと同じ問題がテストに出た時でさえ、家では正解していたのに、テストなると間違えてしまうところを見ると、理解力より緊張がまさって解けなくなっているようにさえ思えるのです。
塾の先生に相談させて頂いても、授業内容を充分復習させ、理解できるまで何度もやらせてくださいということを言われ、塾では短時間で問題を解く練習を小テストという形でして頂いているようですが、いくらテストを受ける回数を増やしても、堂々巡りのような気がして仕方がありません。
このような極度の緊張状態の中、この緊張を自分の実力にかえれるような日ごろの勉強方法、又は親技があればぜひアドバイスを頂きたいと思います。
テストになると思うような点数がとれない・・・
多くの親のみなさんの悩みであり、私がよく受ける相談の1つでもあります。
今回のご相談では、相談者さんの観点からのメールですので、実は問題点は「緊張」ではない可能性も大いにあります。
が、初めから「なぜそうなるのか?」がわかっていることは、少ないわけですから、相談者さんのメールを題材に、これかな? あれかな?という試行錯誤の過程をいくつか考えてみたいと思います。
まずは、このあたりから、
勉強が足りないのでは?
点数がとれない原因が、「勉強しないから」となればわかりやすいんですが、問題なのは「勉強してるけど、点数がとれない」といったケース。
勉強のやり方に問題があるのか?
となります。
家でやったときは解ける問題が、テストでは間違えてしまう。
このような場合、家での勉強には問題がないように思いがちですが、慎重に検証せねばなりません。
テストは、時間制限があります。場所も家ではありません。
家では時間を気にせず問題を解いたらできた。
でも、テストでは時間がないと思ってあせって解いたら、計算間違いをした。
これって、起こりべくして起きたと考えるべきです。
この場合、家での勉強も時間制限を設け、処理スピードを上げる練習をするといったことが解決策となります。
タイムを計るというのは、この場でもよく書いていますが、タイムを計る場合、いかにはやくできるかを見るために計ります。
一方、テストでは、最速を競うのではなく、時間内にいかにできる問題を処理していくかになります。
なので、タイムを計る勉強とともに、今度は計ったタイムをもとにギリギリ制限時間を設けて時間内にやる訓練もやったらいいですね。
「単純にもっとはやくやる」よりは「時間内にできる問題をやる」ほうがレベルは高いことですから。
しかし、相談者さんの場合は、
塾の先生に相談させて頂いても、授業内容を充分復習させ、理解できるまで何度もやらせてくださいということを言われ、塾では短時間で問題を解く練習を小テストという形でして頂いているようです
とありますので、時間を意識した勉強もなさってるようです。
他にも見ていきましょう。
前日に家でやっていたのと同じ問題がテストに出た時でさえ、家では正解していたのに、テストなると間違えてしまう
とあります。
この場合、家庭でやった時の「問題を解く途中の式」をテストでも同じように書いているか?
家庭でやった時と同じように問題を処理しているか?
このあたりがどうか、気になるところです。
昨日やった問題がそっくりテストに出て、間違った!なんていう場合は、家でやった答案とテストで書いた答案を見比べることで原因がハッキリする場合もあります。
さらに考えていくと、公開テストという範囲の広いテストでは、偏差値だけでなく志望校の合格確率などが出ます。
だから、子供が緊張するかも?とも考えられます。
子供たちが緊張する順番で挙げるとこんな感じでしょうか↓
家での勉強 → 家での確認テスト → 塾での確認(月例)テスト → 塾での公開テスト
つまり、公開テストで緊張してしまうなら、その1つ前の塾での月例テストだと緊張しないのか?
だとしたら、何の条件が変わるのか?
公開テスト、実力テストで点数がとれないときに、確認テスト、定期テストだったらちゃんと点が取れてるの?と考えるのと同じです。
相談者さんの場合ですと、
塾では短時間で問題を解く練習を小テストという形でして頂いているようです
とありますので、塾での確認テストは点が取れているのでしょう。
では、緊張してやっているでしょうか?
公開テストまでとはいかないにしても、ある程度の緊張感をもって受けているのかも考えていく必要があるでしょう。
家での確認テスト → 塾での小テスト →→→ 塾での公開テスト
のように、あまりにも公開テストとはかけ離れたゆるい緊張で小テストを受けていたのでは、相談者さんがおっしゃるように回数を増やしても解決はしません。
ちなみに最悪なのは、
家での勉強 = 家での確認テスト = 塾での小テスト →→→ 塾での公開テスト
です。
これじゃあ、公開テストで力なんて発揮できません(>_<)
随分前になりますが、私が相棒に「どうしてあなたとと勉強すると成績が上がるの?」と聞いたとき、
緊張感ある勉強してるから
と言ったことがあります。
私は「怖いだけやろ!」と心の中でツッコミを入れたわけですが、今はこの意味がよくわかります。
もしもですよ!
私の相棒がそばで見ている確認テストが、公開テストよりも緊張するものだったらどうでしょう?
その生徒は、公開テストでは100%の力が発揮できるわけです(^_^)
相談者さんのお子さんが家で勉強している時の態度や取り組みは、どうか?
緊張感を持って取り組んでいるか?
ここらあたりも考える材料、緊張を克服するヒントになるでしょう。
よく見られる例では、勉強中の勉強机の上に「よく冷えたジュース」なんかが置いてあったりする場合がありますが、とんでもないですよね?
また、勉強時間中にトイレに行ったり・・・・
入試でも公開テストでも、試験中に行くんならいいんですけど、公開テストのときはしません!ということを家庭でやっていれば、やっぱり力を発揮できない要因にはなりますから。
そういった家庭で勉強をしている周りの環境と公開テストの環境の違いはないか?と条件を1つ1つ考えてみるのがいいですね。
これを考えることは、すなわち、入試でいかに力を発揮するかにつながりますしね。
家での勉強をいかに緊張感を持たせるか?
これは親の演出にかかってます。
まあ、相談者さんの学年ですと、これからテスト慣れをするために他塾のテストを受けにいくでしょうから、確認テストと公開テストであまりにも成績の差があるなら、考えているよりも早めに他塾のテストに参加することです。
いわゆる出稽古です(^_^)
その場合も、テストのレベルは、今受けているテストよりも、やさしめであるのは言うまでもありません。
ただ受けに行くのが目的じゃないですからね。
行って、難しすぎて、ビビってさらに恐怖心が!?なんてなったのでは、せっかくの試みが逆効果になりますから。
もっとお手軽な方法で、私がやったことがあるのは、ファミレスなんかでテストをするなんてのもあります(◎_◎)
テストのとき、他の子供の鉛筆の音が気になって、それに気を奪われてしまうなんていう子供もいます。
そういう場合は、親が作った確認テストをファミリーレストランでテストするんです。
親も恥ずかしいですが、子供だってドキドキ感があります。
結構雑音がありますからね~!
この状況で、家での勉強と比べ問題を解くスピードや問題の解き方など省略してないかなどチェックすることで、ケアレスミスにつながる原因を見つけることができるかもしれません。
ファミレスでテスト!? バカじゃなかろうか!
って反応があることは十分承知ですが、考えられること、やれることは、1つ1つつぶしていくのが成績がイイ子の親というものです。
ヨソの子供にはバカバカしくても、我が子にはハマル可能性もあるわけですから。
「極度の緊張」が原因の場合は、その緊張によって、いくつかの普段との違いが答案に表れてきますので、ちょびダラダラとなりましたが、私が原因を考え、特定していくポイントについて、いくつか書いてみました。
最後になりますが、緊張に慣れる練習と同時に進めてほしいのが、気持ちの負担を取り除いてやることです。
結果について、ビクビクする状況(例えば親からのプレッシャーや志望校判定の悪い結果etc…)があれば、やはり緊張するものです。
ゆえに、いつも言っていますが、子供には、結果ではなく、テストを受けるまでの過程に責任を負わせる。
勉強の指示をして、そばについて指示通り勉強をやらせた親が結果の責任を負うんです。
この点は忘れないでくださいね(^ε^)-☆
親の指示通りやらせて、結果は子供の責任!なんてなったのでは、全部子供の責任になってしまいますからね。
「合格するのがお前の使命じゃない!」「合格するだけの勉強をするのがあなたの使命よ!」
これは大前提であることはお忘れなく!!

子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。