「まず、『今のやり方は間違っている』ということを認識する」
うまくいかなかったということは意味のあるサイン。
今のやり方には明らかに問題があったということです。
子どもとよく話し合い、現状を冷静に把握しましょう。どうしていくかは、そこからです。

子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。
さて、ここからはもう少し詳しく「受験はもうあきらめなさい。と言われました。どうすべき?」というテーマで話を進めていきますね。
今小5です。受験を目指そうと頑張ってきましたが、道断たれました…。
昨日、塾での個人懇談がありました。
●●塾では5年生は■人です。夏休み以降成績は最下位でした。
しかも、すぐ前と離れて飛びぬけて最低でした。
塾内の模試があり、どちらも4教科で200点行かなかったのです。
毎月の単元テストも算数ががた落ちで30点から50点です。
それでも何の対策も取れず、昨日に至ってしまいました。
子供もたくさんの宿題にうんざりし、受験の意味さえ見いだせず、やる気もうせていました。
それが塾の先生にも伝わっているんでしょう・・・・・
個人懇談では、「受験コースから基礎コースへの降格」でした。
子どもは、どうしても受験したいという意思が見られないので、学校の教科書レベルをマスターしてから夏ごろから受験コースへ戻ったらいいんではないだろうか。と、提案されました。6年の受験コースでは預かれないということでした。
わたしは、ほんとにバカでした。あんなに点数低くても人数も少ないし、当然受験コースにいて目指すことができると信じていました・・・・。
子供には塾長の先生から伝えてもらいました。
そのとき、基礎コースから受験を目指すとなると今より宿題も増えるし、それががんばれるか?と、子供に聞いたそうです。
その答えは、「できない」といったそうです。
それで、ジ・エンド。
塾側としては受験に耐えられない子供をいつまでも置いておくことはできないし、もうやめてくれ、ぐらいだったんじゃないでしょうか…。
子どもは、辞めたくて仕方なかったんでしょうね…。
私のほうが焦って、どうにかなりませんか、とまたまたアホなことを言い出し、どうしようもありません。
子どもは受験したくなかったのです。そこらの友達と普通に公立でよかったのです。勉強する意味も見いだせず喜びも与えられず、すごく責任を感じます。
これから~!と思ったとたんこんなことになって、遅いですよね。
もっと早くに塾に相談すればよかった~今から後悔しても遅いですよね。
これからのことですが、基礎コースに入って教科書レベルのチョイ上をやっていったらいいんじゃないかと提案されました。
公立に通って高校受験をして大学に行ったらいいんじゃないかと。
受験を頑張ってみないかといえば、子供の性格からいうと、「頑張る」と大人に従うだろうけど、それではまた、夏ごろに同じ問題が起こってくんではないだろうか、ということでした。
説得はできるけど、継続はできないし、膨大な量の受験の宿題で性格破綻になった子もいるから、慎重にしなければならないということでした。
結局、受験はもうあきらめなさい、と言われました。
私は悲しくて悔しくて昨日から涙が止まりません。
もう、「しんどい勉強はしたくない」と子供に言わせた自分に腹が立って。
こんなとき成績がいい親御さんだったら子供がもういやだって言うから温かく見守ってあげるんでしょうか。
これから、子供はどうしたらいいんでしょうか。
成績を上げることについてではないんですが、なかなか切り替えができないのでメールをかきました。
乱文お許しください。
塾から「受験を目指すクラスでは預かれない」と言われ、「受験はもう諦めなさい」とも言われたそうです。
成績が振るわないことは重々承知だったでしょうが、塾から受験を諦めるように言われるなんて想像していなかったでしょうね。
相談者さん自身、すごく後悔されているのが文面からも伝わってきます。
繰り返しになりますが、今目の前で起こっていることには意味があるんだと思うのです。
これからどのように進んでいかれるかはわかりませんが、今回の相談で私が感じたことを率直にお話してみたいと思います。
まず率直に申し上げたいのは、
遅かれ早かれ「この日」はやってきた
であろうということ。
「この日」とは、親が願ってる子供についての夢や目標が断たれる日のことです(>_<)
理想と現実にギャップがあれば、必ず理想は負けてしまいますから。
相談者さん自身、実感されたと思います・・・
でも、もう1つ肝心なことがありますよ!
来てほしくない「この日」なんですが、早ければ早いほどリベンジの可能性は高くなるということ。
リベンジできるの!?
と早とちりは禁物なんですが、想像してみてください。
入試の直前まで受験を目指すクラスに所属していたとして、第一志望の学校への合格を勝ち取ることはできたのでしょうか?
相談者さんも無理であることは想像つくと思います。
親の中には、どうせ夢で終わるなら少しでも長く夢をみていたい!といった方がいるようですが、私はオススメできません。
なぜなら、それは今回の夢を諦めるだけで終わらずに、次の夢も諦めることになるからです。
結局、同じことの繰り返しになる(◎_◎)
私がこれまで受験や勉強にかかわってきて、何より大切なのは、志望校の合格かどうかの問題というよりは、
今よりも1年後が成長してるか
だと思うわけです。
合格して成長する者がいる。合格したが成長しない者がいる。不合格だが成長する者がいる不合格で成長しない者がいる。
「成長」は結果によってもたらされるとは限らないのです。
そう考えてみると、
今の勉強を進めていけば、成績は上向きになるか?
相談者さんの場合でいけば、答えはノーです。
今のやり方には明らかに問題があった。
そうですよね?
だったら、入試直前、いや夏休みに諦めないといけない日が来るよりかは、今の方がいいわけです。
率直に申し上げて、グズグズダラダラとりあえず「受験組」に属している意味はないと思うのです。
えっ、リベンジしたいって!?
相当険しい道になると思いますが、覚悟はできていますか?
中学受験を諦めたから険しくなるのではないですよ。
成績が振るわない状況で、なおかつお子さんが「もうしたくない」となっている状況で相談者さんが当たり前のように「受験をする」と考えていた。
そのこと自体が道を険しくしていると思うのです。
もう十分ご自身に腹を立てられているし、泣き続けてもいると思うので、それはもういいじゃないですか。
もう自分を責めずに考えていきましょう。
これから事態を転換していくためには、相談者さん自身が大きくチェンジしなければならないのですから。
今回のことでわかったことは、
子供に可能性がなかった!ということではなくて、相談者さんのやり方は間違っていた、変えなさいよ!というサインだったということ。
もしですよ、子供が我慢強くて、イイ子で、今回のことも自分の心の中に自分で収めて、親の顔を立てて、このまま行っていたとしたら、それこそ怖いじゃないですか。
でも、子供は言ったんです、勇気を出して、「できない!」って。
塾の提案も非常に良心的であったと私は思います。
お母さんだけが受験モードの状態では、塾として応援するのは難しいわけです。
正直で勇気があるお子さんと良心的な塾が相談者さんの周りにはあった。
これを幸運といわずして、なにを幸運と言いましょうか!
今回は支えられた相談者さんが今度は頑張る番です。
今は無理でも、相談者さんが「よく言ったねえ」言える日が来るようにまた道を歩き始める。
ヘンに我慢しないで率直に意見を言った子供に感謝する日がきっと来る。
さて、そんな相談者さんが目先のこの夏まででも、なにかできるだけのことを取り組んでいきたいとお考えになるのなら、今からすべきことは、
- 1)今までの塾の復習をする
ここまで未消化で進んでいる内容をまず復習することからはじめるべきです。
4年生から通塾したのであれば、4年生からの2年間分。5年生からならこの1年間分の復習です。
中学校になっても非常に大事な、それに連なる単元が目白押しです。
子供自身、受験をする気が現時点ではないかもしれませんが、この勉強は受験のためではないと言えばいいです。
だって、今まで塾に払った月謝の元を取るための勉強でいいわけですから(^_^)
- 2)勉強時間は減らす
ここでいう勉強時間とは、塾で勉強する時間と家庭学習の時間を合計した時間です。
塾に行く回数が減った分は家庭学習の時間にあてる。今まで塾の宿題に使っていた時間がなくなれば、それも家庭学習の時間にあてることで勉強時間の合計は減らしても、家での勉強は増やせますから。
子供本人が塾に行きたくもないのであれば、回数を減らしてでも家での勉強を増やすことです。
しかも、宿題といったいわば強制的なものでなく、1番最初に習った基本的な内容からはじめることで勉強へのハードルを落とします。
- 3)教科よりもスピード重視
全教科を総復習するとなれば、なんだか大変な勉強に思えてしまいます。
ですから、教科を1教科に絞り復習を進めていきます。
やはり算数でしょうね。
目安ですが1週間で1ヶ月分の復習はできるようにポンポン進めていきます!
ハイレベルの問題など時間がかかったり、子供に抵抗がある問題などは飛ばしていき、広く浅くの勉強を目指します。
もし、これからのリベンジを誓っているとするなら、まずは以上の3点を頭に入れて、勉強をスタートしてみてください。
とまあ、勉強をリ・スタートする手法について、今の状況から考えられることについて書いてみたわけですが、それらを考えたり、実行したりする前に、
まず
お子さんとじっくり話
をしてみたらいいですね。
しんどい勉強はしたくない
と子供は言ったんでしょう?
そして、お子さんは、
受験したくなかったのです。そこらの友達と普通に公立でよかったのです。勉強する意味も見いだせず喜びも与えられず・・・
これまでの数年間を無意味にしないためにも、お子さんと向き合って、お子さんの胸の内を全部吐き出してもらったらいいです。
相談者さんの気持ちがそうしたほうがいいと思うなら、お子さんに
ゴメンネ
と謝ったらいい。
「あんたのためと思って言ってきたし、やって、おきたけど、結局 はあなたを苦しめてきたんじゃないかと思う」と。
子供は親の意向はよくわかっているはずです。
それでも拒否したということは理由もあるだろうし、子供の理屈もあるはずです。
それに耳を傾けて、子供の声を聞きましょう。
想像ではなく、推測でもない子供自身の声を聞く。
すべてはそこから始まるのではないでしょうか。
勉強の負荷を減らすとかなんとかなどは、テクニカルなあとからでもどうにでもなる話。それよりも子供の素直な意見を聞いてみる。素直に言えれば、子供の心をほぐれることでしょう。
相談者さんにとって、子供は宝でしょう?
ならば「宝」の声、それも内なる声に耳を澄まして傾けてみましょう。
そして、泣くなら、一人で自分を責めて泣くんじゃないですよ!
子供に謝って、抱き締めてから、泣くんです。
相談者さんも辛かったでしょうが、お子さんも辛かったんです。
同じように辛いのに、子供よりも先に泣くのはずるいですよ。
うまくいかなかったということは意味のあるサイン。
強引に力づくで子供を抑えて進むことはもちろんできるけれど、それじゃあ親のほうに進歩がないことになる。
力づくで抑えられなくなったとき、今度は子供に抑えられるんです。
親子関係は力関係じゃない。信頼を土台にした関係ですからね。
夜が明けない夜はない! ファイト!
April showers bring May flower.
4月の雨は5月に花を咲かせる
Dum spiro, spero.
呼吸をしている限り、希望がある
There’s special providence in the fall of a sparrow.
雀の落ちるのにも、神の意志がひそんでいる「ハムレット」

子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。