「先取り学習をしているのに、成果が出ている人は、少ない!」
先取り学習の成果の違いは、「2つの負荷の使い分け方」によるものです。
親が子供にさせている先取り学習の多くは、実際は、「量の負荷」になっています。
つまり、「処理力」「持久力」を養うために、学校で習っていない勉強をしていたことになるのです。
ですから、先取り学習を考えるなら、「質の負荷」と「量の負荷」の使い分けを意識しなければなりません。
子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。
さて、ここからは前編に引き続き、もう少し詳しく「先取り学習ってやるべきなの?」というテーマで話を進めていきますね。
前編では、
「質の負荷」と「量の負荷」
この2つの勉強を使い分けるべきだ!と書きました。 また、
「質の負荷」を与える目的は、「思考力」を養うため。
「量の負荷」を与える目的は、「処理力」を養うため。
と書き、その理由についても述べました。
このことをシッカリ頭の中に落とし込んだ上で、
学年があがるにつれて成績に差が出るとなれば今この低学年だからこそすべき点をぜひ教えてください。
勉強の先どりはどのくらいまでがいいのでしょうか?
という質問を考えてみましょう。
小学校の低学年なんかですと習う内容も簡単なため、テストだってみんなが高得点を取る。
これは中学1年の最初は、内容的にもカンタンで、わりと皆点数がイイのと同じ。
そういう状態の子供を親がそばで見ていると、今やっている勉強には、少し力を持て余しているのがわかるはずです。
ある方は、ウチのはよくできるんだな!と満足して終わる方もいるでしょう。
しかし、このメルマガの読者の方は、そういう状況にもったいなさを感じる方が多いはずです。
もっとできるな!と。
そこで、親が考えるのが、「勉強の先取り」。いわゆる「先取り学習」と呼ばれるものですね。
これは皆さんの周りでも本当に多いと思うのですが、小学校低学年ぐらいだと、
- 5年生までの勉強はやりました!
- 小学校の漢字は読み書きできます!
- 公文で中学数学をすませました!
なんて、いろいろ聞いたりします(◎_◎)
でも、いったいどこまで進むのがよいのか?
親としても悩むところです。
時々、耳にするのは、
「先取り学習」は、弊害があるのでは?
という声ですね。
子供を頑張らせるだけ頑張らせておいて、害があったのではたまりませんからね(>_<)
その1つの事例として、前々回の
「先に勉強すると新鮮さを失ってしまう!?」
というお題で取り上げ、親の態度について取り上げました。
ただ、私が心配なのは、弊害よりも「成果」についてなんです。
「先取り学習」をしているのに、成果が出ている人は、少ない!
これが意外と多いんですね。この事実をみなさんには知ってほしいと思います。
せっかく親も意欲的に取り組み、子供も自分の学年よりも上の勉強 をすることでノリノリになっているものの・・・・
えっ、頑張らせ損っていうこと!?
まあ、そういうことになります(>_<)
「小さいころには天才だと思っていたのに・・・」
なんて、高学年になってため息をつくケースがなんと多いことか・・・
そうなると、親としては、ついつい子供の能力の限界なのか?なんて諦めモードの方がいますが、大半はそうではありません。
特に、低学年の先取り学習の場合、親が主導となりますので、成果のあるなしは親で決まってしまうといえるでしょう。
いいですね? 子供の能力の限界ではないですよ!!
では、いったい違いは、なにか?
そのあたりを考えながら、理想の「先取り学習」について考えていきましょう。
まず、先取り学習は多少なりとも子供への負荷になります。
負荷がかかっているのに、成果が出ない!ということは、つまり、負荷のかけ方に問題があるということなのです。
前回、負荷には2つの種類があると話しました。
「質の負荷」と「量の負荷」
ですね。私は、「先取り学習」の成果の違いは、すなわち
「2つの負荷の使い分け方」によるものだと思っています。
そこで、考えてほしいのですが、
先取り学習って、いったい「質の負荷」ですか? それとも「量の負荷」ですか? ということです。
先取り学習は、この2つの負荷をまとめて言っているわけですが、先取り学習をさせる親は、やらせるときに、明確にこの2つを分けて考えておかないといけないわけです。
では、改めて、お聞きします。
現在、先取り学習をやっている方、今までに経験された方、皆さんの経験を思い出しながら、考えてみてください。
あなたがやっている、また、やった先取り学習は、
「質の負荷」? それとも「量の負荷」?
どうでしょうか?
今までの実際にお聞きしてきた経験でいえば、回答される方のほとんどは、「質の負荷」だと答える方が多かった!
みんながやらないことを先にやるのだから「質の負荷」になるハズ。
こう考えてのことでしょう。
ちなみに、くどいですが、2つの負荷については、
「質の負荷」は、「思考力」を養う
「量の負荷」は、「処理力」「持久力」を養う
※処理力とは、問題をはやく解いていく力のこと
こんな説明をしました。
もし、うちが取り組んできた先取り学習は「質の負荷」だとすれば、「思考力」を養う勉強をしてきたということになります。
思考力というと少し分りづらいので、「応用力」と考えてもらってもいいです。
では、
本当に、「応用力」が身についていますか?
ということなのです。
そう考えると、小学1年生で、例えば、
- 5年生までの勉強はやりました!
- 小学校の漢字は読み書きできます!
- 公文で中学数学をすませました!
なんていうのは、「思考力」とは明らかに違うことに気付くハズです。
そう、これは、「量の負荷」なのです(^_^)
親が子供にさせている「先取り勉強」の多くは、実際は、「量の負荷」になっています。
ということは、「処理力」「持久力」を養うために、学校で習っていない勉強をしていたことになるのです。
でも、処理力・持久力であれば、「先取り学習」でなくても、今やっている勉強だって身につけることはできるわけです。
せっかく中学数学までやった子が、小学算数の点が取れないとか、中学受験になると、てんで通用しないという不思議なことが起きるのは、まさに、この「質の負荷」を忘れてしまったからなのです。
そういう意味で、繰り返しますが、先取り学習をさせる親は、子供にやらせるときに、それは、いったい「質の負荷」か、それとも、「量の負荷」かを明確に分けて考えておかないといけないわけです。
もちろん、「量の負荷」も大事です。どちらか片一方に偏った勉強は、子供の伸びを止めてしまいますから。
なので、先取り学習を考えている親の方は、
「質の負荷」と「量の負荷」を使い分ける
を駆使することを意識しなければなりません。
えっ、「質の負荷」ってどうするのかって!?
応用力をつけるためには、単元の「より深い勉強」が必要になります。
確かに、小学校低学年の場合や各学年の1学期なんかだと、応用問題なんて存在しなさそうです。
でも、それって本当でしょうか?
皆さんは、本屋さんで何冊の問題集を見たことがありますよね?
そこにはありませんでしたか? 「質の負荷」をかけられる問題集は。
成績がイイ子の親は、本屋さんによく行きます。非常に教材には詳しいです。
手元にある問題集を広げてみますね。
たとえば、以下は、小2の問題集に出ています。
こんな問題↓
ちえ子さんの日記ちょうは100ページあります。
7月15日から1日に1ページずつ日記を書くことになりました。
一番さいごのページを書くのは何月何日になりますか。
(7月と8月は31日まで、9月は30日まであります)
中学受験などでは、「日歴算」なんていいますね。
お気づきになったと思いますが、文に「日記ちょう」と書かれていること、各月の日数を明記していることから、決して小5の問題集ではなく、低学年向けの問題集であることはお分かりになるでしょう。
これは小学2年生用の問題集です。
もちろん、学校などでは「日歴算」を習いませんが、計算だけなら足し算・引き算で解ける問題ですから、十分、小2でも立ち向かえる問題です。
えっ、なにが言いたいかって??
ハイ、私が言いたいこと、それは、
足し算・引き算ができるようになったからといって、掛け算に進んでも意味はない!
そういうことです。
いいですか!!!!
子供に「量の負荷」を与えたなら、次は「質の負荷」なのです。
なのに、足し算・引き算のあとに、すぐに掛け算・割り算とどんどん進んでいく。
これは、「量の負荷」をずーーとかけていっているということです。
それを親が意図して行っているのなら、それはいいんです。でも、そうじゃない! 先取り学習がタマタマ、単なる「量の負荷」だけの勉強になっている!
このことが恐ろしいと言っているわけです。
この「量の負荷」「質の負荷」のバランスは、前回お話した「子供が飽きる飽きないの対策」だけでなく、「成果をキッチリ出していく」ためにも大切なのです。
また、学年が上がって、「低学年の頃のこの子はなんだったの?」と「天才クン」が「普通クン」にならないためにも、親が考えておかねばならないことです。
「質の負荷」=「思考力」=「応用力」を与える問題集など、ぜひ一度探してみてください。
ただ、くれぐれも応用力を身につけさせたいがために、マニアックな問題ばかり取り組ませるなんてアンバランスなことをしないように!
「量の負荷」もかけて、処理力を高める練習もしなければ、やっぱり単なるマニアックな「普通クン」になってしまいますからね。
前編と同じ言葉で締めましょう。
私の経験上、「量の負荷」からはじめる方がスムーズにいきますよ。※実際に使っている問題集&今までに紹介した本
結構有名な問題集や本ですから、知っている方も多いはずです!
教材はなんでもイイというのが私の考え方です。
いきなりたくさん注文せずに、1冊か2冊ずつ注文するんですよ!
本棚にあるだけでは、意味はなし!使い倒してナンボですからね。
子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。