「ミスの現場を押さえる!!」
ケアレスミスを無くすためには「どうして間違えるのか?」の原因を追求し、それを解決することです。
そのためには、子供が問題を解いている様子、過程をそばで見て、ミスの現場を押さえます。
ミスの現場を見て、その時子どもの頭の中で起こっていたことを検証することでミスの原因は明らかになります。
親技では、この他にも、ちょっと変えるだけで「子どもの勉強がガラッと変わる」親にできる工夫を紹介しています。
子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。
さて、ここからはもう少し詳しく「ケアレスミスを無くすには?」というテーマで話を進めていきますね。
中2になる娘は、しょっちゅうミスをやらかします。
「激烈な高校受験で、1問落としたらアウト」
という事を、以前から考えておりまして、悩んでいます。
例えば、親が用意したプリントを、5回6回繰り返しても、なかなか全問正解できません。前回は問3、今回は問5というように、正解できるはずの問題をケアレスミスで落とします。
もちろん、常に間違える問題もあります。常に間違える問題が、やっとできるようになってきた!と思いきや、簡単な問題を間違える。こんなことの繰り返しです。
結局、時間配分を考えて、1~2問のケアレスミスには目をつむって、別の問題に進んでいます。
他の例では、やった~全問正解できた!タイムもよし!と喜んでいても、何日後かにもう一度同じ問題をやらせてみると、またミス、ミス、ミス・・・頭が痛いです。
やはり、全問正解が完璧になるまで、同じ問題を10回でも20回でも、とことんやらせる方がよいのでしょうか?
せめて学校の授業には遅れないようにしたいので、そんなに足踏みばかりもしていられないし・・・と、先に進んでしまうのがいけないのでしょうか?
ありきたりのいいわけになりますが、部活が忙しく、とにかく時間がないのです。
でも、やはり、急がば回れ、でしょうか?
メルマガにありました九九のくだりで、九九を覚えたら、それをいかに使えるかの部分にまで踏み込んでやっているかどうかの違い、とありましたが、具体的にどう練習すれば、「すぐ飛べる」ようになるのでしょうか。何か、うまいコツはありますか。
娘は中2ですから、九九ではそれなりに飛べているようですが、でも、たぶん7や8の段とかは怪しいですね。
とにかく数学のセンスがありません。
昨年の夏は、その辺も含めた基礎力を強化したつもりだったのですが、ちょっとやらないとすぐに忘れてしまいます。もちろん、ケアレスミスは数学に限らず、です。
娘はあと1年で受験生になります。激烈な1点の争いを、ぜひ制したいと思っています。私先生、よきアドバイスをお願いします。
中2の娘さんのミスが多いことが悩みのようです。
同じ問題を5回6回繰り返しても、なかなか全問正解にならない。
理解してないのかといえば、そうでもなさそう。
今回はこの問題、次にやったら違う問題が間違えるといった具合だそうですから(>_<)
いわゆるケアレスミスと呼ばれるもの。
相談者さん同様に多くの親の悩みのタネです。
今回は、このケアレスミスについて考えてみたいと思います。
私は、これまで生徒たちのケアレスミスを撲滅すべくいろいろな方法を試してきました。
そこで言えるのは、今起きてるミスを限りなくゼロに近づけることは可能だということ。
ただですね、さすがにゼロにすることは無理がある(^_^)
そこは押さえておいてほしいのです。
ミスの定義にもよりますが、「0」を目指して邁進するよりも、「ほぼしない」を目指すべきだと考えてます。
いずれにしても、「ほぼしない」レベルには誰でもなりますから希望をもって取り組んでほしいと思います。
ではどうやってなくすか?ですが、水をさすようですが
ケアレスミスを無くすための特効薬なんてない
ということも改めて頭に入れておいてほしいと思います。
子供は千差万別。育ってきた環境も、これまでの勉強の蓄積も全部違います。だから、A君によかった「薬」がBさんには効かないことだって、多々あります。
だから、「我が子」の特効薬を見つけなければならない。
ミスという言葉でまとめれば1つですが、原因は実に細かく分かれます。
この子のミスの原因はここ!もうひとりの子はこれだったとか。
同じ子供だって、このミスとこのミスの原因は違うとか。
ホント、宝探しみたいな作業が必要なわけです。
言い換えるますとね、
原因をつきとめない限りは、同じ問題を10回、20回やらしたってミスを無くすことはできない
ということなんです。
繰り返し学習することはホント大事です。
私はそれがすべてと言ってもいいくらいに思っています。
ただ「どうして間違えるのか?」の原因の追及なく、何度繰り返しても、それは改善になりません。
結局「また間違った」「今度はこっち」となって怒って終わり。
結果、数学のセンスがない・・・・なんていう結論になりがちです。
仮にですよ、数学のセンスがないにしても「できる問題」を正解することはできるんです。
ミスを「ほぼなくす」こともできる。
そうじゃなかったら、「1問落としたらアウト」の受験では、センスのある子供だけが合格することになってしまう。
でも現実はそうじゃないでしょ?
「センスがない」子どもだって合格しているわけですから。
今回、相談者さんの相談を読んで私が一番心配だったのは、
子供のそばで何を見てるのか?
なんですね。
メールを拝見して、相談者さんが選んだ問題をお子さんに解かせている様子はよくわかったのですが、
親の役割が「答え合わせ」といった結果を見るだけ
になっていないでしょうか?
計算ミスがよく起こるのであれば、問題を解いている最中で子供がどうしているのか気になるものです。
そこにこそ、ミス撲滅のヒントがある。
勉強の際に子供のそばに親がつく目的っていろいろとあると思います。
それはイイ。
でも、計算ミスがよく起こるという現象があって、それを撲滅しようとするなら、子供が問題を解いている様子、過程をそばで、できれば右利きの子供なら左側に座って見る。
そして原因を突き止める。「そこ」を解決した上で、繰り返しやらせる。
「そこ」をきちんと見ているのかどうか?
また見た上で、「これが原因じゃないか?」というものが見つけられているかどうか?
ここがどうかですね。
もし、答え合わせの役目でそばにいて、ただ単に間違えた問題は「はい、もう1度!」と最初からやり直し。
しかも、5回も6回もどこか間違えるごとに繰り返し・・・となっているなら、気をつけないと、子供のそばにいることが今後難しくなるでしょう。
ましてや、子供のミスを無くすことなんてできない(>_<)
繰り返しますが、だからこそ、「間違えた問題に共通することはないか?」を瞬きもせずに見ていなきゃあいけません。
たとえば、
丁寧に字をかくこと
よく親のみなさんも注意すると思いますが、丁寧に字を書けばお子さんのミスは無くなるのですか?
字が汚く減点される子供には効果的なアドバイスでしょう。
また、計算の途中で「7」を雑に書いてしまい「1」に見間違えて計算が狂ってしまう子にとっても効果はあるでしょう。
でも、ミスを無くす対策として「丁寧に書くこと」が全員に効果的なアドバイスではないのです。
少し極端な例ですが、なぜかよく転記ミスをする子がいました。
テストでも途中の計算も合ってるし、答えまで出ている。
なのに、解答欄に転記するときに間違えているんです。
「ちゃんと落ち着いて書けよ~!」
と最初は言いましたが、時間を計らずに問題を解くときには転記ミスは起きませんでした。
やはり、テストのような時間制限があるときにあせって普段では起きないミスが起きるのかもしれない?
そう思い、時間を計って問題を解くようにしました。
でもなかなかミスに遭遇しません・・・
何日か経って、ついに転記ミスに遭遇してびっくりしました(◎_◎)
その子は、あせると「35」を「15」と転記ミスすることがわかったのです。
なぜだか、わかります?
転記するときに「さんじゅうご」ではなく「さんご」と覚えて回答欄に子供が転記するのですが、焦ったためか「さんご」が「さんご=15」となったわけです。
私の指摘でその子も「ほんとだ!」と自分でもビックリしてましたが、想像もつかないことが頭の中で起きてるわけです。
問題量を増やすといった慣れによって克服できることもありますが、ミスの現場を押さえてからは本人も特に「35」を気をつけるようになりました。
これで、ミスを1つ克服することができたのです。
他にも、つい先日もこんな発見をしました。
計算ミスをたまにする子なんですが、2ケタのかけ算を間違えることに気づいたわけです。
しかも、十の位の素数(11,13,17,19)×1ケタの計算にミスが多いことに気づいたわけです。
思わず、ガッツポーズしましたね!
単語帳に、32通りの掛け算を書いて、毎日2回やることを1週間続けることを約束。
これで、ミスが1つ無くなりました。
どうですか、大変ですか!?
でも、せっかく子供のそばで勉強を見ているなら、宝探しと思ってがんばって欲しいものです。
そばで見る際に気をつけるのは、子供の頭の中で「起こっている」ことを考えてみることです。
えっ、そんなのできなって!?
ならば、やはり途中の式を全部子供に書かせてみることです。
頭の中でチョンチョンとやっていることも全部ノートに書かせる。
そうすることでお父さんやお母さんにも、子供の頭が見えやすくなる。
私が推奨しているのは、
途中の式を省略しないこと
ミスをなくす対策としてよく言われることです。
私も口うるさく言います。途中の式を抜かそうものなら、ご近所半径50メートルは聞こえる声で、
「オラーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
って言う。
小さい子供なら、その声を聞いただけでチビっちゃうくらいです。
途中の式を書かせる理由は、
理由は、ミスの現場が見れないからなんです。
頭の中でチョロチョロと計算する。
そこで、間違えてるわけですから。
途中の式を省略させないのは、本人自身にも頭の中の様子を視覚で捉えることでミスを減らす効果があります。
相談者さんの場合も、そばで見ていてもミスが見つからないなら、頭の中でミスが起きてるのかもしれません。
そうであれば、時間がかかっても途中の式も省略させずに書かせることです。
子供にとっても同じ問題を何度もやらされるぐらいなら、式書いたほうが楽ですしね(^_^)
先日も中学生が復習で「文字式」をやっているところを見ました。
中2でも中3でも文字式はよく「ミス」が起こる問題です。
やり方はわかってるんですね。だからカンタンな問題なら「ほぼ」正解する。
でも、やっぱりミスがときどき起る。
見ていると、途中式を一部省略しているようです。
なので、皆さんにも紹介している「最高水準問題集」を出して、「これやってみろ」ってやらせたんです。
私のオススメ問題集&百科事典→ http://www.oyawaza.com/mk.htm#4
最高水準の文字式の計算部分は、別に難しいわけではなく、面倒な問題で、「ちゃんと」やらないと必ず間違えるような問題なんですね。
で、やりました。
14問くらいあったと思いますが、5問も間違えました。
うろたえる子供。「あれ・・・おかしいなあ・・・」と。
そこで間違えた問題を途中式を一切抜かさずに書かせてもう一度やらせてみました。
あら不思議・・・全部正解。
「なんで間違えたんや? 言ってみろ!」
「頭の中でやっていた符号やカッコをはずす部分を間違えていました」と。
「あーー、そうか!ここで間違ってたのか!」と私へのポースもあったでしょうが、非常に納得できた様子でした。
それから途中式を省略せずに書いていることは言うまでもありません。
どんな問題にだって通用するやり方でやるのが王道ですからね。
面倒でややこしい問題になれば、もっと多くもミスが起こりえることを実感してもらうべく上記のようなやり方をやったので、それがすぐに相談者さんに通用するかどうかわかりません。
が、
我が子にとって、ミスをなくすために何をすべきか?
その対策を見つけるためには、現場を目撃するしかありません。
相談者さんも、ぜひ凝視してみてください。
そして、よくわからなければ、途中式をすべて書かせて子供の頭の中で起こっていることを確認してください。
それをやってみて、追求して、それから「センス」について悩むのがいいでしょう。
子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。