「できるだけ楽に、苦しくないようにないように、提案していく」
「10回書いて覚えろ!」はバツ!!
面倒に思っている子供に、さらに面倒と思わせる作業をさせようとするのは逆効果だからです。
書くことを目的とせず、覚えることを目的にし、とにかく覚えれば、どんな方法だっていいとします。
ただし、時間だけは制限するのがいいでしょう。
「コレ何秒で覚えられる?」「じゃあ、6コを1分でいこう!」と、子どもの様子を見ながら、できるだけ楽に、苦しくないようにないように、提案していくのがコツです。
親技では、この他にも、子どもに「成果の上がる勉強のやり方」を身につけさせるため「親にできる工夫」を紹介しています。
親技についてはこちらで紹介しています。

子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。
さて、ここからはもう少し詳しく「英単語の暗記が苦手な子、どうする?」というテーマで話を進めていきますね。
中2の子供のことで相談です。
クラスの決まりで家庭学習は、保護者の目の前ですることになりました。
まず、宿題をさせ(毎日、量が違いますが)小テストの間違いのし直し、その日に習った所を質問して、復習させてます。
部活のない日(月、水、金、土、日)は学校で居残り学習があって帰りも遅いのですが、英数のみ中1の学校で使っていた問題集をさせています。
英は4ページ、数は1単元ずつさせ間違ったところは、一度で自分の力でできるまで何度もさせてます。
数学は、この方法でうまくいってるのですが、英語が、まず単語をおぼえてないし、文章のつくりも、全く理解してなく、真っ白の状態で手の付けようがありません。
ページ数をこなしてもほとんど、間違っていて、本人もやる気がないのです。やってもできない、と言って、なにを言っても耳をかしません。
まず単語からと思って10回ずつ書いてみようと促しても、私がうるさいのであきらめて書くときもあるのですが、全く覚えていません。
とにかく、お手上げ状態です。
この方法で始めて、子供に変化と言えば、英語は、単語を覚えれば、かなりできる、計算間違いで点が取れてないということが、自分でわかった様なのですが、実行が伴いません(口に出すようにはなりましたが。)
又、ダラダラしていて、短期集中ができません。
一日のノルマをこなそうとすればすごく時間がかかり、時間を決めると、全く進みません。具体的にまずどうしたらよいのでしょうか?
まずは、「クラスの決まりで家庭学習は、保護者の目の前ですることになりました」には驚きです(◎_◎)
そんなことってあるんですか!!!!!
中学生ぐらいになると、親と勉強することに抵抗するようになります。
いくら「親技」を駆使して成績を上げようとしても、一番のハードルは「目の前に座らせること」だったりする(>_<)
でも、学校の先生が、親の前で勉強することを決まりにしてくれば、嫌々ながらでもハードルはクリアになります。
なかなかありがたい決まりですね。
しかも、部活のない日(月、水、金、土、日)は学校で居残り学習があるとのこと。
相談者さんによれば、部活のない日は居残りがあって帰ってくるのは、8時9時とか・・・
それって先生も残ってやってくれるんでしょうか??
帰り道なんかの安全面も考えると、そこまで踏み込んで学校がやってくれるというのは、かなり斬新な考えを持つ学校なんでしょうねえ・・・
まあ、やってくれていることについて、私がとやかく言う筋合いは全然ありませんから、ありがたくやっていただきましょう。これまで、何度か言ってますが、「中学2年」という学年は中だるみする時期です。
学校にも慣れて、定期テストにも慣れ、受験学年でもない。子供たちは、「勉強なんてやってらんね~」となりがちです。
とはいっても、学習内容は中1と比べ難しくなり、入試に必須な重要単元が出てくるのが「中学2年」なんですね。
つまり、
中学2年は、差がつく学年
だからこそ、子供たちにしっかりと勉強をさせる学校の姿勢は、親にとってはありがたい!
なんといっても、塾の代わりをしてくれているわけですから。
さあ、あとは「親技」の見せ所ですぞ!
相談者さんの場合、英語と数学をお子さんのそばで見ていると。
英語は4ページ、数学は1単元ずつさせ、間違ったところは、一度で自分の力でできるまで何度もさせてます。
ただ、このやり方で、数学はうまくいくけど、英語がうまくいかない(>_<)
相談者さんにお尋ねしたいのは、
英語と数学、どちらに苦手意識を持っていますか?
ということ。
文面から想像するに、「英語」に苦手意識を持っているのでは?と思われます。
いかがですか?
そして、それが事実なら、よく考えてもらいたいのです。
苦手な教科とそうでない教科を勉強する場合、スタート地点が違いますよね?
なのに、同じレベルの勉強を求めたのでは、うまくいくはずはないということです。
子供によって、また子供の中でも教科によって、それぞれスタート地点が違う。
そのスタート地点を他の子供や平均点や偏差値の「あるべき地点」と考えることから、よく間違いが起こります。
でも、相談者さんは、その辺りは、気づいていらっしゃいますよね。
だから、単語からはじめようとされた。
単語さえしっかりなれば、数学のようにうまくいくはず(^_^)
しかし、
まず単語からと思って10回ずつ書いてみようと促しても、私がうるさいのであきらめて書くときもあるのですが、全く覚えていません。
との状態(>_<)
問題点は何でしょう?
子供の立場になって、考えていきますね。
単語を覚えてないことに気づいた
↓
でも、覚えるのは面倒だな~
↓
親は10回書けと言う
↓
ええっー、10回なんて面倒だ!
↓
10回書け、書けとうるさいよ!!
↓
わかったよ、書けばいいんでしょ!!!
いかがですか?
もうお気づきだと思いますが、覚えることが目的でなく、10回書くことが目的になっています。
だから、10回書いても覚えられない(>_<)
面倒に思っている子供に、さらに面倒と思わせる作業をさせようとする
→ そうすれば、子供はもっと面倒に思う → 面倒に思ってやらない
→なので、形だけでもさらにやらせようとする。
この悪循環が続いていきます。
子供に勉強をさせる際には、いかなる短時間でも成果を出すことが求められます。
成果こそが、次も頑張ろうと思わせる原動力だからです。
覚えておいていただきたいのは、私が提唱する「親技」は、
子供に「強制」するものでなく、「提案」するもの
ですからね。
やるにしても、できるだけ楽に、苦しくないようにないように、提案していく。
いや、勉強をすること自体が苦しんだ!
そうです。でも、子供も少しはやらないといけないという気持ちもある。
したくないけど、やりたくない・・・だからこそ、親の「提案」に価値があるのです。
表現はかなりお下劣ですが、「強制」ではなく、「提案」というエサで近づいていくわけです。
特に、中学生など学年が上になればなるほど、強制には抵抗しますから。
では、親技のおける「提案」とはなにか? どうするか?
それは、
できるだけ、自由を与えること
これを心掛けるのです。
10回書きなさい!なんて回数を指定する必要なんてないのです。
それは学校なんかの宿題で子供たちにはもうすでに十分課せられているんです。
親が学校の宿題と同じような「強制」をしたんでは、親はいつまでたっても子供の味方にはなれませんぞ!!
だから、10回なんて書く必要はない。
誤解を恐れずに言えば、1回だって書く必要だってないのです。
たとえば、やらなければならない英単語のうち、書かずに見ただけで覚える単語もあるでしょうし、2回書けば覚えられる単語もある。
全部一緒ではないはずなのです。
もちろん、何回も書かないと覚えられない単語だってあるでしょう。
でも、書くことを目的とせず、覚えることを目的にして、達成できるなら何でもありなんです。
とにかく覚えれば、どんな方法だっていいのです。
ただし、時間だけは制限すること。
親も付き合うのは面倒ですし、子供だって同じです。
両者にとって、短時間で片付けるのは良いこと。
だから、「制限時間をこうしよう!」と提案してやるのです。
では、問題です。
単語を30コ暗記するとします。
子供は暗記することに抵抗している状態です。
さあ、どうします?? 親技駆使してくださいよ!
えっ、時間を短くして「10分で覚えよう!」って提案する!?
アチャー! それはチーンです…(;_;)
なぜって!?
時間を指定するのはいいんです。
悪いのは「まとめて○分」とすることが悪いのです。
だって、10分で30個なんて提案すれば、子供たちは絶対に
「ええっ~、そんなのムリ~!」
って、猛反発しますから。
きっと勉強も中断してしまって、親子バトルが始まります(>_<)
こういうときのポイントは、
子供の抵抗の度合いによって、小分けする
ことなんです。
まとめて「じゃあ、これだけでいいよ!」なんて言わない!
だって、親の「これだけ」って、子供には「ふざけるなよ!」って思える量だったらするでしょう?
だから、こういうときは、
「じゃあ、英単語これ1個、何秒で覚えることができるか?」
って小分けにして測ることからはじめればいいのです。
「見ただけで書けるな!」「おおっー、1個10秒で覚えたよ!」なんてなれば、しめたもの(^_^)
「じゃあ、6コを1分でいこう!」
と数を増やしていくのです。いつも言う手が届きそうな、それも子供が実際に1個の英単語を覚えた時間なんかで時間設定ができれば言うことはありません。
その中で、声を出したり、書いたりする方が、暗記がスムースにできるとか忘れにくいといったことに気づいていけばいいのです。
それを「声を出すともっとはやく暗記できるよ」と提案してあげるのが、「親技」なのです。
覚えやすい単語を手始めにやって「はやく暗記できるね!」なんて言いながら、覚えにくい単語にいってもいいし、覚えやすいものと覚えにくいものを混ぜてやるのもいい。
いろいろとバリエーションはありますが、今回のお話で、相談者さんの英語の勉強の取っ掛かりの部分が今よりもスムーズにいけばと思います。
ぜひ一度チャレンジしてください。

子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。