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「英語のエキス」ってどんな本?

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佐香さんが出版された「英語のエキス」と「続英語のエキス」は本屋さんに並んでいないものですから、「買おうかな?」って迷った時、困りますよね?

だって実際に手にとって見ることができないですから。

これを私なりに説明してみると、こうなります。


皆さん、「温」というをご存知ですよね?

「温」という漢字には旧字があることをご存知と思います。

この
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という字は「温かい」と書いて「あたたかい」と読みますし、もう1つ「たずねる」という読み方もありますよね。

論語に出てくる「温故知新」で

子曰く、故 ( ふる ) きを 温 ( たず ) ねて新しきを知らば、 以て師と為すべし。

なんていうのもあります。

問題なのは、私達の先人達はなぜこの「温」を

「あたたかい」「たずねる」

と読むようにしたのかということです。

今から20年も前、浪人中のストロングが感激した一節をご紹介します。

「温」の旧字をイメージしながら読んでみてください。

「活眼活学」 安岡正篤著 PHP 68ページ


人間を檻の中に入れると囚人です。原始的な感情から言いますならば、まことに憎むべきで、殺してしまえばよいものを、それにも飯を食べさせてやる。

即ち囚人の「囚」という字の下に「皿」という字ををつけ、湯茶、水も飲ませてやる。即ち三水偏(さんずいへん)をつける。そうすると、「温」、あたたかいという文字になる。

そうして、その囚人に茶や食物を与えるだけでなく、何故こういう悪いことをし罪を犯したのかと、その「温かい心」からたずねてやる。そこでこの「温」という字を「たずねる」と読む。

「温故知新」、「故 ( ふる ) きを 温 ( たず ) ねて新しきを知る」というように「たずぬ」と読む。

  
いかがですか?

私は浪人中にこういうのを読んでは、これが本当の勉強だよな!なんて受験勉強から逃げて遊んでおったわけです。

ただこの「温」の読み方は今でも心に残っていて、生徒たちにもまるで自分が発見したかのように話します。

そして、こういう形で教えた漢字は絶対に忘れない・・・

「5回書きなさい!」だけではない形で漢字を教えてやれれば、もっとおもしろくなるのにと思わずにはいられません。

ハイ、佐香さんの「英語のエキス」は英語についての「こういうこと」が書いてある本なのです!

わかりました? イメージできます?

佐香武彦さんは早稲田大高等学院、早稲田大で英語学習に打ち込み、卒業後は宮古市に帰り卸売会社に勤める傍ら英語塾を開いてきました。佐香さんは、英検の検定委員を務めていた経験から、英語の学習者の間違い事例集を基にこの本を自費出版されたのです。

「日本人がもっと国際化していく上で、コミュニケーションの誤解を減らすのに役立ててもらえれば」と思いの込められた著作「英語のエキス」。

佐香さんは言います。
「英検で多くの受験者に接しつつも、フラストレーションが溜まるばかりで、どのようにして子供たちを救ったら良いものかと、日々考えておりました。

出版するしかないとの結論に達しながらも・・・・そして、作るからには、私にしか出来ないようなユニークなものにしようと、あれこれ考えながら・・・・自分では惚れながらも、独りよがりなのではないかなと、少し心配しながら・・・」こうした思いで出版された「英語のエキス」ですから、たとえば、


 霧を濃い順番に並べると、

 fog → mist → haze → smog

 のようになる。ということは、どの語が使われているかで、霧の
 程度というか濃さが分かるのである。

 例えば、fogが使われていたら、視界のきかない濃い霧を想像す
 ればよい。

 実は、こういうことは霧に限ったことではなく、多くの英単語に
 言える特徴的なことであって、いちいち形容詞を付けなくても程
 度がわかる・・・状況が分かるのである。

 なお、湿り気のある水分を含んでいる霧は、mistで、霧吹きから
 出てくる霧には、普通 water が使われる。


中学3年生になれば、always、usually、often、sometimesなんかの頻度の単語を知っているはずです。

単語を見たら、程度が分かる、頻度がわかる、状況が分かるんですよ!

おもしろいですよね。

ちなみに、「strong」について説明している項もあります。

 
 腕っぷしが強くなくても strong が使える。その程度が普通以上
 と思われるなら strong がむしろぴったりする。

 彼は息がくさい。
 His breath is strong.

 この牛乳は腐りかけている。
 This milk is strong.

 濃いコーヒーをくれ。
 Give me (a) strong coffee. .......etc

 
いかがですか? おもしろいと思いません?

佐香さんからいただいたお手紙に1つ、本の中に入れておけばよかったと佐香さんが書いておられたことがありますので、私1人がフムフムと思っても仕方がないので、紹介します。

佐香さんが書けばよかったと思っていたこと、それは「know」についてです。

「know」はご存知のように「知っている」という意味です。

佐香さんは言います。

日本語では単に「知っている」と言いますが、英語の know は、「面識がある」「知り合いである」という意味です。

すなわち、

 
 I know him. 私は彼と面識がある。
 I know him by name. 彼とは面識はないが名前は知っている。

 ですから、「彼ならテレビで(よく出ているから)知っている」ならば、

 I often see him on TV.(テレビでよく見る)などのようにしなければならない。

 
佐香さん自身も、数年前にこれを聞いて「そうか!」と納得されたとか。

実はこの「そうか!」という感覚、この感覚を知っている者こそが勉強を長く続けられるのではないでしょうか?

これって子供の勉強でもすごく大事なことですよね。

「わかった!」「そういうことか!」「ハハーーン!」etc....

この感覚はどんなご褒美よりも大きなご褒美になります。

そして、この感覚が1つ2つ積み重なって、「もっと知りたい」と自ら勉強していく原動力になる。

さらに、この「そうか!」という感覚を知ると、「そうか!」を知るたびに幸せになっていくんですなあ。

自分自身にも、子供の勉強の際にも、この「そうか!」を大事にしていきたいですね。

そのことに改めて気づかせてくれた佐香さん心より 御礼申し上げます。ありがとうございましたーーー!!