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「ウニ漁に間に合った」

2011年07月22日(金)の河北新報の記事からです。

共同利用の4隻届く 宮古・重茂漁協「ウニ漁に間に合った」

東日本大震災の復興支援事業で、国や岩手県の費用補助で購入された共同利用漁船4隻が21日、宮古市の重茂漁協に届けられた。

漁船はそれぞれ総トン数1トン、長さ6メートル。天然のワカメ、ウニ、アワビ漁に使われ、4隻を10世帯が共同利用する。  

宮古市の音部漁港で引き渡し式が行われ、関係者約150人が出席した。神事の後、1隻を海に浮かべ、漁協の新たなスタートを祝った。船を受け取った石崎賢一さん(70)は「何とかウニ漁に間に合った」とほっとした表情で語った。

重茂漁協は、津波で漁船814隻のうち800隻を流失。これまで、青森、秋田両県などの漁協から中古船約200隻を購入した。伊藤隆一組合長は「要望していた450隻のうち、ようやく4隻が届いた。11月のアワビ漁に間に合うように、一日も早く船をそろえたい」と話した。

震災後、被災地で初めての引き渡しで、この日は大船渡市の吉浜漁協へも1隻が届けられた。

事業では、共同利用漁船の購入費や中古船の修繕費を国が3分の1、岩手県が9分の4、市町村が9分の1を補助し、漁協は9分の1を負担する。岩手県は202億円(3700隻分)の予算を確保したが、「予算を上回る申請がある」(水産振興課)という。



宮古でウニ漁始まる NHK岩手県のニュース
2011年07月29日
津波で船が流されるなどの被害を受けた宮古市の重茂港でことし初めてのウニ漁が、行われました。重茂港では、例年5月下旬からウニ漁を始め、年間およそ25トンを水揚げしていましたが、津波で全体の9割以上に当たるおよそ770隻の船が流される被害を受けたため、漁に出ることができませんでした。

地元の重茂漁協では、新たに購入したり、修繕したりした船を漁業者が共同で使うことで、29日、例年より2か月ほどの遅れでことし初めての漁に出ました。

重茂港では、29日午前4時ごろから、1隻に3人ずつが乗りこんだおよそ120隻の船が次々と海に出て行き、水中を見るための箱めがねを覗き込みながら、5メートル近くもあるさおを巧みに使って、海底のウニをすくっていました。

震災後初めて海に出たという粟津勝治さんは「漁ができて本当にほっとしました。重茂のウニを食べてもらって皆さんに喜んでもらいたい」と話していました。

ウニ漁は、来月の初めごろまで行われる予定で、水揚げされたウニは、焼きウニなどに加工されたあと、県内の飲食店や小売店に出荷されます。