ストロングの誌上講演会、はじまり、始まり?
こんにちは、ストロング宮迫です。
講演に行く際には一応原稿みたいなものは作って行くんです
が、来た方の顔と反応を見て、話すものですから最初に考え
ていた話と同じものもありますが半分以上は違う話になった
りします。
で、せっかく考えていたいくつかのお話をここで講演風にま
とめて皆さんに誌上講演会と称してご披露しようと思います。
とはいっても、「親技ってなんや?」という初めて「親技」
を聞く方を前提の話なので、親技の初級者向けの内容になっ
ていることをご了承ください。
実際に話した場合は、ストロングがちょうど30分くらいで
話す分量くらいでしょうか。
実際の講演を2時間とすれば約4分の1くらいの内容です。
「親技をよく知らない」方にはちょうどよく、もうドップリ
親技にはまっている方は復習として読んでいただければ幸い
です。
講演会に足を運んで下さった方でこれを見ていただいている
方は、講演会の復習として読んで下さいね。
それではストロングの誌上講演会、はじまり、始まり・・・
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まず「親技」の基本となる前提を確認しましょう。
あなたの「お子さん」についての大前提です。
1、子供は勉強に対してやる気がない!
2、子供は自分から勉強しない!
親技において、これは前提です。
もし仮に、あなたのお子さんが「勉強のやる気が満々」で、
「自らガンガン勉強する」とすれば、3億円の宝くじに当っ
たも同然。
大いに喜びましょう。おめでとう!
そして以下は読む必要なし!
まあ、「やる気があって自分から勉強する」のは決して宝く
じみたいな「たまたま」ではないんですが、ここではその話
はしません。
惜しくも3億円の宝くじに当選されなかった、残念な方、そ
う、あなたですが、そういう方へこれからお話しをします。
私たちが提唱する「親技」とは、主に小中学生の親の方に子
供たちをノリノリで勉強させ、成果をあげる!
しかし、子供の勉強の面倒をみるのは大変なんだな、これが。
だって「やる気はない」し、「自分からは勉強しない」し、
すぐに「わからない」とほざくし、勉強を見ようとすると
「ウザイ」と言う。
どうすればええねん!?と嘆きたくなる親の気持ちもわかる。
ただね、「成績がイイ子」にするにはそもそも大変なのだと
認識していない親が多くないか?
ポケットに手を突っ込んで口笛でも吹いていれば「成績がイ
イ子」になるなんて思っているんじゃないかという節もある。
そんなことないって!?
なら、いいんですが、「成績がイイ子の親」になるためには
実に多大な労力と長い時間、巧みな工夫と鋭い観察眼、それに
根気がいるわけです。
山本五十六は言います。
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やってみせ 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば
人は動かじ
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大変なんですね、「人を動かす」のは・・・・
でも、これで終わりじゃない!?
山本五十六の言葉には続きがあります。
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話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず
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こんなものでは終われない! まだまだありますぞ!
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やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず
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って、どんだけやねん!?という話ですな。
かように「人を動かす」「人を育てる」のは大変なのです。
子供も一緒。「成績がイイ子」にするのもね。
でも、今の親がやっているのは、山本五十六の言っているうち
のどれくらいまでか?
ちょっと番号を振ってみましょうか。
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1 やってみせ
2 言って聞かせて
3 させてみて
4 褒める
5 話し合い
6 耳を傾け
7 承認する
8 任せてやる
9 姿を感謝で見守って
10 信頼する
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ハイ、では質問です。
10コありますが、あなたはいったいいくつやってますか?
1番からダメって!?
そうなんですな。だいたい1番からダメなんです。
10コのうち1個もできていない方も多い。
で、1コもやっていない親が「ウチの子なんとかなりませんか?」
とか「なんとかしてよ!」と言ってくる。
誰が「あなた」の子の面倒を見てくれるもんですか!
えっ、「褒めてます」って!?
「褒められる」ことをやってもいないのに褒めていないでしょうね?
とりあえず「勉強してもらう」ためにテキトーに褒めてませんか?
子供たちは「褒められる」要素がないのに大人から褒められたら
「なんにも見てないクソ親だなあ」とすぐに感知します。
それが積み重なれば、そういう大人の言うことは聞かなくなります。
大丈夫ですか? 子供の感知センサーは相当にすごい能力があり
ますから。
えっ、ウチは「任せて」やらせてるですって!?
いきなり8番ですか?
もしかして1番から7番まで飛ばしてませんか?
「任せた」ハズが結局、
「あなた、頑張るって言ったのに全然やっていないじゃないの!?」
なんて結末になっていませんか?
それって「任せた」とは違うでしょう。
「任せられる」ようにしてやって「任せる」わけですから。
種蒔いて、水やって、日を当てて、風通しを良くして、葉っぱの手
入れをして・・・それを休まずにやる。
種蒔いただけじゃダメで、水をやらなきゃ、枯れる。
水もやり過ぎたら根が腐る。日当たりが悪いと元気がなくなる。
実にバランスが難しい。
親も仕事もありゃ、家事もあり、地域の行事の世話もあり、ときには
一人でパァーとやりたい。
でも、目を離せば、枝がひん曲がったり、いじけたり、雑草が生える。
ゆえに親技は「親の修行である」と言っています。
親の全行動が問われるわけです。
「子供にやる気がない」→「親のせいでしょ!」
「子供が勉強しない」→「親がやらせればイイ!」....etc
親の言うすべての「子供が・・・・」は親に全部跳ね返ってく
ると親技では考えているわけです。
親がしたように子はなるというわけです。
でも、たとえば「成績がイイ子の親」はそれほど苦労している
ように見えないという人もいる。
楽に「成績がイイ子」が育ってる!?
いくつかの要因があると思いますが、その1つは習慣ですね。
授業も家庭学習もストロングは「ワンパターンが良い」と考え
ています。この「ワンパターン」こそ「習慣」です。
たとえば夜9時になったら部屋に上がる。こういうのも1つの
習慣ですよね。
とにかく9時になったら家のテレビが消えて、自分は自分の部
屋に上がらなければならない。
こう言う1つ1つの習慣やルールが確立されて、自動的に物事
が進んでいるように見えるのが「成績がイイ子の親」が楽に見
える原因の1つです。
そういう習慣やルールを小さい頃から確立してきた、また子供
たちもそれをきっちり守ってきた、守らされてきた結果の「楽」
でもあります。
約束のない、ルールのない世界というのは喜びがないんですね。
もっというと喜びが見つけづらくなるんですね。
たとえば、ゲームはいつやってもいいです。
何時間やってもイイです。
となれば、「今日はゲームができる!」という喜びはないでし
ょう。
だっていつでも好き放題できるんですから。
そこに「ゲームは毎日30分」というルールがあるとする。
このルールは親と子供が話し合って決めたものです。厳格に守
られている。
そこに特別な日として
「今日は特別に1時間ゲームをやってもイイです」
となれば、子供も「ヨッシャー!」となるでしょう。
何の制約もない「遊び」というのは、すごく羨ましいように見
えますが、実に味気のない、どんどん喜びのない世界につなが
ります。
ゲームをやり放題となれば、どんどんゲーム自体もクリアもで
きるでしょう。
クリアすれば次のゲームが欲しくなる。
どんどんどんどん「もっともっと」となりがちです。
一方、毎日30分しかゲームができないという制約がある子供
はなかなかゲームのステージがクリアできない。
次の違うゲームどころか、延々と同じゲームの同じ画面で奮闘
するなんてこともあるでしょう。
結局おもしろくなくなって「ゲームなんかしない!」なんてこ
とも起こりえます。
まあ、これはたとえばという話ですが、習慣、ルールというの
は家庭において実に大きな、いやすべてに影響するものといえ
るでしょう。
もう1つ「目安になる時間」というお話もよくします。
子供が「イチロー選手みたいになりたい!」といえば、多くの
方が「それは無理よ。だって彼は天才なんだから」と言ったり
します。
でも、ストロングは
「イチロー選手みたいになれるよ」
と言います。
「どうやったらなれるの?」
「うん、それはね・・・」と以下のような話を子供にします。
中国新聞 ウオッチ 永山貞義
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過日、テレビで将棋のNHK杯を見ていると、解説の青野照市九段
が強さについて、独自の見解を述べていた。
それを要約すると、卓球の福原愛は、既に1万6000時間以上の
練習を積んでいる。将棋の場合は、まず基礎固めに1万時間の勉強
が必要。羽生善治王位や森内俊之名人らは、早くからそのぐらいの
勉強時間をクリアしてきたため強いのだ。
青野九段が言っているのは、このように幼児期からの英才教育が
「天才」を生み出しているということである。
この発言内容からなぞって、真っ先に思い浮かべるのはイチローだ
ろう。3歳から野球を始め、小学3年生からは1年365日のうち、36
0日を父親とマンツーマンで練習。(省略)
こんな天才を生み出すためには、単に幼児期から訓練を重ねればい
いわけではない。素質を見抜く目を持った指導者が必要なのに加え、
本人も目標に対して、やり抜く強い意志が必須条件である。(省略)
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基礎固めに1万時間!! 卍固めじゃないですよ!
計算してみると、だいたいこうなります。
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1日3時間で、1年で1095時間、10年で10,950時間
1日2時間で、1年で 730時間、10年で 7,300時間
1日30分で、1年で 182時間、10年で 1,820時間
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10年休まずに毎日3時間やって、やっと1万時間です。目もくら
む途方もない数字です。
上記の人たちは10年なんてかけずに1日に6時間とかやって5年
とかでやっているのでしょう。
だけど、小さい頃からやり抜く意志を持っている子供がいるんだろ
うか?
まあ、なかにはいるでしょうが、やっぱり親なり、指導者なりの意
志のほうが強かったんではないでしょうかね。
この人たちには、夏目漱石の「人は才能の前には頭を下げないが、
根気の前には頭を下げる」という言葉がピッタリです。
頭が下がりすぎて、地面に埋まってしまいます。イタッ!(>_<)
で、さっきの「イチロー選手みたいになりたい!」子供たちへの話
になります。
「お前もイチロー選手みたいになれるよ。イチロー選手みたいにな
るためにはね、小学3年生からは1年365日のうち、360日
をマンツーマンで練習するんだよ。」
「イチロー選手は小学校から4時ころに帰ってきたらお父さんが家
で待ってるんだ。4時から練習だよ。7時ころまでやって一旦家
に帰ってご飯を食べて宿題をする。」
「8時くらいからバッティングセンターへ行って10時くらいまで
打つ。打って打って打ちまくる。これでだいたい1日5時間だよ
ね。1年のうち360日やるから1年で1800時間。」
「これを中3までやれば10,800時間になるから基礎固めは終
了だよ。」
「高校は野球の強い高校に行って・・・・」
「センセイ、もういいです。ボク、イチロー選手になれなくても・・・」
「遠慮するなよ。キミだってなれるんだよ、頑張れば。」
「センセ、本当にもう結構ですから。」
「いやいや、そんな遠慮しないでいいよ。まだ続きがあるんだ、高
校に行ったらね、、、、」
「イヤだー!!」
まあ、だいたいこうなってしまうんですな。
そういう意味で、ストロングはイチロー選手や福原選手を「天才」
ではないと考えております。
それだけの時間を費やしている。誰でも、なんにでもなれる!!
まあ、それに付き合う「変態の大人」もいるという点では奇跡です
がね。
「天才」ってそういうものだとストロングは思っています。
「天才」の話はさておき、では皆さんはいったいどれくらいの時間
を子供たちにかけているのか? 見ているのか?ということに話は
戻ってきます。
もう一度見てみましょう。
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1日3時間で、1年で1095時間、10年で10,950時間
1日2時間で、1年で 730時間、10年で 7,300時間
1日30分で、1年で 182時間、10年で 1,820時間
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1万時間の根気はなくても、「天才クン」の5分の1の時間には
なりますが、1日30分でも勉強を見てやれば、成績は上がるで
しょう。
今いるレベルにもよりますが、成績は確実に上がります!
学校のテストなんかであれば、1日30分あれば、「今より少し、
もうちょっと」であれば、あっさりいけますよ。
さて、あとはそれをやる気があるのかないのか?
皆さんもぜひこれを契機に計算してみてください。
勉強でもスポーツでもいいです。
私はこれまでに何時間かかわっているだろうかと。
子供の基礎固めに何時間使っているのかを。
その時間を計算した上で、「ウチの子はどうもセンスがない」とか
「素質がない」とか、ほざいてほしのです。
まあ、だいたい時間を計算したら
「あなたに、そんなことをほざく資格はないですなあ」
という結論になりがちなんですがね。
さて、今までのお話しで
「わかったよ、一定の時間をちゃんとかけりゃいいんだろ。」
「やるよ、やりますよ。山本五十六も努力しましょう」
とまあ、こう親が決意したとしましょう。
しかし、その大いなる決断を親がしたとしても、今度はその相手が
いるという話になってきます。
そう、その相手とは、おたくの「息子・娘」ですよ。
「基礎固め1万時間やるぞー!」
といくら親が気合いを入れても、子供が学校から帰る4時には家で
待っていたとしても、子供たちが家で待っている親を「ウザい」と
感じて、寄り道して家に帰ってくるのが7時だった!なんてことだ
ってしょっちゅう起きる。
こうなれば、どうしようもないわけです。
ここで今までの親子関係の経緯というものが出てくるわけです。
「1日5時間勉強するぞー!」
って親が言ったって、子供が
「ウルセー!」
とか言って、部屋のカギ閉められちゃ、1日30分も夢となるわけ
です。
だから、親が決意するのはいいとして、まずは1日30分からやっ
てみたらどうですか?というのが私たち親技での提案なんです。
最初からあまり張り切らなくていいから、
「それくらいならやってみてもいいかな!?」
というところを入り口にやってみられたらいかがでしょう?と。
もちろん今まで2時間やっていた人は、30分に減らす必要はない。
そのままいけばイイ。
その上で、30分でも2時間の勉強でも、キッチリ成果を出してい
けばイイ。
でも、よく「30分の勉強で成果なんか出せないよ!ふざけるな!」
と怒る人がいる。
怒るのは自由なんですが、そういう考えの人に成績がイイ子の親は
いないのも事実なんです。
30分でも、たとえ15分でも机に座って勉強したら成果を出す。
これが基本です。
では、成果ってなんですか?とこうなります。
「理解できた!」これって成果か?
「問題が解けた」これって成果か?
とこうなるわけなんですが、私達は親技で、勉強のやり方には
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「3つのステップ」
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があると言っています。
すなわち、
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「理解する」→「解ける」→「はやく解ける」
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それぞれの段階「理解する」「解ける」は、1つ1つもちろん成果
なんですが、本当の成果は「はやく解ける」までいって初めて「真
の成果」と考えています。
30分の勉強の中で「理解する」までいけば、まあ成果があったと
いえますが、まだ生焼けなんです。食べたらオエーってなる感じ。
えっ、お肉はレアがいいって!?
なるほどそうきますか・・・
じゃあ、勉強もずっとレア、すなわち「理解する」の段階止まりで
ずっといって下さい。勉強ではいずれ腹を壊しますから。
勉強で「腹をこわす」とは「頑張った割には点数が・・・」という
現象のことです。
えっ、刺身も好きだし、やっぱり生がイイって!?
付き合い切れんな・・・・
冗談はさておき、勉強では、表面のみを焼いたレア、「鰹のタタキ」
状態の「理解する」や肉汁を閉じ込める焼き加減状態のミディアム
の「解ける」ではテストで力を発揮できないというのが親技の考え
方です。
焼くならきっちり中心部まで火が通っているウェルダン状態まで持
っていってはじめてテストで力が発揮できる、つまり「真の意味で
成果がある」もしくは「テストで成果を出せる」状態になる。
親技では30分という短時間の勉強においても、必ず「はやく解け
る」まで持っていく作業を必ず入れます。
それは同じ問題を2度解く、もしくは3度解くことを意味します。
一言でいえば「反復」ですね。
一番わかりやすいのは小学校2年生でやる「九九」ですね。
皆んなできますよね?
あれって反復のお陰ですよね。
いきなり「3×7」と言われてもすぐ答えられる。
しかし、「3×7」と言われて、
「ええっと、サンイチが3、サンニが6・・・・サンシチ21」
とか言ってたら、「ブー」でしょ? ミサイルキックですよね。
問題を見て、頭に入れたら即座に処理して答えを出す!
習ったものはまずそうやって出せるように訓練する。それが「は
やく解ける」状態です。
習った問題がこの「はやく解ける」状態にまでなっていれば、テ
ストでそれほどひどい点数にはならないわけですね。
これを私達は「処理力」と呼んでいます。
「処理力」は勉強の基本です。
家庭学習においても、この「処理する力」をつけるように、繰り
返し解く、「はやく解ける」ようになるまでやりましょうと言っ
ているわけです。
「はやく解く」の基準は目安としては1回目の約半分の時間とな
ります。
その際、途中の式や考え方、筆算などは省略してはなりません。
1回目と同じようにやって1回目よりも半分の時間で解く。
これが私たちが言っている「はやく解く」です。
仮に90問やらなくちゃいけない問題があったとします。
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A君は90問を1回やった
B君は90問の中の30問だけを3回やった
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やる量はA君ともB君とも同じ90問と仮定します。
では、同じテストを受けたら、どっちがイイ点数を取るでしょう?
今まで見てきた経験からいえば、それは間違いなくB君です。
ここに全部を一通りしかやらない勉強じゃなく、「絞って繰り返せ」
という提案が出てくる根拠があります。
一通りしかやらなければ、子供の頭にうまく収まらないというのが
理由の1つでもあります。
1回しかやっていない問題というのは、テストで出たら家ではでき
ていたのにテストで間違うなどの現象で出てきます。
塾なんかから膨大な量の宿題が出てくるでしょ?
子供たちはその習う量と宿題とプリントの海の中でアップアップで
溺れているわけです。
ならば絞って、絞った問題をきっちり「はやく解ける」まで落とし
込めと。
それができれば、じゃあ30問と言わず50問を3回やろう!とす
ればイイ。
もちろん出た90問を全部3回やれれば万全といえるでしょう。
まあ、単純に90問を3回繰り返すやり方は非常に時間がかかりま
すので、勉強の工夫という面では実際はおススメしませんけどね。
このやり方だと300問やらなくちゃいけなくなったときには溺れ
死にますから。
さらに量が出るなど、すぐに限界がくるやり方というのは親技では
おススメしていません。
まあ、その点については、上級者向けの話になるのでここでは触れ
ないでおきましょう。
まずは「はやく解ける」まで落とし込んでテストに臨んで、それが
テストでできるかどうか。
一通り宿題をやってテストを受けても、たいていはうまくいきませ
んよというお話でした。
と、ここまで話をしてくると、「処理力」をつけないといけないの
はわかったと。
でも、最近は「自分で考える問題」が出るとか「知識は問わない問
題」なんかも多くなってきているという話が出てきます。
「パターン認識」や「やり方を熟知して問題を解く」そうしたやり
方では太刀打ちできなくなっているのではないか、こういう疑問で
すね。
処理力をつけるやり方では「応用が効かない」という言われ方をさ
れたりします。
応用っていうのは基礎がベースになって応用です。
「自分で考える問題」というのも、本人が持っている今まで蓄積し
た知識や勉強内容があって初めて「自分で考える」ことができるの
ではないでしょうかというのが私たちの答えでもあります。
何もベースがないところで、「自分で考える」ことはできないと私
達は考えています。
「処理力」の部分のところで止まる必要はなくて、処理力をつけた
らさらに応用や発展に進めばイイ。
基礎や処理力のないところに応用も発展も「自分で考える」の花も
咲かない。
「応用が効かないんですよ」という親の子供を見たらほぼ100%
が「基礎ができていないじゃないか!」って話になるのはそういう
ことだと思います。
応用だって、基本のいくつかの組み合わせだったりするわけです。
処理が速ければ、頭に基本がきれいに収まっていれば、基本と基本
を結びつけることだってできる。
テストには「ハイ、この問題はつるかめ算ですよ」とか「相当算で
すよ」とか「関係代名詞ですよ」とか書いていないわけです。
だけど習う時は「つるかめ算ですよ」とか「相当算ですよ」とか
「関係代名詞ですよ」と習うでしょう。それは順番があるからです。
この単元は「こういうものですよ」と概念から導入して、式なんか
を習う前に表や図にして考えさせて、これを簡単にするには「こん
な公式ややり方がありますよ」と習って、今度はその公式や便利な
やり方を使って問題演習をする。
これが授業です。
家に帰ったら、その習ったことを使って主に問題演習を行って定着
する。
もし、「応用が効かない」と嘆く方は、習ってきた部分の公式以降
しか考えてやっていないんじゃないかとぜひ考えてほしいのです。
しかし、そもそも大事なのは、公式を習う前の概念だったりするわ
けです。
同じ処理力を上げる練習を家庭でする場合でも、
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概念を取っ払って公式だけを念頭にやる家庭
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と
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あくまでも単元の概念を念頭に、便利なやり方としての公式と
いう考えをベースにやる家庭
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の場合では、同じ繰り返し、反復をしても意味が違ってきます。
3ヶ月もすると、まるで違う人間になっちゃう。実力・公開テス
トなんかでは大きく差が出ちゃう。
概念を取っ払って公式だけを念頭にやる家庭は、やり方を忘れた
からできない・・・につながっていきます。
あくまでも単元の概念を念頭に、便利なやり方としての公式とい
う考えをベースにやる家庭は、公式を忘れても、やり方を忘れて
も、問題はできる。問題は考えられる。時間はかかるけれど。
ここが同じ処理力アップを目指してやっている家庭の中でも違いが
出てくる、応用が効かない、類題しかなできないという悩みを持つ
方のポイントです。
やり方を忘れたら、テストでは完全に時間切れになるわけです。
1からやっていたら到底テストは終わりはしない。
結果は「できなかった」だけれど、時間があってもできないのか、
時間があればできるのかは同じ「×」でも意味が違います。
処理力アップの過程でその過ちを犯さないために私達は
「これってどうしてそうしたの?」
「なせそうなるの?」
などの質問や投げかけを子供たちにすることをおススメしています。
ただやり方がそうだからではなく、
「なぜそうしたほうが楽なのか?」
ある意味では単元の概念を問う投げかけを子供にする。
子供は「ええっと、ええっと・・・」となる場合も多々あります。
そこに習った単元を奥深く子供たちに染み込ませる起源がある。
それを見逃さない。
「本当にわかった」と「わかった気になる」の違いを見つけるわけ
ですね。
子供のそばにつくモノだけが獲得できる瞬間でもあります。
子供のそばについて勉強を見ている、すなわち過程を共有している
ものだけが気づけるご褒美ですな。
世の中にはそんな「ご褒美はほしくない」という方もいるようです
から強制はしませんが、私たちは親技でその瞬間を見逃さずに大事
にして下さいと申し上げています。
さて、ここまでグダグダと書いてきましたが、ここまで約9000
字弱、しゃべれば20分前後でしょうか。
ただメルマガとしてそこそこの長さになってきましたので、最後に
1つだけ申し添えて30分の話を締めたいと思います。
最後に申し上げるのは「受験があってもなくても、ずっと厳しい道
を行く」ってことです。
たとえば中学受験で中高一貫校を目指す方に「高校受験がないほう
が6年間を自由に使えて充実した学生生活を送れる」と考えて中学
受験を選択される方がいます。
そのお気持ち、よくわかります。
また、「6年間と言わず大学までエスカレーター式に上がれる学校
にして自由に思う存分、学生生活を謳歌してほしい」と言われる方
もいます。
そのお気持ちも、よくわかります。誰しもが一度は考えることです
から。
いずれも受験に左右されないように「受験する」というちょっと矛
盾した話になっているんですが、ここではそれにはこだわらないこ
とにします。
それは置いておくとしても、「受験がなくて伸び伸びやらせたい」
というお考えは常にその裏に「受験がないからダラダラ過ごし、ゲ
ームばっかりやっている」という裏の側面もあるという点だけはき
ちんと押さえておいてほしいと思います。
物事には常に裏表があり、表裏は一体なのです。
実際中高一貫校に進めば、「ダラダラ」していれば、勉強が遅れます。
中高一貫校では、中1の段階で20%前後は「落ちこぼれ」もしく
は「落ちこぼれ予備軍」のグループに入っているとお考えください。
これから5年以上も過ごす、希望を胸に入った学校ですでに・・・
の状態なのです。
どんなにおもしろくない学校生活になるのでしょう。
中高一貫校に進めば、普通であれば中3で高1の内容にも入るでし
ょう。つまり、公立中学に進んで高校受験をするよりは速い進度で
進むわけですね。
速く進むということは勉強量も増えてくるということです。
中3の同時期で比べれば、かえって受験したほうが勉強が少なくて
済むという話にだってなりかねません。
それくらい高校のカリキュラムは厳しくなります。
単純に中学の1.5倍から2倍というのが普通の感覚です。
高校受験をして高校に進む人は高校に入ってからですが、中高一貫
校生の場合は中3の2学期くらいからそれが始まる。
高校の勉強は普通でいえば最低毎日3時間の勉強が必要になります。
毎日です。予習、復習で3時間くらい勉強しないとおっつかないはず
です。
中学受験ではだいたい3時間以上は毎日勉強するでしょう。
高校に入れば、また「あの日」が始まるのです。
勉強に関していえば、大学入試で一定以上の大学に行こうとすれば、
どこに行っても、どこにいようがその勉強からは逃れられません。
つまり、決して「短距離」の勉強ではない。単なる長距離の勉強で
もありません。
長距離ながら、各場面各学年で全力疾走が求められるのです。
決して「ラクな戦い」ではないということです。
でも、そうやって鍛えられながら子供たちは大きくなる。
その場から逃れさせることが親の役目では決してないということです。
いくつかの制約もある。勉強だけじゃイヤだ!部活も頑張る子供だ
っている。
圧倒的にない時間をいかに工夫して、いかに効率よく、頑張り抜くか。
でもね、そうした制約の大きい生活があるから、その中で「どうす
るべきか」を考えることができたりもするのです。
それこそ皆さんの大好きな「自分で考える力」の養成につながるじゃ
ありませんか。
ノホホンと伸び伸びもいいけれど、なにも求められず、何の制約もな
い生活に喜びは見つけにくとは先にお話ししましたが、まさにそれち
ょっと欲張りすぎじゃないという学校生活の中で「すきまの時間」を
みつけて工夫して頑張っていく知恵を子供たちは学んでいくのです。
「小5の壁」「中2の中だるみ」「高1の壁」それぞれいつもよりは
ちょいと高い難関の壁が子供たちの前に現れます。
その際、子供一人でそれを「勝手」に「自分だけ」で見つけて乗り越
えていくのは極めて困難だと思います。
放任するのはかまいませんが、それらの壁に出会って子供たちが立ち
すくんでいる時にはサッと手を差し伸べてあげてやってほしいと思い
ます。
現代は、
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いつまでも手を差し伸べない親
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と
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手を差し伸べるが見当違いもはなはだしい「手助け」をする親
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が多くいますから。
親は子供の人生を代わって生きていくことはできません。それはわか
っている。
しかし、イチロー選手がそうだったように、「普通の子供たち」も勉
強に部活に恋愛に趣味に読書にそれぞれ懸命にいそしむことを考えれ
ば、みんな「イチロー選手」並みの生活にはなるのです。
ただ「普通の子供たち」はイチロー選手みたいに1本の道を進んでい
くわけじゃないだけのこと。
いくつかの柱を立てて、それぞれ分散はするけれど、イチロー選手並
みの生活を送っているんです。
多くの子供たちが、誰の手助けも受けられずに、勉強で挫折し、部活
で挫折し、結局「趣味」という名の楽な遊びに、制約もなく、我慢も
なく、頑張る必要のない世界に逃げこむ。
そこは生きる喜びさえ見つけがたい大きな落とし穴でもあります。
その落とし穴にハマらぬようにしっかり見守ってやってほしい。
「頑張らない」だけですごく幸せに生きているなら文句はありません。
成績なんてクソくらえー! それでイイ。
しかし、なにも頑張らないで、なにも頑張らせないで過ごす彼ら彼女
らがこれからの長い人生で何に喜びを見出して生きていくのかを考え
たときストロングは暗澹たる気持ちになります。
キツキツの生活の中で工夫して、親の手助けを受けながら、勉強を頑
張り、部活を頑張る。
「受験が終わったら楽になるよ」とかウソはいわないことです。
「受験が終わって楽になる」のが本当だったら、それは進学先で地獄
を見ているということですから。
そして、「厳しいのはなあ・・・」と思っているあなた。
「ずっと厳しい道」にいたら、それが普通になって「皆んなと一緒」
「大変だけど厳しいとは思わない」という感覚を頑張っている子供た
ちがいることをお忘れなく!
グッドラック! ストロング宮迫でした。
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