「親子の受験に対する考えや方針が問われていると考えてみる。」

塾の先生には「わかる・理解する」、そして親には「実際に解けるように、しかも速く解けるレベルまで上げる」を手助けするというそれぞれの役目があります。

成績が上がらないのはそれぞれの役目がうまく機能していないからです。

「素養がない」と言われ落ち込む前にまずそこを確認してみて下さい。

「親技」って何?

子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。

頑張りそのままで、成績を上げたい方はこちら

さて、ここからはもう少し詳しく「『素養がないため、お子さんは中学受験は向かない』と言われたら!?」というテーマで話を進めていきますね。

大手進学塾と個別塾に通って1年の小5です。

成績は全然伸びず・・・・

本人はやる気はあると言っていますが、何度も言われて、ようやく勉強を始めるといった感じです。

先日、私とだんなは、個別の先生から、「この子は素養がないため、中学受験は向かない」と言われ、かなり落ち込み、息子は志望校を先生に言ったところ、「夢をみるのはやめなさい」と言われ、落ち込んでいます。

その先生は、低い偏差値のところでも、環境を買うという気持ちで受験したほうがよいと言いますが、納得がいきません。

まだ1年あるし、今までいろいろなことを犠牲にしてきたため、諦め切れません。

確かに成績は全然上がりません。本当に切羽つまっています。どうすればいいか、教えてください。お願い致します。

大手進学塾と個別指導塾の両方に通う。最近、そんな方が多くなっています。

受験を考えた場合、大手進学塾のカリキュラムはやはりよく考えられています。

ただ、個々の子供のレベルを考慮したものでなく、合格するために必要な学力を習得するためのカリキュラムになっているということ。

よって、中学受験に大量に子供が参入するようになって、ますます塾で習う内容が未消化になる子供たちが増えています・・・

その対策として、補習としてさらに個別指導塾や家庭教師で勉強。

最近では大手進学塾は自塾に個別指導部門を持っている場合がほとんどです。

その頼みの綱ともいえる個別指導塾の先生から「中学受験は向かない」と言われた。

ショックですよね(>_<)

しかも、「この子は素養がない」とも・・・

さすがに、この先生の言葉には、メールで読んだだけなのに、ストロングもカチンっときました。

じゃあ、お前さんの個別指導塾じゃあ、素養のある子だけを・・・

と言い出したら止まりそうもないので、それはひとまず置いておいて、気持ちを落ち着けて考えていきましょう。

まず、メールを拝見して、怒り以外で思うことがいくつかあります。

「この子は素養がない」と言われて、発する感情に2つあると思います。

1つは「ふざけんなよ!」。

もう1つは相談者さんのように「落ち込む」。

もちろん、2つの感情が一緒に湧き上がってくる方もいるでしょう。

塾の先生に言われました。会社であれば、上司や社長に言われました。

まずどういう気持で相手が言っているのか? 

そこを考えます。

切るつもりなのか、それとも愛情表現の1つとして奮起を促しているのか?

愛情表現として受け止められるのであれば、奮起して頑張ればいい。

しかし、相談者さんの場合は、そうでもないようですし、そう受け取る気持ちにもなれないようですから、相手はもう突き放す気持ちで言っているのでしょう。

その際、先に言った「ふざけんなよ!」なのか、「落ち込む」か。

会社なら、退職か、ひれ伏して残るか。

相談者さんはどっちでしょうか?

選択権は相談者さんにあるんです。

どっちがいいのかどうかは個人によって違うでしょう。

会社でも社長や上司の悪口を延々と陰で言っているのに、ずーーーとその会社に勤めている方もいますでしょう?

それはある意味、自由なわけで。

一体だれのために受験をし、何のために受験をしているのか?

そこが問われているようにも思うのです。

いや、こうした「事件」が起こった際には、そういう風に考えるのがいいと私は思います。

先生が悪い、家庭が悪いはさておき、今相談者さん親子の受験に対する考えや方針が問われていると考えてみてください。

イイ先生もバカチンな先生も、どの塾でもいるものです。

先生をチェンジできなくて、バカチン先生と付き合うしか選択がないなら、先生とはバイバイするというのが普通の選択でしょう。

「落ち込む」ことはないのです。

だって、相手はバカチン先生なんですから。

バカチン先生ですから、そもそも言うこと自体を論評したり、かかわることは御免こうむりたいところですが、念のため、

低い偏差値のところでも、環境を買うという気持ちで受験しろ

について。

まったく、理解できません。

まず環境がよいかどうかなんて知ってるの!?と。

また、「お前の仕事(役目)は何なんや!?」と。

これは私の個人的な意見なんですが、塾の先生の役目は

「道先案内人」

だと思うのです。

生徒や保護者たちの望みを叶えるなんて全部ができるものではありません。

ただ、

「その目標だったらまずはこうしてごらん」「それが達成できたら、次はこうするんだ!」

と案内をしてやる。

ときには、やる気のない生徒に対しては、「今のままだとこうなる」といった現実的も話をしてやることだって必要なときがある。

厳しくしたり、叱ったり、褒めたりも当然あるでしょう。

それは、

下に下がったベクトルをちょいと上に向けてやる

ためです(^_^)

その道先案内人が、

夢をみるのはやめなさい

なんて発言はおかしいわけです。

もし、道先案内人が言うとすれば、

夢「だけ」をみるのはやめなさい

ではないでしょうか。

夢をみることは、ベクトルを上に向けるときに力を与えてくれます。

ただ、それは努力がともなわなければ意味がない。

だから、

「こうやればこの問題が解けるようになる」「難しく見えるけれど、こう見たらカンタンじゃないか?」

なんてできる喜び、わかる喜びをを体験させることで、子供たちが頑張ることを継続できる手助けをしてやる。

これが、授業なんですね。

夢じゃなく現実になりそうだぞ!

ってなればいうことはありません。

繰り返しますが、相談者さんにとって、「その先生」は道先案内人なのかどうなのか。

お金を払っているのは相談者さんですから、選択肢は相談者さん自身にあります。

今まで書いてきたことを踏まえて、「バイバイ」するか、「先生、伏してお願いします」かは決断したらいいです。

私は思うんですが、皆さん、人が良すぎますよ!

たとえば、「10歳までに子供の学力が決まる!」となにかの権威に言われたとしましょうか。

多くの方が「あ・・・・ウチはもう12歳だから・・」と落ち込む。

アホくさい話です。

私なんかもう42歳ですよ! 

何を言うか! じゃあ、オレはもうダメなんか!

即座に、そして、強く申し上げます。

42歳になったって、もう少しは賢くなりたいとか気の利いたことが思いつくようになりたいと思います。

決めるなよ、オレの人生を勝手に!!ってなもんです。

私の場合は、少々厚かましく、「手遅れだろ!」ということがあるかもしれませんが、お子さんは5年生でしょう?

なんでもできる!! 

可能性は私の100万倍はあるでしょう?

さて、バカチンが「他人の人生を勝手に決める」発言については、それくらいにして、相手を「バカチン」呼ばわりしても、実はこの手の問題は解決しません。

というのも、相談者さんいわく、

大手進学塾と個別塾に通って1年。成績は全然伸びず・・・・

この問題を考える際に、塾だけを考えるのは片手落ち。

今の塾を続けるにしても、やめるにしても、この話はついて回ります。

よって、

なぜ成績が上がらなかったのか?

については、真剣に考える必要があるでしょう。

相談者さんは、

確かに成績は全然上がりません。本当に切羽つまっています。

と書かれていますが、この1年、真剣に切羽詰まった気持ちで取り組んできたでしょうか。

塾の先生に「素養がない」と言われた相談者さんは辛かったかもしれませんが、「夢をみるのはやめなさい」と言われたお子さんはそれ以上に辛かったのではないでしょうか?

まず子供の痛みを知る! これが最優先です!

もし、1年以上放置して、塾に投げっぱなしにしておいた上でこの事態であるなら、相談者さんも責められるでしょう。

集団塾に行かせ、その上プラスで個別指導にも行かせましたというのは、親の役目を果たしたことにはなりませんからね。

でも、相談者さんは、

今までいろいろなことを犠牲にしてきたため

と書いていますので、塾に投げっぱなしではなく、なにがしかの手を家庭で打ってきたのでしょう。

いつも書きますが、

本人はやる気はあると言っていますが、何度も言われて、ようやく勉強を始めるといった感じです。

これはみんな一緒。

成績がイイ子だって、嫌々勉強は始めますから。

でも、イヤイヤでも勉強はするんです、成績がイイ子は。イヤイヤでも勉強はさせるんです、成績がイイ子の親は。

相談者さんは、勉強させました? 

では、塾の先生が道先案内人ならば、家庭での親の役目って何でしょう?

子供が頑張れるようにあの手、この手でベクトルを向けていく。

塾の先生と同じですよ。

そういう意味では、親と塾の先生は良きパートナーじゃないといけません。

塾で理解できた。

ここで、先生からバトンを受け取るわけです。

あとは、実際に解けるように、しかも速く解けるレベルまで上げる手助けをするのが、親の役目です。

もし、相談者さんが集団塾で授業受け、さらに個別指導で再び「授業」を受けて、家では「実際に解けるように、しかも速く解けるレベルまで上げる」をしなければ、さらに家庭教師をつけても、塾をかわっても、同じことが起きます。

集団塾で授業を受け、それを踏まえて個別指導で「実際に解けるように、しかも速く解けるレベルまで上げる」までしていたにもかかわらず、成績が1年上がらなかったというのであれば、それはやり方が悪いとなります。

先生にその力量がないと結論づけることもできるでしょう。

相談者さんのお子さんは、どの部分に引っ掛かっていたのか?それについて、相談者さんが即座に答えることができなければ、把握していないのであれば、投げっぱなしでバカチン先生に1年間もかわいいわが子を預けていたことを反省しなければなりませんよ。

塾の先生と親は、それぞれの役目を果たし、塾の先生と親のお互いが「なかなかやるな!」と両者を認め、子供の夢を現実に近づけていく。

これが、理想の塾との付き合い方だと私は思います。

よく「全部私に任せてください!」なんて親にとっては心強い言葉を口にする先生がいます。

もし、そうできるなら、そしてやって成績もグングン上げてくれる先生がいらっしゃるなら、孟母三遷で大金をはたいて私自身もお願いしたところです。

そういう出会いがある方は幸せ。

なければ、誰かがそれぞれの役目を果たさなければ、成績は上がり ません。

お母さんがフルタイムで働いている家庭はもう珍しくありません。

時間の関係で事実上、子供の勉強は見てやれませんという方も多くなってきました。

ならば、集団塾と個別指導塾を掛け持ちし、

「わかる・理解する」から「実際に解けるように、しかも速く解けるレベルまで上げる」

までもっていってくれる塾や先生を選定して、お任せするのも1つの方法です。

親が理解すべきなのは、1年間成績がまったく上がらなかった状態で、長時間塾に通うということがいかに大変でおもしろくなく、苦痛なことかを知ることです。

これは落ちこぼれたことがない人には理解できないでしょうが、狂いますよ、マジで。

それは知らず知らずのうちに、塾に行くたびに「お前はダメだ!」と言い続けるのと同じくらいの状況になっている可能性もあるということなのです。

イイ素材の人間でも、「お前はダメだ!」と言われ続けたら、本当にダメになってしまうし、ダメな気分になるんです。

文中で

一体だれのために受験をし、何のために受験をしているのか?

が問われていると書きました。

一流校に入って、意識の高いよきライバルに囲まれて生活していってほしいと願うのはいい。目指してもいい。

しかし、そこに入る過程で「ダメだダメだ」と言われなくても、言われているに等しい環境に身を置くのはおススメできません。

それくらいなら、小学校時代は基礎の勉強だけをしっかりやっておいて、塾に縛られずに、大いに友達と遊び、いろんな体験をして、高校受験に向かったほうが健全です。

受験それ自体に弊害があるのではなく、その過程において、成績が努力しても努力してもまったく上がらないという状況に長く身を置くことによる弊害が出た時、「受験に弊害がある」と言われます。

受験生活において、切磋琢磨し、努力し、学校以外のよき友達関係を築き、励まし、励まされ、目標を目指して頑張ることを経験することはスポーツや他の習い事と同様にできるのです。

あなたは子供に「お前はダメだ!」という烙印を押す環境をお金をかけて設定していませんか?ということです。

塾でも新しい学期が始まっています。

今こそ考えるには絶好の機会!

バカチン先生に出会うのは、それはもちろん不運で不幸なことですが、わが子の環境や今の状況を考えさせてくれるキッカケにはなる!

だからときには事件が起こらないといけないと私は思っています。

事件はわが身を、わが子を振り返る大チャンスなのですから!!

このチャンスを逃さないで下さいね!

「親技」って何?

子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。

頑張りそのままで、成績を上げたい方はこちら