「弊害はあります。」

ここで言うのは、もともと持っている学力の成長を妨げるという意味での弊害です。

その原因は親の準備不足にあります。

塾で習った内容を習得するのには授業と同じ時間が必要です。

ゆえに、塾に通う時点で家庭学習の時間を同じ時間確保する必要があります。

ということは小学校の低学年のときから、学校から帰ったら「遊びだけ」の習慣をつけないことが必要なのです

「塾と習い事で時間にゆとりが無くなった!」というのはそこが出来ていなかったということになります。

「親技」って何?

子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。

頑張りそのままで、成績を上げたい方はこちら

さて、ここからはもう少し詳しく「塾と習い事で時間にゆとりが無くなった!このような生活を続けさせて弊害はないのでしょうか?」というテーマで話を進めていきますね。

小5女子の親です。

中学受験を本人が望んでいて、この春から塾通いを始めました。

が、バレエを習っており週三回のレッスンと週三の塾との掛け持ちは想像以上にハードな生活でこのままでは挫折の道をたどる恐れもあるのではと心配です。

もともと毎日遊び回っていた子なのでほとんど遊べなくなったストレスと思うように成績も上がらない(当然勉強時間が足りない)ストレスで家族にあたってきたりなんだか表情のさえない娘を見ていると、つい親の方も弱気になってきて公立でいいのでは?と本人に言ってしまいそうになります。

今のところ本人からの弱音はまだ出ていませんが、遊びざかりの小学生にこのような生活を続けさせて弊害はないのでしょうか?

それでも本人がやる!というならば親としては親技なるものを学び、一緒に頑張っていきたいと考えています。

そろそろ塾には志望校をあげないといけませんし、しっかりと方向を定めていかなければならないと思いますので・・・

よきアドバイスをお願いします。

現在、週3回の塾通い。しかも、週3回はバレエのレッスン。

このスケジュールは、きたろうさんのお子さんにとって予想以上にハードだったようです。

しかも、思うように成績も上がらない・・・

お母さんから見ても子供がストレスを感じているようです。

まあ、中学受験における負荷はどんな子供にとっても負荷ですから、どの子供もいくばくかのストレスは感じていると思います。

そのストレスがあったとしても、勝ち取りたいものがある!という連中が中学受験に挑んでくるというわけです。

ただ「ストレス」と一言でいっても、どれくらいの負荷でストレスとなるかは子供によってみんな違います。

30分勉強してストレスを感じる子供いれば、7時間くらいの勉強でストレスを感じる子供もいます。

ゆえに子供をしっかり観察して、ともに伴走していくことが中学受験に求められるわけですね。

さて、では、今回の場合はどうでしょうか?

心配しておられる「子供に弊害がないのか?」について。

率直な意見を申し上げますと、非常に危険な状態だと思います。

ちなみにここで言う「弊害」とは、人格的にどう影響があるかではなく、

もともと持っている学力の成長を妨げる

という意味での弊害です。

そう考えると、中学受験に限らず勉強を頑張ってる子供たちの中で、「弊害がある」子って意外に多いです(>_<)

本人ではどうすることもできない場合が多いので、やはり親が救いの手を差し伸べてあげてほしいものです。

では、今回の場合、そもそも、スケジュールの立て方に問題があるのか?

この点については、先に少し書きましたが、勘違いしないように注意くださいね。

あくまでも、相談者のお子さんにとっては

「厳しいスケジュール」

になっているわけです。

というのも、中学受験を目指し勉強している子で週6回塾に通っている子なんてたくさんいますからね。

その上で、土日は朝から晩までとか。

その中で、成績をどんどん上げてる子だっているわけです。

その子たちに、もちろん弊害の心配はありません。

ノリノリでガンガンがんばってますから。

では、子供自身の能力的な問題か?

ここではお子さんの能力がどれほどかはわかりません。

でも、少し厳しい言い方をすれば「親の問題」だと思います。

もっといえば、今問題になっているのは、

親の準備不足

です。

いつも言ってますが、塾での勉強は、塾に行けばそれで終わりではないんです!

塾から帰ってからが勝負みたいなもの(^_^)

時間でいえば、塾で習った内容を習得するのに授業と同じ時間は必要といつも言っています。

3時間習ってくれば、3時間の家庭学習が必要になる。

成績がイイ子になればなるほど、授業の復習は少なくてもイイ傾向にあるけれど、また、個人差は当然あるにしても、これが基本ラインです。

授業時間の3倍以上の時間を家で頑張ってる子だってたくさんいます。

だから、週3回塾に通う時点で家庭学習の時間を同じ時間確保する必要があったわけです。

遊んでた時間がそのまま勉強時間になるのも無理があります。

子供からしてみれば、納得できないですよ!

それはたとえ本人が希望して中学受験に向けた勉強を始めたとしても、納得できないんですな。

おいおい、遊びなしなの!?って(◎_◎)

子供は、なーーにも見えていないですから、キツイことのほうは。

だから、もし、5年になって塾に通いはじめるなら、4年いや小学校の低学年のときから、学校から帰ったら「遊びだけ」の習慣をつけないことなのです。

「遊び」をまったくゼロにする必要はありませんが、遊ぶ前に宿題を済ませておくといった習慣をつけておく。

あるいは、決めた時間には家に帰って学校以外の勉強をする習慣をつけておくなど。

それが塾がはじまった瞬間、最高のスタートがきれるように準備を進めておく。

これが、親の役目です。

来月から「勉強」が始まるから、「今月」までは遊んでおこう!という考えでは、少々の勉強ならいざ知らず、中学受験の準備としては、いささか足りないというわけです。

入れるところでいいよ!というオプションがついているのであれば、また別ですけどね。

「もともと毎日遊び回っていた子」にとっては今の生活はギャップがあり過ぎだったということでしょう。

1日10時間勉強する子だって、急に10時間するわけではないですから。

徐々に増えて「気付いたら10時間やってたよ!」ってな具合(^_^)

今後のことを考えるためにも、何をすべきだったのか、つまり、なにが足りていなかったのかを今一度考えてみることです。

そうすることでこれから補えばいいものがハッキリしてきますから。

クヨクヨしてる場合じゃありませんよ!

今からどうするか?ですよ。

終わったことは後悔しない! これが親技の鉄則です!

さて、考える材料としては、以下の3つがあると思います。

  • (1)受験をやめる
  • (2)志望校を無理のない学校にする
  • (3)バレエを減らす・やめる

(1)の「受験をやめる」を選択する方は、意外と少ないようです。

お子さんがどういう経緯で、中学受験を言い出したのかわかりませんし、それを受けて親がどういう話をして、どういう対応したのかがわかりませんのが、思いがあって中学受験することを決めたのでしょう?

もうどれだけ勉強をしていかないといけないのかは、実際に塾に行ってわかったわけです。

その上で、お子さんが何と言うか。

中学受験を始めるにあたって、お子さんと大変さやいくつかの約束を決めたでしょうから、そのあたりも、今回を機に再度整理して話し合ったらいいですね。

いつも言いますが、「絶対受験する」「頑張るから」と言っていた子供でも、いざ勉強するとなると、グズグズは言うものです。

問題は、グズグズ言うことではなく、やるつもりなのか、やらないつもりなのか、中学受験に対するスタンスの部分です。

グズグズ言いながらも勉強はして成績がイイなんて子はゴロゴロいるわけですからね。

でも、最後の策としてですけど、子供に弊害があるようなら受験をやめるのも1つの手です。

その辺は今の生活を実感しているお子さんが一番明確な意思を持っているような気がしますけど。

受験をやめるのはいつでもできますから、まずは、話し合って、いろいろと取り組んでみるべきですし、受験を辞めた後のことを考えてもいろいろトライすることはのちにプラスになりますから。

(2)の「志望校を無理のない学校にする」は一度考えてみるべき策だと思います。

今回のメールには「しっかりと方向を定めていかなければならない」と書いていますので、もしかしたら方向性をはっきりと定めないうちに塾に通い始めたのかもしれません。

どんな中学があって、そこにはどれくらいの力が必要かどうか。

今の生活と成績をものさしにして、これらをしっかり調べ、考えてみることです。

「成績が上がらない」というのがどのレベルなのか、わかりかねますが、志望校によっては、今よりも少し良くなれば良いとなるかもしれません。

これは最初の(1)にもつながりますが、今の勉強で大丈夫となれば頑張らなくなります。

が、今のレベルとかけ離れた高い学校を目指すとすれば、受験をやめるという結論に直行することにもなりかねません。

親のほうが中学受験をやめてもいいよとハナから思っているのであれば別ですが・・・

「お子さんといろいろ話し合って結論を出す」のを望むのであれば、ストレートに話したらイイ。

しかし、親技を駆使するものはたいてい「子供の気持ちは尊重する」が、「逃げない方向」で現状に立ち向かっていってほしいと思っているものです。

それはすなわち、子供にどういう結論を出してほしいのかの方向性があるということ。

そのために、あれこれ情報収集もし、うまい話だけでなく、しんどい話もし、その上でなおかつ「現状に立ち向かう」現状を打破する道を選ばせる。

これは親の意志を無理強いするということではないです。

言葉で書くとニュアンスが難しいのですが・・・

もし「親技」を駆使したいと思うのであれば、まず親自身が親としての「しっかりと方向を定めていかなければならない」わけです。

そうしておいて、子供の外堀や内堀を埋めていく作業をする。

志望校もしかりです。

受験はしてほしい。しかも今よりは成績は上げて、中学に行ってほしいということになれば、志望校をどうするのかもおのずと狭めて考えられるはずです。

子供に

「どうするの志望校? 行くとこないよ!」

こういう言い方、聞き方をするのは親技ではないんですね。

これは親技ではなくて「丸投げ」ですから。

子供は「どれだけ勉強しないといけないのか」想像できないときは頑張れないものです。

もうちょっと頑張れば届きそう!

このぐらいがちょうど良いですから(^_^)

そういう観点から「親の方向性」をまず考えた上で、お子さんと話をするのがいいでしょう。

もちろん、いったんは決めた志望校も、成績が上がったら上がったで変えるのもアリですし。

それはイイ形での軌道修正ですから!

最後に(3)「バレエを減らす・やめる」について。

これが一番注意が必要です。

頭の中に叩きこんでおいてほしいのは、

時間を確保すれば、成績は上がるのでしょうか?

この点です。

習い事を辞めたにもかかわらず、成績には変化なしといった子は多いです。

子供にとっては、勉強時間は増えたのに成績は変わらない・・・

好きなバレエもやめたのに・・・・

これってホント、自信喪失です(>_<)

時間が増えたのに、成績が上がらない理由は、「勉強時間」ではなく、「勉強のやり方」に問題があるということ。

勉強時間が少なくても、勉強のやり方さえ間違ってなければ、

勉強をやった分だけは、ちゃんと成果がでる

わけです。

そういう意味で、バレエは、まず今の勉強時間で成績がなんとか上がらないものか、親がそばについて、まず努力してみることでしょう。

たとえ勉強時間が少なくても、やった問題やこなした勉強の成果がテストでは出ているか?

この点を親が家庭学習とテストを照らし合わせて点検することが求められます。

時間を増やせば、やれることが増えて、成績も上がる!

そう思えたときにこそ、勉強時間は増やさないと、

時間を増やして、やることも増えて、成績も変わらない!

では、中学受験の前に、子供がひねくれてしまいますからね。

そうした観点から、上記(1)~(3)の検討の上、選択をすべきであるとストロングは考えます!

頑張ってください!

「親技」って何?

子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。

頑張りそのままで、成績を上げたい方はこちら